第5話 デート×3
いま、現在俺はボーリング場にいる。もちろん、俺だけじゃない。コンパと一緒に来ている。本当はただ買い物をしていただけなのだが俺がボーリング場を見つけ「久々に遊びてー」みたいなことを言ったら
「じゃあ、いまから行くです!」
「え、いいのか?けど今日って確か大陸移動が近いからプラネテューヌでの最後の日ぐらい盛大にやるために買い物に来たんだろ」
「別にいいです、まだ4日ありますから!それに私もボーリングやってみたいです」
「なるほど、じゃあ行くか!」
とまあ、こんな感じで来てしまったのである。
「じゃ、いくです!」
ただいま第1投目。さあ、コンパが投げた!ずいぶんボールのスピードがゆっくりだ、ボール途中で止まるんじゃねぐらいなスピードだ。
ガコン×3
「やったです!全部倒したです!」
「うおー!一発目からストライクかー!やるな、コンパ」
「タイチさん!もし私が全部ストライク取ったらこの前みたいにお姫様抱っこしてほしいです」
「え、そんだけでいいの?」
「はい!ちゃんとここからお家までずっとです」
マジか。お姫様抱っこをあの二人に見られたら大変だな。よしこうなったら俺もストライクを全部とって何とかするしかない。
「コンパ!もし俺がストライクを全部取ったらお姫様抱っこじゃなくておんぶに変えてくれないか?」
「別にいいですよ」
「よっしゃーいくぜー!」
ガタン
「え...えぇぇぇぇぇぇ!!」
うそだろ!一発目からガーターかよ!もうだめだ。俺の横でコンパが思いっきり喜んでいる。何でそんなにお姫様抱っこがうれしいのかな。ま、いいか。やってしまったものは仕方ないか。どうせやるなら一回ぐらいストライク取りたいしなあー、よしコンパに教えてもらおう!
「やったー!またストライクです!」
いつの間にかまたストライクを取っているコンパ。
「コンパ!俺にストライクの取り方を教えてくれ!」
「任せてください!私が手取り足取り教えてあげるですよ!」
俺の後ろから手取り足取り教えてくれた。時々胸が手や背中に当たったのは気にしないでおこう。
そして第10投目
ガコン×3
「やったです!これでお姫様抱っこをしてもらえるです」
「あはは、よし、気を取り直して」
いまだに俺はストライクを取っていない。スペアばっかだ、一応コンパに教えてもらったふうにやっている。今度こそやってやる!
「コンパ直伝超のろまショット!」
「違うです!カメさんショットです!」
コンパ勘違いしてるな。ひげ兄弟が投げるカメは速いんだぞ。いやあれはひげ兄弟が投げるから速いのか。というか、これカメじゃないし。そんなことよりボールの行方は....お、お、来たこれは間違いなくストライクだ!
ガタン
「何故だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ボールは急に向きを変えガーターになった。あのボールの中なんか仕込まれてるんじゃね。だって普通あんな曲がり方しないでしょ。何でまっすぐ転がってたのに急に直角に曲がるんだよ。俺が落ち込んでいるとコンパが
「もう1回やりますか?」
「いや、もういいよ。もうこんな時間だし」
「ホントです!急いで帰らないとアイちゃんに怒られるです!」
「コンパ!」
「ひゃっ!」
「約束はちゃんと守らせてもらうよ」
「は、はい」
会計するときに店員さんにめっちゃ変な目で見られたのは気にしない。町で走ってるときなんか誘拐犯扱いされて大変だったんだよ。しかも警察に捕まって事情聴取されるし、困ったもんだい。けど以外にもコンパが力説してくれたおかげで2時間ぐらいで終わることが出来た。俺1人で説得してたら5時間ぐらいかかっただろうね。まさにコンパさまさまだね!
