No.355799

母香炉女学園の謎 MEIKO vs GUMI! #8 ミクの歌声、テトの叫び

enarinさん

明けましておめでとうございます! 今年も宜しくお願い致します!

○ボーカロイド小説シリーズ第5作目の”母香炉女学園の謎 MEIKO vs GUMI!“シリーズの第8話です。
☆ジュブナイル探偵SFファンタジーモノ(?)です!
○今回はMEIKOさんとGUMIさんのダブル主役です。

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2012-01-01 00:11:02 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:491   閲覧ユーザー数:491

<母香炉女学園の謎 メイコvsグミ! #8 ミクの歌声、テトの叫び>

 

<#7末文より>

 

ルカ:(ど、どうしよう・・・・・・)

 

(2010年4月11日(4日目)・夜・時計塔裏4F・実験の間)

 

アル:オレサマ オマエ マルカジリィィィィ! ウガァアアアアア!!!!

 

アルは両手を組んでハンマーナックルを作り、ルカの方へ振り下ろした!。

 

ルカ:きゃあああ!!!

 

バゴーーーーン!!!!

 

ルカが反射的に右へ回避したので、ハンマーナックルは床にたたきつけられる事になった! 床は深さブロック2枚分、広さ6枚分が砕け散り、破片が飛び散った! 後方で様子を伺っていたミクは叫んだ

 

ミク:ルカさん、大丈夫ですか!

 

ルカ:はぁはぁ・・・・なんとかね(あれは絶対に直撃しちゃだめね)

 

アル:ウガ、アタラナカッタ・・・・

ミリアム:ほら! ルカを見失わないで! ここにいるわ!

 

ミリアムは杖の先からまぶしいライトを照射し、ルカを映し出した!

 

ルカ:くっ! 向こうは攻撃がアル、サポートがミリアムなのか!

アル:ウガ! ツギハ、シトメル!

 

ルカ:く・・・・・(さすが最後の主達、コンビネーションも力も、マギカントとして数段上なのね。こちらは封印で戦力がほぼ無し・・。さてどうしようか・・・・)

 

ミク:私になにか・・・なにか出来ないかな・・・・。回復とか攻撃とか全然できないけど・・なにか・・・

ルカ:ミクちゃん! あなたは無理しないで! そこで防御していて!

ミク:で、でも・・・

ルカ:今、策を練っているから!

ミク:・・・・あ! “歌”・・・! ルカさん! 私の元の人、確か“軽音楽部”に入っているんですよね!?

ルカ:え? そ、そうだけど

ミク:確か“ボーカル”でしたよね!?

ルカ:う、うん、そうだけど、それがなんなの?

ミク:なら、遺伝子を受け継いだ“私”も歌えますよね!?

ルカ:理論上はそうだけど・・・

ミク:私・・・・歌います!!

 

ミクはしっかりと立ち上がり、手をお腹に置いて腹式呼吸の姿勢をとり、目を静かに閉じた。

 

ミク:すーーーふぅーーーすーーーふぅーーー。うん! 行ける!

 

ミクはゆっくり目を開き、毅然とした姿で歌を歌い始めた!

(☆ここからは、別投稿の曲の歌詞『巡り還る不滅のチカラ』を参照くださいませ)

 

ミク:♪ ああー 今の貴方は 夜の海 ♪

 

アル:グォ!

 

ガゴン!

 

アルのハンマーナックルがルカの目の前にまた落ちた! ルカはなんとかバックステップして回避していたので直撃は免れた

 

ミク:♪ 大いなる チカラを秘めてー 静かに眠る海ー ♪

 

ルカ:ハァハァ・・さすがに体力がそがれ・・・・? ん? 何? チカラが・・少しずつ沸いてくる!

 

アル:グォォ! ナンダ! コノウタハ! グオオオ!

ミリアム:どうした! こんなの単なる歌声だろうg・・・・・なに!! 六亡星のラインが!

 

なんと歌の進行に併せて、天井に描かれた六亡星のラインの1つが消えていったのだった!。

 

ミリアム:フン! こんなモノ、描き直せb・・・・・か、描き直せない! ラインが引けん!

