No.384434

魔法少女リリカルなのは TFG 第7話「宴会という名の地獄」

juneさん

前回の続きです
一部キャラが崩壊しています
それではどうぞお楽しみください

2012-02-28 16:17:45 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:1493   閲覧ユーザー数:1430

「・・・はぁ。」

思わず漏れる溜息、状況を整理してみると

時間・・・おそらく深夜

場所・・・どこかの部屋、ベッドの中

その他・・・左隣になのは、逆側にはフェイト、そして俺に覆いかぶさるようにはやて

      (三人とも熟睡中)

「何でこんなことに・・・。」

そんな俺のつぶやきは、誰に届くこともなく夜の闇に溶けていった

そもそも事の発端は・・・

さかのぼること約4時間前

「「「「「「「「かんぱーい」」」」」」」」

その言葉を合図にはやての編入祝いは始まった

「はやてちゃん、編入おめでとうなの。」

「これからもよろしくね、はやて。」

「ありがとうな、なのはちゃん、フェイトちゃん。」

見ると、いわゆる主賓席に座っているはやてが早速祝福の言葉を受けていた

「せやけどクラスのみんなの反応には驚いたわ~。」

「!?主はやて、学校で何かあったのですか!?」

ずいっとはやてに詰め寄るシグナム

「わっシグナム・・・心配あらへんってただちょっとみんなのアグレッシブさにびっくりしただけやから。」

「・・・それなら心配ないのですが・・・。」

そう、このシグナムの過剰なまでの過保護っぷりを抑えるのに今日はパーティーの準備以上の労力を割くことになった

その様子をダイジェストでご覧いただこう

 

その①はやてが出ていった直後

「主はやては学校へと向かったのか?」

「あぁ・・・。」

「そうか・・・。」

すたすた・・・

「ちょっとまてい!」

ガシッ

「・・・なにをする?」

「どこへ行く気だ?」

「無論、主はやての学校へだ。邪魔をするのならたとえ貴様といえども・・・。」

「別に俺をどうこうしようとかまわんがな、昨日の話忘れたわけじゃないよな?」

「そ、それは・・・。」

「『明日は絶対に誰もついて来んでな』・・・お前は主人の命をないがしろにするのか?」

「くっ・・・致し方ないか。」

「やれやれ・・・。」

 

その②さらに30分後

「なぁ、東雲。」

「なんだシグナム?」

「主はやては無事に学校へと着いただろうか?」

「友達と一緒だから大丈夫だ、心配することない。」

「だが・・・。」

「そんなことより掃除するからちょっとどいてくれないか?」

「あ、あぁ・・・。」

 

その③さらに1時間後

ちょうどはやてが質問攻めに遭った頃

「は!?主はやて!!」

ガション(騎士甲冑装着)

「どうした・・・ってシグナム!?なんのつもりだ!?」

ガシッ

「離せ東雲!今主はやてが何か大変な目に遭っている・・・気がした。」

「離さいでか!ってかなんだ気がするって、お前はエスパーか!!」

「ええいうるさい!いいから離せ!!」

ドゴーン

「ウキョ!?」

「HA☆NA☆SE!!」

ドガーン

「ヒョ!?」

「もうやめて!!紫苑君のライフはとっくにゼロよ!?」(シャマル)

 

 

 

 

 

(・・・ほんとよく俺生きてたよな。)

(―――今回ばかりは君に同情するよ・・・。)

べ、別に泣いてなんかないんだからね!?

「へぇ、これなかなかおいしいじゃない。」

「だろ!紫苑は料理もギガウマなんだぜ?」

とまぁあの過保護なニート侍はあっちに任せて俺はこっちに混ざるか

「気に入ったか、アリサ?」

「ふ、ふんっまぁまぁね!」

そっぽを向きながら答えるアリサ・・・食いながら言っても説得力ないぞ?

「そうか・・・口に合わないんなら無理して食わなくてもいいんだぞ?(ニヤリ)」

「べ、別にまずいなんて言ってないでしょ!」

というが早いかアリサはものすごい速さで料理と飲み物を食べ始めた

(やっぱりアリサはからかいがいがあるなぁ)

(―――ロリなうえにドSか・・・救い難い変態だね)

(失礼な、紳士と呼んでくれ)

「でもすごいです・・・これ、全部紫苑さんが一人で作ったんですか?」

ふと隣を見ると、いつの間にそこにいたのか料理が乗った皿を持ったすずかがいた

「ん?まぁ、一応はな。うちの連中ははやてを除いて家事スキルほぼゼロだからな。」

「・・・大変じゃ、なかったですか?」

「行程さえ知っておけば後は大したことないさ。料理なんて多く作るのも少なく作るのも大して手間は変わらんしな。」

「それでも、すごいです・・・あの、東雲、さん。」

「なんだ?すずか…ってか紫苑でいいって?」

「あ、はい。あの、紫苑さんはお料理できる子とできない子とではどっちが、その・・・好きですか?」

「できる子。」

もちろん即答、愚問である

ガタッ

この発言で一部の人物が肩を震わせたがむろん紫苑はそれに気付かない

「そ、即答ですね。」

「そりゃあ誰だって好きな子の手料理は食べたいもんさ。あ、だからって別にできない女の子が嫌いっていうわけじゃないからな。」

って俺は誰に対して言い訳をしているんだ?

