第28話『再会への道』
エヴァの別荘から出て寮に戻る事にした。
学校は思いっきりスルーだったり、今日はもうどうでもいい。
エヴァの家から出て行く時、茶々丸さんから袋を貰ってたみたいだけど何だ?
「明日菜さん、何を貰ったんですか?」
「え? これは何でも無いわよ」
明日菜さんが赤くなって紙袋を後ろに隠す。
滅茶苦茶怪しいんだけど。
「ネギ君、帰ってからのお楽しみや」
「帰ってからの……わかりました」
帰ってからじゃないと駄目な物って言ったら食べ物?
こう言う時はお茶菓子とかが一般だよね。
木乃香さんがそう言うなら追求することはない。
「ネギ先生」
木乃香さんの後ろにいた夕映さんが斜め前にいる僕に話しかけてきた。
「魔法の練習って具体的には何をすればいいんでしょうか?」
「簡単ですよ。とりあえず、呪文を唱える練習や体力づくりかな?
それを何回も何回もやっていけばなれます」
「そ、それは苦労しそうですね」
「ネギ先生、私、がんばります」
のどかさんが握りこぶしを作って笑顔で言うが、僕は裏を突く。
「運動大丈夫ですか?」
「うっ! それを言われたらつらいです」
運動神経が無いに等しくて落ち込むのどかさん。
夕映さんもほぼ無いですよね、この時の状態は。
「のどかさんも夕映さんもがんばってください。
明日菜さん、木乃香さんってあれ? 刹那さん、どうしてそんな所で影を薄くしてるんですか?」
景色と同化しそうな雰囲気になっていた刹那さんがいた。
そう言えば、かなり空気になっていました。
「木乃香さん、刹那さんの事」
「せっちゃん? わかったえ。明日菜、せっちゃんとどっか行こ?」
「いいわよ。ネギはどうするんの?」
「これからちょっと用事ありますから」
刹那さんが前より影が薄いけど、今だけだよ? と心の中だけで思った。
僕は明日菜さん達と別れ、世界樹の所まで走った。
~世界樹~
誰もいなかった。
世界樹がまるで僕を照らすかのような存在に見えた。
今になって何でそう見えるのか僕にはわからない。
「まあいっか。それよりもデウス・クレアートル・マスター・キー……デウス・キーと省略する」
名称が長いし、言い方が前から決まってなかった。
問題は……、
「創造神の鍵、いや権限の鍵、省略名デウス・キー……この鍵は何のために?」
手を上に掲げると、1Mの鍵を形成する。
本当、何のために存在してるんだ?
「結局、権限の鍵が本当の名前らしいけど、効果はどうみても創造神並みだな」
悪い例として、世界を支配したり創世できる。
ああ、ガノードの魔力は僕より上だった。
ガノードとは前世界のラスボス的存在だった。
フェイトや創造主などより相手にしたくないナンバーワン。
性格が冷酷すぎるし、暴走すると駄々っ子になるシュールの持ち主。
「そう言えば、ガノードは宇宙に惑星を生み出して地球に発射させたんだ。って事はよし!」
今、やってみるか。
一番危険な事を子供のようにはしゃぐネギ。
気づいていないようだが、そんなことしたら地球が消える事をネギは知らない。
ガノードが使って地球が消えなかったのはネギが抵抗したからだ。
「ではさっそく」
「いや待てよ」
やる気十分の僕の中から、僕もどきが出てきた。
「あ、僕もどきだ」
「権限の鍵でそれをやるな!」
「……世界消えるから?」
「それもあるが、人の気配がするからだ」
「何、だと……ってああ、小太郎か」
僕は小太郎の気配を感知し、建物の屋上に飛び乗る。
50M先に学生服の少年が腕を組み、立っていた
「う~ん、それより何で透き通ってるの?」
「お前経由で出てきた訳じゃない」
「そうだったね、まだ残ってたんだ。……よし、瞬動」
どうでもいいと放置して、いきなり反撃はゴメンなので小太郎の背後に回り込む。
その後、魔力を溜めながら挨拶をする。
「久しぶりだね」
「ネギスプリングフィールド! 勝負や」
「ええ~。しょうがないなぁ。あっさりと倒してあげる」
「ふざけんなや! 今度の俺はちっと違うで!」
「どんくらい違うの?」
「これや!」
黒い塊を集束していき、大きな黒い玉になった。
結構な力が集束しているね。
「それを僕に当てても大したことない気が……」
「何を勘違いしとるんや? 俺に、ワイに同化させるんや!」
小太郎は自分の腹の中に打ち込んだ。
すると、倍以上の気が解放。
「これは……」
「そうや。難しい事はよくわからへんけどなぁ、
自然のエネルギーを吸収して自分のエネルギーにできるんや」
「……へぇ」
小太郎がそんなことできるようになるなんて……
使えるようになった理由がわか、ってまさか、あの黒服の?
