No.344127

寂しがり屋の女の子のために…… 拾参話

DOWANNGOさん

アンケートの結果発表です。
一位は『寂しがり屋の女の子のために……』でした。
ローテーションは一位の作品を四話投稿してから次の作品を投稿すると言う結果になりました。
では、始まり~

2011-12-06 20:29:20 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:3362   閲覧ユーザー数:2900

村の復興作業が終わった頃。

軍議の時間が来たので俺達は本陣で軍議をしていた。

 

「さて、これからどうするかだけど……

新しく参入した凪達も居ることだし状況を一度纏めましょう。春蘭」

 

「はっ。我等が今回戦ったのは自らを黄巾党と名乗る暴徒の集団だ。

詳細は……秋蘭、任せた」

 

やっぱりか……まぁ、予想はしてたけどな。

 

「やれやれ……黄巾党は散発的に暴力活動を行っているが特に主張らしい物は無く

目的は不明だ。また、首謀者の名前が張角だと言うこと以外首謀者のことは全く分かっていない」

 

「目的のこととは違うのですが我等の村では地元の盗賊と合流していました。

陳留では違うのですか?」

 

「こっちも同じ様なもんさ。事態は悪い方に進んでる」

 

春蘭が意味が分からないと言う様な顔をしているので俺は捕捉説明を始める。

 

「連中はそれなりの指導者と結び付いて組織として纏りつつあるわけだ。

簡単に言えば春蘭が大声をあげた位じゃ逃げ出さなくなるって訳だが……

春蘭、意味分かったか?」

 

「何で私に聞くのですか!?」

 

言えない……春蘭が分かって無さそうだからなんて口が裂けても言えない……

 

「とにかく一筋縄では行かなくなったと言うことよ。

誰か良い案はあるかしら?」

 

さて、こう言うのは敵の頭領を討取って敵の自然解体を狙うのが定石だが張角がどこに居るかは不明。

その上、敵の数は相当数。

苦労するなぁ……戦は数でやるもんだしなぁ……

そう言えば翁は『数だけを揃えれば良い物じゃない』って言ってたな。

過去に数を大量に兵を連れ過ぎて賊に兵糧が焼かれて大変なことになったからって言ってたけど……!

良いこと思いついた!

 

「敵は大多数で動いてるんだよな?」

 

「そうなのです。だから、こっちも苦労しているのですよ」

 

「なら敵はどこから兵糧を補給してるんだ?」

 

「そんなの物資の集積地点から……あ!」

 

美蓮が気付いたのに少し遅れて皆が気付いたらしい。

 

「成程……敵の物資の集積地点を襲い敵の物資を減らすか……中々良い策ね。

桂花と美蓮は周辺の地図から物資を補給できそうな場所の候補を割り出しなさい。

それと偵察の経路はどこも同じ位の時間に戻ってこれる様に計算しなさい。

二人共、出来るわね?」

 

「お任せください!」

「了解です」

 

美蓮はどこからともなく地図を取り出し桂花と候補を割り出し始める。

今、つっこみたかったけど何とか我慢した。

 

「他の者は桂花と美蓮の偵察経路が決まるまでに準備を終わらせて、経路が決まりしだい出発しなさい。

それでは解散!」

 

華琳の号令と共に各々準備を始めた。

「義勇軍も俺の下に入れて欲しい?」

 

軍議が終わって準備をしている最中凪が義勇軍を俺の下に入れて欲しいと言って来た。

 

「俺は別に良いけどさ。俺の意思じゃ勝手に決められないぞ?」

 

俺は華琳の家臣。

部下を持つにも華琳を無視しては出来ないだろう。

 

「私は良いわよ」

 

「華琳!?いつからそこに!?」

 

天幕に入って行くところを見たから天幕に居るんだと思ってたのに……

心臓が止まるかと思った……

 

「内緒よ。それよりあなたが部下を持つ件だけど別に構わないわ。

あなたは人望が高いものね」

 

「そうなのか?」

 

「ええ、春蘭と秋蘭もあなたの部隊に入りたいって言ってたのよ?

私もあなたに覇王を譲ろうかしら?」

 

華琳はいつものドS気満載の笑みでそう言って来た。

そんなので俺が動揺するとでも思ったのかね……

 

「思っても無いことを言うなよ。

俺に覇王なんて向いて無いさ」

 

そう、俺には覇王どころかただの王にも向かない。

皇位は協に譲って人生をゆっくりと過ごそうと思ってる位だ。

そんな俺が覇王になんてなれる訳が無い。

 

「……確かにあなたには覇王は向いて無いかもしれないわね。

私はあなたは……に向いている様な気がするもの」

 

小声だから何を言っているのか分からなかったけど何か真面目なことを言ったことは分かった。

華琳は顔を緩めてこう言った。

 

「部下は上手く使わないと駄目よ。部下を失望させない様にね?」

 

「ああ、上手くやるさ」

 

俺達はそう言って微笑み合う。

すると

 

「華琳様!偵察経路が決まりました!」

 

桂花が美蓮と一緒にそう言いながらやってきた。

その瞬間華琳は真面目な顔になった。

 

「劉郷!凪と共に偵察に行きなさい!」

 

「御意!」

 

俺はそう返事をして凪と共に偵察任務に向かった。


 
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