No.392326

SPECIAL EDITION MAGICAL GIRL LIRICAL NANOHA STRIKER’S “GREEED OF GREED”   死神とメモリと秘めたる心

恋愛成分を入れたい今日この頃。

どうも最高総司令官です。

さてさて来ましたよ11話目!!

続きを表示

2012-03-16 01:36:49 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1600   閲覧ユーザー数:1566

前回の4つの出来事は・・・

 

 

1つ!アンクとカリムがミッドチルダ・クラナガンを強襲!!

 

 

2つ!アンクがキドラゴスコンボで6課陣達を撃退。そして、カリムもレイ・メイスティーマを撃退した!

 

3つ!レイにとどめを刺そうとした瞬間、奴の体から神が出現。二人はアンクの咄嗟の機転により、その場を脱出した!

 

そして4つ!!アンクを蘇らせた死神が出現し、アンクとカリムに『奴らがすべての元凶だ』と伝えた!

 

COUNT THE MEDAL!!

 

現在、アンクが所持しているメダルは・・・

 

 

タカ×3

 

クジャク×3

 

コンドル×3

 

クワガタ×3

 

カマキリ×3

 

バッタ×3

 

ライオン×3

 

トラ×3

 

チーター×3

 

サイ×3

 

ゴリラ×3

 

ゾウ×3

 

シャチ×2

 

ウナギ×1

 

タコ×2

 

プテラ×1

 

トリケラ×1

 

ティラノ×1

 

コブラ×2

 

カメ×1

 

ワニ×2

 

キリン×1

 

ドラゴン×1

 

ペガサス×1

 

???×1

 

???×1

 

???×1

 

 

そしてカリムが所持しているメダルは・・・・

 

タカ×1

 

トラ×1

 

バッタ×1

 

サイ×1

 

シャチ×2

 

ウナギ×2

 

タコ×1

 

プテラ×3

 

トリケラ×2

 

ティラノ×2

 

コブラ×2

 

カメ×2

 

ワニ×1

 

 

 

~惑星ムディ・アンクのアジト~

 

 

「・・・・神・・・・ですって?」

 

 

「やはりか・・・・・」

 

 

死神の言葉にカリムは愕然とし、アンクはやはりといった表情で胡座をかいていた。

 

そんな二人をしり目に死神は言葉を綴っていく。

 

 

「・・・本来、神聖なる神々は神界と呼ばれる場所に祀られておってな。下界には決して干渉してはならぬという暗黙の了解が存在しておるのじゃ」

 

 

「・・・成程な。暗黙というのはそれが常識だからか。不干渉の理由は下界のパワーバランスを不用意に崩さないようにするためか」

 

 

「!!」

 

 

すると、アンクの発言に驚いたのか、死神は目を剥いて少しだけ笑った。

 

 

「ほっほっ。やはりお主の直観はいつ見ても凄まじいの。何か?読心術の類でも持っておるのかの?」

 

 

「・・・そんな事はどうでもいいからさっさと話を続けろ。なぜ奴らはこの下界とやらに干渉してきた?」

 

 

「ふむ。恐らくお主というイレギュラーが発生しておるからじゃろうのぅ」

 

 

「・・・・・・・・・なに?」

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

今度はアンクが驚く番だった。死神の発言にアンクは驚愕をあらわにした。

 

その表情を見たカリムは何かを感じたのか、アンクの手を握り締めた。

 

 

「・・・・俺がイレギュラーってのはどういう事だ?」

 

 

「ふむ。わしはお主が復活する前に、何人かの人間の名前を問うた事があったの?」

 

 

「あぁ。確かクライド・ハラオウンとかプレシア・テスタロッサとかの名前を聞いてきたなぁ。確かそいつらは本来死ぬはずだったとか何とか。それがどうした?」

 

 

「実は転生者共が居た世界では、この世界はアニメや書籍の話として扱われているのじゃよ」

 

 

「何だと!?」

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

この質問にはさすがにアンクも冷静でいることが出来なかったのか、思い切り立ち上がる。そしてカリムはその質問に対しても無言だった。

 

 

「それじゃ復活前に聞いてきた人物は、物語の上では過去に死ぬはずだった人物だったってのか!?」

 