「タイチさん、ごめんなさいです」
「いいよ、別に」
さすがにもうお姫様抱っこはしていない。手をつないで歩いている。
「タイチさん、手握るじゃなくて腕を組んでもいいですか?」
「いいよ」
俺の腕に自分の腕を絡ませてくるコンパ。さらに身体もくっつけてくる、胸があったているがなるべく気にしない。
家に着いたのはいいけどネプテューヌとアイエフのオーラが黒い、黒すぎる!コンパは危険を感じたのか俺にさらにくっついてくる。
「いや、あのですね....すいませんでした!」
「「どこに行ってたの?」」
「ボーリングでございます」
何この沈黙...どうしようか、何かよい方法はないかな。二人がコンパから何か聞いてるな。なんか嫌な予感しかしないな。
「「なるほどね」」
何がなるほどなんだ。まさか!あいつら俺にお姫さま抱っこしてもらって町の中を走れというのか!笑顔で近づいてくる二人。俺は足をがくがくさせながら聞いた。
「な、何でしょうか?」
「「デートしよ(しなさい)!」」
「はい?」
「コンパだけずるいよ!私もタイチとイチャイチャしたいよ」
「べ、別に私はタイチとイチャイチャしたいなんておもってないんだからね!」
「つまり、俺は二人とデートすればいいんだね」
「「そうゆうこと!」」
こうして俺はデートすることになった。
今日はアイエフとのデートである。何で家なのかな?そして何故俺は浴衣を着せられているのだろうか?ちなみにコンパとネプテューヌは昨日の分の買出しに出かけている。俺はいつものようにソファーに腰掛けている。
「お待たせ」
「うお!浴衣!」
淡い青色の浴衣を着たアイエフが俺の前に立っていた。
「似合ってるかしら?」
「ああ、すごいかわいいぞ!」
「あ、ありがとう...じゃあ、いくわよ!」
「え、どこに?」
「お祭りに決まってるじゃない!さっさと行くわよ」
ササーと家から出て行くアイエフ。俺も追うように家を出て行く。
ただいまバスで移動中
俺たちの座っている席は後ろのほうでアイエフが窓側の席である。アイエフは何でも似合うなー、そしてかわいい。アイエフが俺の顔を見て
「なに、ニヤニヤしてるのよ」
「アイエフがかわいかったもんで、つい」
「あ、あんた、さ、さっきからかわいいとかそんなことばかり私にほかに聞くことはないの?」
「ほかに聞くことかー、お祭りの場所だいぶ遠いけどいつ着くんだ?」
「そうねー、夕方ぐらいかしら」
「夕方!?今、朝だぞ」
「別にずっとバスじゃないわよ、次の停留所で降りるわよ」
「いや、そういうわけじゃなくてなくて帰りどうするんだよ?」
「帰りは................何とかなるわよ!」
「なんとかって「ほら降りるわよ」...はいはい」
駅の階段を急いで下りているとき
「時間がやばいわね、これじゃ乗り遅れるかも」
「のりおくれたら次の電車はいつだ?」
「一時間ぐらい待たなきゃダメね」
「そっか、ならこれは仕方ないよな」
「え、ちょ、ちょっと!」
「文句なら後で聞くから、今はつかまってろ」
俺はアイエフをお姫様抱っこして全力でホームまで走る。いやーわれながら速いねー。
「ギリギリセーフ!」
「タ、タイチ、は、速く降ろしてくれない?」
「え、せめて座るところを見つけるまでダメかな?」
「べ、別にいいわよ」
「お、あったあった」
向かいの席だな。4人専用なのかな、ま、別に二人でもいいだろ。アイエフを降ろしとりあえず座る。旅番組でよく見るやつだな。真ん中にテーブルがあるやつだ。俺はアイエフと向かい合った席に座った。
グゥゥゥゥ
「腹減ったー、アイエフなんか食い物ないか?」
「あるわよ、私の手作りだけど食べる?」
「お、アイエフの手作りかー楽しみだなー」
アイエフはいつの間にか持ってきていたかばんの中から大きなピンク色の弁当箱を取り出す。中身はなにかな?おおーなかなか定番ですなー。どれもおいしそうだ。特にから揚げ...待てよ、何でこんなに量があるんだ。
