No.394025 宇・宙・爆・誕十河さん 2012-03-18 20:59:29 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1795 閲覧ユーザー数:1750 |
ラビットハッチ
ここは大和の両親が失踪する前、大和に託された月面基地。
川神学園入学前、大和とたまたまそこに居合わせた一子はラビットハッチに繋がるルートを見つけフォーゼドライバーとアストロスイッチに触れた。
現在は風間ファミリーの第二の秘密基地兼仮面ライダー部の部室として機能している。
各々が自由に過ごすなか・・。
「・・・。」
昴は5番・マジックハンドスイッチを右手で転がしながら初めて大和と話した時を振り返る。
あの時の大和はファミリーの中でも少し距離を取っていた。
大和の両親はなぜ高校入学前の自分にフォーゼドライバーとアストロスイッチ、ラビットハッチ等を託して姿を消したのか・・。
「わりぃ、今日も用事があるんだ。」
「また?最近大和の付き合いが悪い。」
一年生が終わる頃、もう一枚の手紙を見つけて読みゾディアーツの存在を知った。
コズミックエナジーを悪用して変貌する怪物。
大和はフォーゼドライバーの完成を急がせるためファミリーとの距離がますます広がってしまう。
そんな中で二年生になり大和の運命を変え、かつて抱いた姉と慕う人物と同じ感情を抱く少女と出会う。
少女もまた大和と出会い運命を一変させる。
「僕の名前は松永昴!川神学園全員と友達になる女だよ♪みんなよろしくね♪」
「ふん・・。」
その少女は活発そうなショートの黒髪に赤い髪飾りを付け笑顔で自己紹介をしていた。
休み時間、昴は大和に声をかける。
「ヤッホー、君が直江くん?」
「だったら何だ。馴れ馴れしいぞ。」
大和に明るい声で話しかける昴。
大和は少し不機嫌になる。
「うん、噂通りだね。もっと楽しまないと損だよ?」
「うるさい!お前に何がわかる!?」
そう言って大和は席から離れる。
「何だろ、悲しい目をしていた・・。」
昴は席を離れるときの大和の目が気になって授業をサボり大和の後を追うが見失う。
「あの子なら大和を変えて・・いや、あの頃の大和に戻してくれるかも・・。」
そんな昴を見て一子はある思いを抱く。
「やっと完成した・・。ゾディアーツに唯一対抗できる力・・フォーゼドライバーを・・。」
その日の放課後、ついにその時が来る。
ゾディアーツが現れた。
バガミールを通じてラビットハッチでそれを見た。
「すごい・・。地球が蒼く見える・・。本当に月に来たんだ・・。」
「おい!なぜここに来た!?」
涙を流して感動する昴を怒鳴る大和。
申し訳なさそうに頭を下げる一子。
「ごめん大和。あたしが連れて来た。」
「ワン子!?」
「ともかく、モニターに映ってるあの怪物を倒せばいいんだね!」
昴はフォーゼドライバーを持ってその場を後にする。
「待て!くそっ!」
廊下
昴はオリオンゾディアーツの前に立ち塞がるがフォーゼドライバーの使い方を聞くのを忘れ慌てる。
「これ以上好きにさせない!・・あっ!どうやって使うか聞くの忘れてたよ~!」
そこに一子が追い付く。
「あ~いた!これはこうするの!それでこうしたら宇宙の力が貰えるの!」
「宇宙の力?」
一子はフォーゼドライバーを昴の腰に当てるとベルトになり、トランスイッチを全てオンにする。
すると・・。
3・・
機械的な声が響きカウントダウンが始まる。
2・・
「え、ちょ何これ!?」
いきなり始まったカウントダウンに困惑する昴。
1・・
「変身って言ってレバーを入れて!」
「わかったよ!・・変身!・・って言ってレバーを入れる!」
一子に言われるまま昴はその声と共にレバーを入れる。
リズミカルな音と煙に包まれる。
煙が晴れるとそこにいたのは新たなる戦士・・。
「何かわからないけど宇宙キターーーーー!!」
「それがフォーゼよ!」
「なるほどね、これがフォーゼ・・。」
フォーゼは前に拳を突きだし・・。
「タイマン張らせてもらうよ!」
この時から昴の生活は一変。
トドメを指し損ねてしまい大和に怒られたり、一子が大和の過去と昴なら大和を元に戻してくれるかもしれないという願いがあることを聞いたり・・。
昴は決意する。
「僕は大和になれない、けど大和を手伝うことはできる!だからお願い!僕にできることをやらせて!」
「・・・!」
大和は昴の目を見て真剣だと悟った。
昴はモロから電話を聞き現場に向かう。
「俺はこの力で川神百代を越え、最強の称号を手に入れる!」
(ラストワン)
「ダメー!」
昴の叫びも虚しく男子生徒は形状変化したスイッチを押してしまう。
使った生徒はクモの糸に包まれたかのように包まれ気絶。
「バカーーー!!どうしてそんなものに頼るの!?」
昴は自身の持ち味のスピードとキックを主体とした格闘術を生かして立ち向かう。
昴は誰からも教わった訳でもなく天性のセンスと努力で姉を越えるスピードを身につけたのだ。
「うるさい!邪魔をするな!」
「キャッ!」