 

「その通りじゃ」

 

 

「・・・・・はは・・・・。マジかよ・・・・・」

 

 

アンクはまるで力が抜けたように呟いて、床に座り込んでしまった。

 

 

「アンク・・・・」

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

カリムはアンクに寄り添うも、アンクは何の反応も示さなかった。

 

 

「(・・・流石にインパクトが強すぎたか)・・・すまんが、話を続けても良いかの?」

 

 

「・・・・・・・・好きにしろ」

 

 

死神は内心で罪悪感を感じ、アンクに問うた。しかしアンクは未だに項垂れたままそうつぶやいただけだった。

 

 

「ふむ、そうさせてもらおうかのぉ。その死ぬべき人物達の話しは一旦隅に置いておいて次にイレギュラーの話じゃな」

 

 

「ジン・ヘイストン。お主は本来、機動6課自体に関わる予定も未来もなかったのじゃ」

 

 

「え・・・・・?」

 

 

今度声を漏らしたのはカリムだった。アンクの頭を肩に乗せながらも、目だけは驚愕に染まっていた。

 

 

「衝撃的じゃろうが事実じゃ。お主は本来、機動6課ではなく管理局の自然保護観察官というモブキャラが就くような任務について、普通に結婚し、普通に年老いて、普通に引退して、普通に死んでいくという一生を迎える予定じゃった。じゃが、そのお主の歴史を勝手に変えてしまった愚か者がおった。それがお主達が先程出会った神、『アマテラス』じゃ」

 

 

「アマテラス・・・・、それが奴の名ですね!!!」

 

 

カリムは先程の光景を思い出したのか、右拳を強く握りしめ、顔を憎々しげにゆがめた。

 

 

「・・・・いきりたち怒りに燃えるのは若い者の特権のような気じゃが、出来れば儂の話を聞き終わってからにしてもらいたいのぉ」

 

 

「あ・・・、す、すみません・・・・」

 

 

カリムは握りしめていた右手を解《ほぐ》すと、一度座りなおして話を聞く態勢を整えなおした(余談だがそれをやっている間も左手はアンクの手を握っており、それを見ていた死神が若干ほほえましそうに見ていたらしい)。

 

 

「さて、話を続けさせてもらうぞぃ。実はつい最近、アマテラスには協力者がいると判明してのぉ。そやつの名は『ミカエル』。アマテラス、ミカエルともに神界の中でも屈指の力の持ち主じゃ。この二人は初めこそまともに仕事をしておったんじゃが、何時の頃からか下界の人間をこの世界を含むありとあらゆる世界に事故と偽って落とし始めたんじゃ。

 

そしてそういう事をしていく内に奴はこの世界にたどり着いたのじゃ。じゃがそのアマテラスが転生者の一人であるレイとかいう男に惚れてしもうたんじゃ」

 

 

「成程・・・・。奴があれ程の凄まじい能力を持っているのには何か裏があるかと思っていたが、そういう事だったのか」

 

 

すると今まで俯いていたアンクが再び会話に参入してきた。

 

 

「アンク。もう大丈夫なの?」

 

 

「あぁ。取り乱してすまなかったな。死神、話を続けてくれ」

 

 

アンクはカリムに軽く謝ると、再び死神のほうに向きなおって話の催促をした。

 

 

「・・・さっきお主が言った通り、アマテラスは自分の力の一端である能力をメイスティーマへと移し替えてこの世界へと送り込んだ。そして・・・・、アマテラスは下界の人間を蘇らせ、別世界へと行かせておったミカエルを抱え込み、ミカエルが持っておる能力『人生の創造《ライフ・クリエイター》』を使わせて、お主がこの世に生を受ける前に本来のお主の人生をすべて書き換え、そしてメイスティーマがお主を倒すように、そしてすべての存在からの嫌われ者になるようにしたのじゃ。まぁ、奴自身、カリムがこちら側につくとは思ってみなかったようじゃがの」

 

 

「その計画を知った儂はすぐにお主を見つけ出して復活させた。その際にお主の記憶を見せてもらったが、まさかあそこまで過酷な人生を送ってるとは思わなかったわぃ。

 