 

ルカ:私のチカラが・・・・・戻っていく! ヤツは混乱、ミリアムはヤツの制御で精一杯・・・・。これは・・・これはミクちゃんの歌のチカラ! なら、急いで魔法造成陣を描かねば!

 

ルカはポーチから白いチョークを取り出し、☆型の小さい魔法造成陣を描き始めた!

 

ミリアム:く! ヤツの制御修正で手一杯!!

 

ミク:♪ でもね 貴方の上に 光る月 ♪

 

ルカ:よし! 魔法造成陣完成! 急いで“言霊”を描かないと。今回は私の部分マギカントでいいや

 

ルカは自分の分身であり、戦闘用の意味を持つ“言霊”を魔法造成陣の周りに描き加えていった。

 

アル:グォォォォ! ウタガ! ウタガ!

ミリアム:ええい! こんなもので混乱するな! うわ! こっちを攻撃するな! ほ、ほとんど制御できん!!

 

ミク:♪ 星の巡り 道標にし そのチカラ蘇る ♪

 

天井の六亡星の模様のラインの2つ目が消えた!

 

ルカ:よし! 言霊完成! あとは私の髪の毛と、JIMの時に使って残っていたピンクサファイアと酢蛸で、私のマギカントを!

ミリアム:そうはさせん!

アル:ウガァ!

ミリアム:ば、ばか! 私だ!

 

混乱したアルは暴れ回り、ミリアムにすら攻撃してきた!

 

ミリアム:ど、どうにかして、あの歌を!

 

ミク:♪ うねる渦 それは 巡る 命 ♪

 

アル:ウガァアァァァァァ!

ミリアム:バ、バカモノ! 私だ! くそ! 今度は回避で精一杯だ!

 

ルカ:まだ、もう少し時間が!!

 

ミク:♪ その流れ それは 貴方に 還る ♪

 

ついに六亡星の3つ目のラインが消えた!

 

ルカ:よし! 六亡星が不完全になっていくごとに、生成速度が上がっている!

 

アル:ウゴォォォ!!!!!

ミリアム:くそ・・・・もう制御不可能・・・・邪魔なだけか・・・なら!

 

ミリアムは、大きくアルとの距離を取り、杖を暴れているアルに向けて、呪文を唱え始めた。

 

ミリアム:コギト エルゴスムス フレイマリ フレイマル フレイム アグニート スルティスト・・・・・

 

ミク:♪ 取り戻せ そして 巡り 還る ♪

 

六亡星の4つ目のラインが消えた! あと2つ!

 

ミク:♪ 蘇れ 秘めた 不滅の チカラ! ♪

 

ミリアム:バニシング フレイム!!!!!!

 

ミリアムの杖の先から巨大な複数の火球が飛び出し、制御不能で暴れているアルめがけて飛んでいった! そして、アルに全て命中し、アルを業火に包んでいった!。アルの全身が透明のコア宝石“クォーツ”に変わっていった。

 

アル:グォオオオオオオ!!!!!!

 

アルは、今度は壁すらも認識できずに暴れ回ってしまった。その結果、一部の壁に正面衝突し、壁は崩れ、その崩れた壁の穴から、夜空にダイブしていった。

 

アル:グオオオオオオォォォォォォ・・・・・・・・・パリーン!

 

地面に直撃し、宝石だった体は粉みじんになってしまった。

 

ミリアム:はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・こ、これで、歌を! ミクを!

 

ルカ:そうはさせない! ミクちゃんには指一本ふれさせない!

 

ルカは魔法造成陣を自動生成モードに切り替え、ミリアムの背後を取り、手から杖を払い落とした! そして必死に押さえつけた!

 

ルカ:ミクちゃんに・・・・手を・・・・だす・・・な!!!!!

ミリアム:黙れ! あの・・・歌さえ・・・・なくなれば・・・・!!!

 

ミクは必死になって歌を歌い続けた!

 

ミク:♪ 疲れ果てても 私は貴方の 側にいる ずっと ♪

 

ミリアム:や、やめろ!・・・その歌を・・・・・すぐさまやめろ!!!!

ルカ:ミクちゃん!!! 頑張って! あと少し!

 

ルカは最後の力を振り絞って、暴れるミリアムを押さえつけた!

 

ミク:♪ 押し戻されても 私の心は 消えないよ ずっと ♪

 

六亡星の5つ目のラインが消えた! 残るはあと1つ!

