No.336313

サテライトウィッチーズ プロローグ

三振王さん

この作品は某所で投稿したものを微修正した作品になります。

2011-11-18 22:22:09 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4762   閲覧ユーザー数:4691

 

 

 

 

かつて、戦争があった。

 

 

 

ひとつのスペースコロニーが起こした独立戦争が発端となった紛争は、地球連邦側とスペースコロニー側の全面戦争にまで拡大し、宇宙革命軍がコロニー落とし作戦を盾に地球連邦に降伏を迫ったことに対して、連邦軍が徹底抗戦の姿勢を崩すことなく決戦兵器“ガンダム”を投入し戦闘を泥沼化させたため、ついに最悪の結果を迎えてしまう。コロニー落としにより地球は壊滅的な被害を受け、100億を誇った人口はそのほとんどを失った。そして15年の時が流れた。

A.W.0015、地球環境がようやく安定期に入った地上では少ない物資を勝ち取るため人々の争いが絶えず、略奪者が跋扈する混乱の時代を迎えていた……。

 

そんな折、この世界に生きる戦災孤児の少年ガロード・ランはある日、不思議な力……ニュータイプ能力を持つティファ・アデイールと、伝説のMS“ガンダムX”と運命的な出会いを果たす。

彼はティファを保護しに現れたジャミル・ニート率いるフリーデン隊と共に旅に出て、その先で“力を持たないもの”としてティファを守りながら様々な出会いと別れを繰り返し、再び動き出した宇宙革命軍と新連邦軍との争いに巻き込まれていった。

 

そしてガロードは今、宇宙革命軍と新連邦軍の司令官をサテライトランチャーで葬り去り、15年前の悪夢を再現してこの世界の滅亡を目論むフロスト兄弟を倒す為、仲間達と共に月面上で最後の決戦に臨んでいた……。

 

宇宙革命軍と新連邦軍が激しい戦闘を繰り広げている場所から大分離れた位置、そこにガンダムヴァサーゴCBがMA形態に変形したガンダムアシュタロンHCに乗り、サテライトランチャーの標準をその二つの軍に定めていた。

 

『さあやろう兄さん……僕達の時代の幕開けだ』

『マイクロウェーブ……照射』

 

月のマイクロウェーブ送電施設から照射されたマイクロウェーブを受けてサテライトランチャーの発射態勢に入るヴァサーゴ、その時……。

 

「まてぇ!」

 

ガロード・ランの駆るガンダムDXが二人の前に立ちふさがった。

 

『あれは……DX!』

「過ちは繰り返させない!」

 

そう言ってガロードはDXに装備されているツインサテライトキャノンの標準をヴァサーゴとアシュタロンに向けた。そして月基地からマイクロウェーブを受けて背中の翼を光らせる。

 

『バカな!? 送電システムはこちらの手中にあるはず!?』

『兄さん!』

『……! DXを討つ!』

『でもチャージが!』

『かまわん!』

 

DXの存在に焦ったシャギアは、チャージが不十分なままサテライトランチャーの引き金を引いた。

 

「させるかー!!!」

 

銃口から紫色の閃光が放たれる、それを見たガロードはツインサテライトキャノンの引き金を引き、銃口から二つの光を放った。

 

そしてDXとヴァサーゴが放った光が激しくぶつかり合い、そのまま三機と月面を飲み込むほどの大爆発を起こす。

 

「うぉぉぉぉぉ!!!」

『ぐううううう!!!』

 

衝撃波に飲み込まれ、ガロード達はそのまま吹き飛ばされてしまう。

 

 

 

「し、死んでたまるか! 生き延びて……ティファの元に帰るんだー!!!」

 

次の瞬間、ガロードは衝撃波とは違う謎の光に包まれた事により意識を失った……。

 

 

 

 

 

数十分後、先ほどの戦闘宙域から少し離れた場所に戦闘用宇宙戦艦……フリーデンⅡがやってきた。

 

「ガンダムX,エアマスター、レオパルド、Gファルコン、ジェニス、ベルティゴ収容完了! あとはガロードのガンダムDXだけよ!」

「急がないと……!」

 

ブリッジではオペレーターのトニヤ・マームが艦長代理のサラ・タイレルに状況を報告していた。

 

「さっきの爆発はサテライトキャノンのだよな? ガロード、無事だといいけど……」

「無事に決まってんでしょ! あの子が簡単に死ぬわけないじゃない!」

 

 

「ガロードは……見つかりましたか?」

 

その時、ブリッジに一人の少女が入ってくる。

 

「ティファ? 部屋で待っていた方が……」

 

操舵主のシンゴ・モリはガロードの行方を聞きに来たティファに安全な場所に避難するよう指示する。

 

「戦闘はもう終わっています、私もガロードを探すのを手伝わせてください」

「まったく、アンタ達はホントラブラブね~、私達がちゃんと見つけてあげるからアンタは大人しく部屋で…………?」

 

その時、トニヤはレーダーに妙なエネルギー反応を発見する。

 

「あら? 何かしらコレ?」

「どうしたのトニヤ?」

「い、いや、なんか妙な反応を見つけて……」

 

そしてフリーデンⅡの目の前に、とてつもなく巨大な雷雲のようなものが出現した。

 

「な、なんだアレ? 宇宙空間に雲って……」

「!! いけない! 皆逃げて!」

「「「え?」」」

 

ふと、ティファはいち早くその雲の危険性を感じ取り皆に逃げるよう指示した。

 

 

しかし時すでに遅く、フリーデンⅡは……。

 

 

 

 

 

 

プロローグ「消失」

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、何の力を持たない少年が、大切な人を救う為、“自分に出来ること”を見付けていく物語。

それは、魔女としての力を持つ少女達が、自分達の世界を守る為新たなる力を得る“決意”をする物語。

 

 

月の光が二つの世界を繋ぐ時、魔女と機械人形は新たなる守る力を得る……。

 


 
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