「そ、そうなんですか。」

と急にモジモジし始めるすずか・・・と思ったら急にキッと強いまなざしをこちらに向けてきた

「あ、あの!・・・お願いがあるんで・・・」

「アンタァ、うちのすずかになーに色目使ってんのよ。」

と何かを言いかけていたすずかと俺の間にアリサが割り込んできた

「なんだ、アリサ?構ってほしいのか?」

「そうよ!アンタはもっとあたしに構いなさーい!!」

ん?やけに素直だな、なんだか顔も赤いし・・・って酒臭っ!

「ってなんで酒臭いんだよ!?」

誰だアルコール持ち込んだの!?

今回は未成年中心だからってそういうのは用意してないはずだぞ!?

「あの・・・たぶん、これだと思います・・・。」

と、おずおずとすずかが一つの瓶を差し出す

そのラベルに書かれていたのは

ROMANÉE-CONTI

「って誰だこんなん持ってきたのは―!!」

「む?それはグレアム氏が差し入れてきたものではないか、東雲?」

「・・・そうか・・・。」

ありがとうザフィーラ、情報提供に感謝する

「ま、待て東雲。どこに行く気だ?」

「あぁ、ちょっとイギリスまで行って、グレアムの野郎ぶっ殺してくる。」

未成年に酒を飲ませるような輩を生かしておくわけにはいかない

「お、落ち着け東雲。」

「何を言ってるんだザフィーラ。俺ハ至ッテ冷静ダゾ?」

「くっ・・・仕方ない、シャマル!」

「えぇ!戒めの鎖!!」

ガキン

ん?体が動かない・・・

「すまない東雲、少し眠ってもらうぞ。」

ドッ

「ガッ・・・な、なんで・・・。」

脳が揺さぶられる感覚とともに俺の意識は闇へと沈んでいった。

 

「・・・やっと大人しくなったか。」

穏やかな表情で眠っている(気絶しているともいう)紫苑を見ながらザフィーラがそう漏らす

「けど、なんで急にあそこまで取り乱したのかしら?」

「・・・大方酒にまつわるトラウマでもあるのではないか?」

「そうかもしれないわね。でもこんな良いモノを台無しにするような行動を取るのはイケナイわね。」

「・・・そうだな。」

「さて、直に目を覚ますと思うし飲み直しましょうか?」

「・・・そうだな。」

 

「・・・ハッ!?」

ガバッと起き上る俺

「あ、気が付きましたか?」

「すずかか・・・俺はなんで寝てたんだ?」

「え!?・・・えと・・・。」

確かアリサが絡んできて、酒を飲んでて・・・

「そうだ、イギリスに行こう。」

「ま、待ってください。」

「・・・止めてくれるな、すずか。」

「まぁまぁ紫苑君。これでも飲んで落ち着いて。」

「シャマルさん・・・。」

これ以上何を言っても無駄だろう、ならばこの状況を受け入れるしかないのだろう・・・

と周囲の状況を見てみる

 

シャマル&ザフィーラ

「でもほんとにおいしいわね~。」

「うむ、先のベルカの時代にもこれほどのものはなかった。」

決して早くなく、しかし確実にボトルを空けていく二人

完全に高級ワインにとり憑かれていやがる

 

なのは&フェイト

「フェイトちゃん!!」

「なのは!!」

ひしっ

なにやら百合百合しい雰囲気のお二人

・・・関わらないでおこう

 

シグナム&ヴィータ

「私だって、私だってなぁ~!」

「あーもうわかった。わかったからな。」

愚痴るシグナムをなだめるヴィータ

普通逆だろう・・・。

っていうか子供が酒飲むな

 

アリサ&すずか

「あははは~。たーのしいわねー。」

「うふふ。そうだねアリサちゃん。」

異常なほどハイテンションでどんどんボトルを空けていくアリサと

それに匹敵するほどの勢いで飲んでいるにもかかわらずまったく酔った様子のないすずか

すずか、その歳でそのザルっぷりなのか?

 

と、ここまでざっと見たところで俺はふと違和感を覚える

(あれ?はやてはどこいった?)