そして、儂はお主を復活させた後、アマテラスとミカエルの事を徹底的に洗い出した。すると出てくる出てくる、偽造や捏造の嵐じゃったよ。それこそお主が今まで殺してきた人数なんぞ足元にも及ばぬくらいの量があったわぃ」

 

 

おかげで神界は大混乱じゃわぃ、といって死神はあごひげをなでる。一方アンクは偽造捏造の量の多さに驚いていた。ちなみにアンクは自らが手を下して殺した人間の数はほぼ覚えている。その人数はざっと45,238人だそうだ(ただし、間接的に死んだ者や即死でなかったものはカウントされていないので、実際はそれよりも多いらしいが)。ちなみにそういう事をしている理由は、弔いとか謝罪とかではなく、ただの趣味だそうだ。

 

 

「しかし、おぬしも知っている通り組織というのは動くのが遅い。そこで儂が神界の連中を脅して、こうして奴らに制裁を与えにやってきたというわけじゃ。これで儂がここに来た理由はわかってもらえたかの?」

 

 

「大体な。カリムは?」

 

 

「ほとんどはわかりましたから大丈夫よ」

 

 

「何よりじゃ」

 

 

そう言って死神は嬉しそうに笑い、立ち上がって杖を構える。

 

 

「帰るのか?」

 

 

「うむ。一度神界に戻ってこの事を報告せねばなるまい。それに奴らを倒すのにはそれなりの準備が必要じゃからの」

 

 

「・・・・・・大変だなあんたも」

 

 

「ほっほっ。お主やカリム程ではないて。では、の」

 

 

アンクは心底同情したような口調で言うと、死神は軽く苦笑しながらそう答えた。そして、パチンという音と共に死神は消えた。

 

 

「・・・転移魔法かしら?」

 

 

「さてな。さて、俺らはこれからどu」

 

 

ゴトッ

 

 

「「?何(だ)?」」

 

 

二人がこれからどうするかを相談しようとすると、突如、少し大きめのジェラルミンケースが現われた。アンクが訝しげに中を開けるとそこには・・・

 

 

「これは・・・・・」

 

 

「ガイア・・・メモリ?」

 

 

そこにはA~Zまでの純正化された27本のガイアメモリが、まるで使われるのを今か今かと待ちわびているかのように、ケースの中に収められていた。

 

そのラインナップは、

 

『ANT(蟻の記憶)』

 

『BETTLE(カブトムシの記憶)』

 

『CUT(切断の記憶)』

 

『DIMENTION(次元の記憶)』

 

『DEVIL(悪魔の記憶)』

 

『ETARNAL(永遠の記憶)』

 

『FIRE(火の記憶)』

 

『GUNNER(砲手の記憶)』

 

『HIT(打撃の記憶)』

 

『ICE(氷の記憶)』

 

『JESTER(道化師の記憶)』

 

『KNIGHT(騎士の記憶)』

 

『LONG(長さの記憶)』

 

『NET(網の記憶)』

 

『MAGNET(磁石の記憶)』

 

『OCELOT(オセロットの記憶)』

 

『PLANT(植物の記憶)』

 

『QUICK(速さの記憶)』

 

『RECALL(召喚の記憶)』

 

『STOME(嵐の記憶)』

 

『TIME(時間の記憶)』

 

『UNICORN(一角獣の記憶)』

 

『VISION(映像の記憶)』

 

『WEATHER(天気の記憶)』

 

『XTREME(超越の記憶)』

 

『YEGG(強盗の記憶)』

 

『ZONE(地帯の記憶)』

 

と、選り取り見取りだった。とここで、アンクがケースの奥底に置いてあった紙に気がついた。そこには丁寧な字でこう書いてあった。

 

 

『儂からの選別じゃ。上手く使うようにの。DEVILのメモリじゃが、それは神の能力やチート系の力を封じ込める為のものじゃ。それ以外の人物に使っても大した効力は望めんから使わんことをお勧めするぞぃ。

 

D.A.

