No.354595

特別でないただの一日

c81で発表するはずだった小説です。時間に余裕ができてしまったので、大幅に書き直したいので、今のところ最初のほうだけを公開です。

2011-12-29 13:43:12 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:358   閲覧ユーザー数:357

 
 

 二月二十に日、昼休み。

 私は音楽準備室で一人、憂を待っていた。

 私は授業が終わるとすぐにここに来て、憂に『昼休み終了五分前に軽音部の部室で待ってる』ってメールをしておいた。

 やっぱりすぐにここに来ておいてよかったと、心から思う。これからすることを想像しただけで顔が熱くなってくるのが分かるから、とてもじゃないけどいつも通りのランチタイムを過ごすことなんてできなかっただろう。

 意外なのは、昼休みが終わる頃にはそれが現実になっているはずなのに、気持ちが落ち着いていることだ。自分でいろいろ考えていた時は、顔が熱くなるどころではすまないと思っていたのに。まあこんな余裕があるのも、今のうちだけなんだろうけど。

 それにしても、この部屋ってこんなに広かったっけ? まあこの部室自体をじっくり見ることなんてなかったし、もしかしたら私の知ってる軽音部にはいつも誰かがいたからかもしれない。

 今は私一人だけだけど、もうすぐ……。

 …………。

 …………。

 前言撤回。今もすごくドキドキしてる。でもそれが、自分が約束を果たすためだけにここで憂を待ってるのではないということを私に分からせてくれた。

 約束かぁ……。

 憂には約束だからとしか思われない。そのことが私の胸を痛ませた。

 

 
 

 
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