「まあいいや。今は勘弁してもらえないかな?」
「どうしてや?」
「あの2日、いや1日待ってくれない? それに夜の時間ならOKだよ」
「体調でも悪いんか? なら、しゃーないな」
「うん」
本当は違う。
ヘルマンが攻めてくるとしたらそれぐらいの時期だ。
小太郎がここにいると言う事は千鶴さんと夏美さんにも会ってない。
「う~ん、だいぶ違う経由になった」
「何を言うとるんや?」
「何でも無い。そう言う事だから僕はこれで」
小太郎があっ、と呟いたのを聞こえたが無視して自分の部屋へ戻った。
今、戦うとヘルマン達の来る時期ずれる恐れがある。
~ネギの部屋~
夕御飯の時間だから帰ってみたのは良いが、ここで凄い感動を見た。
まさか、まさか、ここで拝める日が来るとは思わなかった。
「えと、何か反応してくれないとさすがに恥ずかしいんだけど?」
恥ずかしそうに指をもじもじさせながら言う明日菜さん。
服装は何とメイド服だ! バカレッドを強調した赤色のだ。
なるほど、あの袋の中身はメイド服だった訳だ。
その隣にいる木乃香さんもメイド服。
「ネギ君、嬉しい?」
「最高っすよ!」
テーブルの上に生き物が親指をグッと立てていた。
というか、この下等生物まだいたんだ……。
木乃香さんが溜息を吐いた。
「カモ君に聞いたんやないんやけど?」
「兄貴もそう思わないっすか!?」
「木乃香さんも明日菜さんもお似合いです。それはそうとお腹が空いたんですが」
「あ、そやった。準備してくるで! ほら、明日菜も!」
「え? ……わかったわよ」
木乃香さんと明日菜さんは奥の方へ向かった。
夕御飯まで待つか。
「メイド姿のままでいるつもり?」
脱ぐ気配が全くしない。
夕御飯もそのままでするつもりなのか?と僕は思った。
……1時間後
テーブルには料理が並んでいた。
僕は箸を持って
「いただきます」
と言って、食べようと料理に手を出そうとしたら、木乃香さんが頬を赤らめてこんな事を言いだした。
「ネギ君、いえご主人様、ご奉仕しましょうか?」
「はいっ!?」
「ちょ、ちょっと!」
「何か問題でもあるん?」
木乃香さんが変な事を言い出したので僕は間抜けな声を出し、明日菜さんも慌てる。
そして、帰ってきた言葉がこれだ。
問題あり過ぎだろ? 僕は嬉しいけどさすがに10歳の状態じゃあ、なぁ~。
「いや、普通はしないでしょ?」
「明日菜はしたくないん?」
「私もした……じゃなくて! 恥ずかしいからやめなさいって言ってるのよ!」
「……じゃあ、着替えるで」
「そうね、誰か来たら困るしね」
いや、来ないから着替えるのは止めて、とは言えないよね。
明日菜さんと木乃香さんは洋服を掴み、木乃香さんが「入れ替え」と呟く。
すると、一瞬にして洋服に変わった。
「この魔法って便利ね」
「エヴァちゃんから教えてもろうた呪文やけどね」
「へえ~」
そんな呪文があるなら、なぜ前は使わなかったんだ?
また違いを見つけて考えたが、見つかる訳もなく断念して食事を取る事にした。
~ロンドン~
占い師の仕事をやっていた少女は部屋で手紙を読んでいた。
帰ってきた少女は机の上に置いてある手紙の中身を見た。
「何よこれ」
そこに書かれた事はこうだった。
『アンナ・ユーリエウナ・ココロウァに条件変更を命ずる。
麻帆良学園の生徒となり、ネギスプリングフィールドの補佐として勤めよ。』
ウェールズの学校から来た手紙に書かれていた。
何度も見たが未間違いではなく本当にそう書かれていた。
実はこれ、ウェールズの学園長とネカネがアーニャのために、という事を後で知る事になる。
「どうして私が日本に行かなきゃいけないのよ!
まぁ、ネギに会えるんならって何で嬉しそうに言うのよ、私は!!」
これじゃあ、私がネギの事好きみたいな言い方じゃないのよ! と暴れたが、疲れてベットに横になって考える。
「まあ、考えても仕方が無いか」
ベットから立ち上がった。
アーニャの目はなぜか燃えていた。
「ネギ……よし、行くわよ」
そう自分に言い聞かせて決心したアーニャはバックを持って日本へと旅立った。
これがどのような結果に変わるんだろうか。
第29話へ続く。
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アーニャに関してだいぶ変わってますが、性格というか本質は変わりません。
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