 

追伸

D.Aは儂の姿のモデルとなった人物の名じゃ。名は確か『アルバス・ダンブルドア』とかいっとったのでの。じゃから、お主もその名で呼んでくれると助かるわぃ』

 

 

「・・・・ふん。死神・・・いや、アルバスも粋なことをしてくれるなぁ」

 

 

アンクは頬を吊り上げて薄く笑い、プライムに指示を出す。

 

 

「プライム」

 

 

『Yas.What is it?(はい。何でしょうか?)』

 

 

「俺が作ったメダルを出せ」

 

 

『is it all right? although that has reached the level which can still be said to be completion -- completeness・・・・・certainly.(よろしいのですか?あれはまだ完成とは言えるレベルに達してはいますが、完全とは・・・・・・、かしこまりました)』

 

 

アンクの言葉に最初こそ反対していたプライムだったが、並々ならぬ決意を秘めたアンクの眼光に負け、渋々ながらも言われた通りのものを出した。アンクはプライムから出された物をつかみ、カリムの方を向いて、ある物を差し出した。

 

 

「!?これは!!」

 

 

カリムはそれを見て驚愕した。そこに会ったのは、クジャク・コンドル・ライオン・チーター・ゴリラ・ゾウ・トリケラ・ティラノのコアメダルだった。トリケラとティラノを除けば、すべて今のカリムが持っていないメダルばかりだった。

 

 

「・・・・このメダルは、アストラの研究ノートを見て俺が新たに作り出したメダル達だ。今までは俺が状況に応じてメダルを渡してたが、それだけじゃどう頑張っても対応が出来ないことがあるからな。それにコンボを組めるのがタトバ、プトティラ、シャウタ、ブラカワニだけじゃキツイだろ」

 

 

「まぁ・・・・、確かに」

 

 

そう言ってカリムはアンクからメダルを受け取る。そしてそのメダルをいい笑顔で見つめるカリムだった。

 

 

(イィイイイイイイイイイイイイイヤァアアアアアアアアアアアアッタアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!アンクからのプレゼントォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!ヒャッハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!これで管理局が来ても無敵ヨォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!)

 

 

しかし、その心中はキャラ崩壊を起こす程とんでもないものと化していた。原作(striker's)の頃の清楚なカリムはどこへ消えてしまったのやら・・・・。でもその顔は清々しい程の笑顔なんだから恐れ入る。

 

その笑顔を見たアンクはどこか嬉しげに、そしてどこか寂しげに外へと出て行った。

 

 

~アジト・外~

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・フン!!」

 

 

ゴォオオオオオオ!!!

 

 

アンクは外に出た後、体から膨大なエネルギーを放出させ、目を黄色の光らせた。しかしそのエネルギーは、赤とも緑とも違う、黄色一色のエネルギー波だった。そのエネルギー波を、アンクは苦しそうに顔を歪めながら放出し続ける。

 

 

バチッ!バチバチバチッ!!!

 

 

「・・・やっと来たか!ハァアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

 

ォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

 

 

すると体に黄色の電撃が奔り、体内のセルメダルが蠢きだして、体の表面に震えながら浮き出てくる。

 

それを見たアンクは不敵な笑みを浮かべ、さらにエネルギーの放出を強める。そして

 

 

キュィイイイイイイイイイイイイイン

 

 

黄色の光とともにアンクの体が姿を変えた。その姿は猫のような顔を持ち、鉤爪のような爪を持ち、チーターのような模様が施された足を持った形態だった。

 

それは、かつての欲望事変の際に初代オーズだったアストラが率いた5体のグリードのうちの一人、猫科のグリード『カザリ』だった。

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・・」

 

 

キュィイイイイイイイイイイン

 

 

カザリは息を荒く肩を上下させながら元の人間態へと戻り、地面に寝転がりそのまま熟睡を始めた。

 

 

~2時間後~

 

 

「・・・・ん・・・?何だこの毛布・・・」

 

 

2時間程眠りについていたアンクは、2時間程経ってから目を覚ました。そして、自分にかかっている毛布に気がついた。

 

少し辺りを見渡すと、近くに同じような毛布を被って寝ているカリムの姿が見えた。その顔は穏やかで、とても幸せそうに見えた。

 

 

