No.350020

恋姫夢想 ~至高の鍛冶師?の物語~ 現代IF

第3回恋姫同人祭り用の作品です。本編とは全く関係ございません。
あと今回は華雄視点です。

それでは作品紹介を。

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2011-12-20 17:20:08 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:7177   閲覧ユーザー数:5970

「ああ先輩、そこ編み間違えてます」

「む。どうすればいい?」

「途中まで解いて編み直しです」

「分かった……かなり大変なのだな、手編みというのは」

「でもやるのでしょう?」

「無論だ」

 

今私は自分の住むアパートで手編みのセーターを作っている。

隣には大学の後輩の凪もいる。

なぜ私がセーターを編んでいるのか。

それはこれがクリスマスプレゼントだからだ。

クリスマスはまだ先ではあるが、私は編み物は初めてなので既に始めているのだ。

渡す相手は恋人と言っていい関係の男だ。ちなみに隣に居る凪も含まれる。

……後、知り合いの未亡人がアタックを掛けているらしい。

普通二股(このままだと三股になり得るが)など許される筈はないが、この関係を

提案したのが私と凪なので問題ない。あいつは結構気まずそうではあったが。

 

「しかし済まないな、凪。手本の為にあいつに渡す分以外にも余計に二着も

 セーターを編ませてしまって」

「いえ、真桜と沙和に渡すので問題ないです。あ、そこ編み方違います」

「む」

 

……本当に迷惑を掛ける。

 

 

 

「……できた」

 

なんとかクリスマスに間に合った。というか今日がクリスマスイブだ。

あいつがパーティーを準備してくれる事になっている。

本当にギリギリだった。

 

「お疲れ様でした、先輩」

「いや、お前程じゃない。本当に感謝する」

「いえ」

「そういえばあの二人にセーターを渡したのだろう?どうだった」

「あ、はい。二人とも喜んでくれたのですが……」

 

?何か歯切れが悪いな。

 

「その……、お礼と言ってこんなのを渡されたんです」

 

そう言って凪は大きな紙袋を私の前に見せた。そして中から畳まれた服らしき物を

取りだした。

 

 

「サンタの帽子……ならそれはサンタ服か?」

「…はい」

 

それにしてはずいぶん小さく畳めているが。

 

 

「それがどうかしたのか?」

「広げてもらえると分かります」

「?」

 

凪の言葉に従い、サンタ服を広げて見せた。すると

 

「……なんだこれは」

 

明らかに丈が短い上着とスカートのサンタ服だというのがわかった。

 

「……へそ出しミニスカサンタだそうです」

「どこから持って来たんだ、あの二人は…」

「自作だそうです…」

「……これを着ろという事か」

「はい。私達に…」

「達?」

「サイズ違いで二着あります」

 

そう言って凪は再び紙袋からサンタ?服を取り出した。

 

「………あいつは喜ぶと思うか?」

「何とも言えません……」

 

だろうな。

あいつは結構直球で物を言うから、似合ってたらいいが、

そうでなかった場合は……あまり考えたくないな。

 

「……着るぞ、凪」

「え?」

「まずは着る。互いに確認して似合わなければ置いていけばいい」

「あ、はい」

 

そして私と凪はサンタ服に着替え始めた。

 

 

「……短いとは思っていたが…」

「これは……いくらなんでも」

 

着終わって直ぐに出た感想がこれだった。

 

「上着もスカートも下着が隠しきれない……」

 

下から見たら確実に丸見えだ…。

凪、前を引っ張っても生地が伸びにくいから変わってないぞ。

と思った時、凪の携帯が鳴り出した。

すぐに切れたからメールの様だ。

 

「誰からだ?」

「えっと…真桜からで…………」

 

何故か凪が急に固まってしまった。それも顔を真っ赤にして。

メールに何か書いてあったのか?

 

「凪、真桜はなんて送ってきたんだ?」

「……です」

「ん?」

「渡したサンタ服を着て、自分をプレゼントするんや。朝まで楽しみや……です」

 

数瞬思考が停止した。正気に戻った後、凪の携帯を確認したが確かに書いてあった。

しかも

 

「音符マーク(♪)付き……」

 

絶対に楽しんでいるな。かなり腹が立つ……!

 

 

「せ、先輩……」

「……この服持っていくぞ、凪」

「…へ?」

「あえて思惑に乗ろうじゃないか…!」

「えええ!?」

「あいつが気に入らないなら私達がやってやればいい。あいつからやるならそれでもいい」

「で、でも……」

「早く着替えて行くぞ、凪!今行けばちょうどあいつもパーティーの準備が終わる頃だ!」

「ま、待ってください先輩!?」

 

直ぐに外出用の服に着替えてアパートを出た。

もちろん編んだセーターとあのサンタ服も忘れずに。

 

 

そしてあいつの住むマンションに着いた。着いたはいいんだが……

 

「早まった……」

「先輩……」

 

もうこの頃には頭も大分冷えて自分がかなり大胆な事をしようとしてた事に気付いた。

あいつの事が絡むといつもこうだ。それでいつも周りの人間にからかわれるのに…。

 

「とりあえず上がらせてもらいましょう、先輩」

「だが……」

「今から戻ったら待たせ過ぎてしまいます。

 セーターだけ渡せばいいんです。幸いサンタ服はバッグにしまえますし、

 話題に出さないようにすれば」

「……そうだな」

 

 

そしてあいつの部屋に前に着き、チャイムを鳴らす。

少しすると扉が開き、あいつが出迎えてくれた。

 

「「メリークリスマス♪」」

 

三人だけのパーティーの始まりだ♪

 

 

 

おまけ

 

「どうや、沙和」

「ばっちりなのぉ~。ちゃんとあの人にメール送っといたのぉ~」

「凪達、サンタ服の事知られてるの分かったら驚くやろな~」

「真桜ちゃん甘いのぉ~」

「ん?」

「あの人にも『サンタ服』って伝えただけで『へそ出しミニスカサンタ服』とは

 伝えてないのぉ~」

「……お主も悪やな~♪」

「真桜ちゃんもなのぉ~♪」

 

 

 

 

~後書き~

 

なんとか書き上げました、同人祭り用クリスマス話。

華雄と凪、それに真桜と沙和は同じ大学の学生という設定です。

ちなみに凪と華雄はしっかり召し上がられました(笑

恥じらいながらへそ出しミニスカサンタ服を着てる美女二人を前にして

手を出さない男がいますか?

いや、いない(キッパリ。

後、謎の未亡人はパーティーには参加してません。そういう仲でもないのに

恋人達のパーティーに参加する気はないので。

 

 


 
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