【CAUTION!】
この作品を読むかどうかは自己責任です。
気分を害しようと、それは自己責任です。
お金がないのも自己責任です。
彼女がいないのも自己責任です。
それでもいいという方は、
『( ^ω^)』
ムカつく顔でコメントしてください。
ただし色々と否定的な※はなし。
作者の心が痛むから。
ではまた後書きにて。
#41
店内に沈黙が落ちる。角のおっさんはラーメンをすすり上げる途中で固まり、その向かいのおっさんは麻婆豆腐を脚の上に零している。おいアンタ、醤が皿にかかりまくってるぞ。
「………稟ちゃん稟ちゃん。このおにーさんは稟ちゃんのお知り合いですかー?」
その異色の空間で口を開くのは、金色の頭に人形を乗せた少女。眠そうな眼でじっと俺を見据えている。だが、呼ばれた少女は応えない。
「………」
「稟ちゃーん?」
不審に思った人形少女は、隣に座る友人を振り返る。そして。
「――――――桂花殿を完全に縛り上げたうえで手を出そうというのですか。視界もままならずに抵抗の出来ない彼女の
「あぁ、いつものアレでしたか」
溜息を吐いた。
「おい、そこのロリ娘」
「………おぉ、風の事でしょうかー?」
何もしていないのに敵の軍師を2人潰してしまった俺は、とりあえずと残る1人の声をかけた。
「俺が言うのもアレだが、そいつは大丈夫なのか?」
「問題ないでしす。稟ちゃんの持病みたいなものなのでー」
どうやら問題はないみたいだ。さて、最後のこいつを片づけるか。
「一応聞いておくが、お前ら3人は曹操の軍師だな?」
「………」
本当に一応だ。明命のヘタクソな絵でも、それくらいは見分けがつく。というか服装が一般人ではない。
「………」
少女は頭の中で突破口を探しているのだろうか。一向に応えない。………というか。
「………………ぐぅ」
寝ていた。
「……おにぃ」
声をかけられ振り返れば、恋が立っていた。その背後には、前掛けをした店主らしき男が立っている。
「どうした?」
「もう…ご飯ない………」
「は?注文ならさっき追加したぞ」
俺の言葉に、店主が困った顔で口を開いた。
「材料がもうないんですよ。というわけで、こちらお勘定です」
「……………」
俺と恋がいた席を見れば、皿の山。店主から伝票を受け取れば、なかなかの金額。というか、手持ちは圧倒的に足りない。
「ちょっと待ってろ」
俺は恋たちに背を向け、敵軍師に向き直る。
「お、あったあった………さすが曹操の側近だな。なかなか溜めこんでやがる」
卓に突っ伏したままの猫耳フードの服をまさぐれば、たんまりと金の入った袋が見つかった。途中ビクンと跳ねた気がするが、きっと気のせいだ。
「はいよ」
「………いいんですか?」
「気にするな。もともとはこいつらと落ち合う予定だったからな。奢ってもらう約束だったんだ」
「はぁ……?」
流れ出るような嘘に店主は首を傾げるも、結局のところ金さえ貰えればいいのだろう。微妙な顔のまま厨房に戻っていった。
とりあえず智将は潰した。次はどこに行こうかと思案しながら店を出た瞬間、胸に衝撃を感じた。
「なんだぁ!?」
「いったーい!いきなり出てこないでなのー!」
声は足下から聞こえる。見れば、眼鏡をかけた少女が地面に尻もちをついていた。どうやら、この眼鏡とぶつかったらしい。
「あぁ、悪かったな」
「ホントなのー。でも、お兄さんはなかなかカッコイイから許しちゃうのー!」
「そうかい、ありがとな」
謝罪しながら手を伸ばせば、少女もそれを握って笑顔を見せる。途端、背後から禍々しい殺気。
「………………あの、恋さん?」
「………………………………………………………………なに」
恋だった。
「ヤンデ恋期間は終わった筈では…?」
「……………知らない」
「とりあえずそのドコから出したか分かんない方天画戟を下ろしてぇぇぇええっ!?」
恋の殺気にあてられて、眼鏡少女は気絶していた。
さて、そろそろ城に向かうとするか。そんな事を考えながら移動を始めようと第1歩を踏み出したところで驚きの意を含んだ叫びが聞こえた。