「・・・・どうやらカリムが毛布をかけてくれたようだな」

 

 

アンクはフッと笑うと、自分にかかっていた毛布を退かして、カリムの毛布をかけなおす。

 

 

「うぅ・・・アンク・・・」

 

 

「ん?」

 

 

カリムが寝言で自分の名前が出た事に気が付きカリムの方を向くと、何やら苦しそうな表情《かお》で何かを呻いていた。アンクは多少気になったが、大したことはないだろうと判断して歩き去ろうとする。

 

 

「行かないで・・・・・アンク・・・」

 

 

「・・・・・・・・・・・はぁ」

 

 

アンクはカリムのその寝言を聞いて、カリムの傍に行き、その手を握った。

 

 

「・・・俺はどこにも行かない。だからゆっくり眠ってろ」

 

 

「スゥ・・・・・スゥ・・・・・」

 

 

アンクがそう囁くと、カリムは穏やかな顔に戻り、再び安らかな寝息を立て始めた。

 

それを確認すると、アンクは物思いに更け始めた。

 

 

(・・・こいつはいつもそうだ。自分の事はそっちのけで俺なんざの事を優先して考えてくれる。それは夢の中でも変わんないのか。俺は、いい女に好かれたな(・・・・・))

 

 

そう思ってアンクは穏やかな顔で笑う。実は、アンクはカリムが自分に向けてくれている好意に気が付いていたのだ。

 

正直、アンクは嬉しかった。

 

こんな自分でも気にかけてくれる人がいる。そして心配してくれる人がいる。アンクという、ジンという人物の存在を認めてくれる。暗い深海のような場所で過ごしていた自分に一筋の道をくれた。そして今度は自らの人生をも犠牲にし、自分という血に塗れた化け物に着いてきてくれた。自分に道を、そして光を射してくれただけでもありがたいのに、人生を棒に振ってまで着いてきてくれる女の心情に、アンクが気がつかないわけがなかった。

 

そしてアンクも・・・・。

 

 

(いや・・・)

 

 

そこまで思って、再び笑う。その顔には自虐の表情が浮かんでいた。

 

(俺に幸せは似合わない。たとえ似合ったとしても、世界は俺を幸せにさせてはくれないだろう。所詮俺は化け物だからな。だが今だけは・・・)

 

 

この幸せな時間に身を浸らせてもらいたい・・・。

 

 

アンクは心の底からそう願った。

 

ちなみにアンクは先程の行動に羞恥を感じたのか、カリムが起きて数時間くらいは若干顔が紅かった。

 

 

~数日後~

 

 

アンクとカリムは時空管理局・地上本部へと赴いていた。そして近くの木陰に隠れる。

 

 

「さて・・・、とっとと潰して帰るか」

 

 

「えぇ。そうしましょう」

 

 

そう言ってアンクはロストドライバーとETARNALを、カリムはオーズドライバーを取り出し、タカ・トラ・バッタのコアメダルを装填する。

 

 

『ETARNAL』

 

 

キキキィン!!

 

 

「「変身」」

 

 

ギュィン!!

 

 

『ETARNAL』

 

 

『タカ!トラ!バッタ!!タ・ト・バ♪タトバタ・ト・バ♪』

 

 

アンクはETARNALを起動させて、ロストドライバーに装填し、エターナルへ、カリムはコアメダルを装填してオーズ・タトバコンボへと変身した。

 

そしてエターナルは死神に渡されたメモリの内の一本『LONG』を取り出し、右腰のマキシマムスロットへと装填する。

 

 

『LONG!!MAXIMUM DRIVE!!』

 

 

そしてそれを確認したエターナルは、エターナルエッジを取り出し、ロストドライバーに装填されているETARNALメモリを抜き、エターナルエッジへと装填した。

 

 

『ETARNAL!!MAXIMUM DRIVE!!』

 

 

「「「あぁあああああああああああああ!!?!」」」

 

 

すると、地上本部の門番兼見回りをしていた局員が、エターナル・レクイエムの効力により、悲鳴と苦痛に満ちた叫び声を上げて地面に倒れこむ。

 