しかし全く歯が立たずに吹き飛ばされる。
そこに大和が駆けつけフォーゼドライバーを差し出す。
「松永、これを使え。」
「大和・・。」
「名前を呼ぶのは構わない。ただし、もうヘマはするな。」
「うん、わかってる。さぁ、本番はこれからだよ・・!」
昴は表情を引き締め、腰にドライバーを当てトランスイッチをオンにしたあとポーズを取るとカウントが始まる。
3・・
2・・
1・・
「変身!」
昴は叫び、レバーを入れて右手を天に向かって突き上げる。
リズミカルな音と煙に包まれる。
「宇宙キターーーーー!!」
煙が晴れフォーゼはX字に伸びながら叫ぶ。
「邪魔をするな!!」
オリオンはフォーゼを殴る。
フォーゼはすぐに立ち上がり・・。
「そうはいかない!タイマン張らせてもらうよ!」
フォーゼは再び立ち向かうが防御力が上がっているオリオンに苦戦を強いられる。
「あいたた・・。何これ前より固くなってるよ!?」
「ラストワンの影響でパワーが上がっている・・!」
「ねえ、大和!どうすればいい!?指示して!」
「何・・?」
大和はフォーゼの言っている事の意味を理解できなかった。
「ゾディアーツだっけ!?大和のほうがはるかに知っている!だから作戦を立てて!そしてそれを僕が実行する!今度は必ず成功させるから!」
フォーゼのその言葉に大和はしばらく考え・・。
「・・分かった。」
大和はバガミールを起動しゾディアーツを撮影。
軍師としての頭脳をフル回転させて勝利の方程式を組み立てる。
(よかった。ちょっとずつあの頃の大和に戻っていけば・・。)
(大和・・。)
一子と卓也はそんな大和とフォーゼを見て喜ぶ。
「作戦を立てる間、持ちこたえろ!」
「オッケー!あ、でもなるべく早くね。」
フォーゼは指をクリクリと回してもう一度オリオンに立ち向かう。
グランドに戦いの場を移してオリオンとの激しい肉弾戦を繰り広げる。
「ふっ!はっ!てやぁ!」
「ぐぐ・・。」
フォーゼは鋭い連続キック・・スラッシュキックを軸にパンチを混ぜたスピードを生かしたスタイルで戦っている。
「はぁぁ!」
強烈なキックを当ててオリオンを引き離すとレーダースイッチからベルが鳴り響きレーダースイッチをオンにする。
(レーダー・オン)
『スイッチの場所が分かったぞ。左胸にあるスイッチを奪ってオフにしろ。ただし、ここでの止めは危険だ。』
「え?どうして?」
『ゾディアーツの体内にはこの間以上のエネルギーが溜められてる。それをここで爆発させたら学園は吹き飛ぶぞ。』
「じゃあ、どうすれば・・。」
『宇宙(そら)でやれ。』
「え?空?」
大和はアストロスイッチカバンのパネルを操作する。
(ビークルモード)
大和の指令を受け、後ろからパワーダイザーとバイクが自動でこっちにまで来た。
『マシンをダイザーにセットしろ。』
「分かった。」
フォーゼはバイクに乗りダイザーに向かうとビークルモードだったダイザーがタワーモードへと変わった。
(マシンセット・タワーモード・レディ)
バイクとダイザーがドッキング。
『よし。』
大和が遠隔操作でダイザーの小型ミサイルを放つ。
「うわぁぁぁ!」
オリオンはミサイルにより空高くあげられた。
そして発射台に変わる。
「うわぁ~発射台だ~。」
(3・2・1・ブラストオフ)
「行っけーーーーー!!」
「ぐあぁぁぁぁ!!」
ダイザーからロケットを飛ばす要領でバイクが宇宙に向けてオリオンごと空に行った。
そして大気圏を突破し、宇宙空間に出た。
「はあ!」
「ぐお!?」
フォーゼはバイクを踏み台にして浮かび上がるとロケットとドリルをオンにした。
(ロケット・ドリル・オン)
「よし、ラストいくよ!」
(ロケット・ドリル・レーダー・リミットブレイク)
左手でレバーを引くと現段階でオンにしているスイッチの名称が発音されコズミックエナジーがフルチャージ。
「ロケットドリル宇宙キーック!!」
「ぐあぁぁぁぁぁぁ!!」
ロケットの噴射加速と回転で貫通力の上がったドリルで放つ必殺キック・ロケットドリル宇宙キックが炸裂。
スイッチを残してオリオンは爆発、フォーゼは全てのスイッチをオフにする。
「ほいっ。スイッチ回収っと。」
宙に浮いたスイッチをフォーゼが回収した途端に地球の重力に引っ張られ落下を始めた。
「わあぁぁぁぁ!!何かないの!?何か・・これか!!」
フォーゼはレーダースイッチを交換しパラシュートスイッチを付けた。
(パラシュート)
(パラシュート・オン)
左腕にパラシュートが開かれ速度は落ちゆっくりと落下していった。
「あっと、ふぃ~・・。」
グランドに帰ってきたフォーゼ。
「スイッチオフっと。」
ゾディアーツスイッチをオフにするとスイッチが消滅。
男子生徒の目が覚める。
「無事でよかった。今日からキミも僕の友達だからね。」
フォーゼの言葉に男子生徒は頷いて返す。
こうして初めての事件は幕を閉じた。
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フォーゼの始まり。