No.374632

真・恋姫無双「新たなる地と血」第29話

翠に振られた…orz

2012-02-08 00:32:41 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:4344   閲覧ユーザー数:3495

この作品は恋姫無双の2次創作です。

 

作者の勝手な解釈もある為、若干キャラの性格等のズレが生じる場合が御座いますが

そこらへんはご容赦のほどを。

普段より少し早く目を覚ました祭は、散歩がてら近くを散策していると、何処からとも無く掛け声と武具を振るう音がしたのでそちらへ向かってみる。

 

そこには青龍偃月刀を振るう愛紗の姿があった。祭は暫くそれを見ていたがある事に気が付いた。

 

やがて愛紗の鍛錬が終わるのを見計らい声を掛けた。

 

「うむ。見事じゃ。いい物を見せてもらった。」

 

突如声を掛けられた愛紗は一瞬警戒するが、声の主に敵意がないと判ると警戒を解いた。

 

「驚かさないでいただこうか。」

 

「ふむ、儂の気配を感じぬほど集中しておった様じゃな。ちと驚かせてしまったようじゃ。それはすまん事をした。」

 

「あ、いえ。謝れるほどの事じゃないです。私が未熟ゆえ貴殿の気配に気が付かなかっただけですから。」

 

謝礼を述べる祭に愛紗は返って恐縮する。

 

「その若さで見事な武じゃな。じゃが太刀筋が粗いのが気になった。先の戦での切れが全くと言っていいほどに無い。何がお主の心を乱しておる?」

 

先ほど見た時、気が付いた事を祭は愛紗に聞いてみた。

 

「…そんな事はありません。私は平常心でいますが…」

 

「ほう…」

 

すると突然祭は足元に転がっていた。石を拾い愛紗目掛けて投げつけた。

 

「なっ?!」

 

咄嗟に愛紗はそれを偃月刀を振るい石を砕いた。

 

「突然何をするのですか!?」

 

いきなりの祭の行為に怒り出す。

 

「…やはり、心が乱れておる。」

 

「はぁ~?!」

 

詫びる事をせず、突然この様な事言い出した祭に訳が分からずに居た。

 

「お主、儂が投げた石を砕いたであろう?」

 

「…当然です。自らの身を守る為ですから。」

 

「じゃがお主ほどの腕の持ち主なら『砕く』ではなく、『真っ二つに切る』事が出来るはずじゃ。」

 

「一体何が言いたいのですか?今一つ貴殿が何が言いたいのか皆目見当が付かないのですが…」

 

「つまりじゃ、剣筋が真っ直ぐではなく、乱れ粗くなっている、少々大袈裟じゃが剣筋が波打っている為、『斬る』では『砕く』になっておるのじゃ。」

 

基本的にこの大陸の得物は叩き斬ると言うより、叩き潰すと行ったほうが良い。だがそれは普通の人が使った場合で、愛紗ほど武に精通したものであれば石などであれば真っ二つにする事など容易い。祭はそこを指摘した。

 

「その心の乱れが剣筋に出ている、と?」

 

その通りじゃ、と祭は頷く。

 

「そんな事は…」

 

「ない、と言えるか?」

 

先ほどの砕けた石を指す。

 

「お主、さっきも言ったように先の戦で見せた武が嘘の様にキレが無い。一体洛陽で何があった?」

 

「…」

観念した愛紗は洛陽での出来事を話した。その話を聞いた祭は溜息を付くと、やれやれとばかりに頭を振り、一呼吸すると一喝する。

 

「たわけ!そんなものは長年連れ添った夫婦が出来る事じゃ!高々数年、連れ添っただけで相手の全てが分かるなどと付け上がるな!!」

 

「っ!?」

 

祭から突然怒鳴られて愛紗は身をすくめる。

 