しかしそれは門番だけに止まらず、レクイエムの波動は本部全体を包み込むだけではなく、本局がある町全体を包み込んでしまったのだ。

 

これがLONGの能力である。

 

通常、ガイアメモリは効力の範囲が限られているが、長さの記憶をもつLONGは持ち主の意思に応じて効力の範囲を無限大に広げてくれるのだ。

 

 

「さて、地上本部にいる上層部の屑を根こそぎなぎ払うぞ」

 

 

「了解よ、エターナル」

 

 

ドシュ

 

 

オーズはエターナルにそう返すと、近くにいた局員の心臓をトラ・クローで貫き、息の根を止めた。

 

 

「ラスト・プロード!!」

 

 

「断罪の雷!!」

 

 

「「!!」」

 

 

二人が本部に入ろうとした瞬間、二人に向かって雷が落ち、地面が爆発した。二人はそれを左右に飛んで回避し、その元凶であろう二人・・・ミカエルとアマテラスを睨みつける。

 

 

「ちぃ・・・この間の奴か!!」

 

 

「悪いわね化物。これ以上私の旦那様の邪魔はさせないわよ?」

 

 

「私の転生者達を何人も殺してくれるとはな・・・・、覚悟は出来ているか小僧・・」

 

 

「はっ!!悪ぃがテメェラと話す舌は持ち合わせてねぇな!!!」

 

 

エターナルは叫ぶと同時に腕のマキシマムスロットにSTOMEを、右腰のマキシマムスロットにUNICORNを装填した。

 

 

『UNICORN!!MAXIMUM DRIVE!!』

 

 

『STOME!!MAXIMUM DRIVE!!』

 

 

「はぁ!!」

 

 

ゴォオオオオオオオオオ!!!

 

 

するとエターナルの腕に青と緑の風がまとわりつき、それを確認したエターナルは即座にそれを放つ。

 

 

「ふん・・・。その程度のもの」

 

 

ミカエルはその技を嘲笑し、右手を前に出す。するとアマテラスと同じようにかき消されてしまった。

 

 

『QUICK!!MAXIMUM DRIVE!!』

 

 

「なに!?」

 

 

しかし、そのガイアウィスパーが響くと同時に、エターナルとオーズは姿を消してしまった。

 

 

「ちぃ!!何処行った!?」

 

 

「QUICKは速さの記憶を秘めているはずよ。ということは奴らは超高速で建物の中に駆け込んでいったと考えるのが常套ね」

 

 

「ちぃ!そう簡単にはいかせるか」

 

 

『残念じゃが、そう簡単に行ってしまうんじゃのぅ』

 

 

「「!?」」

 

 

二人は声がした方向へと顔を向ける。そこには、険しい表情をしたアルバスが杖を構えて立っていた。

 

 

「あら。誰かと思ったらあなたか。それで?死神風情《・・・・》が神である私達に何の用かしら?」

 

 

アマテラスは余裕の表情を崩さず、さらにはアルバスを見下したかのような口調で問うた。それに対してアルバスはその険しい顔つきを崩さないが、その飄々とした態度だけは崩してはいなかった。

 

 

「ほっほっ。アマテラスのババァはともかく、ミカエルお主の事じゃ。もう検討はついておるのではないかの?」

 

 

死神は文句を言っているアマテラスを無視しミカエルの方に顔を向けると、ミカエルは体を震わせ、顔には怖れと驚愕の表情が張り付いていた。

 

 

「まさか・・・、最高神様が!?」

 

 

「そうじゃ。お前達の上司《最高神》が儂に直々の命令を下した。『ミカエル及びアマテラスの両名を、下界に不当に介入及び下界の住人の人生を完膚なきまでに壊した罪により、両名の抹殺を命ず』とな」

 

 

「・・・・・・・・・・・」

 

 

その言葉にミカエルは黙り込んだ。そしてアマテラスは・・・

 

 

「ふふふふ・・・・・、キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!」

 

 

突如として高笑いを始めた。

 

 

「あ~あ、な~んだもうバレちゃってたんだ。つ~まんないの~」

 

 

そして先程とは打って変わったような声や口調で話し始めた。そしてどこからか金と銀で作られたと思われるベルトを取り出し、腰に装着する。それに伴い、ミカエルも金を主体としたベルトを腹に出現させる。

