No.364330

真・恋姫無双「新たなる地と血」反董卓連合編 拠点ー4

反董卓連合編拠点ラスト!

誰かな~?

2012-01-16 21:16:17 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:4561   閲覧ユーザー数:3712

この作品は恋姫無双の2次創作です。

 

作者の勝手な解釈もある為、若干キャラの性格等のズレが生じる場合が御座いますが

そこらへんはご容赦のほどを。

 

結局思春が戻らぬまま、一刀達は蓮華達の元を立ち去った。蓮華は名残惜しそうだったが、仕方が無かった。

 

そして帰る途中、声を掛けられ振り返って見るとそこには―

 

一通りみんなに会い宮廷内に戻ると、月達と談笑している翠がいた。

 

翠は一刀の姿を確認すると慌てて、机の下に隠れる。

 

「…お姉様、何してるの?」

 

翠の奇妙な行動に、蒲公英は机の下を覗き込み、翠に問いかける。

 

「バッ、馬鹿!だ…だって、は…恥ずかしいじゃねえか!」

 

「…こんな事してる方が恥ずかしいよ~。ほ~ら、そんな所に何時までもいないで出てきてよ~。」

 

そう言うと蒲公英は、翠の腕を引っ張り机の下から出そうとする。

 

「わっ?!馬鹿!止めろ!ま、まだ心の準備が…」

 

「いい加減、覚悟決めなさいって!」

 

「うわああぁぁ~~!?」

 

ボフッ

 

「蒲公英!お~ま~え~な~」

 

勢い良く放り出され、何か壁の様な物に当たり止った翠は、蒲公英に怒気を孕んだ声と共に振り向くが、蒲公英はニヤニヤと笑い後ろの方を指差している。

 

「?一体、なんなんだよ!?誤魔化そうたって…」

 

文句を言いながら蒲公英の指差す方を見ると、翠が一刀に抱き付いていた。

 

「%☆●$@&○¥★」

 

あの後、散々蒲公英に弄られた翠は、部屋の隅っこで膝を抱えいじけてしまい、それをなんとか慰め落ち着かせてから、椅子に座らせ一緒に茶をする。

 

「やっぱり叔母様の読み通りだったね。」

 

「そうだな。」

 

「?翠達は月達の事を知っているのか?」

 

翠達の会話に、月達の事を知っている様な口ぶりがある事に気が付いた一刀は尋ねてみた。

 

「ああ。と言っても、会った事があるのは随分と昔…小さい頃の話だ。お母様の方はちょくちょく会ってたみたいだがな。」

 

「はい。ですが正確には私に会いに来たのではなく、母に会いに来ていました。仲が良かったものですから。」

 

ここでは面識があるらしく驚いたが、聞き逃してはならない事が聞こえた気がしたので尋ねてみた。

 

「翠…馬騰さんって女の人?」

 

「は?何言ってるんだよご主人様、お母様なんだから女に決まってるだろ?…まさかご主人様、お母様にまで手を出そうとしているのか?」

 

「違うそこじゃない。馬騰さんが女性だと言うことについてだ。」

 

「お母様…って、ああ~~!」

 

「なに?なに?どうしたの!?」

 

翠が何かに気が付き、大声を上げた事に蒲公英は驚く。

 

「大変だ蒲公英!お母様が男だ!」

 

「え!?叔母様って男の人だったの!?」

 

「翠。その言い方はおかしいぞ。正確には前の馬騰さんは男性で、今の馬騰さんは女性という事だ。」

 

「そう!それだよ!なんでだ?」

 

一刀の指摘に翠は頷き、疑問を抱く。

 

「なんだ~驚かせないでよお姉様~」

 

「さあな?こういう外史(ところ)なんだろ?あんまり深く考えるな。」

 

「そうそう、お姉様がそんな事考えるだけ無駄なんだからさ。似合わないよ。」

 

「お前な~とことん失礼な奴だな~」

 

翠は蒲公英の言い方に拳を振るわせ、それを見た蒲公英は一刀の後ろに隠れる。

 

「きゃ~ご主人様~、お姉様がいじめる~♪」

 

「な!?ご主人様の後ろに隠れるなんて卑怯だぞ!しかもいつの間にか『ご主人様』って呼んでるし!」

 

「いいじゃない。なんで『ご主人様』って呼ぶのにお姉様の許可がいるのよ~?別にいいでしょ、ご主人様?」

 

