荒削りの装飾で
アンタの周りは埋まってる
隅に開いた穴は放っとくんだな
聞けばそれはいい通気口なんだと
誰かが追加の色を吹き込むから
永遠に終らないものになると
眠そうな顔でまた一筆
オレがつく溜め息は
アンタの爪の色を嗤うから
アンタは度々傷付きながら
それでも身体で絵を描いた
あるときオレは呟いた
それも世界の果てが来るまでだろう?
嫌味と気付いて色が爆ぜる
どの世界の終わりなんだか
アンタは白い顔をして
バケツに溜まったヘドロを流す
浮かんだ玉は剥がれ落ちた
オレは知ってる
置き去りのアンタの本心
オレは摘んでアンタに載せた
落とせない箇所なんだろ
ガラスの窓の皹がほら
これで大地が冴えるだろ
アンタは震える手を噛んで
空に暁光の一筋入れた
聞けばこいつが黒く滲んで
オレの望んだ終わりをくれると
オレが望んだ?
虚ろな闇が滲み出た
落とした刷毛で追い払う
黄色い悲鳴が周りを這って
気付けば俺は座ってた
暗褐色の
茶染みたあんたの
影が混沌に渦巻く絵肌に
何かの破片が散っていた
オレはアンタの場所に居た
オレの手に握られたのは筆で
確かにその
あったけど……
なぁ
アンタは、何を使って
何を……描いてたんだ?
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