No.393379

ゲイムギョウ界の守護騎士

ゆきさん

地獄での修行が始まってから500日が経過した。

いつもと変わらず罪人と戦わされる日々。

だが、今日の相手はいつもと違った。

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2012-03-17 22:46:44 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1256   閲覧ユーザー数:1210

第7話 ライカVSお兄様

 

ふー今日もバトルか。俺は地獄に来てからというものずっとバトルをしている。500日間ずっとだ。

なんか段階を飛ばしすぎたな。ちゃんと簡単に説明するか。

地獄に飛ばされてきた時に地獄の管理者ことエンマという爺さんにあった。

俺はその後たくさんのことを彼に質問した。エンマは俺の質問に対し大雑把ではあるが答えてくれた。

その内容を簡単にまとめると俺は四女神を守るために司書イストワールの独断によって創られた存在だそうです。

イストワールの勝手な行動に気付いた当時の女神、つまりはあの日俺を地獄に送り飛ばしたやつが俺の存在が目障りだったのか、俺を無理やり別世界に飛ばしたとかなんとか。

ちなみに俺は四女神が創られる前より先に創られたそうです。

 

ちょっと話は変わるけど四女神についてエンマに聞いてみたら興味深いことがたくさんわかった。

まず、四女神はそれぞれ対立していて今は全員下界に降りているらしい。

ラステイションのブラックハート、ルウィーのホワイトハート、リーンボックスのグリーンハートはそれぞれ女神として下界で働いているらしい。

しかし、プラネテューヌのパープルハートだけは不在らしい。俺と旅をしていたネプテューヌがパープルハートって聞かされて時はびっくりしたな。待てよ....となるとほかの女神もかわいいってことかな?

そうじゃなくて、どこまで話たっけ?

 

タイチ思考中   しばらくお待ちください

 

思い出した!確かここら辺から話せば話がつながるかな?

ネプテューヌは神界というところで起きていた守護女神戦争で負けた際に下界にたたき落とされて、今の状態になったそうだ。確か下界に落ちる際にイストワールに助けを求められ引き受け大陸を旅しているらしい。  

俺はゲイム業界に戻ったらとりあえず四女神に協力を仰がなければならない。

それでも四女神が協力しない場合は俺1人で当時の女神、マジェコンヌを倒さなきゃいけないらしい。

ま、たぶん協力してくれるでしょ。

で、俺が地獄で修行している理由は俺の本来の力を取り戻すためのものと、新たな力を得るためのものだとか。

説明はこんな感じかな。今、俺は闘技場というところで罪人と言うやつらと戦い499回連勝している。

罪人というのは生きているうちに罪を犯してしまった人たちのことだ。

その中でも特殊な能力を持っているやつらがここ闘技場で俺と戦わされている。

 

「はぁー休みを無いのか。まあ、アイツに休みをくれって言っても絶対に聞いてくれないだろーな」

 

今日は確か今までとは比べ物にならないやつと戦わなきゃいけないんだっけ。罪人ではないらしい。

簡単に終わればいいなー。おっ、来た来た。ん、女の子か?女の子は俺に近づき

 

「今日あなたの対戦相手となります。ライカです」

 

とてもきれいな顔立ちをしていてかわいいな。体型は変身前のネプテューヌと同じくらいかな。

 

「何をじろじろと見てるのですか?」

 

「え?ご、ごめん!つい見とれてしまって」

 

「あ、ありがとうございます。嬉しいです」

 

照れたところもかわいいな。髪が赤色のせいか余計、顔が赤く見える。

 

「そろそろ戦いましょう」

 

「あ、そうだな。じゃあ、いきますか!」

 

俺の声が合図と同時に巨大な炎で出来た剣を召喚するライカ。

 

「マジですか!」

 

ライカは横に大きく剣を振りかぶった。その瞬間視界が赤に包まれる。振りかぶっただけでこれかよ!

急いで上に飛びやっとの思いで炎の中から抜け出すことができた。

 

「凄いなこの規模は」

 

上から見てみれば闘技場全体が炎に包まれていた。傷は軽いやけど程度のものだ。

 

「逃げてばかりじゃ、勝てませんよ」

 

ライカはいつの間にか俺より少し離れた場所に浮いていた。

 

「君は何者なんだ?」

 

「私はエンマ様によって創られた罪人を黙らせるものです」

 

「つまり地獄ではNO2ぐらいの実力か?」

 

「いいえ、私よりも強い罪人はたくさんいます」

 

「ふむ、なるほど...ってマジで!」

 

「そんなことより、あなたを倒すようにエンマ様に言われてますので最初から全力でいかせてもらいます」

 

「アイツ、俺に勝たせる気無いだろ。ふー、文句は後で言えばいいか。問題はこの状況だな」

 

あまり空中での戦闘は得意としないからとりあえずあの炎をどうにかしなければ

 

「いきます」

 

待ってなんかくれないか!ライカは炎の剣を片手で俺に対して上から振りかぶってくる。

腰につけてある鞘から剣を引き抜きライカの一撃を何とか防ぐ。

 

「それがあなたの剣ですか?」

 

「そうだ!」

 

ライカの剣を払いのけ剣に手を添え

 

「アイシクルエデン!!」

 

瞬間今まで競技場で燃え上がっていた炎はすべて凍りつく。よし!成功だ、今のうちに地上に降りるぞ!

 

「やりますね!なら!」

 

ライカは持っていた剣を消し詠唱を始める。何をやるつもりだ?というかさせない!

すばやくライカに接近し、剣を上から振りかぶる。

 

ガキィン!