そう、はやてが見当たらないのだ

どっかに行ってるだけならそれでもかまわないのだが

俺の知る限りこの部屋から出ていった人物はいない

(・・・となるといったいどこに?)

と思った次の瞬間

「し~お~ん~さ~ん。」

ぎゅむ

と俺の肩に何かがのしかかってきた

いや、まぁ・・・何かっていうか

「どうした?はやて。」

「えへへ~。紫苑さん飲んどるか~?」

振り返ればそこにはワインボトルを一升瓶よろしく掴んでいるはやてがいた

「いや、飲んでないけど・・・。」

「ほんならこれ飲みぃ。」

ダバダバダバ~

と言うが早いか俺のコップにすごい勢いでワインが注がれていく・・・ってもったいねぇ!

「は、はやて。もういい、もういい!!」

ダバダバダバ~

いくら常識はずれな贈り物だったとしてそれはそれ、ワインに罪はない

その気持ちが通じたのか、コップの端ギリギリのところでワインを注ぐのをやめてくれた

「ほら、さっさと飲まんと。次が注げへんやろ!」

「い、いや・・・だが・・・。」

「あぁん!?うちの酒が飲めへん言うんか!?」

「はぁ・・・わかったよ。飲みます、飲みますとも。」

グイッ

と一口煽ると口の中に広がる独特の風味、

さすがは高級を冠するだけのことはあるとしか言いようのない芳醇な味わい

それに関しては何も言うことはない・・・ないのだが

(クッ・・・やっぱキツイ・・・。)

そう、俺は下戸なのである

ぶっちゃけこのコップに注がれた分を飲み干すだけで結構キツイ

そんなこんなでやっとの思いで飲み干した俺に狸の皮をかぶった悪魔が追い打ちをかける

「おぉ!えぇ飲みっぷりやないの。さ、次行ってみよか!」

「ちょ・・・これ以上は、無理・・・。」

「な~に言うてるん。こっからが本番やないか~!」

ドバドバドバ~

そんな事情を知る由もないはやては問答無用とばかりに再びコップをその赤い液体で満たす

そんなやり取りが3度ほど繰り返された

(・・・もう、限界。)

とっくに限界を迎えた俺の体は早々に意識を手放した

 

(んあ?あれ、俺なにして・・・。)

確かはやての編入祝いのパーティーをやって、酒飲まされて・・・

(って体が動かない!?)

そう、体が動かないのだ

何か体の上に重いものが乗っかっているような

モゾッ

(モゾッ!?)

なんか動いた!?

恐る恐る重みの正体を確認するとそこには・・・

「んにゃ・・・もう食べられへん。」

・・・テンプレな寝言をほざいているはやて様がいらっしゃった

(いやいやいやいや)

さすがにこの状況はまずいと思った俺は

脱出を試みようとして右腕を伸ばす・・・が

もにゅ

(もにゅ!?)

今度は何やら柔らかいものにぶつかった

人の頬のような感触を持つそれは・・・人の頬だった

正確にはフェイトの頬に触れていたのだ

「ん・・・。」

起こしてしまったか?とも思ったのだが、どうやらそんなことはないらしい

だがしかしこの状況・・・まさかと思い、首を逆に向けてみるとそこには

「にゃは~。」

同じく熟睡していらっしゃるなのはさんがいた

(な、なんでこんなことに・・・)

(―――教えてあげようか?)

(うお!?ってナイアか・・・びっくりさせるな。)

(―――まぁまぁそれよりも、何があったか知りたくないかい?)

(まぁな。)

(うん、わかった。じゃあ・・・教えない。)

(・・・はぁ!?)

(―――あはは、君はずっとそうやって朝までモヤモヤしていればいいのさ)

(な!?ちょっ・・・おいマジかよ!?)

(・・・・・・)

こうして、俺はその晩眠れない夜を過ごしたのだった。

 

―――後日談

「紫苑君。うちのなのはと同衾したらしいねぇ。」

「ナ、ナンノコトヤラ・・・。」

「フフフ・・・ネタは上がっているんだよ?イイカゲンハクジョウシロ。」

「ちょ・・・士郎さん!?その手に持っているものは・・・ってアー!!」

・・・海鳴は今日も平和です

 

~あとがき~

はい、ということで一応前回の続きということで宴会ネタです

作中で紫苑君は下戸だと言っていますが

作者もビールでアウトなヘタレなのでぶっちゃけ酒の味などわかりません

なのでその辺の描写がおかしくてもそこはノータッチでww

最後が尻切れトンボになったのは別に伏線とかではありません

・・・べ、別に描くのがメンドくなった訳じゃないんだからねっ!!

 

まぁそれはさておき次は少しシリアスっぽい話になる予定です

というわけでここまで一読いただきありがとうございました

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
7
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択