上空では一夏たちが一触即発の雰囲気を出していた。

今回一夏はダブルオーで出撃。

「来たか。」

「ふん、お前を完膚なきまでに叩き潰す!」

『試合開始』

ブザーが響き、一夏はソードⅡのライフルモードを拡散で放ち分断。

「悪いけど、僕が相手だよ。」

「デュノア!」

一夏vsラウラ、シャルvs箒の形になる。

「さあ行くぞ!」

「叩き潰す!」

一夏は両手にソードⅡを持って接近。

それを見てラウラは嘲笑う。

「ふ、正直に突っ込んで来るとはな!」

ラウラが右手をかざす。

「AICなら見破っている!・・ロックオンじゃないけど狙い撃つ!」

左手のソードをライフルモードに切り替え、三日月のビームを発射。

ラウラはそれを避けるが気がつけば一夏が目の前にいた。

「早い!」

「まずは一撃!」

一夏は右手のソードで切りつけ左手のライフルモードで追い打ちをかける。

「小癪な!」

ラウラはアンロックユニットからワイヤーブレードを射出。

不規則な動きをしながら一夏に襲いかかる。

「くっ、だけどこの程度なら!」

一夏はソードⅡを巧みに使い、ブレードを弾き飛ばしていく。

全て弾き飛ばした所でツインランスに組み替え、さらに切りつけ距離を取る。

「くっ、やるな!」

「お、シャルは箒を倒したか。」

地上を見ると決着がつき、笑顔でサムズアップするシャルに項垂れている箒がいた。

「やはりあいつは足手纏いだったな。」

「それは違うだろ。あいつはお前と違ってここに来て初めてISに触れたんだ。誰でもすぐに扱えるか。」

「ふん、私を倒してからその口を叩くのだな!」

ラウラはプラズマ手刀を展開して接近。

一夏はツインランスで受け止める。

「お前があいつを崇拝するのは勝手だが俺や他人を巻き込むな!」

「貴様さえいなければ・・!教官の大会二連覇の偉業をなし得るはずだった!なのに貴様は誘拐され、教官は決勝戦を放棄して貴様を救出しに行き、着いたときには既に藻抜けの空だった!」