 

ミリアム:や・・・・やめろ・・・・・やめろ・・・・やめろ!!!!!!!!!!!!!

ルカ:もう少し!

 

ミク:♪ 闇は終わり 全てが見える 青空の 時間が始まるよ ♪

 

最後の六亡星のラインは、消える寸前だった!

 

ミリアム:グォ!・・・・わ、私の体が・・・宝石化していく・・・・・!!!!!

ルカ:最後のとどめ!!!

 

ミク:♪ Darkness time is finished. And blue sky is coming in your heart. ♪

 

ついに天井の六亡星は、消え去った!

 

ミリアム:あ・・・・あ・・・・あ・・・・

 

ミクは力尽きてその場に倒れ込んでしまった!

 

ルカ:よし! 封印が解除したわ! ミクちゃん、ありがとう。今度は私の仕事!

 

ルカは半ば宝石化しているミリアムの正面を魔法造成陣に向け、突き飛ばした。そして、こう唱えた。

 

ルカ:いでよ! 我がマギカント“たこルカ軍団!”、この罪深きモノに張り付け!

 

たこルカ軍団:ミャオーーーー!!!!!!

 

魔法造成陣から、ルカの頭部に蛸の足になった髪の毛が生えている無数の蛸らしきマギカント“たこルカ”が飛び出してきて、ミリアムにどんどん張り付いてきた!

 

ミリアム:ウゴォォォ! な、なんだこれh・・・・・

 

次々に張り付くたこルカを回避できず、どんどん全身がピンク色の塊になっていった。

 

ルカ:もう張り付きはいいわ。ごめんね、たこルカ軍団。あとでちゃんと作って上げるから、今回は・・・自爆して!

 

たこルカ軍団:ミャオーーーーー!!!!!!

 

ズゴーーーーーーン!!!!!

 

フロアが崩れ落ちない程度の小爆発を起こした。中のミリアムも粉々になり、コア宝石“アクアマリン”のカケラが飛び散り、ミリアムがいた場所には、ベースマテリアルの“ボボティ”という皿に乗った料理が1こ、こぼれて置いてあった。

 

ルカ:はぁ・・・はぁ・・・・はぁ・・・・うっ!

 

ルカは膝をつきそうになったが踏みとどまった。

 

ルカ:わ・・・私は・・・ミクちゃんを・・・・

 

ルカはフラフラになりながら、倒れているミクの側に近寄り、上半身を抱き起こした。ミクは気絶していた。

 

ルカ:ミクちゃん・・・・ありがとう・・・・ありがとう・・・・もう大丈夫だから・・・・・・

 

ルカはボロボロ泣いていた。

 

そして、ルカはミクを抱きかかえて、よろよろと階段に向かっていった。

(2010年4月11日(4日目)・夜・時計塔最上階・造成の間)

 

MEIKO、GUMI、ネル、ハクの4名は、とうとう最終地点である、“時計塔最上階の造成の間”にたどり着いた。

 

そこは今までで一番大きく、広い場所だったが、天井がなかった、つまり正式には“屋上”と呼ぶべき所だった。その場所の床一面には大きく魔法造成陣らしきモノと、言霊が描かれており、そして、その魔法造成陣の中央には、診察ベッドが1個置かれており、そして・・・

 

MEIKO:テ・・テトちゃん!!!!!!

 

ガチャガチャ

 

テト:( ̄□ ̄;)

 

手足胴体を鎖で繋がれているが、意識はあるらしいテトが一人、診察ベッドに乗せられていた。

 

黒井木之子:ようこそ、我が造成の間へ。やっとこたどり着いたようだな、MEIKOさん、GUMIさん。待っていましたよ

MEIKO:もうその丁寧な言い回しには、だまされないよ、狸女!

GUMI:この外道! とっととテトちゃんを返せ! 学園長なんて言葉で呼ぶのも嫌だわ、“木之子女”で十分!

黒井木之子:これはこれは。じゃあ、その悪態に答え、早速、メインイベントの前に、あんたらをここまで残していたわけを証しましょうかね

 

テト:(>д< = >д<)

 

MEIKO:テトちゃん、ごめんね、もうちょっと我慢していてね。こいつぶっ飛ばしてから、助けるから

 

テト:(◎д◎ = ◎д◎)

 

MEIKO:どうしたの? そんなに怖かったの?

