No.341271

一刀の晋王転生録 第一章十四話

k3さん

十四話を投稿します。
少し個人的な解釈が強くなってきました。
ご注意ください。
※12月2日少し内容を修正しました。

2011-11-29 21:59:16 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:8558   閲覧ユーザー数:7153

第14話

    「黄巾の乱 漢、敗北す」

 

一刀達の密談から翌日、ついに黄巾党とぶつかった。

 

「よいか皆の者!、愚かな賊共に我ら漢の恐ろしさをみせつけるのだー!」

 

「「「おー!!!」」」

 

何進大将軍の号令で軍の中央の漢の本隊が一斉に突撃した。

 

「へ、我々に逆らう奴らを皆殺しだ!」

 

「け、何が黄巾党だ!、所詮は賊の集まりじゃねぇか!」

 

本隊のそれぞれを指揮する隊長格もそのような言葉を吐き突撃を開始する。

 

(・・・今はまだ良いが・・・)

 

一刀はそんな思いを抱きながら後方に待機していた。

 

なぜ司馬昭隊が後方待機なのかは突撃前に何進にそう命令されたからである。

 

司馬一族無しでも漢は強いと示すため・・・だそうである。

 

(有名すぎたのが仇になっちまったか・・・)

 

そう思いながらただただ戦の成り行きを見た。

 

だが・・・

 

一刻も満たずに戦の状況は一変した。

 

「おらぁー俺ら黄巾党を甘く見んじゃねぇ!!」

 

「何だその腑抜けた攻撃は!!」

 

「俺達にはあの三人がついてるんだー!負けるわけねぇだろー!!」

 

徐々に黄巾党の気迫が勝ってきたのだ。

 

「な、何だよこいつら・・・」

 

「つ、つえぇ・・・」

 

士気が低くなっていき、

 

「く、くそ・・・てや!」

 

ある一人の漢本隊の兵の攻撃が黄巾党の一人の首を刺した。

 

だが・・・

 

「・・・がぁー!!!」

 

その黄巾党は刺されたまま攻撃してきた。

 

「ぎゃー!!!」

 

「うわー!!」

 

「げぇー!!」

 

三人ほど斬った後その黄巾党は絶命した。

 

このような異様な光景は数回ほど起きて、ついに、

 

「な、何だよこいつら・・・」

 

「「うわー!!」」

 

「「こ、怖えよー!!」」

 

「た、助けてくれー!!」

 

「母ちゃーん!!」

 

ついに、漢本隊に蓄積された恐怖が爆発した。

 

「「い、嫌だー!!」」

 

「た、助け・・・ぐえー!!」

 

「お、お前ら何をしている!!、早くころ・・・が!!」

 

漢本隊から響くのは阿鼻叫喚の叫び・・・

 

「ば、馬鹿な・・・我ら栄誉ある漢の軍が・・・」

 

何進は信じられないという心境で今ある現実を見ていた。

 

「な、何をしている!奮起せよ!!」

 

何進がそう叫んでも現状は変わらなかった。

 

奮起させるにもそのきっかけすら作れないのだから・・・

 

「ぎゃー助け!!・・・」

 

「し、死にたく!!・・・」

 

「ひ、に、逃げろー!」

 

「帰りてぇよー!!」

 

その間も次々と隊の兵達は斬り殺されてゆく。

 

「な、何故だ!?、何故なのだー!?」

 

何進が再び叫んでもやはり現状は変わらない。

「ま、不味いぞこれは・・・俺の想像をかなり超えてる・・・」

 

「か、一君!!」

 

「分かっている!、みんな!、何進大将軍の救援に向かうぞ!!」

 

「「「おおーー!!!」」」

 

己の超えた現状に慌てながらも、何進の救援に向かうことにした一刀達。

 

(俺もまだまだだったな・・・これほど早く事が起こるとは。)

 

駆けながら思案する。

 

(そうか!・・・もう一つ重要なことがあったな!・・・将兵達が自らを奮い立たせる

 

 要素といったものが!)

 

そしてもう一つの答え・・・

 

(将兵達が恐怖した時・・・厳しい鍛錬、指揮官とのある種の信頼感・・・そして仲間の存在と日々、

 

 ・・・帰りを待っている友、家族・・・そういうものが自らを鼓舞させるのだけど。)

 

だが・・・

 

(鍛錬時間のあまりの少なさ・・・賄賂等で成り上がった指揮官・・・そんな軍隊に仲間意識など

 

 持つことができるのか?、そこまでくると友、家族の所に帰りたいという思いが逆に恐怖を増大

 

 させる要素になってしまうのでは!?)

 

一刀はこのことに気づかなかったことに自責の念を抱いた。

 

「一君!、これは一君せいじゃないよ!」

 

一刀が自分を責めている様子を悟った美華は一刀を慰める。

 

「いや、だが何進大将軍を止められなかったことには責任が・・・」

 

「一君は止めようとしたじゃない。」

 

「・・・詮索は後にしよう、今は救援が先だ。」

 

「分かった!」

 

二人は会話をやめ、何進を救出することに専念する。

 

そして、

 

「何進大将軍!、無事ですか!」

 

敵を斬りながら何進に声を掛ける。

 

「司馬昭か・・・何をしにきた、私を笑いに来たのか。」

 

「そんな訳無いでしょう!!、とにかくここは撤退しましょう。こんな所で死にたいわけでは

 

 無いでしょう!?」

 

「・・・ふん!、良いだろう。」

 

ようやく何進は撤退の考えを持つと残っている兵達に撤退の指示し撤退を開始した。

司馬昭隊の善戦もあり、何とか何進を戦闘場所から安全な距離まで離した後、一刀は現状の確認をする。

 

(もう本隊は壊滅に近い状態だな・・・あとはまだ戦っているものたちの救出か・・・)

 

そう、本隊の救出を成功させてもまだ終わっていない。

 

まだ戦っている部隊がいるのだ。

 

あとは、公孫賛軍、袁紹軍、袁術軍、董卓軍、曹操軍、孫堅軍、劉備軍である。

 

(曹操軍、孫堅軍、劉備軍は備えていたのかまだ何とかなっているか・・・

 

 董卓軍も優秀な武将、知将がいるのかな?、まだ持っているようだ。

 

 公孫賛軍、袁紹軍、袁術軍は危ういな・・・まずはそこから救出しないと・・・だが・・・)

 

かといって何進を放っていくわけには、と思っていたところに、

 

「一君!、ここは任せて。一君はやりたいことをやって。」

 

美香が一刀に救出に向かうように促した。

 

「美華!?」

 

「夫を行く道を支えるのは妻の仕事、だよ。」

 

美華は笑顔でそう言った。

 

「・・・分かった、司馬昭隊の半分と共に救出に向かうから、もう半分と何進大将軍を頼む。」

 

「うん!」

 

こうして、一刀は戦場に取り残された味方の救出、及び撤退戦をすることになった。

あとがき

 

どうでしたか?、ここから作者の解釈が強まってきます。

 

次回、取り残された部隊の救出に向かう一刀、はたして・・・


 
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