 

「....っく!」

 

剣筋は何か見えないものに防がれた。けどこれくらいなら!

 

「十六手詰め!」

 

その声と同時に見えない刃がライカを襲う。この技の構造はおれ自身どうなっているかわからない。

今の一撃でライカを覆っていた見えない膜がその姿を現す。どうやら思い一撃には耐えれないらしい。

 

「遅いです。イフリートベーン!」

 

さっきまで凍りついていた闘技場は先ほどの炎とは比べ物にならない、大きな炎の渦に包み込まれていた。

炎はすぐに消え凍り付いていた闘技場は元の姿に戻っていた。

 

「氷が解けちまたっか、あの状態なら勝機はたくさんあったんだけど」

 

とりあえず地上に降りなければ、空中戦での勝ち目は薄い。下降をしようとした瞬間

 

「敵の前でのんきなんですね。私そんなにやさしくありませんよ」

 

いつの間にかライカの腕には真っ赤なガトリングが装備されていた。召喚と同時にガトリングが火を噴く。

 

「やっべ!」

 

直線的な弾道ならまだしも追尾式はよけるのはキツイ。

 

「こりゃ、またすごい威力だな」

 

弾が着弾した競技場はほぼ半壊している。あんなもん当たったらひとたまりも無い。

いつまでも空中で逃げるわけにもいかない。

しかし、ガトリングの弾数がなくなる気配がまったく無い。

最高速にのったところで一気に接近してライカに攻撃を当てるしかない。

 

そんなことを考えていると四方から同時に弾が接近してくる。

空中で急停止し、剣を握る手に力を込めその場で剣を両手で持ちながら一回転する。

 

「だぁぁぁぁぁぁ!」

 

衝撃波によって四方の弾がいっせいに爆破する。

 

「し、しまった!煙で「隙ありです」がはっ!」

 

背中に大きな衝撃を感じる。衝撃に耐えられず地面に対し仰向けに落ちていく。

ライカはいまだに空中で俺を狙っていた。ライカの手には先ほどまで手にしていたガトリングは無くその代わりに巨大で歪な形をしたバズーカがあった。砲門の周りには鉤爪のようなものがくっついている。

再びトリガーを引く指に力を込めるライカ。この状態であんなものくらったら洒落にならん。

真っ直ぐと向かってくる炎の光線。不思議と弾道がゆっくりに見える。

やられてたまるかよ!剣を盾にしてギリギリで光線を防いだ。

が、すさまじい衝撃に身体がふらつく。

 

「いってー、容赦ないな」

 

身体はすでに限界に近い。次の一撃で決めなきゃ、確実に負ける。

...結局、空中に浮いたままだな。

最後の最後まで不利な状況だな。俺もまだまだってところかな。

ま、時間はあるし大丈夫だよな。

 

この状況を逆転させるにはあれしかない!

使える数に制限があるこの技は使いたくなかったけど、ま、仕方ないよな。俺は剣を上にかざし

 

「集まれ、光よ!」

 

クラウ・ソラスの刀身に白色の光が集まってくる。光は刀身に吸収されさらに輝きを増していく。

 

「させません!」

 

ライカはそういうと再びトリガーに力を込める。しかし、その動作はとてものろく見えた。

 

「遅いな!」

 

光で包まれた剣を構え一気に突っ込む。

 

「白刃一閃!!」

 

大きく振りかぶりライカの武器を一刀両断した。

 

「え?...どういうこと?」

 

ライカは驚いた顔でこちらを見ていた。ま、あんな化け物じみたスピ-ド見せられたら普通そうなるよな。

 

『試合終了!』

 

どっからか声が聞こえる。声の主はエンマだ。

 

『勝者タイチ!』

 

うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!

 

先ほどまで静かだった会場は急に盛り上がる。ちなみに観客は全員罪人だ。

空中から地面に降りる。と同時にライカも降り、帰るのかなーと思うと近づいてくる。

俺なんか悪いことしたっけ?いや、決してやましいことなんてしていないぞ。

ライカは俺の前で止まり俺の顔を見てたずねてきた。

 

「何故、私じゃなく武器に攻撃したのですか?あのスピードなら私を切れたはずだったのに」

 

「何でそんなこと聞くんだよ?何の恨みも無いのに傷つけるなんておかしいだろ?」

 

「その傷は私がつけたものです」

 

俺の背中には先ほどのバズーカの攻撃でかなり大規模なやけどになっていた。

 

「そんなこと気にすんなよ。それに今回の戦闘で学べたことも多かったし、うらむ理由なんてひとつも無いぞ」

 

「あなたは心が広いんですね」

 

「そうか?普通だと思うけどなー」

 

俺が笑顔でそう返すと、ライカは顔を真っ赤にしていく。

 

「どうした、ライカ?」

 

「ぁ、あの....その」

 

ライカが身をよじよじさせながら

 

「な、なんとお呼びしたらいいんですか?」

 

「え?ライカの呼びやすいと思うのでいいぞ」

 

なぜか真剣に考え出してしまったライカ。頭を両手で抱え悩んでいる。そんなに悩むことなのか?

いい呼び名が見つかったの相槌を打つライカ。そして、俺に上目遣いで

 

「お兄様でよろしいでしょうか?」

 

「ぉ、お兄様?」

 

「やっぱりダメで「いいよ、別に」...本当ですか!?」

 

ま、彼女なりに考えたんだろ。それに、なんか響きがいい。

 

「お兄様!!」

 

俺に抱きついてくるライカ。困った妹が出来てしまったな。


 
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