第1話 クラスは原作キャラで一杯
学校に着いた俺に待っていたのはクラス発表と言う、学生では欠かせないイベントだ。
いつも寝ている俺にとってはクラスなんてどうでもいいが、いつもちゃんと調べていることがある。
………高町なのは率いる原作組プラス1名のことである。
小学生の時は幸運なのか魔導師四人と同じクラスになったことはない。ただ、アリサ・バニングスと月村すずかとは、去年同じクラスになってしまった。なぜかバニングスは執拗に絡んできてうざかった。
寝ている俺によく突っかかってくる。すずかはいつもバニングスと喧嘩になりそうな所を良いタイミングで止めてくれる。
…………………すずかがいなかったらリアルに殴りあってたかもしれない。
そんなこともあり、去年は最悪だった。
今年は最高のクラスでありますように………
期待を込め掲示板を見る。
2—Aか。
さて、あいつは………いたよ、バニングス。悪夢の再来か………
あっ、すずかもいた。助かった。女子では唯一気楽に話せるからな。
そして本命、高町なのは。
……………………いた。
まぁ今まで接点が無かったのは異常だったのかもな。
俺自体翠屋の常連だし。
続いてフェイト・T・ハラオウン。
………………………………マジで!?
いましたよ、高町に続いて。なんだか今年は運が悪すぎる。
静かに生活したいだけなのに…………
……………もう勘弁してくれ…………三人娘同じクラスかよ…………
八神はやての名前がそこにあった。
本当に目立たないようにしなくては………………
…………………………マジで転校するかな。
男子の所に神崎大悟の名前があった。
原作主要人物勢揃いである………………
「何この世の終わりみたいな顔をしてるのよ」
教室に入って早々にバニングスが話しかけてきた。
「………バーニングか。悪い気分が最悪なんだ帰って良いか?」
「バ・ニ・ン・グ・ス!!いい加減名前くらい覚えなさい!!」
「しかも、普通なら話しかけるなじゃない?」
バニングスの隣にいたすずかが苦笑いしながら話しかける。
「すずかか、おはよう」
「……………何ですずかは名前なのよ」
「はぁ?お前の名字が面白いからに決まってるだろ?燃え上がれバーニング!!」
「バニングスだって言ってるでしょ!!」
キーキー言いながら拳を振ってくるバニングス。それを椅子に座りながら器用に避ける。
「避けるな!!」
「フッ、甘い、甘い」
「…………………二人って実は仲いいでしょ」
すずかの呟きは二人には聞こえなかった。
「疲れた………………」
「何で新学期そうそう…………」
「自分たちが悪いんでしょ………………」
呆れた様子で言うすずかに何も言えなくなる俺とバニングス。
そんな時……………
「「アリサちゃん、すずかちゃん」」
「アリサ、すずか」
魔導師三人娘がやって来た。
「なのは、フェイト、はやて」
嬉しそうな声を上げ、アリサは声のする方へ行った。
「零治君、後でね」
すずかはそう言ってバニングスの後に続く。
俺としては後もほっといて欲しいんだけど………
っていうかこれってお友達イベントじゃね!?
関わりたくないのに…………
なんとか逃げるか。
その場から立ち去る俺だった。
皆が講堂に入っていく中、俺は屋上で黄昏ていた。
あのあとすぐに席をたち、屋上に行った。
今は始業式が始まっているだろう。
それにしてもどうするか…………
はっきり言ってかなりやばい状況である。
フリーの魔導師として活動しているが、非公式のため管理局に目を付けられていることは明らかだ。
まぁ、全身装甲に覆われているし、バイザーも付けているからブラックサレナでいる間はバレないだろう。
けれど、管理局員にはなるべく関わりたくない。
星たちのこともあるし……………
そんなことを考えていると生徒たちの声が聞こえてきた。
「さて、そろそろ教室に戻るか」
新学期そうそう、説教なんてめんどくさいし。
俺が教室に入るとみんな注目するが、直ぐに自分のしていることに戻る。
まぁ俺のことなんてどうでもいいから当然だろう。
席について机に突っ付す。
「あんたどこ行ってたのよ」
「……………いつものとこ」
「またか………あんたそのままだとろくな人間にならないわよ」
「余計なお世話だ。寝るから黙ってろ」
「っ、何よその態度!!せっかく人が忠告してあげたのに。分かったわよ、好きにしたらいいじゃない!!」
そう言って離れていくバニングス。
余計なお世話だっての。けれどこれでやっと寝れる……………
「ほほう、新学期そうそう堂々と寝るなんていい度胸じゃないか」
聞き覚えのある声に思わず顔を上げる。
そこには仕事のクライアント、シャイデ・ミナードがいた。
「皆さん初めまして。このクラスの担任のシャイデ・ミナードです。担任を持つのは初めてですけどよろしくね」
男子から喝采が上がる。
それはそうだろう。
見た目は金髪のスレンダー美人だもん。年齢も確か25だったはず。思春期の男共には最高だろう。
俺にとっては最悪だけど。
「ちなみに、そこにいる有栖零治の叔母に当たるの。何かみんなに迷惑をかけたら言ってね、後で“おはなし”するから」
余計なことを言うな!あとお前は高町か!!
シャイデ・ミナード
仕事のクライアントで、天才デバイスマイスター。特殊なデバイスのラグナルを唯一メンテできる。
俺が独り身なのを知って勝手に叔母として保護者になった。けれどミッドチルダに住んでいるため別々に暮らしている。ちなみに星たちの保護者もやってくれている。
「俺的には何であんたが先生になっているのかが謎なんだが」
「あら、言ってなかったっけ?私、教員免許持ってたのよ」
「初耳だね。聞いてたら転校したのに」
「だからよ。これで少しはましになってもらわないと」
「………………一番アレな性格しているあんたに言われたくないけど」
二人の出す負のオーラにクラスの皆は引いていた。
「っとこれくらいにして、みんなできればこの馬鹿とも仲良くしてね。それじゃまずはこのプリントを……………」
何事もなかったかのようにHRを始めたシャイデにクラスの空気も徐々に柔らかくなり、二時間目に入ったときにはすっかり馴染んでいた。
「それじゃ、今日やっていくことはこれくらいかな。よし、みんな席替えするわよ」
それを聞いて、クラスから歓声が上がる。(主に男子)
「ここにクジを作っておいたからみんな順番に引いてね」
そう言ったあと、みんなそれぞれ引き始める。
しかし、新学期そうそう席替えとは………
まぁ、一番前の席を離れられるなら別にいいか。
しかし男子の力の入れようが半端ない。
まぁ、このクラスにはこの学校五大美少女がいるんだからな。(当然原作組み。)
気持ちは分かるけど…………………
「みんなクジ引いたわね。それじゃ、みんな移動始めて」
シャイデの一言でそれぞれ移動を始めた。
結果は………………
見事、窓の一番後ろを引いた俺!!
だけど………………
「よろしくね、零治君」
隣に魔王様がいらっしゃいました。
どうしてこうなる…………………
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