「沙和っ!?しっかりしろ、沙和!!」
振り返れば、傷だらけの身体に銀色の髪を束ねた少女。確か………あぁ、楽進だったか。
「くっ…沙和がやられるなんて………」
呼び掛けに目を覚まさない友人を抱きかかえる少女。そして彼女を見る俺。つと、視線が合った。
「……そこの者。すまないが、何が起きたか教えてくれないか?」
「え、俺?」
涙を滲ませて俺をまっすぐに見つめる眼は、どこか愛紗を思わせる。やめてくれよ、そんな眼で見られたら、断れないじゃないか。
「君たちは警備兵か?」
「そうだ」
「………そこの店の誰かが通報したみたいだな。彼女が店に入ろうとしたところで、中から出てきた、武器を持った女にやられた。一瞬のことだったよ」
「そうか……教えてくれてありがとう」
「いや。君も気をつけてくれ」
「あぁ」
気丈にもしっかりと頷きを返した彼女は、気絶した眼鏡を抱えて店に入る。
「桂花様!稟様!………風様?」
さて逃げるか。嘘は言ってないしな。
「おにぃ、恋の所為にした……?」
「まさか。恋はいい子だもんな」
「ん…」
満足気に頷く恋と共に、俺は駆け出した。
「あれ、北郷の兄さんやん」
「あ?」
いつだか聞いた関西弁。声の方を向けば、巨乳娘―――もとい、李典がいた。
「あぁ、李典か。久しぶりだな」
「せやな。んで今日はどしたん?呂布まで連れて、またウチを借りにきたん?あかんで。醤油の時かて、華琳様ブチ切れとったんやし」
「いやいや、今回はただの観光だから気にするな」
「そなん?ま、ええわ。ウチいま仕事中やから行くわ」
言うが早いか、李典は駆け出そうとする。が、俺は声をかけてそれを止めた。
「もしかして、店で曹操んトコの軍師がやられた、って事件か?」
「あれ?なんで兄さん知っとるん?その通りやで。あの3人かて頭はよくても軍師やからな。力ずくで来られたら敵わんわ」
「せやな」
おっと、関西弁が出てしまった。
「楽進だったか?李典の友達がさっきあっちの通りの店に入っていくのを見たぞ」
「ホンマに?まぁ、凪やったら大丈夫やろ。走る必要もないやろな」
「だろうな。仕事頑張れよ」
「はいはい。兄さんもまた新しい道具とか思いついたら教えてぇな?」
「わかったよ」
そうして俺たちは別れる――――――その瞬間、俺は李典の背後に回り込み、その乳に両手をあてがった。
「へ―――」
「秘儀・
「―――ぎゃぁぁぁああああっ!?」
説明しよう。駄乳潰しとは、その名の通り無駄にデカい乳を揉み、弾き、摘まみまくる儀式である(出典:民明書房)。
「はぅ………」
さんざんっぱら胸を弄ばれた李典は、そのまま地面に崩れ落ちる。時折りビクンと身体を震わせている。
くくく、霞の巨乳を完全攻略した俺に隙はないのだ。
おまけ
「……………はっ!?」
南陽の街のとある店。まだ開店していないのであろう。1本足の丸テーブルは2つ1組で縦に重ねられ、椅子も同様に壁際に置かれている。その壁の反対側の舞台での
「どうしたの、桃香ちゃん?」
「どこか
舞台上で踊っていた2体の筋肉・貂蝉と卑弥呼はその様子に気づき、声をかけた。
「いま……いま、私の
意味不明な叫びに、貂蝉たちは首を傾げるのだった。
おまけのおまけ
曹操軍被害報告
曹 操:健在 @城・執務室
夏候惇:健在 @城・中庭
夏侯淵:健在 @城・執務室
荀 彧:意識不明(絶頂)@城下町・食事処
郭 嘉:意識不明(出血)@城下町・食事処
程 立:意識不明(嘘) @城下町・食事処
楽 進:健在 @城下町・大通り
李 典:意識不明(絶頂)@城下町・大通り
于 禁:意識不明(失神)@城下町・食事処
自軍状況
呂 布:健在 @城下町・路地裏
一 刀:負傷(味方暴走)@城下町・路地裏
あとがき
という訳で、#41でした。
前書きにも書いた通り、もうすぐ終わらせます。
そろそろ恋共にも取り掛かりたいしね。
ではまた次回。
バイバイ。
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目標は#45終了だぜ。
どぞ。