No.372662

真・恋姫 つなぐ想い 17

kabadiさん

…はい、kabadi(不燃ゴミ)です。
本当お久しぶりです。今回もこっそり置き逃げ。
完成度?何それ?美味しいの?


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2012-02-04 02:19:13 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:5933   閲覧ユーザー数:4402

<蜀 玉座の間>

 

「わかった!あらためてよろしくな、皆。」

 

 

「それにしても一刀、しばらく見ないうちに随分と大人っぽくなったわね。」

 

「そうなの?う~ん、この世界に居た頃のオレってどんなだったんだ?」

 

「一言で言うと種馬ですね~。」

 

 

グサッ。

またか…マジで何してたんだよ…オレ。

 

「ははっ。ま、それもホントやけどそれだけやないで~。」

 

「…本当?」ぐすっ。

 

「そうです。隊長は立派な方でした。」

 

「ええ。兄様はとっても優しかったですよ。」

 

「そ、そっか。ありがとう。少しほっとしたよ。」

 

ええ娘達や。ほろり。

 

「まあ、詳しくは後でじっくりと教えてあげるわ。ふふっ。」

 

ふふっ、ちょっと怖いぜ。

 

 

 

……!!

 

 

「そうだっ!!」

 

「な、なんや?いきなり?」

 

「あ、突然ごめん。ちょっといいかな。」

 

「は、はい。」

 

「今のオレには言う資格はないかもしれないけど、これだけ言わせてくれ…。」

 

 

 

 

 

『ただいま!』

 

 

 

―オレには、確かに記憶はない。

だが、この言葉だけは…何故かどうしても言っておきたかった。

 

 

この時オレは自分がどんな顔をしてるかわからなかった。

 

ただ…あの日から胸につかえていたしこりがとれた気がした。

 

そして気付いたら、言葉が溢れてきていた。

 

『ただいま、華琳。』

『ただいま、霞。』

『ただいま、風。』

『ただいま、凪。』

『ただいま、流琉。』

 

それは、記憶では初めて口にしたはずの言葉((マナ))だった。

 

でも、何度も何度も口にしていたような感覚に襲われた。

 

……

そっか…やっぱりオレは「ここ」にいたんだな。

 

記憶は相変わらず無いけど、そう確信できた。

 

そして、もう一度だけオレははっきりと口にした。

 

 

 

「ただいま!」

 

 

 

気が付けば涙が頬を伝っていた。

 

気恥ずかしくて、それを手で拭って、照れ笑いを浮かべてしまう。

 

それでも気分は最高だった。

 

 

「「「「「………~~~っ。///」」」」」

 

 

 

…あれ?

 

なんか皆顔が真っ赤だぞ。

 

もしかして…オレ…やらかしたか?

うわぁ…よく考えると恥ずかしいことしたよね?オレ。

 

 

 

 

「「「「「おかえりなさい!!」」」」」

 

そうやって一人で冷や汗をかいていたけど、すぐに皆が応えてくれた。

 

…よかった。

 

『おかえり』

 

その言葉がまた胸に刺さる。

 

彼女たちを見ると、誰もが満面の笑顔で…ちょっとだけ目が赤かった。

 

「やっと…やっと…隊長におかえりなさいを言うことができました。」

「凪はあの後ひどかったもんな~。」

「そういう霞ちゃんもなかなかでしたよ~?」

「あら?風だってぼーっとしていることが多かったじゃない?」

「…ぐう。」

 

「寝るなっ!」

…あれっ?なんか今反射的につっこんでしまった。

風がびっくりした顔でこっちを見ている。

と思ったら、また泣きそうな顔になった。

「ご、ごめん。つい…。」

「む~。本当にお兄さんはひどい人なのです。」

「ふふっ。兄様がいることが嬉しいんですよ。」

「戻ってきたら言ってやりたいことが腐るほどあったはずなのに…なんかもうどうでもよくなってきたわ。」

「まったくや。」

「…隊長。」

 

そうして笑い声に包まれる。

 

…すごく…居心地がいいな。

 

 

 

「あ~…ごほんっ!」

 

………んっ?