 

 

「言っておくけど、私は捕まる気は更々ないわ。それにアンタをバラしてこの場を逃げればいいだけの事よ!!。変身!!」

 

 

『GODDESS FORM』

 

 

そう言ってアマテラスは金色のケースのようなもの『ゴッドパス』を取り出し、金銀のベルト『電王ベルト』にタッチした。

 

すると細かい金属片にアマテラスの体が覆われ、桃、亀、斧、竜、翼を模した5つの仮面のようなものが胸、右肩、左肩、顔、背中に装着され、顔の仮面が左右にスライドし、その体を金と銀のみの色に変え、その姿を『仮面ライダー電王・ゴッデスフォーム』へと変身させた。

 

 

「はぁああああああああああ・・・・・・変身!!!」

 

 

ブゥウウウウウウウウン!!!

 

 

ミカエルはベルト・・・『オルタリング』の両サイドのボタンを強く叩いた。すると、ミカエルの全身を強烈な光が覆い、その光が止むとそこには、金色の角と屈強な肢体、竜を思わせるような顔をした戦士『仮面ライダーアギト・グランドフォーム』へと変身していた。

 

 

「ふふふ・・・。あなたみたいな落ちこぼれには私のような高貴な存在は絶対に倒せないわ。私を倒せるのはただ一人、私のダーリンであるレイ・メイスティーマ様ただ一人・・・・」

 

 

「そういうわけで悪いが死神、お前を殺させてもらうぞ」

 

 

アマテラスは惚気るのをやめ、ミカエルも殺気や覇気を放って死神をけん制する。

 

それを見たアルバスは、やれやれとため息をつき、杖を懐にしまいこんだ。

 

 

「やれやれ。前・最高神様も厄介なものをお残しになられる方じゃ。人間《・・》から成《・》り上《・》がった神を残していくとは・・・。振り回される此方の身にもなってもらいたいものじゃ」

 

 

「・・・・何を言っている?」

 

 

「なに。お主の言う死神如きの戯言じゃ。別に気にせんでいいわぃ」

 

 

そう言ってアルバスはローブを翻す。するとローブの内側から、じっとしていれば芸術品か何かと勘違いしそうな黒い蝙蝠が羽ばたいて出てきた。

 

 

「さて、久しぶりに戦おうかのぅ。『キバット』」

 

 

『まったく・・・・久し振りに呼び出したかと思えば、いきなり戦闘か・・・。まぁ、それも一興だな』

 

 

黒い蝙蝠『キバットバットⅡ世』は、ため息を吐くような仕草をしてみせるも、嬉しそうにアルバスの周りをクルクルと周りだした。

 

一方、アギトと電王は困惑していた。なぜなら、あれ《キバットバットⅡ世》は別世界のもので、本来はアルバスが持っていることが出来ないはずのものだからだ。

 

その困惑した視線に気がついたのか、アルバスはほくそ笑みながらキバットⅡ世を手に乗せる。

 

 

「ほっほっ。それでは行くとしようかの。キバット」

 

 

『ありがたく思え。貴様らには真の絶望を与えてやろう。ガブリッ』

 

 

そう言ってキバットⅡ世はアルバスの手にかみつく。すると、アルバスの顔や体にステンドグラスのような紋様が浮かび上がる。そしてそれに呼応するかのように鎖がアルバスの腰に纏わりつき、紅い止まり木のようなベルトへと変化した。

 

 

「変身」

 

 

アルバスのその掛け声とともにキバットⅡ世は止まり木のベルト『キバットベルト』に収まる。すると、緑の波動と銀色の液体が彼の体を包み、それをはじけ飛ばして右手を振ると、そこには果てしない暗黒を表し、そして蝙蝠を模したかのような仮面を身につけ、印象的な黒いマントを風になびかせた漆黒の戦士『仮面ライダーダークキバ』が姿を現した。

 

 

「さぁ、儂に敵うと思う奴はかかってこい」

 

 

その言葉と同時に、アギトと電王がダークキバに飛びかかった。

 

 

~NEXT STAGE~


 
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