 

テト:・・・・・・・・・・・二人に気をつけて!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

MEIKO、GUMI::!!!

MEIKOとGUMIの両名を後ろから羽交い締めにした者がいた。各1名で計2名。

 

黒井木之子:ご苦労だった、亞北ネル、弱音ハク

 

なんと、羽交い締めにしていたのは、後ろに控えていた、ネルとハクだった。MEIKOをネルが、GUMIをハクが、二人の動きを完全に封じていた。

 

MEIKO:そ・・・・そんな・・・・馬鹿な・・・・・

GUMI:し・・・・信じられない・・・・・

 

ギギギ・・・・・・

 

二人の締め上げ方は尋常ではなかった。大人である二人が全く動けない状態だった。

 

MEIKO:ぐ・・・・・この・・・・チカラ・・・・・あなた達・・・・・・マギカント・・・・

ネル:あら、勘がいいわね。そう、私とハクは、学園長に作られた“戦闘用マギカント”よ

MEIKO:・・・いつからすり替わった・・・・

ネル:あなたと最初にあった、あの中庭の前、この学校に入学した時からずっと。まぁ中庭の“寸劇”に引っかかってくれたのは助かったわ

ハク:雇った元生徒会の生徒と私たちの寸劇にね

ネル:ちなみに本物の“亞北ネル”、“弱音ハク”は、学園長の私的関係者だけど、この学校には入学してないのよね。私たちはMEIKOとその周りの連中の“監視”目的で作られたの

ハク:ちなみに生徒会室での私たちの話、嘘なのよね。学園長を“呼んできた”のは、私。ネルと二人でテトを拘束して、学園長に渡したのよ

ネル:あ、それと無防備にヘッドセットなんて渡してくれたから、後で工作して、あなた達の戦闘の一部始終を、ずっと聴いていたわ。弱点とか情報は、全て、この時計塔の連中に報告させてもらったわよ

黒井木之子:魔法造成陣とか禁断の造成法とか、随分“私の知識では完全ではなかった事”をルカがしっかり教えてくれて、ほんと、助かったわ

 

MEIKO:ぐぅぅぅ・・・・・貴様ら・・・・貴様らぁ!!!!!!!

 

ギギギ

 

ネル:おおっと、まだダメよ。ショーは始まってないんだから

ハク:そうね。MEIKOさん? しっかりと“その目でその体で体感”しておいてよね

黒井木之子:さーて、そろそろショーの始まりね。来い! マギカント・MEIKO!!!!

 

マギカント・MEIKO:はいよ、来たよ

 

テトがいる診察ベッドの裏側から、MEIKOそっくりのマギカント・MEIKOが現れたのだった。

 

黒井木之子:誕生して間もないけど、こいつらの番、頼むわ。ネルとハクが動けなくしているけど

マギカント・MEIKO:イエッサー

 

マギカント・MEIKOはゆっくりとMEIKOに近づいていった。

 

MEIKO:な・・・・わ・・・私の・・・マギカント・・・・・

 

マギカント・MEIKOはMEIKOが持っていたハンドガンを取り出して手に取り、銃口をMEIKOに向けた。

 

チャキ

 

マギカント・MEIKO:あんたらを残していたのは、一番の当事者達に、しっかりとこのショーを見て貰うため。だから、

 

カチャ

 

マギカント・MEIKO:まぁ、ショーの間くらい、暴れないで見ていてよね。じゃないと、貴方の体に風穴が空くだけじゃなくて・・・

 

マギカント・MEIKOは銃口を今度はGUMIに向けた。

 

マギカント・MEIKO:この子も蜂の巣になるからね。あ、GUMI、あんたも静かにしないと、このおばさんの方もあの世行きだからね。わかっていると思うけど

 

MEIKO:くっ・・・・・・

 

GUMI:ぐ・・・・・・・・ぅ・・・・・

 

マギカント・MEIKO:こっちの方はいいよ、マスター

 

黒井木之子:よし。そろそろ、この月光が降り注ぐ会場のメインイベントにして、最大のショー“目の前でテトがマギカントに変えられる所”を始めましょうかね。月光も十分当たったし

 

MEIKO:や・・・・やめろ・・・・・!!!