「それがどうした!だからって鈴やセシリアを巻き込むな!」

一夏はラウラを押し返して距離を取る。

ダブルオーライザーにならず、ダブルオーのままでも出力やパワーは既存のISを上回っているので押し返せる。

「織斑一夏!貴様の歪みを・・破壊する!」

一夏はツインランスを分割して、ソードⅡの刀身からビームサーベルを展開。

それを見て千冬たちは驚く。

「実体剣だけではなく射撃やビームサーベルも出せるのかあの剣は・・。」

「すごく万能な武器なんですね。」

ラウラはビームサーベルを見て驚く。

「ふ、こけおどしは通用せんぞ!」

「こけおどしかどうか自分の身で確かめて見ろ!」

ラウラはすぐに気を持ち直すが一夏は高速で接近して袈裟斬りからの回転切りを決め・・。

「これで終わりだ!」

「がはぁ!」

地上へ蹴り落とし砂煙が舞い上がる。

地上へ落下したラウラのISは解除され、目は憎しみに染まっていた。

そして・・。

（ラストワン）

ラウラの持つスイッチが変化。

ラウラはそのスイッチを見つめ・・。

（奴を倒すための力を寄越せ!）

ラウラはスイッチを押す。

精神体がペガサスゾディアーツとなり、ラウラの体は繭に包まれる。

一夏はそんなことを知らずに地上に降り立ち煙が晴れるのを待っていた。

すると・・。

「かはっ!」

「ふふふ、最初からこうすればよかった!さて、私と来てもらうぞ!」

ペガサスが一夏を殴り飛ばし、一夏のISが解除され、連れ去っていく。

「ボーデヴィッヒ!く、山田先生!アリーナ全体に避難勧告を!」

「わかりました!（いい感じに育ちましたね。さて、私たちの仲間になれる器かどうか見極めさせてもらいますよ。ボーデヴィッヒさん・・♪）」

千冬はラウラが繭に包まれて気絶している事を見て指示を飛ばす。

ラウラの精神と身体が分離した事は煙に隠れて見えずに気づかなかった。

となりにいる真耶は避難勧告を出しながら心のなかで成長を喜んでいた。

「ボーデヴィッヒ!しっかりしろ!・・あいつの仕業か!」

「箒、今は避難しよう。（よかった。ボーデヴィッヒさんがゾディアーツだということに気づいていない。）」

ゾディアーツの性質を知らない箒はラウラの体を揺すっていた。

シャルはそれを見て安堵する。

別の場所ではロックオンが簪たちと人目のつかない場所に来ていた。

「ボーデヴィッヒ・・あなたはやり過ぎた。」

ロックオンはそう言ってドライバーを装着してレバーを操作。

（メテオ・レディ?）

ロックオンは右手をゆっくりと体の前に持っていき、次に左手を前に出して交差させ、右手を勢いよく下ろしてレバーを操作。

「変身!」

ロックオンはメテオに変身。

体を屈め、青のオーラを纏って一夏の元へ向かう。

グラウンド

「ふふふ、力が沸き上がってくる!さっきはよくもやってくれたな!」

「うぁぁ!」

一夏を連れ去ったペガサスは右手を踏みつけ、一夏の悲鳴が上がる。

ペガサスは雪片に似た剣を手に持ち突きつける。

「教官と同じ武器・・!これで引導を渡してやる・・!」

「ふっ、笑わせんな・・!お前は決してあいつになれねぇ・・!」

「そんな口が叩けるのか?誰も助けに来ない!死ねぇ!」

ペガサスは剣を突き刺そうとするがメテオが体当たりを仕掛けて距離を取らせる。

「くっ、貴様・・!」

「仮面ライダーメテオ、お前の運命は・・あたしが決める・・!」

いつものポーズと台詞を決めたメテオはペガサスに向かっていき、格闘を繰り出す。

「ぐっ・・。」

「おりむ～しっかり～。」

「ストラトスさん・・。」

その間に一夏はふらつきながらも簪たちが待っている建物の影に逃げ込む。

簪はバガミールを手に持って撮影している。

「アタァ!ホワタァ!」

「くっやるな!」

「甘いわ!」

メテオは鮮やかに攻撃を叩き込み、ペガサスはなぎ払いを繰り出すがメテオはバックステップで避けてギャラクシーを起動。

（マーズ・レディ?）

メテオは認証部分に左人差し指を乗せる。

（OK!・マーズ!）

メテオの右手に火星を象ったエネルギー拳が具現化。

「これが火星の力・・!燃え付きなさい!」

「何っ!」

メテオはペガサスの懐に入り込み・・。

「ホワタァ!」

「ぐぁぁ!」

ギャラクシードライブ・マーズの技・マーズブレイカーをショートアッパーで繰り出しペガサスは吹き飛ぶ。

「これでお前の運命が決まる・・!」

ギャラクシーをオフにしたメテオはスイッチをギャラクシーにセット。

（リミットブレイク!）

先程と同じように認証部分に人差し指を乗せる。

（OK!）

「ホォー・・。アタァ!」

「ぐぁ!」

右手にオーラを纏ったメテオは駆け出してペガサスを浮かせる。

「アタタタ!」

宙に浮いたペガサスに高速パンチを打ち込んでいく。

「ホォー・・。」

そして腰だめに構え・・。

「ホアタァー!」

「ぐぁぁ!」

素早く接近して強烈なストレートをペガサスに叩き込む。

必殺技・スターライトシャワーをくらい、ペガサスから火花が上がる。

「き、教官とこの力を手にしても貴様に勝てないなんて・・!」

「お前の剣は只の模倣。だからあたしに勝つことすらできない。」

「ぐぁぁー!」

メテオがそう言って背中を向けたと同時に爆発が起こる。

「やった～。」

（何だろう・・嫌な感じがする・・。）

喜ぶ本音だが簪は顔色が優れない。

すると逆再生しているかのように爆発が戻り、ペガサスが姿を現したかと思いきや星座が浮かぶ。

メテオと一夏はそれを見て声にならない声を上げる

「ウソ・・まさか・・。」

「そんな・・ウソだろ・・?」

???

「おお、我らの新たなる仲間の誕生だ・・!」

「ついに仲間が増えましたね。」

喜びの声を上げる男性に幹部の一人・ヴァルゴが相づちを打つ。

グラウンド

「クス、あなたの体よ♪」

リブラが現れ、ラウラの体を爆発した場所に放り込む。

「うああ!はぁ～・・。」

ラウラの体を吸収したその瞬間、強固な殻に身を包んだゾディアーツが姿を現す。

「クス、おめでとう♪あなたはキャンサー。十二使徒の一人・蟹座の使徒よ♪」

そう言って二人は姿を消す。

「まさかあいつがホロスコープスの器だったなんて・・。」

メテオは茫然と呟いた。

一方で本音たちが一夏に詰め寄っていた。

倒したと思ったら姿を変えて復活したのだから無理はない。

「おりむ～、あれって何～!?」

「ゾディアーツが姿を変えた・・。」

「・・そうだったな、のほほんさんたちにまだ言ってなかった・・。詳しくはラビットハッチで話す・・。」

一行はラビットハッチへと向かう。

ラビットハッチ

一夏はゾディアーツの幹部・ホロスコープスについて話す。

そしてゾディアーツがスイッチをばら蒔いていることも。

「そうなんだ～。私は協力するよ～。」

「私も協力する・・。家が暗部だから情報も手に入れやすい・・。」

「ありがとう、二人とも♪」

二人が協力を申し出て一夏たちはこれを快諾。

鈴は現在確認しているホロスコープスを思い出す。

「今確認出来てるホロスコープスは・・蠍座のスコーピオン、天秤座のリブラ、そしてあいつが変身した蟹座のキャンサー・・。」

「だけど姿を見せてないだけで他にもいるかもしれないし、今日のボーデヴィッヒさんみたいに覚醒するかもしれない。何にせよ気をつけないとね。」

シャルがそう言った所でホロスコープスの話題は終わり、ラウラの話題に移る。

「みんな、キャンサーは俺に任せてくれないか?あいつが歪んだのはある意味俺のせいでもあるから俺の手で決着を着けたい。」

「・・そうね。キャンサーは一夏に一任しましょう。あとはあっちがアクションを起こさない限りいつも通りに過ごすということで。」

「わかったよ、ロックオン。」

こうして学年別トーナメントは中止に終わった。

しかし、ラウラがホロスコープスへと覚醒してしまった。

一夏はラウラとの決着を着けると心に決めた・・。