No.345648

空の帰り道

珠屋さん

久し振りに聖蓮船やったら投稿したくなりました。
作品タイトルについては、
東方聖蓮船スタッフロールテーマ「空の帰り道 ~ Sky Dream」より。

2011-12-10 17:49:50 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:236   閲覧ユーザー数:236

 

 

 

聖白蓮の開放に使われることの無かった、余りものの飛倉。

飛倉は、夕暮れの空を悠々と漂うその船を見つめていた。

 

 

その船からは不思議と、とても楽しそうな雰囲気を感じた。

船は所々傷つき、甲板で舵を操る船長はボロボロ。

その隣にいる、復活して間もないはずの白蓮でさえ傷ついている。

だが、それら全てが笑顔だった。負の感情など見当たらない。

生々しい傷は見ているだけで痛みを感じるというのに、それでも何故、あの人らは笑顔でいられるんだろうか。何故、楽しそうに肩を組み合えるんだろうか。

 

 

 

――

 

 

 

「いやあ、白蓮が戻ってきてくれて本当によかった」

 

「貴女方こそ、こんな長い間私を慕っていてくれてありがとうございました……」

 

「何を言いますか。

 貴女の存在がなければ、私たちがこうして団結することなど不可能に等しい」

 

「それに白蓮は、目的を達成した私たちの繋がりを更に強めてくれた」

 

「雲山も、白蓮には感謝していると言っています」

 

「……みんな……」

 

「さぁーて、今晩は宴だね! 面舵一杯、しっかり掴まってな!」

 

 

 

――

 

 

 

余りものの飛倉は今も、遠くの山の向こうに沈む夕日とともに、傷ついた船を眺めていた。

時々船の甲板から聞こえてくる笑い声は、夕暮れの空に色濃く残り、そして溶けていく。

飛倉には、その笑顔の理由が分からない。その肩を組み合っている理由が分からない。

飛倉は、何か楽しいことでもあったんだろう、と思うくらいしかできなかった。あんな傷すら忘れてしまうような、楽しい何かが。

 

 

どう足掻いても、飛倉には理解し得なかった。

白蓮たちにとっては、考えるまでも無い、当たり前のことだった。

 

人であるからこそ感じる悲しみ、

人であるからこそ感じる喜び。

 

 

飛倉は、感じ得なかった喜びを目の当たりにして、

少し残念に思いながら、飛倉自身もまた、夕暮れの空を漂っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、あとがき

 

 

   *   *   *

 

 

 

 

どうも、珠屋(たまや)です。

 

あ、名前に振ってるルビはテスト兼分かりやすさのためです。初投稿です。

これは小説じゃなくてSSですねー……ショートストーリーとサイドストーリー、2つの意味で。

 

 

作品について。

 

俺自身一介のノーマルシューターなので、Exクリアする程度が精一杯です。

なので、そりゃあ途中でUFO見逃してたりするわけです。

あいつらひじりん解放し終わった後は何してんのかなー、と思って書いてたら出来上がった作品。

 

勿論、飛倉には感情はないでしょうから、彼女らが何を考えているかなど分かるはずもないでしょう。

……というか、飛倉が物を考えられるのかって話もありますけど。

まぁそれはさておき、人の身――もしくは妖怪の身にしか分からないことってのもあるんです。

そんなことを飛倉視点で書いた作品です。

説明読んだ後で読み返してみると、また何か違うかもしれませんね。俺の力不足。

 

 

※台詞の部分は、誰が何言ってるか想像して当てはめてみてください。

 

 

 
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