No.39171

団蔵の帳簿捜索大作戦☆

きっかさん

忍たまの会計委員会!
文章力のへったくれもありません☆
ほんのり文三木・団三木・文伊?的な表現があるかもしれないです^^
書いた本人が腐っているので…
あとなんか性描写っぽい?所があります…やってませんが…

2008-11-02 20:24:45 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2261   閲覧ユーザー数:2186

 

 その日の夜、団蔵は三木ヱ門を捜していた。

「田村先輩、田村せんぱぁ~い」

 てとてとと廊下を歩く団蔵の顔には、どことなく不安の色が見える。

 先日の委員会で宿題に出されていた帳簿を、失くしてしまったのだ。

 元々団蔵と、その同室の虎若は掃除というものが得意ではない。現に、1ヶ月に1回は綺麗好きの伊助に手伝ってもらい、洗濯をしなければならない状況になる。帳簿を失くしたのは、その二人の掃除ができない性格が原因と思われる。

 もし会計委員長にでもばれたら、バカタレどころではない。となると、誰かに手伝ってもらって探すほかに方法はない。伊助は丁度風邪で寝込んでいるし、同室の庄左ヱ門も伊助の看病をしている。他のは組のメンバーも、あまり掃除が得意な方ではない。同じ委員会の左門は、方向音痴だから捜したって見つかりっこない。佐吉は野宿付きの実習訓練に出かけているし、頼りになるのは三木ヱ門くらいしかいなかったのだ。

「やっぱり部屋にいるのかなぁ……」

 風呂にもいなかったから、やはり部屋にいるのだろう。

 決心した団蔵は、「四のろ 田村」の表札がかかっている部屋の前に辿り着くと、はぁと溜息をついた。

 と。

『……!っ……』

(……? なにか聴こえる……)

 耳を澄ますと、目の前の三木ヱ門の部屋から声が聴こえる。疑問に思った団蔵は、木戸に耳をぴったりくっ付けるようにしてしゃがみこんだ。

 部屋の中から聴こえてきた声を文字にすると、恐らくこんな感じだろう。

『……んっ……はぁっ、っぁ……ふ、ぐ……っ』

 確かに部屋の主の三木ヱ門の声である。が、それと一緒にこんな声も聴こえてきた。

『っ田村……もうちょっとだ……もう少し……』

 これは……文次郎の声。何故田村先輩の部屋に潮江先輩が? ……というより、これは、まさか……

(潮江先輩と、田村先輩が……?)

 まだ10歳の団蔵にでも、すぐに結論は導き出せた。それを裏付けるかのように、部屋からは布擦れの音も聴こえる。なにかが激しく動いている様子もひしひしと伝わってくる。

『……っ潮江せんぱ……っ、もう……!』

『っまだいける……! 頑張れ田村、ほれっ』

『っぁあっ! 駄目ですよ……っ潮江、先輩……!』

 まだこちらに気付いていないのか、相変わらず部屋の中からはくぐもった声が聴こえてくる。

(……っ、)

 団蔵はやはり10歳らしく、声が聴こえるたびにびくっと身を震わせ、頬を朱に染める。恥ずかしそうにぎゅっと目を瞑る団蔵。

 と、廊下の向こうから誰かがやってきた。一瞬どきりとした団蔵だったが、その姿を見るとほっとした。六年生の善法寺伊作だったからだ。便所紙を入れた風呂敷包みを背負っているあたり、便所紙の補充当番らしい。

 が、流石は不運委員長。団蔵の目の前で足を滑らせ、風呂敷包みが宙を舞った。

「っわあぁっ!?」

 ドタン、バサッ、ドン、ゴロゴロゴロゴロ……

 常人なら誰もが考えるであろう展開。不運委員長は背中から床に激突し、便所紙が空中でばらけ、腰をさすっている伊作の頭に命中した。

「あだっ、」

「っだ、大丈夫ですか、善法寺先輩!?」

「あぁ、大丈夫だよ……ったたぁ~」

 そうは言いながらも、涙目で苦笑しながら頭と腰をさする伊作。

(流石は不運委員長……乱太郎の不運とは比べ物にならない……)

 頭の中で何故か感心しながらも、さっきまでの状況を思い出してはっとした。

(潮江先輩と田村先輩は……!?)

 床に散乱している便所紙を拾い、心臓が止まるんじゃないかと思いながらその時を待った。

「五月蝿いぞ、不運委員長」

 木戸が開き、文次郎が姿を現す。くるりと顔を後ろに回した団蔵が見たのは、呆れ顔で言う会計委員長の顔。服装はいたって普通の忍体束だ。

(あれ……?)

 団蔵は頭の上に疑問符を浮かべた。もし団蔵が想像していたことを文次郎がしていたのなら、普通文次郎は夜間着を着ているはずだ。

「しおえせんぱい~……どうしたんですか~……」

 ぜいぜいと言いながらも姿を見せない三木ヱ門。もし団蔵が想像していたことをしていたなら、驚いているとか、恥ずかしさで何も言えないという状況になるはずだが。

「う、うるさいなっ」

 文次郎に対してちょっとむっとしながらも便所紙を拾い集める伊作。やがて全て拾い終わると、お騒がせしました~と言いながら去っていった。

「……潮江先輩」

「なんだ」

「さっき田村先輩に用があって来たんですけど……さっきのは何だったんですか」

「さっきの?」

「だから、その……田村先輩がくぐもった声出してたり、潮江先輩がもうちょっととか言ってたりしたの……」

「だ、団蔵っ、聴こえてたのか!?」

 この声は田村先輩だ。不思議に思って辺りを見回すと、ここだここと言う声が床付近から聴こえた。見ると田村先輩は四つん這いの状態で部屋から顔だけを出していた。

「まいったな~……」

 頬を赤らめながら言う三木ヱ門。

「あんまり言いたくなかったんだけどなぁ」

 頬を掻き掻き、言いたくなさそうな三木ヱ門に代わって、文次郎が言った。

「田村と俺は、腹筋をしてたんだ」

「……腹筋?」

「あぁ。半刻ほど前に田村が俺の部屋に来てな、俺の部屋には仙蔵もいるだろ? 田村は一人部屋だからそのほうが良いだろうと思ったんだ」

「ほら、僕火縄銃とか石火矢とか、重たい火器を使うだろう? その割に筋肉ついてないから、虎若に負けちゃ駄目だなぁと思って」

 あははと笑いながら言う三木ヱ門。うぅと言いながらお腹をさする。

「しっかし潮江先輩、さっきのはやりすぎですよ~……腹筋500回って僕を殺す気ですか?」

「もっと重たい火器を扱いたかったら、このくらいはしなきゃ駄目だぞ」

「ひぃー……」

 目尻に涙を溜めながら笑う三木ヱ門。つられて文次郎も笑う。団蔵も笑う。

「あっはは……で、団蔵、僕への用事はどうなったんだ?」

「あ、そうでしたね、えーっと、帳簿、を……」

 言いながら顔からさーっと血の気が引いていく団蔵。額につーっと冷たい汗が流れる。なんせ目の前には最も会いたくなかった人・文次郎がいる。

「……帳簿が、なんだって?」

 若干低めの声でいう文次郎。ひしひしと怒気を感じる。

「……すいませんでした……」

 

 翌日、団蔵は文次郎のような隈がうっすらとできていた。

 

 


 
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