No.394187

幹・部・撃・破

十河さん

今回で昴編は一旦終了します。

そして難産でした・・。

長くなった・・。

2012-03-19 00:06:18 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1814   閲覧ユーザー数:1773

川神学園・放課後(IS学園サイドは臨海学校一週間前・この間に唯は別世界に跳ばされた)

 

この日昴は日直のため、教室で片付けを行っていた。

 

「さて、こんなものかな。」

 

片付けを終え、教科書をカバンに入れていると副担の園田が昴に声をかける。

 

「松永さん、取ってきてほしい資料があるんだけどいいかしら?」

「あ、園ちゃん。うん、時間は大丈夫だからいいよ。」

 

昴は園田とともに資料を取りに資料室へ向かう。

昴は気づいていなかった。

園田の口元が歪んだ事に・・。

 

資料室

 

早速資料を探す昴。

園田はこっそりと姿を消していた。

 

「園ちゃ~ん、言ってた資料が無いよ~。・・あれ?」

 

昴は園田を呼ぶが返事がない。

 

「ふふふ・・。」

「!?サソリ!なんでここに!?」

 

代わりにスコーピオンが現れた。

 

「死ねぇ!」

「うっ!?」

 

しっぽを上げ、先端を昴に刺す。

昴はゆっくりと倒れる。

 

「あ・・。くうう・・。」

「ふふ、私の毒はお前の身体を蝕む。いつまで耐えられるかな?」

 

そう言い残してスコーピオンは姿を消す。

 

「う、動けないや・・。取り敢えず・・ガクトを呼ぼう・・。」

 

昴は力を振り絞りガクトに連絡、ラビットハッチへ運んでもらう。

 

ラビットハッチ

 

卓也から連絡をもらい、一子は慌ててラビットハッチへやって来た。

一子が見たのはいつも元気はつらつの昴ではなく、力なく横たわる昴の姿だった。

 

「はぁ、はぁ・・。」

「スバル・・。」

 

毒を解析するために、翔一がバガミールで撮影を行っていた。

 

「一体何があったの!?」

「大丈夫だよ、ワン子ちゃん・・。」

「スコーピオンに襲われたらしい。」

「えっ!?あっとスバル、これ・・。」

 

一子が渡してきたのは男子生徒の彼女が取った写真。

昴はそれを受け取り、大和は解析が終わる。

 

「解析の結果、この毒はコズミックエナジーを利用した毒だ。」

「じゃあ、治せないの!?」

 

京の悲痛の声に大和は24番・メディカルを取り出す。

 

「方法はこのメディカルスイッチを使うことだが・・。」

「そっか、アストロスイッチはフォーゼに変身しないと使えない・・。」

 

そう、モジュールを使うにはフォーゼに変身しなければならない。

モジュールの力のみを発揮して昴に与えるにはどうすればいいのか・・。

 

「大和さん、すいません!お叱りは後で受けます!」

「まゆっち!?何をする気だ!?」

 

由紀江は大和を押し退けて凄い勢いでカバンのパネルを操作。

 

「フォーゼに変身しないで部分的に力を解放出来ればいいのでしたらこの方法がいいと思います。」

 

パネルにはツールを使ってドライバーにセットされたメディカルの力だけ解放して昴に与えるというものだった。

 

「なるほど、これならフォーゼに変身しなくても力だけを与える事が出来る!」

「すげぇぜまゆっち!」

「ですが、これは命をかけることになる手段でもあります。」

 

由紀江の言葉に大和は動じない。

すでに大和は覚悟ができていたから!

 

「あいつに比べたらどうということはない。スバル風に言えば・・上等だ!」

 

大和は勢いよく振り向くがそこにいたのは横になっている昴ではなく・・。

 

「ピィ?」

 

チョコン

 

翔一が作ったフードロイド・フラシェキーだった。

 

「あれー!?いない!」

「スバル!?どこに行った!?」

 

その昴は毒に蝕まれた体で川神学園に戻り、ある生徒を探していた。

 

「はぁ、はぁ。どこにいるの・・?苦しいけど・・早く探さないと・・。」

 

ガクトに運ばれていたときにスイッチを求めてさまよう生徒を見たのだ。

フォーゼの始まりであるオリオンゾディアーツに変身した生徒を。

 

「そっか、ありがとう。」

 

卓也はその生徒が屋上にいることを突き止める。

そこへフラフラの昴が卓也に詰め寄る。

 

「はぁ、はぁ・・。モロくん、彼が行きそうな場所、教えて・・?」

「スバル!?」

 

屋上

 

「スイッチ・・。」

 

スコーピオンが現れるのを待っている生徒がいた。

その姿はまるで麻薬中毒者のようだ。

 

バン!

