「ハァ、ハァ…ク、クソ…!」
「あ、あれ?ここどこだ?確か俺、殺されたんじゃ…ってあぁ!何でコイツ、倒れてんだ!?」
解放されたライダーの一人、まるで西洋の騎士甲冑の兜の様な仮面を付けた赤い龍の意匠を施されたライダー…龍騎は目の前の状況に困惑する。
つい先ほどまでこの目の前の見た事のないライダーに圧倒的に倒されていた筈なのだが、今その存在は何故か息を荒くして倒れていたのだ。
「ハァ…ウルセェぞ、城戸(きど)。また殺されてぇのか?」
「って何いきなり物騒な事言ってんだよ巧(たくみ)!?…ってアレ?何で俺、こいつの名前知ってんだ?」
すぐ横に居た顔の面積のほとんどを占める大きな円を真ん中から黒い細長い角で二つに割った様な黄色い…何処となくギリシャ文字のΦを彷彿とさせる複眼を付け、赤いラインが四肢に伸びた黒いボディに、銀色の装甲を纏ったライダー…ファイズが先ほどから横で騒ぐ龍騎を毒舌で宥めた。それによって余計に騒がれてしまったが……。
基点となるライダー達は全員情報を共有していた。
それはディケイドライバーにデータ化されていた間、互いの存在が非常に不安定になり、一時的に混ざり合ってしまった為だ。
例えるなら複数の絵の具を混ぜ、その後にその混ぜた分量だけ分けた状態と言えば良いのだろうか。
「フッ…成程な。如何やらお前達もライダーの様だな。それも、別世界の……」
そう自信過剰な印象を受ける口調で、メタルレッドのボディにカブトムシを模したマスクと青い複眼のライダー…カブトが納得した様子で呟いた。
「へぇ~別の世界の鬼かぁ~。でもそっちじゃあライダーって言うんだな。よし!じゃあこれからは俺もライダーって事で!ヨロシク!!」
「シュッ!」と右手でピースと敬礼を合わせたような独特のポーズを付け加えながら、紫色でノッペリとした顔の鬼改めライダー…響鬼がこの場に居る全員に今の状況など気にした様子もなくマイペースな調子で挨拶をした。
「あ、はい!こちらこそよろしくお願いしますヒビキさん!」
「あの、そんな事をしてる暇はないと思うんですけど……」
「……全くだ」
それに律儀に答えたのは、金色の身体に赤い複眼を持つ竜を彷彿とさせるライダー…アギトだった。
しかしアギトの二つ隣に居る真紅の身体に黄色く鋭い複眼の蝙蝠を模したライダー…キバがそのやり取りに冷静にツッコミを入れ、それに金色の鈍重そうな鎧を纏い、これまた重量のありそうな大剣を肩に担いだ、コーカサスオオカブトを彷彿とさせる大きな角を三本携えたライダー…ブレイド・キングフォームが静かに同意した。
「へっ!確かにそうだな。こっからが俺たちの本当のクライマックスだ!全員、行くぜ行くぜ行くぜえぇぇぇぇ!!」
そう雄叫びを上げながら、まるで赤い桃を真ん中で二つに割った様な複眼に電車の線路の様な形のクラッシャーと赤いシャープな鎧を身に着け軽量の片手剣を持ったライダー…電王が啖呵(たんか)を切り、それに続く様に他のライダー達もディケイドに特攻を始めた。
だが……。
「待って!皆!!」
それを止めたライダーがいた。
赤く燃えるような体と複眼を持った、クワガタの様な印象を持つライダー…クウガだ。
「うわっとっとっととと…何だよいきなり!?これからが良い所だってのによぉ!!」
いきなりの待ったの声に思わず先頭を切って走っていた電王が前のめりになりながらも、何とか態勢を立て直してクウガに異議を申し立てた。
それに対しクウガは真剣な面持ちでこの場に居るライダー達に言い放った。
「皆は下がってて…俺一人でやる……」
「ハァ!?何言ってんだテメェ!!オイシイ所を横取りする気かぁ!?」
「いや、待て野上(のがみ)…いや、赤鬼か……」
「誰が赤鬼だ一つ目ぇ!!」
「一つ目じゃねぇっつうの!良く見ろ!ちゃんと分かれてっだろ!……とにかくだ、ここはあの人に任せようぜ」
電王はクウガの申し立てに激昂するが、それをファイズが止めた。途中、変な漫才が入ったが……。
とにかく、ファイズには分かるのだ。あの人が、これからどんな気持ちで戦おうとしているのか……。
「…あ!ひょっとして五代(ごだい)さん、まさか!?」
龍騎もどうやら勘付いた様だが、電王には理由が全く分からず、どんどんイライラを募らせて行った。
「だあぁぁぁお前らぁ!!ちゃんと俺にも分かるように説明しろおぉぉぉぉ!!」
「分からないのか?あいつはこれから一人で罪を背負おうとしているんだ。それも、俺達の為に……」
そう電王に説明したのはカブトだった。
何故か右手を天に向けるポーズを取ってはいるが何か意味があるのだろうか?
