No.379778

ディアボロシュガー 2話 矛盾

雷者さん

百合回

ゾンダ
 生い立ち・先祖代々暗殺者の家系で,幼少より厳しい鍛錬と勉学を課せられていた.幼少より自らの欲を抑え込んで生きてきたが,本心ではソシエと共に,同年代の貴族の女性の様な,綺麗な服を着てのどかに女らしく暮らしたいと思っている. 容姿・体格は華奢だが筋肉質で,同年代の女性と比べると極端に体脂肪率が低い.それに加え端整な顔立ちで,仕事上邪魔だからと頭髪を短くしているため,男性と間違えられることが多い.服装に関しても機能性を最優先して,当時としては最先端の,伸縮性・保温性の高い薄手の黒い衣装を着込み,その上に侵入する場所にふさわしい衣装を適宜身につけている.もっとも先述の通り男性に間違えられることが多いため,もっぱら男装である.*因みにこの作品はpixivでも投稿していますが,向こうでは18禁な展開に,こちらでは18禁にならない程度に抑えた別展開にしていきたいと思ってます.

2012-02-18 16:41:23 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:991   閲覧ユーザー数:988

 

マーカット軍第3隠密部隊.女性中心で構成され,隠密部隊の中でも暗殺を主体的に行う事から,女豹隊とも呼ばれる.女豹隊の構成人数50人と少数で構成されているが,その中でも更に班分けがされており,一班3人単位での行動が基本的である.つまり戦争を始める前に女豹隊は既に5班失っている事になる.当然,信頼する仲間達からの連絡が突然途絶えた事は,隊長である以前に人付き合いが苦手なゾンダにとってはこれ以上になく不安なことであった.その上最後に消息を絶った隊は精鋭ぞろいでゾンダに次ぐ実力を持った者たちばかりであった.

 

「皆・・・一体どうしたというの・・・報告では厳重な警備などないはずなのに・・・」

 

仲間が消息を絶つまでの報告では,主に

 

・アスタリスコはここ最近急速に農業が発達しており,特に白いカブの様な野菜が広大な面積の畑で大量に栽培されている.農家はその野菜を定期的に城に収めることで収益を得て,安定した生活を送っている.

・市民に王はどんな人物かと問うと,決まってみな笑顔で「民衆の幸せを第一に考えて下さる良いお方だ.」「戦争よりも内政に注力されている.」と答え,悪態をつく者はいなかった.

・奇妙なことに町を歩いていても衛兵が見当たらず,人目を気にすることなく城に接近できた.外から見たとろ城の敷地内には城以外に巨大な建物が20棟以上あった.それらを合わせると城の5倍以上の大きさであった.市民の話によると兵糧庫らしいが,兵糧庫の割に兵舎が少なく兵士の数はマーカットの6割数程度ではないかと思われる.

 

というものが多い.

そしてみな共通して「なぜこんなのどかな国の軍隊が,屈強な近隣諸国相手に勝てるのか分からない.兵力を確かめるため城内への侵入を試みる」という連絡を最後に消息を絶っている.

 

「・・・城に何かあるのは間違いない.」

 

数々の手慣が侵入して脱出できなかった城・・・もしかすると自分も二度と帰ってこれないかもしれない.だが隊長として,そして信頼する仲間のため,攻め込めないでいるソシエのため,この目で確かめ報告する義務がある.意を決して準備を整えると,ゾンダは再びソシエのいる獅子隊の兵舎に忍び込む.日が落ちて兵士は皆就寝という時刻,ゾンダは自らが出発することを伝えようとソシエの部屋に入るが

 

「スー・・・スー・・・」

 

ソシエは連日の他戦地への指令,次の戦への準備で疲れ,眠っていた.だがその寝顔は歴戦の戦士とは思えないほど美しく,愛おしいもので,ゾンダはいつまでも眺めていたかった.

 

(・・・あぁ・・・ソシエ・・・)

 

ゾンダはソシエを起こさぬよう近づき,かけ布団の上からゆっくりとソシエの身体・・・脚,腹を撫でた.

 

(ふふ・・・無防備ね・・・)

 

そして自分に比べ,豊かな胸をつん,と突つき,最後に頬をなで,唇に優しくキスをした.その瞬間ゾンダは一瞬身震いし,頬が火照った.自分でも何をしているのかと戸惑った.

 

(はぁ・・・なんて甘いの・・・)

 

ゾンダは一人硬骨の笑みを浮かべ,悦になっているが,そんなゾンダをよそにソシエは一向に起きる気配もない.もし彼女が目を覚ましたらキス以上のことをしたいと思っていたゾンダだが,寝顔を確認すると,肩を落としがったりした.

 

(・・・眠り姫は起きないか・・・なんて鈍感なの・・・よく戦場で生きていられるわね・・・)

 

だが起こしては疲れている彼女に悪いので,渋々短い書置きを枕元に置き,その場を立ち去ろうと思ったが

 

「・・・もう少し・・・良いよね?」

 

そう呟くと,ゾンダはさっきよりも少し深いキスをした.

 

「・・・また,してもいいよね・・・ソシエ・・・」

 

そう言い残して名残惜しそうに兵舎を後にすると,ゾンダは頬を叩いた.次の瞬間にはいつもの人殺しの目になった.

 

「・・・」

 

一方兵舎では・・・

「・・・ゾンダ・・・あなた・・・今まで・・・わ,私・・・どう・・・したら・・・」

 

 
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