「アイエフさん、何でこんなに量があるんですか?」
「あんたのことだからこれぐらい食べるのかとおもって作ってきたんだけど」
「も、もちろんだよ!さ、さあ食べるぞ」
「タ、タイチ、私が食べさせてあげるわ!」
「お、そうか、じゃ、よろしく頼む」
「まずはから揚げね、これは自信があるわ」
はむ
「うん、うまいな!いい味がきいてる」
「あ、ありがとう」
「じゃあ、次アイエフな」
「え!」
「ほら、口あけろ」
「あ、あーん.........うん、やっぱりおいしいわね」
こんなやり取りが数時間続いた。周りから見たら俺らはカップルなのかな。前の世界ではこんなことなかったなー、幸せっていいな。
さらに数時間後
アイエフは疲れたのか寝てしまっている。日が暮れてきたな、目的地までそろそろかな。
『次はプラネテューヌ神社、プラネテューヌ神社』
もうそろそろかー。俺は身を乗り出してアイエフの肩をゆする。
「アイエフ、起きろー着いたぞー」
「ぅ、うん....キャッ!タ、タイチ、顔が近いわ」
「あ、すまん」
アイエフから離れる俺。顔が真っ赤だなアイエフ。大丈夫かな....と、とりあえず降りなければ。
祭り会場到着
見渡す限り人だらけ。
「すごいなーこの人数は」
「確かにすごいわねー」
「アイエフ、はぐれると危ないから手をつなぐぞ」
「え、ええ」
俺はアイエフの左手を取りできるだけ人ごみを避けながら歩いていく。
「タイチ、私りんごアメを食べてみたいわ」
「ん、わかった。おじさんりんごアメひとつください」
「おうよ!兄ちゃんかわいい子連れてるね、ほれこれは兄ちゃんの分だ」
「ありがとうございます」
「兄ちゃん、彼女は大切にしろよ!」
俺たちはりんごアメのおじさんに一礼してその場から離れた。
「アイエフ、顔真っ赤だぞ、どうかしたか?」
「な、なんでもないわよ!」
本人がそういうなら大丈夫だろ。その後、カキ氷、わたアメ、たこ焼き、お好み焼き、射的、金魚すくい、輪投げなどたくさん夏祭りを楽しんだ。夏祭りってこんなに楽しかったけ?....彼女たちと出会ったことで俺の中で何かが変わったのかな?そういえば最後のイベントで花火があったな。
「アイエフ、花火見ていくか?」
「え、いいの?」
「別にいいんじゃないか?ほら行くぞ」
俺はアイエフの手をとり秘密の花火スポットへと向かう。何で知ってるかって射的のお姉さんが教えてくれたんだよ。
「あんたらみたいなお似合いのカップルにはお姉さんが特別に秘密の花火スポットを教えてやるよ」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
こんな感じのやり取りだったな。射的は見事に俺は全部の弾を同じやつに当てて何とか手に入れましたよ。アイエフはお菓子とかに当てて球の数の分お菓子をとってたけどね。俺の取ったやつは、今のところ内緒だ。
「よし、目的地到着!」
「ここが、秘密の花火スポット、ほとんど人がいないわねー!」
俺とアイエフは草むらに腰を下ろした。俺に身体を寄せてくるアイエフ。
「タ、タイチ、もうちょっとくっついていい?」
「いいよ、アイエフがそうしたいなら」
おっと、これは予想外の展開。くっつくならまだしもひざの上に座ってきたよ。別にいいのだけど。
バン、バン!
「始まったな、きれいだなー」
「そうね」
たまにはこうゆうのもいいよな。あ、そういえばあれをアイエフにあげなければ。バッグの中に入れておいた人形を取り出す。
「アイエフ、ちょっとこっち向いてくれ」
「なによ」
「これアイエフにやるよ」
「え、けどこれってあんたが射的で取ったやつじゃない。いいの?」
「これアイエフのために取ったんだよ。なんかアイエフ欲しそうだったし。それにこれは俺からアイエフへのプレゼントみたいなもんだよ」
「じゃ、じゃあ、ありがたくもらっておくわね」
アイエフが顔を真っ赤にしながらそういった。花火を忘れてたな、見なきゃ損だぜ!うおー、きれい「ん!!」急に唇に何かがー!