「儂かて、まあ同じ女ではあったが先代の呉の王・孫堅殿と長年一緒に居たが、偶に堅殿が何を考えておるのか分からず、何度も言い合い、果ては殴り合いの喧嘩にもなった事も何度もあった。あの方とは気が合い、よく酒を酌み交わしたが掴みきれん部分もあった。故に言い合いの殴り合いじゃ、相手に真に分かって貰いたのであれば、言葉を交わすことじゃ。そうして初めて相手を理解出来るもんじゃ。」

 

「…」

 

「お主、洛陽に居る間北郷とまともに話しすらしておらんのだろう?それで自分の気持ちを知って貰おう、相手の気持ちを知ろうなど、そんなものは只の傲慢に過ぎん。大体北郷かて人間であろうが。己の気持ちを読めなどと仙人でもあるまいし、無茶な注文をしおって。」

 

「…」

 

確かに一刀は仙人でもなんでも無い、ただの人間。変わった所と言えば、天の国から来たと言う所と、女心に超の付くほどの鈍感。それに自分の気持ちを分れなどと無理な注文。

 

「お主。この八年間北郷が本当に幸せな時を歩んできたと思うか?」

 

「…そうではないのですか?聞けば司馬懿という女性は、なんでもそつ無くこなす方と聞いています。そんな方と子供が居て何の不満があるのでしょうか?」

 

「確かに申し分は無いじゃろう。だが、儂が言いたいのはそこでは無い。」

 

「?」

 

祭が何を言いたいのか、さっぱり分からず愛紗は首を傾げる。

 

「つまり北郷は、自分だけ家庭を築き暮らしておる事に何にも感じては居なかったのか。ということじゃ。儂も実際に話をしたがあやつは責任感が強いと思うた。以前の権殿達やお主達を助けられなかった事に対して、責任を感じてはいないのかのう?」

 

「…」

 

「手合わせをしたときかて強いと褒めたが奴は『そんな事はないですよ。自分は大切な人達を守れなかったんですから…』そう言いおった。その時は司馬懿の事を言っておるのだと思ったが、あれはお主や権殿達のことも言っておったのだな…ずっと自責の念に囚われているのじゃ、あやつは…」

 

確かに。一刀が愛紗達に出会ってから愚痴と言うものを聞いた事がない。一刀の住む世界と愛紗の住む世界では色々と違いがあり、多少不便だという以外は文句を言わず、ずっと愛紗達と共に行動をして来た。それ見たを愛紗達はなんて心の強い人だと感心し、愛紗を始め多くの者たちが心惹かれたのだ。だが実際今こうして考え直してみると、彼には天の御使いとして生きる以外に道は無く、泣き言を言える立場でもない。ひょっとしたら今まで…否、今でもずっと悩み続けているのではないだろうか…という疑問が湧き出てくる。愛紗はそんな主の心情を汲み取ることが出来ず、ただ一刀と顔も知らぬ相手に子供が出来た事で嫉妬し、彼に冷たく当たった自分を恥ずかしく思えて来た。

 

「私は…「ん?」私は本当に器量の狭く、浅はかな女だ…」

 

それまでじっと祭の話を聞いていた愛紗はポツリと漏らす。祭はその言葉の続きを待つ。

 

「ご主人様が我らの事を忘れよう筈も無くそれを信じず、そしてその様な心情であった事も気付かず、他の女性との間に子供が居ただけで取り乱し、嫉妬…いや憎悪と言ってもいい位の感情をあの方に向けていた、自分がこれほど愚かで情けない事はない。とてもではないが、あの方に顔向け出来ない。だが出来ることなら一言謝ってから此処を去りたい…」

 

「謝れば良かろうに。」

 

祭はあっさりと答える

 

「ですが!私は許してもらえるでしょうか…私はご主人様に随分と冷たく当たりましたし…」

 

途中から声が小さくなり、許されるかどうかを心配する愛紗の態度に祭は呆れながらも話を続ける。

 