 

「ダメ・・。飲み込まれたら・・。」

 

卓也の肩を借りて息が絶え絶えの昴が現れた。

 

「松永!?お前・・!」

「あはは・・♪大丈夫だよ・・♪ちょっとサソリに・・刺されただけだから・・♪」

 

苦しいはずなのに笑顔を見せる昴。

男子生徒に写真を見せる。

 

「これ・・君の彼女さんから・・預かった写真・・。」

「え・・?」

 

昴は男子生徒に写真を渡す。

男子生徒はその写真を見る。

そこにはボールを磨いている男子生徒が写っていた。

それを見て男子生徒は涙を流す。

 

「そうだ、あの時はレギュラーになりたくてひたすら雑用を頑張ったっけ・・。」

「・・うっ!?」

 

卓也の背後からスコーピオンのしっぽが刺さる。

 

「モロくん・・!しっかり・・して・・!」

「邪魔者は排除しなくてはな。これが王から頂いた力・・!超新星!」

 

スコーピオンの体内から光の球が現れ、体内に吸収。

巨大化したスコーピオンノヴァへと変わる。

 

「「うわぁぁ!」」

 

しっぽで昴と卓也を落とす。

 

(パワーダイザー)

 

落下する二人をパワーダイザーがキャッチ。

ゆっくりと二人を地面に横たわらせる。

 

「ここは私に任せろ。」

 

スコーピオンノヴァとパワーダイザーのバトルが始まるがしっぽを巧みに使って攻撃するスコーピオンノヴァに圧倒される。

倒れた拍子にハッチが開いてしまう。

 

「あうっ!・・はっ!」

 

刺さる寸前に脱出するが脚にしっぽがかすってしまい毒が回り始める。

 

「・・川神流瞬間回復・・!くっ、毒までは回復できないか・・。」

 

百代の肉体のキズは塞がるが毒までは消せなかった。

毒が回り百代も動けなくなる。

 

「ふふ、これで邪魔者はなくなった。」

 

スコーピオンは元の大きさに戻り男子生徒を連れてその場を後にする。

 

「かはっ、い、行かないと・・。」

「スバル!」

 

そこへ機具をつけた大和が昴の身体を受け止める。

 

「お姉さま!」

「大丈夫ですか!?」

 

百代は一子と由紀江が身体を起こし・・。

 

「モロ!」

「しっかりしろ!」

 

卓也は翔一とガクトが身体を起こす。

 

「メディカルスイッチでお前を助ける・・!スバル、俺に掛けてくれるな・・?」

「もちろん・・だよ。大和に・・かける・・。」

 

昴と大和は友情の証を交わし、ドライバーにメディカルスイッチをセット。

 

(メディカル)

 

「行くぞ・・!」

「うん・・。」

 

大和は覚悟を決めて左のトランスイッチをオン。

続けてメディカルスイッチをオンにする。

 

(メディカル・オン)

 

バチバチ

 

エネルギーが大和の身体を駆け巡る。

 

「うああぁぁ!!」

「バ、バカ!大和、どうしてそんな無茶を!?」

「お前にだけは言われたくない・・!あいつのために身体を張ったお前だけには!」

「「うああぁぁ!!」」

 

離れた丘

 

男子生徒とスコーピオンが対峙していた。

スコーピオンはスイッチを差し出す。

 

「さぁ、星に願いを・・。」

「俺は・・ただ皆と笑いあって過ごしたい・・!だからこんなものはいらない!」

 

そう言って差し出したスイッチを払い除ける男子生徒。

 

「ぬぅ・・星の力を理解しない愚か者が!」

「愚か者は貴様だ!サソリ!」

 

回復した昴のダッシュキックがスコーピオンに炸裂。

昴は男子生徒の方に向き直る。

 

「よかった、君はあいつよりも強いよ♪」

「松永・・!」

 

昴と男子生徒は友情の証を交わす。

 

「貴様・・!どうやって私の毒から回復した・・!」

「お前にはわからないだろうね。友達は青春の特効薬。なんでも治すんだよ♪」

 

昴はドライバーを装着してトランスイッチをオンにする。

 