チュッ
「私ばっかりもらうのは気が引けるからあなたにも私からのプレゼントをあげるわ」
チュッチュ
プレゼントってずいぶん身体張ったもんだな。よし、ここは俺もなんかしてやらねば!思いつく動作といえば.......抱きしめればいいのかな?きっとそうに違いない!アイエフを優しく抱いてみた。あ、いいにおいがするなー。ずっとこのままがいい。
数10分後
「タ、タイチ、いつまでこの体勢を続けるのかしら」
「え、ご、ごめん」
気付けば花火はやんでいた。あれからずっと俺はアイエフを抱きしめていたらしい。...今何時だ。
「アイエフ、今何時だ?」
「今は9時よ...やっば!電車の時間まで残り30分しかないわよ!」
30分か、確か祭り会場からここまで歩いて20分、駅から祭り会場まで歩いて1時間ぐらいだったな、まあ、歩いてだからな。全力で走ればこの距離なら10分で駅につけるな。
「アイエフ、ちょっと失礼するぞ」
「キャッ!」
「ちゃんとつかまってろよ!」
俺は前回みたいな過ちはおこさない。地面を走れば人の目に付く可能性は低いがよけるのが面倒。何でこの前は見つかったのかって、たまたま人に軽く当たってしまったから謝ってる際に警察に見つかり捕まりました。そんな話はいいとして俺の跳躍力があれば100mぐらい軽く飛べると思う。実際今現在飛べてるから問題はない。これなら100mといわず500mぐらい飛べるんじゃね。
「タ、タイチ、ちょ、ちょっと待って、み、見えちゃうじゃない!」
「大丈夫だって、速いから見えないと思うぞ」
「そうゆう、問題じゃないわよ!」
「暴れるなって...おわ!」
ドカン!
飛んでる途中で落ちるなんてついてないな。ん、なぜか俺の視界が真っ白だ。
「いたたたたた「キャッ!」...え?..ごめんなさい!」
どうやら俺はアイエフの浴衣の中に顔を突っ込んでいたらしい。てことはさっきのはパン...ダメだ。とゆうか時間やばくね。いや大丈夫だ、俺ならいける!
「アイエフもう一回飛ぶぞ」
「嫌よ!見えるじゃない」
「じゃあ、おんぶだ!」
「それならいいわよ、「よし、飛ぶぞ!」...キャッ!」
飛ぶこと10分
俺はアイエフをおんぶしながら駅のホームまで走った。
「ギリギリセーフ!」
「ごめんなさい、私が我慢してればあなたが怪我することなんてなかったのに」
「いや、それくらい、いいよ。擦り傷だし」
「本当にやさしいのね」
「...ありがとう」
「あなたからもらった、くまの人形、大事にするわ!」
目の前にはアイエフの屈託のない笑顔があった。本当にアイエフはかわいいな。行きとは違い俺はアイエフの横に座った。その後アイエフは寝てしまい俺は横でずっと彼女を支えていた。家に着いたのは朝の4時ぐらいだったけ。寝ている彼女を起こすのも悪いんで彼女をおんぶして家に帰った。今回のデートではアイエフの意外な一面が見つけれた。それだけで十分な収穫だった。
今日はネプテューヌとのデートの日だ。というか俺寝てないんですけど。ま、よくないけど今俺は水着が売っている場所にいる。ネプテューヌの水着を決めているところだ。理由は簡単。昨日ネプテューヌに「特技なに?」と聞かれたので「水泳って言って水の中で泳ぐことが特技だな」といったら「明日は水泳にしよー!」とこんな感じである。
ネプテューヌがこちらに向かって走ってくる。手には二つの水着がある。片方は黒のビキニはスタイルのよさそうな女性に似合いそう。もう片方は水色のでフリルが付いているかわいいやつだ。
「タイチ試着するから似合ってるか似合ってないか言ってね」
そういい目の前にあった試着室にはいっていく。ネプテューヌには悪いけど黒のほうはどう考えても似合わんだろ。水色のほうはネプテューヌにとても似合う気がする。そんなことを考えていると試着室のほうから声が聞こえた。
「タイチー、助けてー!」
「どうした!ネプテューヌ!」
俺は勢いよくカーテンを開いた。そこには着替え中のネプテューヌがいた。上の背中の紐を結んでいるところだった。
「す、すまん!すぐ閉め「入って!」...え!」
ほぼ無理やり試着室に入れられた俺は体勢を崩しそうだったが何とか体勢を立て直すことができた。
「ふうー、危なかった。大丈夫かネプテューヌ怪我とかしてな.....ご、ごめん!わ、悪気はなかったんだ!」
気付けば俺の手はいつの間にかネプテューヌの胸に触れていた。なんてことをしてしまったんだ俺は。もうコリャ俺の人生は終わったな。さあ、一思いにぶった切ってくれネプテューヌさん。
「タ、タイチ、いつまで触ってるの?」
「あ、ご、ごめん!」
俺は試着室から目にも見えない速度で出たつもりだった。なぜか右手に違和感を感じるとてもやわらかい何かが触れていた。
「タイチ、逃がさないわよ、私の試着を手伝ってもらうわ」
そこにはいつの間にか変身したネプテューヌが俺の腕に胸を押し付けていた。恥じらいはないのか?