「お主、許してもらうが為に謝りに行くのか?違うじゃろうが。大切なのは己の過ちを認め相手へ反省の弁を述べ、非礼を詫びに行くことではないのか?ただ謝り許してもらうおうなどと結局、お主は北郷の優しさに甘えているだけじゃ。それは北郷に対して失礼ではないのか?許す許さぬは北郷が決める事じゃ。お主が心配したってどうする事はできん。お主に出来る事は例え許してもらえなくとも、それをお主自身が受け止めねばならんと言う事じゃ。」

 

祭の言っている事は尤もで、確かに自分に出来る事は誠心誠意謝る事である。例え許されなくても…そう決意する愛紗の目は先ほどより輝きを取り戻し活きた目になった。

 

「フッ、いい目になってきたな。これならもう大丈夫じゃな。」

 

それを見た祭は満足そうに大きく頷く。

 

「はい!黄蓋殿、私の目を覚まさせて頂きありがとう御座います。話を聞いて頂いたお陰で私は漸く吹っ切れました。」

 

愛紗は祭に感謝の言葉を述べる。

 

「良い良い。気にするな。若いもんを導くのも儂ら年寄りの役目じゃ。はっはっはっ!」

 

祭はそう言って気にするなと言わんばかりに掌を振って豪快に笑い、礼なら今度会った時に酒でも馳走してくれれば良いといって、その場から去って行った。祭の去って行く後姿に愛紗は姿が見えなくなるまで礼をしていた。

 

 

あとがき

 

漸く愛紗復活です。正直此処で復活させようか引っ張ろうか悩みました。なぜならこの後二人は一刀は洛陽、愛紗は徐州と、離れて過ごすからです。こうなると大分先まで和解の機会がないんですよ。だからあんまり引っ張るのもどうかと思い、此処で決着を付けることにしました。

 

お気付きになられたかと思われますが前回の桃香と蓮華、今回の愛紗と祭。以前の世界ではそれぞれ出会っていない者(未登場とも言いますが)同士。これは以前の一刀を知っている蓮華、以前の一刀を知らないが此処での苦労又は苦悩を察している祭。各々が一刀に感じたものを桃香・愛紗に語ってみせるという風にしてみました。上手い事伝わっているでしょうか?伝わっていなければ作者の力量不足です。スイマセン。

 

あと魏での方々も考えたんですが、その場合だと華琳、秋蘭辺りが適任なんでしょうが、華琳様登場してから良く働いてくださっているんで今回はお休みですww

 

これからの彼女達の活躍を温かい目で見守って上げて下さい。

 

ではまた次回ぃ~

 

おまけ

 

上記で書きましたが、翠に振られました…orz

 

どういう事かと言いますとパチンコです。今日…もう既に昨日ですね。打ってきたんですが当たりを引いて告白モードで見事に振られたんです…・゚・(ノД`)・゚・

その所為かその後全くでず財布が軽くなりました…

翠…君の出番はもうないと思え!

 

「ちょっ!?それは横暴だろ!?」

 

君が俺を受け入れてさえすれば…俺だってこんな仕打ちをする事も無かったんだ…

 

「理不尽だ!鬼!悪魔!人でなし!」

 

「ほほぉ~?先日の恋姫総選挙で私に票を入れておきながら翠に手を出そうとは中々いい根性をしている…」

 

ぎゃーーーー!出たぁーーーー!!

 

「でたぁー!とはなんだ!?人を化け物の様に言いおって!」

 

ま…待ってくれ!これは別に浮気とかじゃないんだ!

 

「聞いてやろう。言え!」

 

両方愛しているからだ!(ドドーーン!!)

 

「「ふざけるな!!」」(ドゴーーーン!!×2)

 

な…何で?一刀はこれで切り抜けれたのに…(ガク)

 

チーン

 

「フン!愚か者が!」

 

「いい気味だ!」

 

パチンコしない方サーセン、ツマンナイ話でww


 
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