「おばあちゃんは言っていた…戦うという事は、罪を重ねる事だと……」
「ハァ…?」
「成程、そういう事ですか……」
「ほぉ~中々良い事を言うね~、青年」
「ってお前等には分かるのかよ!?」
未だに意味をよく理解できない電王を余所に、アギトと響鬼が納得していた。
「フッ…当然だ。俺は天の道を往き、総てを司る男だからな。そして、俺のおばあちゃんの教えに匹敵するものは存在しない」
「お前も調子に乗んなあぁぁぁ!!あとお前のばあちゃんって一体何モンだあぁぁぁぁ!!?」
自画自賛するカブトとそれに吼える電王。このままだと収拾が着かないと思ったのか、キバが提案を持ちだした。
「あの…!それでしたらこうしたらどうですか?ここは五代さんに任せて、もしそれで駄目だったら僕たちが参戦するという事で……」
その提案に電王はしばらく呻りながら考え込んでいたが、それに了承したのか舌打ちを打つと、その場から距離を取った。
「たくっ、分かったよ。しばらくは様子見しといてやる」
「モモちゃん…ありがとう!」
「モモちゃんって言うな!気色ワリィ!!」
この場を預けてくれた電王に感謝するクウガだったが、呼び方が気に入らなかったのかまた激昂されてしまった。
一体何がいけなかったのだろうか…可愛いのに……。
そんな事を考えている内に他のライダーたちもこの場から離れて行く。そんな中、ブレイドがクウガに近づいて来てその赤い複眼でクウガを睨みながら言い放った。
「もし俺が少しでもアンタが劣勢と見做(みな)したら、すぐに俺も加わるからな…いいな?」
「うん。それだけでも十分だよ」
ブレイドの恐喝に近いドスの利いた言葉に全く臆することなく、クウガはブレイドにサムズアップしながら答えると、ブレイドは「フン」と鼻を鳴らして他のライダー達がいる場所へと歩いて行った。
それを見送ったクウガは目の前の脅威を見つめた。
目の前の脅威は人間だ。しかしそれでも自分の世界にいた未確認生命体や自分と同じ様な力を持っている。人を傷つける力を……。
そして、ここにいる人達の殆どは人を傷つけた事のない者ばかりだ。
中には自分と同じように戦う事を罪と分かって背負い続ける者や、戦い続けなければ生き残れないような過酷な世界で、戦いを止めるために戦うという矛盾に気付いてても尚戦い続ける者もいる。
そんな彼らに人を殺す罪を背負わせたくなかったのだ。そのためなら、自分を犠牲にしたっていい。皆の笑顔を、守るためなら……。
「茶番は終わりか?だったら、さっさと始めるぞ。もう一度お前らを破壊してやる」
目の前の脅威…ディケイドも手を軽く二回はたきながら、既に態勢を立て直し、もう一度自分たちを壊そうとしていた。
壊してたまるか…!皆の笑顔を…壊して…!!