見ると愛紗が咳払いをしている。

 

あれ?

そういえば……。

 

ここって蜀の玉座の間ですね。

忘れていました。てへっ。

 

「そろそろよろしいですかな?」

 

心なしか愛紗の表情が険しく見える。

青筋が見えるのは錯覚だよね?

 

「あら。天下の関雲長ともあろう者が無粋なことをするわね。」

「…申し訳ございません。しかし、話を進めさせていただいてよろしいですか。」

「…ええ。結構よ。」

 

なんか気温が下がった気がするぞ?

 

「では、単刀直入にいかせていただきます。ご…一刀様の今後についてですが…。」

「当然、我ら魏が今まで通り預かるわ。今回の謝礼はあらためてさせてもらうわね。」

 

…やっぱり魏に戻るんだな。オレ。

 

「ちょっとお待ちください。」

と、思ったら朱里がカットイン!少し意外だったりして。

 

「一刀様は天の御遣い。三国同盟がなった今、平和の象徴になっていただくというのは

どうでしょう?」

「…つまり、どういうこと?」

「はい。同盟がなったとはいえ、まだまだ情勢は不安定です。そこで…。」

「一刀、つまりは天の御遣いを三国の中心に祭り上げて、安定を図ろうということね。」

「その通りです。」

 

…あれ?何か雲行きが?

 

「しかし、大丈夫かしらね?一刀はそれほど他国に浸透してはいないはずよ。特に呉とは、赤壁の時の黄蓋の件もあるわよ。」

 

赤壁?黄蓋?苦肉の計か?オレはなにをしたんだ?

 

「そこが一番の問題ですね。蜀については問題はないと断言できますけど。そこで一度緊急の三国会議を開きたいと思うのですが。」

「それは構わないわ。ただ、ひとつ気になるわね。蜀についての根拠はなにかしら?」

「…それは。」

 

「皆が一刀さんのことだ~い好きだからだよ。」

 

 

------ぴしっ。

 

 

………いきなり何をおっしゃってるの!?桃香さん??

 

「「「「「………~~~///」」」」」

何故に蜀の皆さんは赤くなってるの!?

 

「「「「「……………。」」」」」

何故に魏の皆さんはそんなに睨むの!?

 

「…一刀?後で話があるわ。」

「…お兄さんにはお仕置きが必要ですね~。」

「………隊長。」

「兄様のバカッ!」

「か~ずと。覚悟しときや。」

 

 

うわわぁ~~~ん。助けて~~~。オレが何したっていうんだよ。

 

 

「でね。しばらく一刀さんには蜀に居てもらおうと思うんです。やっぱり三国の中心になるので蜀の民の皆さんにももっと知ってもらわないと。」

「…ダメね。その方針を正式に三国で決定するまでは今まで通り魏で預かります。」

 

なんか寒いよ。気のせいじゃないよ。

 

「一刀さんはどう思う?」

「そうね。一刀の意見はどうなの?(ギロッ)」

 

ここでオレにふりますか~~~~~っ!!!

目が怖いよ?華琳さん?

 

「え、え~~っと。」

 

「はっきりしなさい!!」

 

うおっ。

 

どどどどどどうしよう。

 

魏には行きたいよ?

でも、蜀には一宿一飯以上の恩があるし、見て回って気付いた所を言うって恩返しの約束もある。

 

 

……よしっ。

 

「オレは……。」

 

 

 

 

言いかけた所で不意に入り口の近くから声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

「話は聞かせてもらったわ。何か面白そうなことになってるじゃない♪」

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

お久しぶりです。

言い訳はしません。ごめんなさい。

 

次回は、○○襲来

 

ま、ばればれですけどね。

 

今度は早くあげれるように頑張ります。

…待って下さっている方がいらっしゃればですが。

 


 
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