3・・2・・1・・

 

「変身!」

 

昴はフォーゼに変身。

 

「宇宙/><\キターー!\>д</」

 

いつものポーズを決め、叫びは太陽まで届いていた。

フォーゼはメディカルをオンにする。

 

(メディカル・オン)

 

左腕に救急セットが装着。

蓋を開けてアンプルを取り出し、由紀江に投げ渡す。

 

「まゆっち!これを百代さんとモロくんに!」

「うわわ。」

 

由紀江は慌てながらもアンプルをキャッチ。

 

「コズミックエナジーを凝縮した解毒剤だ。」

「わかりました!行ってきます!」

 

由紀江は百代と卓也の元へと急ぐ。

フォーゼはメディカルをオフにしてエレキを取り出す。

 

「これで行くよ!」

 

ロケットとエレキを入れ換えてオンにする。

 

(エレキ)

(エレキ・オン)

 

フォーゼはエレキステイツにステイツチェンジ。

ロッドのソケットを左に差す。

 

「今日こそきっちり、タイマン張らせてもらうよ!」

「行け!」

 

スコーピオンは分身体のダスタードを召喚。

フォーゼはロッドを振るって応戦。

 

「ふっ、はっ!数で来ても無駄だよ。百代さんやまゆっちから多人数での対応を学んだからね!」

 

フォーゼはソケットを右に差してスイッチをロッドにセット。

警報音が響く。

 

(リミットブレイク)

 

ロッドに電撃が纏われてフォーゼは動きを止める。

ダスタードは好機と見て一斉に襲いかかるがこれはフォーゼの策。

 

「百代さん直伝!ライダー百億ボルトバースト!」

 

ロッドを地面に突き刺して広範囲の電撃波を放つ必殺技・ライダー百億ボルトバーストが炸裂。

電撃波を受けたダスタードは全て砕け散る。

 

「ぬぅぅ・・!許さない・・!超新星!」

 

激昂したスコーピオンはスコーピオンノヴァへと姿を変える。

 

「知ってる?巨大化は敗北フラグっていうことを!」

 

フォーゼはエレキをオフにしてベースステイツに戻り、エレキとファイヤーを入れ換えてオンにする。

 

(ファイヤー)

(ファイヤー・オン)

 

フォーゼは炎に包まれ、ファイヤーステイツへとステイツチェンジ。

ブースターで空中を移動しながらヒーハックガンを放つ。

 

「ぐぅ、こしゃくな!」

「まだまだ!」

 

次にスコーピオンノヴァの足元を転がりながら火炎弾を放つ。

 

「これで決める!」

 

フォーゼはヒーハックガンにスイッチをセットしようとする。

 

「ナメるな!があぁ!」

「うわぁっ!?」

 

しっぽをくらってヒーハックガンを手放してしまい、さらに衝撃でスイッチがオフになりベースステイツに戻ってしまう。

大和はバガミールで撮影しながら解析を行っているとスコーピオンノヴァにエネルギーが溜まっていることに気づく。

 

「パワーが暴走している・・!小さいが恒星爆発のエネルギーと同じだ・・!スバル!このままじゃ街一個が吹っ飛ぶぞ!」

「え・・!?」

「消えてしまえ!フォーゼェ!」

 

スコーピオンノヴァはさらにエネルギーを蓄積。

 

「・・・!」

 

大和はパネルを操作。

フォーゼは立ち上がって叫ぶ。

 

「イヤだね!明日も学校に行くよ!皆と楽しく過ごすために!」

 

フォーゼの叫びに男子生徒は笑顔になる。

 

(ビークルモード)

 

大和が遠隔操作で呼び寄せたパワーダイザーとマッシグラーが来る。

大和は勝利の指示をフォーゼに与える。

 

「スバル!宇宙で決めろ!」

「オッケー!」

 

ダイザーがタワーモードに変形してマッシグラーがセットされる。

 

(タワーモード・マシンセット)

 

「えい!」

 

フォーゼはマッシグラーに跨がりダイザーの小型ミサイルを発射。

 

「ぬおぉ!」

 

ミサイルを受け、スコーピオンノヴァは高く打ち上げられる。

ダイザーは垂直になり、カウントダウンがスタート。

 

(レディ)

(3・・2・・1・・ブラストオフ)

 

「いっけーー!!」

「ぐあぁぁ!?」

 

