「おお、すばるんじゃないか。おっつかれ~」
それはある日ある場所のバスケットスタジアム。長谷川昴が一試合終わって昼食を食べに出ていこうとしたときだった。
「ほら、誰がすばるんだ」
「え~、すばるんはすばるんだろ、す・ば・る・んっ!」
「あ~もうはいはい分かった……わざわざ来てくれたのか?」
「うんっ、うまいとんこつラーメンのついでになっ!!」
「まったく……どこの食いキャラだよ」
「まったくだ……」
今ではその卓越した眼力で『陽出づる地の知帥』『神の頭脳』の名をほしいままにし、日本代表を何度も世界一位に輝かせている名コーチ長谷川昴。
百年に一人の逸材ともてはやされている彼だが、別にそんなこと、今に始まったことじゃない。
「真奈(マナ)、もう少しおとーさまをいたわってやれ」
「分かったよ……お疲れさま、パパ」
「……俺に何をしてほしいんだ?」
「とゆーわけでだ。パパ、私の言うことを聞きなさいっ!」
「やかましい」
「んがふっ!!!」
私はすばるんの代行でげんこつを食らわせ、かつての私そっくりに育ってしまった愛娘に制裁を加える。
「何か、まなと一緒にいるとスゴく若返った気分になるな」
「だろだろ、だから私の言うことをんあべしっ!」
「ま、客席でマナと見てるからさ……見せてよ、未だ現役の愛娘に、すばるんが求めたバスケってやつを」
私のバスケ熱は夫と娘にほだされて、まだまだ休まりそうにない。
~Fin~
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これで長かったこのお話も終わりです。13話だと縁起が悪いので最後はFinaleで締めています。
書いて行く上であんまり好きじゃなかったまほまほをより愛せるようになった、それだけで私は十分なのです。それで私の駄文を楽しみにしていると言ってくれる人が居る、それが世辞でも何であっても、私はとても嬉しいのです。
では、本編へ。