クウガは身構えると、その腹部にあるベルト…アークルに着いている赤く輝く石に力を込め黒く変色させた。
「超変身!!」
そう叫ぶと同時にクウガの身体に変化が訪れた。
全身に黒炎と紫電を纏わせ、徐々にその身体を黒く変色させるとやがて全ての変化を終えた。
彼の身体は漆黒に染まって二股に分かれた金色の角は四本になり、所々に金色の線が隆起した筋肉をなぞりながら走っている。
これこそがクウガの最強の姿であり、究極の闇を齎(もたら)す姿…クウガ・アルティメットフォームである。
しかし、今のクウガは決して闇を齎す事はない。何故ならその瞳が闇に染まらず、未だに赤く輝いているからである。それは、人を…皆の笑顔を守りたいという意思の残った証……。
突然の変異に周囲にどよめきが走る。情報としては知っていたが、まさかここまで圧倒的な気迫を持っているとは思わなかったのだ。
「おい、何だその姿は……?前に戦った時はそんな姿、見た事ないぞ」
その変化には流石のディケイドも驚いていた。
あの時クウガは戦うことに躊躇してしまった為、一度もこの姿になっていなかったのだ。
「あの時はこの力を使う事に戸惑ったけど、もう覚悟は決めた!うおおぉぉぉぉぉぉ!!」
そう言い放つと同時にディケイドに雄叫びを上げながら立ち向かって行った。
皆の笑顔を、守る為に……。
「何だよ…これ……」
龍騎は誰にでも無く呟いた。今、目の前で繰り広げられる攻防…いや、力と力のぶつかり合いに息を飲んでいた。
「うわあぁぁぁぁ!!」
「ぐあ!クソ!調子に乗るな!!」
クウガが泣き叫びながらディケイドを殴り飛ばし、ディケイドはそれに反撃するように殴り返す。
最早そこには善も悪も関係ない。ただの殴り合いという名の、殺し合いだった。
「…ク」
キバは見るに堪えなかったのかつい下を向いて目を逸らしてしまうが、響鬼がキバの肩をポンと叩き、諭す様に言った。
「目を背けちゃ駄目だよ。少年」
「ヒビキさん……」
「良く見ておけ、アレがこれから俺たちがしようとした『罪』の姿だ」
響鬼の言葉に続いて、カブトが諭す様にキバに言い放つ。
「五代さん……」
「やめてくれ!やめてくれよ五代さん!!ライダー同士で戦うなんて間違ってる!アンタだって分かってんだろ!?罪を背負うんだったら俺も一緒に……」
「よせ城戸!これはあの人が決めた事だ!!ここでお前が割って入れば、あの人の想いを踏みにじる事になるぞ!!」
アギトが拳を握りしめながら辛そうに声を漏らしている横では、龍騎がクウガに訴えかけている。
それを止める様に、今にも駆け出しそうな龍騎の肩をファイズが掴んでいた。
「でも巧!あのままだと、五代さんが…!」
「それでも、あの人は俺達の為にやってるんだ!今の俺達には…見守る事しかできねぇんだよ!!」
「“俺達の為”…か。まるで、あの時の俺みたいだな……」
龍騎はファイズに異論を唱えようとしたが、ファイズに却下されてしまった。
そしてブレイドは、今のクウガの姿に慨視感(がいしかん)を覚えていた。
ブレイド…剣崎一真(けんざきかずま)はアンデッド、つまり世界の脅威そのものだ。
しかし、元からアンデッドだったわけではない。自らアンデッドにならなければならなかったのだ。
剣崎には一人の友人がいた。しかし、その友人はアンデッドだったのだ。それも唯のアンデッドではない。
最後の一体になった時、世界を強制的にリセットしてしまう特別なアンデッド…「ジョーカー」だったのだ。
剣崎の世界では最終的に「ジョーカー」である剣崎の友人…相川始(あいかわはじめ)が残ってしまい、世界が滅びようとしていた。
世界の崩壊を止める方法はだた一つ…「ジョーカー」である相川を封印する事だった。
しかし、やはり剣崎には出来なかった。彼にも守るものがあり、人との共存を望んでいた彼を封印する事が……。
しかし、封印しなければ世界が崩壊してしまう…一体どうすれば…!