「ここであってるか?」
「もう少し上かしら」
「ここか「ヒャッ!」..ご、ごめん!」
たまにアクシデントがあったが何とか無事に買い物を終わらせることはできた。やっと、プールだ。とか言ってもまだ朝の10時ですけどね。
プールの脱衣所で着替えを済ませる。着替えというか羽織っている白のコートと服とズボンを脱ぐだけなんだけどね。着替え終了。いざ、プールへ!
「あれ、誰もいないじゃん」
貸しきり状態ってやつか。
「タイチ!」
振り向いてみると黒ビキニのネプテューヌがいた。変身するとホント美人だな。
「あらためて見るけどやっぱり似合ってるな!」
「あ、ありがとう、タイチも似合ってるわよ」
「そうか、ありがとう!じゃ、早速泳ぐか!」
二人してプールにダイブした。良い子はまねしないように。
「ぷはー!気持ちいい!ん、ネプテューヌどうした?」
両手で胸を隠すネプテューヌ。まさかビキニがさっきのダイブで落ちたのか?
「ビキニが落ちちゃったの、さ、探してきてくれない?」
「りょ、了解した。すぐ探してくる!」
ザバーン
俺は潜水してネプテューヌの黒ビキニを探した。あ、あった。
「ふうー、見つけたぞ!これだろ、ネプテューヌ!」
「あ、ありがとう付けるからちょっと後ろを向いてくれない?」
俺はうなずき後ろを向いた。
数分後
「付け終わったわ、タイチ」
「よし、じゃあ今から泳ぎを教え「キャッ!」...え?」
またとれてるよ。ビキニが何もしないで落ちるなんてネプテューヌの付け方がダメなんだろーな。試着室でも何回取れかかったことか。よし、ここは俺がどうにかしてやらなければ。
「ネプテューヌ!お、俺が付けてやる!」
「え、えぇ、お願いするわ」
ネプテューヌは俺に対して背中を向けている。よし速いところ付けてやるぞ。決して胸を触らないように、慎重にいこう。両手がすごく震えているが大丈夫だ、大丈夫だ。試着室で何回もみたがやはりきれいだなネプテューヌの背中。
「ここらへ「キャッ!」、ごめん、ホントにごめん!」
「い、いいのよ。謝らなくて。別に触ったわけじゃないし」
「いや、そうゆうわけにはいかない!なんかお詫びさせてくれ!」
「そ、そこまで言うならじゃ、じゃあ、キ、キスをさせてくれない?」
「え?ハードル高すぎね?」
「あ、あなただって私の身体いっぱい触ったじゃない」
「けど、あれは不可抗力で「そうよね、調子に乗りすぎたわ。ごめんなさい」...あー!もう!こっち向けネプテューヌ!」
彼女を無理やり俺のほうに向かせた。
チュッチュ
このプールに人がいなくてよかったー。誰かに見られたらまた警察にお世話になるところだったな。だって今の俺はネプテューヌの身体を抱き寄せ唇に無理やりキスをしている。
「こ、これでいいか?」
「え、えぇ...お、泳ぎについて教えてくれないかしら!?」
「そ、そうだったな!よし、じゃ、教えるぞ!」
その後俺は水泳の基本であるクロールを一時間かけてみっちり教えた。さすがはネプテューヌというところかな。身体を動かすことは得意なのかとても覚えがいい。あまりにも覚えがよいのでバタフライも教えてみたところ、数十分でできるようになってしまった。
「ネプテューヌ競争するか?」
「いいわよ、ただし条件付ね」
「条件?」
「私が勝ったら、帰りはお姫様抱っこ、タイチが勝ったら好きなようにしていいわよ」
何でアイエフ以外の二人はお姫様抱っこが好きなのか?けど俺自体助けるときも走るときもなぜかお姫様抱っこ...不思議だなー。けど、そうなるとまた警察に捕まるんじゃないか?いや、勝てばいいんだよ!
「いいだろう! その勝負受けてたつ!」
「いくわよ!」
「「よーい、ドン!!」」
この場合口で言うしかないでしょう。誰もいないし...泳いでますよ。差はまあ5メートルといったところかな。これなら勝てるな。このまま一気につっき...「ゴフ!」いかん!つった!だが負けるわけにはいかない!警察にお世話になるのはいかない!そんな俺の思いはむなしく消えた。ネプテューヌが好機とばかりにスピードを一気に上げてきた!