「ん、別にいいけど…なんで?」

 

一刀は後ろに回り、脇から顔を出す蒲公英に尋ねる。

 

「ん~、面白いから♪」

 

ガクッ

 

一瞬考えた後出た答えに此処にいた一樹を除く全員は見事にこけた。

 

「そんな理由かよ!」

 

「え~いいじゃん。ねぇ~ご主人様♪」

 

「…まあ、良いけど」

 

「なっ!?ご主人様、こいつ甘やかすと直ぐつけあがるから、止めとけって。」

 

「けど、可愛い女の子の頼みだし…」

 

「やった~!ご主人様だ~い好き!」

 

そう言って蒲公英は一刀に抱きついた。翠達は(また出た、悪い病気が…)と思いながら内心溜息を付く。

 

「一応忠告はしたからな。後でどうなっても知らないぞ。」

 

「お姉様酷いなあ、蒲公英そんなに信用ないかな?」

 

「どの口がそんな事を言うんだ?普段の行いを思い返して見ろ!」

 

「えへ♪」

 

「笑って、誤魔化すな!」

 

今までのやり取りで大体の性格を把握した一刀は、早まったかな~と今更ながら内心後悔した。

 

楽しかった時間はあっという間に過ぎた。近々洛陽を発ち西涼へ帰る準備があると言う事で、翠達は自分達の天幕に帰ると言った。のだが、翠は蒲公英が抱えているものを指差す。

 

「待て、蒲公英。何さり気無く一樹を連れて帰ろうとしているんだ?」

 

そう、蒲公英は一樹を連れて帰ろうとしているのだ。しかも一樹は抱き抱えられている自分がまさか連れて行かれようとは微塵も思っておらず、遊んでいるものと思いニコニコしていた。

 

「あ。ばれた?」

 

「『あ。ばれた?』じゃねえ!(ゴン!)」

 

翠の拳骨が蒲公英の頭上に落ち、それを喰らった蒲公英はその場に蹲る。

 

「~~~!いった~い!ちょっとしたお茶目じゃん。そんなに怒る事ないじゃん。」

 

「どこがお茶目だ!性質が悪い悪戯しやがって。お前がやってるのは人攫いだぞ、ひ・と・さ・ら・い!」

 

「だって、可愛いんだもん~」

 

一樹を一刀へ返しながら蒲公英の行為を叱る。

 

「だってじゃねえ!全くぅ~。すまねえな、ご主人様。あんな従姉妹で… しかしこの子、自分が連れ去られそうになったってのに、全く何にも感じてねえのかよ?こんなんで大丈夫かよご主人様?」

 

成すがままに蒲公英に連れて行かれそうになっているにも係わらず、一樹は自身に何が起こったのかイマイチ分かっていない様子に、翠は一刀に大丈夫なのかと問いかける。

 

「その辺は大丈夫だ。人を見分けるのはきっちり出来ている、怪しい人には決して懐かないから。」

 

一刀は以前雪蓮のいる南陽を訪れた際、自分に危害を加えようとした人物から逃げた事があった事を話す。

 

「そうか?まあそれが出来てるんなら、あたしもこれ以上何にも言わないけど…でも、ご主人様も気を付けろよ?父親なんだから。」

 

「了解。ありがとう、翠。」

 

翠の気遣いに礼を述べる。

 

「懐いたって事はあたし悪人じゃないんだ。」

 

痛みから立ち直った蒲公英が嬉しそうに一樹に抱きつく。

 

「調子に乗るな!(ゴン)」

 

再び翠は蒲公英の頭に拳骨を落とし、蹲っている蒲公英をそのまま襟首を掴んで、挨拶をすると去って行った。

 

「お姉ちゃん、またね~」

 

一樹は去っていく翠達に手を振り別れの挨拶をする。

 

「またねぇ~」

 

そんな一樹に蒲公英は襟首を掴まれたまま一樹に手を振り返すのであった。

 

 

あとがき

 

拠点ラストは翠達でした~。ちょっと短かったかな?思った以上に翠との会話が出てこなかったorz

 

最初に書いて会った通り、これで拠点はお終い。次回から通常運転に戻ります。

 

まだ若干片付いていない事も、片付けようかな?とか考えたりしています。

 

ではまた次回ぃ~


 
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