バックノズルから煙を吐き出しながらスコーピオンノヴァごと宇宙へと向かう。

地上では一子たちがその様子を見ていた。

 

「すご~い。」

「飛ぶなぁ。」

「よし、行け!スバル!」

「スバルさん!決めてください!」

 

上から一子、卓也、百代、由紀江たちがフォーゼにエールを送る。

 

宇宙

 

「よっと!」

 

宇宙に出たフォーゼはマッシグラーを停止させてスコーピオンノヴァを押し出す。

そして座席を踏み台にしてロケットとドリルをオンにする。

 

(ロケット・ドリル・オン)

 

右手にロケット、左足にドリルを装着。

そしてレバーを操作。

 

(ロケット・ドリル・リミットブレイク)

 

「ライダーロケットドリル宇宙キーック!」

「させるか!」

 

必殺キックをスコーピオンノヴァは受け止めて弾き飛ばす。

 

「これが超新星の力だ!くたばれフォーゼ!」

 

スコーピオンノヴァは光線で反撃するがフォーゼはロケットを吹かして回避。

 

「おとと、ならもう一回!」

 

フォーゼはもう一度レバーを入れる。

 

(ロケット・ドリル・リミットブレイク)

 

「ライダーロケットドリル大宇宙キーック!!」

 

ダブルリミットブレイクによりさらに強力になったライダーロケットドリル大宇宙キックをスコーピオンノヴァにぶつける。

 

「バカな・・!王の力を頂いたこの私が・・!?」

「貫けー!!」

 

ついにスコーピオンノヴァは炎に包まれながら引力に引かれて落下する。

 

天文台

 

百代たちが望遠鏡でそれを見ていた。

 

「うわ、すごい!」

「ガクト、代われ!」

 

宇宙ではフォーゼも引力に引かれるが慌てずメディカルとパラシュートを入れ換え、スイッチオン。

 

(パラシュート)

(パラシュート・オン)

 

パラシュートが装着されて開き、ゆっくりと落下する。

 

「おっと、ふぅ・・。」

 

ズドーン!!

 

スコーピオンノヴァは地表に激突してクレーターができる。

フォーゼもゆっくりと着地。

 

「やった!うわぁ!」

 

足を滑らせて転げ落ちるがもう一回立ち上がってガッツポーズを決める。

 

「やった!サソリを倒した!さてと、サソリのスイッチャーは誰なのかな・・?」

 

フォーゼはクレーターを覗き込む。

そこにいたのは・・。

 

「えっ!?どうして僕が・・!?」

 

何と制服姿の昴だった。

ありえない光景に混乱するフォーゼ。

 

シャン!

 

「・・!?」

 

シャン!

 

錫杖の音が響き、フォーゼは警戒。

聞こえてきた方向に目を向けるとそこには昴(?)を抱えた虫のようなゾディアーツ・リブラがいた。

 

「新しい幹部・・!?」

「まだ明かせんよ。スコーピオンの正体は。」

「え・・!?」

 

リブラは昴(?)を抱えて姿を消す。

 

「あっ、消えた・・。ふぅ、一杯食わされたね。幻を見せられたなんて・・。」

 

フォーゼは気づいていないが近くの建物の陰でそれを見ていた者がいた。

 

「リブラが動き出した・・。スコーピオンはしばらくドロップアウトだろうからリブラに気を付けないと・・。スコーピオンはあちこちばら蒔いていたけどリブラは既に渡している生徒を成長させているからね。」

 

その人物は昴によく似ているが髪止めがない。

 

『そろそろ介入時だ。・・燕。』

「タチバナさん、私は私の目的のために動くよ。私は姉としてスバルを導く。そしてスバルと昏睡状態のあの子を助ける。あなたと組んだのは利害が一致したからに過ぎない。」

『わかっているさ。正体さえバレなければ好きに動いてかまわない。私も最大限バックアップしよう。』

 

その人物は川神四天王の一人で昴の実姉・・松永燕だった。

燕の手には青いアストロスイッチが握られていた。

 

翌日

 

昴は笑顔で登校して園田に挨拶をする。

 

「園ちゃんおはよ♪」

「おはよう。(松永昴・・いつかまた私の星座を取り戻す・・!)」

 

園田は昴に気づかれないように睨みつける。

 

現れた第二の幹部・リブラ。

ますます激しさを増すフォーゼの戦い。

この先どんな出会いが昴を待ち受けているのだろうか・・。

 


 
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