「ま、負けた」
「タイチ勝負は一瞬の判断が勝敗を決めるのよ!」
確かにそうだけどさー、今回のは違くね。油断も何もしてないよ。つっただけだし!けどこれ言うとかっこ悪いからそういう事にしておくか。
「そ、そうだな。けどホントネプテューヌは覚えがいいな!」
俺はそう言いネプテューヌの頭をなでる。顔が赤いなー、かわいいなー。
「タ、タイチ。私一回プールをあがる「昼の時間だな、飯食いにいくか!」...ちょ、ちょっと!」
俺は聞く耳持たず、ネプテューヌの手を引いてプールから上がる。確かここにはハンバーガ屋があったよな。水着のままで飯を食べるなんてなかなかない体験だな。
「なにが食べたい?」
「じゃあ、ハンバーガのセットをお願いするわ」
「じゃあ、俺も彼女と同じやつで!」
「か、彼女!?タ、タイチ、それは私のことかしら?」
「ほかに誰がいるんだ?」
こんなやり取りをしていると、店員さんが
「あのーお客様、ご注文はよろしいでしょうか?」
「「あ、はい」」
見事にはもったな。それはいいとしてさっきネプテューヌが何か言って「お待たせしましたー!」...え?俺が注文してから10秒もたってないぞ!マクドナ〇ド恐るべし!
「いただくわ!」
「お、おう。」
腹減ってるのかな?めっちゃ食べるスピードが速いな。食欲旺盛でございますな!確か家でもこんな感じだっけ?いつも1人だけ何回もお替りしてたしな。けどおしとやかだな、食べ方は。ネプテューヌは急に立ち上がり
「タイチ、ちょっとトイレに行ってくるわ!」
「い、いってらしゃい」
ネプテューヌはトイレとは逆方向の脱衣所に向かっていった。
「アイツって方向音痴だっけ?」
追いかけなきゃ!
ネプテューヌ視点
私は今、脱衣所にいるわ。なぜかって...そろそろ変身が持ちそうにもないからよ。ホントはプールのときに着替えに行くつもりだったけど、タ、タイチの強引さに負けちゃったのよ。たまにあの強引さにはキュンとくるのよ。さ、変身を解こうかしら。
「変身解除!」
「ふー、んー疲れたねー!速く着替えて...あれ?」
私としたことが変身のし過ぎで疲れちゃったかな、もう限界かも。
「ネプテューヌ!おい!しっかりしろ!」
「あれ?何でタイチが?」
私はタイチに抱えられていた。なんかタイチ勘違いしてない?言っとくけど私死なないからね。
「大丈夫だよ、タイチ。疲れただけだから」
「そうか、ごめんな。俺が無理させたせいで」
「ううん、いいよ、謝らなくて。...わたし疲れて歩けないから約束どおりお願いしていいかな?」
「もちろんだよ」
その後はちゃんと自分で着替えたよ。それぐらいなら1人で出来るもん!けど疲れて歩けないからタイチにお姫様抱っこしてもらって帰宅中だよ!う、嘘なんてついてないよ、ホントに長時間の変身は疲れるんだから!
「ネプテューヌ、どうかしたか?」
「な、なんでもないよ!」
「なら、いいんだけど...ごめんな、まさか変身を長時間すると疲れるなんて知らなくて勝手に振り回したりして。」
「いいってば、言わなかった私も悪いし...もうこの話は終了!タイチ今日はホントに楽しかったよ!私こんなに楽しくなったのなんて初めてだよ!また、デートしようね!」
「ありがとう、ネプテューヌ」
「う、うん」
タイチってばホントにかっこいいな。私はタイチのことが大好きだけど、タイチはどうかな?なんか不思議な気持ちだな。もっと、タイチのことを知りたいな...けどそのためには私がまず記憶を取り戻さなきゃね!
「タイチ、待っててね!」
「え、なにが?」
「秘密だよ!」
タイチは首をかしげて「秘密かあー」などと言っている。
「いつか、教えてあげるよ!」
「そっか、じゃ、そのときまで我慢するかなー」
私が自分の記憶を取り戻して決心がついたらタイチに気持ちを伝えるんだ。
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第5話です。
今回は戦闘ナッシングですね。
デート×3です!これはなかなかハードです。
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