そんな時にある事を思い付いたのだ。自分をアンデッドに変えて二体のアンデッドがいる状況にすれば、世界はリセットされずに済むと……。
今、剣崎が変身しているブレイド・キングフォームは自分の世界に於いてもかなり特殊だ。
通常のブレイドに変身するのなら何も問題はないのだが、キングフォームの場合は「スペードスート」と呼ばれる種類の13体のアンデッドと融合する事で初めて変身できる。
しかし、その代償も大きい。何度も変身し続ければ、そのアンデッドたちと徐々に混ざり合ってしまい、最終的にアンデッドになってしまうのだ。
剣崎はこの特性を逆に利用したのだ。
そして遂にアンデッドになってしまったが、そのおかげで世界と一人の友人を救う事が出来たのだ。
今こうして常にキングフォームに変身できるのはその為だ。
その後はアンデッドになってしまった事で抑える事の出来ない闘争本能によって人々を傷付けない様にする為、剣崎は…人々の前から姿を消した……。
しかしそれから5年後、突如別の世界の脅威が攻めて来たのだ。
それに抵抗する暇もなく、今目の前で死闘を繰り広げる一人である破壊者…ディケイドによってすべて壊されてしまった。世界も、仲間も、そして自分が救おうとした相川までもが……。
だからこそ剣崎には許せなかった。自分の守って来たものを、何もかも破壊したディケイドが……。
アンデッドとなってしまった事でその狂暴性が増した今の自分を差し引いても、自分の手でヤツを……ディケイドを壊してやりたかった。
(だが、今はまだあの人に任せておいてやる……。あの人には悪いが勝ってくれよ…お前は俺の手で殺してやる……)
ブレイドは憎悪を込めてクウガと戦っている悪魔(ディケイド)を見つめた。
その間にも戦いは熾烈を極めていた。
ディケイドの上段蹴りをまるで岩石の様に硬くなった右腕で受け止めると、カウンターの蹴りで吹き飛ばした。その時も泣きながら……。
クウガ…五代雄介は本当は戦うのが好きではなかった。それでも戦うしかなかったのだ。誰かの笑顔を守るために……。
昔、クウガの力を得て間もない頃、一人の少女が泣いているところを見た。
その少女は両親をその世界の脅威である未確認生命体…グロンギに殺されてしまったのだ。それも、単なるゲームの余興として……。
そんな理由で彼女の両親の命を奪い、彼女の笑顔さえも消し去ってしまったグロンギが許せなかった。
だが、それでも五代にはグロンギ達と戦う事に戸惑いがあった。グロンギは古代の原住民…つまり人なのだ。その人とはかけ離れた姿形を前にしても、五代はやはりそれを人として見ていたのだ。
やはりどんなに悪に染まった人間でも、殺すことに戸惑いがあったのだ。
しかしそれでも戦い続けた。その哀しむ顔を「仮面」に隠しながら……。
「グ…だったら、これならどうだ!」
[アタックライド…インビジブル!]
ディケイドがカードの効果を発動させると、その身体は虹色の光学迷彩の様なノイズに包まれ、姿を消した。
「アタックライド・インビジブル」のカードは使用者を視認できない様にするカードだ。そのカードの効果によってクウガは相手を見失ってしまい、周りを見渡し始めた。
(占めたっ、そこだ!)