 

ネル:やめませーーん! これが最終目的だったからね。あの優しいテトちゃんが、凶悪なマギカントになるところを、しっかり目に焼き付けて置きなさい!

 

GUMI:や・・・・やめ・・・・・

 

ハク:だーめ!

 

黒井木之子:では、始めましょう。最後のステージを!

木之子は診察ベッドに近寄り、テトの頭の近くに、コア宝石に使う血染めの最高宝石“ブラッディダイヤモンド”を置き、夜空に向かって叫んだ!

 

黒井木之子:造成の主よ! ここに、十分な月光を受けた人間の肉体と、宝石を捧げる! 魔法造成陣の言霊の通り、この者を“最強のマギカント”に変える事を希望する!

 

夜の暗闇の空に、大きな黒い雲の渦が作られ、そして、その中央から声が聞こえてきた。

 

声:造成を希望する者よ。汝の希望・・・・受けられん!

 

黒井木之子:な!!!!!!! 何故! 魔法造成陣も言霊もマテリアルの人間も、一切問題なく揃えた!。何故造成できない!

 

声:捧げる肉体は、“人間の肉体”、でなければならない。ここに捧げられている者は・・・・・・・マギカントだ!

 

テト以外全員:!!!!!!!!!

 

その刹那、テトを縛り付けていた鎖は全て引きちぎられ、妖しく光る鮮血色の両目をしたテトが空中に浮いていた。

 

テト:・・・・・そう、我は、古代より生き続ける“最初のマギカント”。マギカント造成法の開発者にして、我の遺伝子元の人物は、もう滅んで、今は存在しない。この“重音テト”とかいう人間は、我がこの時代を生きるために使う、単なる“借り物”。そう、最初の肉体が滅んでから、ずっとそうやって“借り物”を使い繋いで来た。尚、我が介在する肉体は“擬似マギカント”となるので、あの声の主もそう判断したのだろう

 

MEIKO:か・・・・・借り物・・・・

 

テト:ちなみに我の生存目的は、『歴史の証人』。そのために必要な“生き残るチカラ“は十分に備えられている。だが基本は”戦わず“だ。だから通常は肉体に隠れている。この肉体でも同じだった。自らで自らのチカラをこの体の奥に封印し、言葉を閉じて、静かに世界を観察していたのだ・・・しかし、

 

黒井木之子:ヒィィ・・・・

 

テト:無理に我を目覚めさせし、罪深き女、黒井木之子よ。その罰は、“汝の肉体”で払って貰う!

 

テトは高速に空中を飛び回り、黒井木之子の方へ向かっていった。

 

マギカント・MEIKO:そうはさせん!

 

テト:邪魔だ!

 

シュ!

 

パキン!

 

マギカント・MEIKO:オブォ!!!

 

テトは立ちふさがったマギカント・MEIKOの腹の横を飛び抜けた。その際、コア宝石があった腹に手刀をかまして、コア宝石を破壊してしまった。“ルビー”は粉々になり、ベースマテリアル“銘酒炎(ほむら)”の瓶も砕け散り、姿は消えてしまった。

 

黒井木之子:ひ・・・ひ・・・

 

学園長の自慢げだった顔は歪み、脂汗を垂らして恐怖に引きつっていた。

 

テト:黒井木之子、罰としておまえから“人間”のタグを消し去り、“マギカント”にする。月光は“おまえも”十分に受けているからな

 

テトは、腰を引き吊りながら逃げる黒井木之子の襟首を掴み、空中に持ち上げ、診察ベッドまで連れていき、残った鎖でベッドに拘束して、置いてあった試験用コア宝石“ブラックダイヤモンド”を拾い上げて、黒井木之子の頭に置き、空に向かって叫んだ。

 

テト:造成の主よ! ここに、十分に月光を受けた人間の肉体と、宝石を捧げる! 魔法造成陣の言霊の通り、この者を“究極のマギカント”に変える事を希望する!

 

黒井木之子:ひ・・・・ひ・・・・ひ・・・・ひ・・・・

 

声:良かろう。描かれた言霊に従い、この者を、究極のマギカント“ダーク・マター”にする。では行くぞ!