ディケイドはライドブッカーに収納された刃を展開させてソードモードにすると、クウガの死角になっている背後から斬りかかった…だが……。
「はあぁっ!!」
「うぐあぁぁ!?な、何ぃ!?」
クウガは即座に振り替えると見えない筈のディケイドを的確に殴り飛ばしたのだ。
クウガ・アルティメットフォームはその名の通りクウガの究極形態だ。
純粋な肉弾戦に特化した赤のクウガ・マイティフォームから始まり、跳躍力に特化した青のドラゴンフォーム、五感を特化させた緑のペガサスフォーム、攻撃力と防御力に特化した紫のタイタンフォーム…それら全ての長所を兼ね揃えているのだ。
今ディケイドを的確に捉える事が出来たのも、ペガサスフォームの特性である「五感強化」によるものだ。例え視認できなくても視覚以外の感覚で位置を正確に把握する事が出来たのだ。
「うぅ…く、ひっく…うあぁぁ!」
「クソ!戦いたいのか戦いたくないのかハッキリしやがれ!」
[アタックライド…イリュージョン!]
クウガは嗚咽(おえつ)を漏らしながらディケイドに歩み寄ると再び殴る。
それを何とか受け流したディケイドは距離を取ると「アタックライド・イリュージョン」のカードを使った。
電子音声が鳴り響くと共に、ディケイドの身体から二つのマゼンタカラーのノイズの塊が飛び出し、ディケイドの分身体を形成した。
その3体のディケイドはそれぞれパンチ、キック、ライドブッカーソードモードで三方向から攻撃を仕掛けたが……
『ハァ!』
「ぬぅ!」
『何!?』
3体のディケイドは声を重ねながらその攻撃を見事に直撃させたのだが、クウガはそれを耐えきった。
「ううぅぅぅ…ああぁぁぁぁぁ!!」
『グアアァァァァ!!』
クウガが力を込める様に僅かに屈むと、アークルから生成されるエネルギーが体内に溜まっていき、それを吐き出すように雄叫びを上げると身体から黒い爆炎が噴き出した。
それに至近距離から直撃してしまった3体のディケイドは吹き飛ばされ、分身体は一定以上のダメージを受けてしまった為、マゼンタカラーのノイズに包まれると消えてしまい、再び一体のみとなってしまった。
「……もう面倒だ。コイツで決めてやる」
そう言いながら取り出したのは…ファイナルアタックライドのカード。
これで決めるつもりなのだろう。
「はあぁぁぁ……」
クウガもそれに応える様に右拳に黒いエネルギーの塊を溜め始めた。
[ファイナルアタックライド…ディディディディケイド!]
カードの効果を発動させると、ディケイドも同じく右拳にマゼンタカラーのエネルギー…シックスエレメントを纏わせる。
「……これで決まるな」
「おいクワガタァ!ここまで来たら負けんじゃねぇぞ!!」
クウガとディケイドから観戦していたカブトが呟き、電王も最初の事などそっち除けでクウガを応援し始めた。
「はあぁぁ!!」
「フンッ!!」
そして二人のライダーの拳と拳がぶつかり合った。
その際の二つのエネルギーの衝突で周囲を衝撃波が包み込んだ。
「うわっ!?」
「うおおぉう!?」
キバと電王がその衝撃波に思わず驚くが、その衝撃波の中心では両者譲らずに鬩(せめ)ぎ合っていた。
「ハアァァァ…!」
「う、うぐぐ…!」
「な!?」
しかしそこで変化が訪れた。クウガの赤く輝いていた目が徐々に黒ずんできたのだ。それと共にどんどんディケイドを押し込んでいく。
本来今のクウガの姿…究極の闇は全てを無に還す存在。そしてその目も本来は赤ではなく黒。これまでクウガの目が赤かったのは、クウガ…五代雄介の闇に染まりきらなかった心の現れだったのだ。
それが今、完全に闇に染まろうとしていた…だが……。
「う、うおおぉぉぉああぁぁぁぁぁ!!」
「グ、グアァァァァァ!!」
黒くなろうとした目が一瞬で赤に戻るとその瞬間、一際大きな爆発が起きた。
「ご、五代さん!?」
そうアギトが叫ぶが、返事が帰って来る事はなく、その爆心地には変身が解けて気を失っているディケイド…門矢士しかいなかった。
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これは2年前、須藤歩がディージェントになるより更に前の2年前に起きた、「最初のライダー大戦」のほんの序章の物語である。