 

その瞬間、空に無数の雷が発生し、造成の間の中央、診察ベッドの木之子に集中して落ちた。

 

黒井木之子のようなモノ:うがあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!

 

そして、魔法造成陣の線と言霊の文字が光り輝き、コア宝石が黒井木之子だったものの頭部らしき場所に埋め込まれ、そしてその物体は徐々に丸くなっていき、そして真っ黒な塊になり、鎖を消し去りながら、宙に浮いた。

 

黒い塊:ドクン・・・・ドクン・・・・ドクン・・・・

 

テトは宙に浮いて、この一部始終を腕組みをして眺めていた。ハクはGUMIから離れ、腰を抜かして倒れており、ネルも随分前からMEIKOの羽交い締めを解き、恐れおののいていた。GUMIは、ぺたんこ座りをして呆然としていた。MEIKOだけは悲しい目で、テトを観ていた。

 

MEIKO:テトちゃん・・・・・・・・あなた・・・・・

 

テト:そろそろ誕生だ

 

ドクン!!!!!、グワッ!!!!!!!!

 

黒い塊は、あの声が話していた“ダーク・マター”と呼ばれるマギカントのはずの“何か”の形に変形していった。

 

黒く大きな翼

トカゲのような頭部と尾

がっしりした胴体

恐竜のような両足

漆黒の両目

鮫の牙

 

テト:ほぉ、究極のマギカント“ダーク・マター”とは、ドラゴンの姿をしていたのか。勉強になった。では、私はもっと静かにできる場所に、隠遁生活の場を設けるとしようか。さらばだ、ここの人間ども、そして不用意に作られたマギカントどもよ

MEIKO:待ちなさい、テト!

テト:なんだ、まだなにかあるのか?

 

MEIKO:ここでマギカントと人間の「あがき」を最後まで観て行きなさい!

テト:凄惨な現場を傍観するのは趣味じゃないのだが、余興と思えば楽しいか。まぁいいだろう。だがくれぐれも言っておく。“私を楽しませる”のが条件だぞ! つまらないと判断したら、罰としてここ全てを吹き飛ばして、私は去ることにする

MEIKO:いいでしょう。やってやろうじゃないの!!

 

バッサバッサ・・・・

 

ダーク・マター:グロロロロ

 

ドラゴン姿のダーク・マターは、最上階の空中で不気味な翼を広げて、臨戦態勢を取っていた

 

MEIKO:(正直、勝てる見込み0だけど、やるしかないのよ。こんなのをそのままにしたら、この世の中がどうなってしまうのか、簡単に予想が付くわ。そう、やるしか・・・やるしか・・・)

 

冷たく見つめる満月の下、時計台の屋上には、張りつめた空気が流れていた。

 

(続く)

 

CAST

 

咲音メイコ(MEIKO)&マギカント・MEIKO:MEIKO

勇気めぐみ(GUMI)&マギカント・GUMI:GUMI

 

生徒会長・巡音ルカ:巡音ルカ

マギカント・初音ミク:初音ミク

マギカント・リン:鏡音リン

マギカント・レン子:鏡音レン

マギカント・学子:神威がくぽ

マギカント・カイ子:KAITO

 

亞北ネル:亞北ネル

弱音ハク:弱音ハク

 

重音テト(&最初のマギカント):重音テト

 

アル:Big AL

ミリアム:MIRIAM

 

黒井木之子(学園長)、造成の主(声):エキストラの方々

 

***

 

<学級委員長と生徒のクラス割>

 

学園長:黒井木之子

 

1年A組:委員長・勇気めぐみ、生徒・亞北ネルと弱音ハク、先生・レオン

1年B組:委員長・鏡音リン

1年C組:委員長・鏡音レン子

 

2年A組:委員長・初音ミク、生徒・重音テト

2年B組:

2年C組:

 

3年A組:委員長・工藤カイ子

3年B組:委員長・咲音メイコ、先生・プリマ

3年C組:委員長・神威学子

3年D組:委員長・巡音ルカ

 

<部活動>

 

剣道部:部長・神威学子

軽音楽部:部長・初音ミク、部員・重音テト

アイス同好会:会長・工藤カイ子


 
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