No.329594

真・小姫†無双 #12

一郎太さん

#12
華雄たんかわゆす
どぞ

2011-11-04 23:00:09 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:8813   閲覧ユーザー数:6112

 

 

 

【CAUTION!】

 

 

この作品を読むかどうかは自己責任です。

 

気分を害しようと、それは自己責任です。

 

お金がないのも自己責任です。

 

彼女がいないのも自己責任です。

 

それでもいいという方は、文頭に

 

『(`・ω・´)シャキーン』

 

と書き込んでからコメントしてください。

 

ただし色々と否定的な※はなし。

 

作者の心が痛むから。

 

ではまた後書きにて。

 

 

 

 

 

 

 

#12

 

 

――――――陽も昇らぬ早朝。

連合軍はいまだ虎牢関に着かず、また時間も早いため行軍もしていない時間帯。俺は兵の見張りの立つ天幕に来ていた。

 

「「グッド・ローリング!」」

 

俺の姿を認めた見張りの2人が、元気よく挨拶をする。俺も気分よく頷きを返し、天幕の中へと入った。

 

「よっ」

「………………」

 

そこには亀甲縛りにされた銀髪の露出狂女が座っていた。

 

「相変わらずつれないな。まだ騙した事を怒ってんのか?」

「………そうではない」

 

初めて返事が来た。昨日目が覚めた後に声を掛けても、まったく反応しなかったくせに。

 

「じゃぁなんで?」

「それは!………あんな負け方が気に食わなかっただけだ」

「は?」

 

何言ってんだコイツ。

 

「卑怯ではないか!お前が武器を掴んで攻撃してくると思ったら、まさかそのままぶつけてくるなんて………くっ、何たる不覚………………」

「なんていうか―――」

 

ただのバトルマニアか。仕方がないなぁ。

 

「じゃぁいいよ。もう一回勝負するか」

「………………は?」

 

今度は女の目が丸くなった。

 

 

 

 

 

 

切ると勿体ないので亀甲縛りを丁寧に解き、女を解放する。

 

「………逃げるとは思わないのか?」

「逃げるの?」

「いや、逃げないが」

 

何言ってんだコイツ。

 

「じゃぁ、勝負しようか。お前が勝ったら逃げていいよ」

「本当か!?」

「その代わり、負けたらお前、性奴隷な………って、聞いちゃいないし」

 

俺の言葉に、女はぶんぶんと巨大な斧を振って準備運動をする。まぁ、こんな露出狂に負ける俺ではない。

 

   *

 

「………舐めてるのか?」

「何が?」

 

勝負を始めようと対峙した途端、女の声が低くなる。怖ぇよ。

 

「何が、ではない!なぜお前は丸腰なんだ!」

「だって、俺の武器壊れちゃったんだもん」

 

そう。俺がかつて賊から奪った剣は、汜水関の扉を開けようとした時に折れてしまっていたのだ。

 

「だもんってお前………まぁ、よい。さっさと代わりの武器を持ってこい。それくらいなら待ってやる」

 

あれ?なんでお前が偉そうにしてんの?お前捕虜だよね?こらまたカチンときましたよ。

 

「いらんいらん。武器なんかなくてもお前に勝てるからいいよ」

「なんだとぉっ!?」

 

手をヒラヒラと振る俺の挑発に、女は顔を真っ赤にして激昂する。

 

「………そこまで言うなら、それでいい。さっさとお前を殺して、董卓様の下に帰らせてもらう」

「出来ないけどな」

 

言うが早いか、女は巨斧を振りかぶって飛び出した。

 

「いくぞぉっ!!」

「こいやぁっ!」

 

そして彼女が斧を振ろうと力を込めた瞬間――――――

 

「――――――じゃんけん、ポン!!」

「ぽん!?」

 

――――――俺の手は開かれ、女の手は握られていた。

 

「っしゃぁ!俺の勝ちぃぃぃっ!!」

 

俺は2回目の勝利を得た。

 

 

 

 

 

 

「いやいやいやいや待て待て待て待て………今のはどうかと思うぞ?」

「でも勝負の方法は決めてなかったじゃん。つーか、捕虜の癖に勝負の機会をもらって、そのうえ勝負方法も指定できると思ってんの?」

「確かに………って、違うだろ。さっきの話の流れだと、武による勝負ではないのか!?」

 

めんどくさいなぁ。

 

「仕方がないな。まぁ、お前はもう俺の性奴隷だし?俺が絶対的に上に立っている事を教えてやんよ」

 

もうひと勝負する事になった。

 

   *

 

「でもお前は丸腰なんだな」

「だからこれで十分だって。先に一撃受けるか、寸止めでも避けられなかったら負けな」

「………わかった」

 

今度こそ、俺は構えをとる。いまの保護者である爺ちゃんに引き取られてから、叩き込まれた北郷流の構えだ。本分は剣術だが、こっちも訓練はしていたから何とかなるだろう。

 

「いくぞ!」

 

先程と同じように構え、捕虜は今度こそ斧を振るう。俺はそれを屈んで躱すと、低姿勢のまま前へ飛び出した。

 

「くっ!離れろ!」

「やだよ、バカ」

 

俺はそのまま女にぴったりとくっつき、彼女の動きに合わせて足を運ぶ。戦斧の威圧感は大きいが、それも間合いの外にいる場合だ。あれだけの長さの柄ならば、内側に入ってしまえばどうってことはない。

 

「ならばっ!」

 

俺の意図を理解したのか、女は戦法を変える。柄の端を持っていた右手をスライドさせて斧の刃に近いところに持ち替えると、間合いの狭まった武器で俺を狙った。だが甘い。

 

「消えた!?」

 

消えて見えるだろうな。普段なら見逃す筈もない動きも、視界の大半を斧の刃が埋めるのだ。その影に入ってしまえば、俺の姿を見失うのさ。

 

「―――俺の勝ち、と」

 

女は動きを止める。俺も動きを止める。俺の右手は彼女の肩を掴んで抑え、左手は首をしっかりと掴んでいた。

 

 

 

 

 

 

「………確かに、お前に武器は必要なかったみたいだな」

 

負けを認めた女は、膝をついて斧を地面に置く。

 

「お前、名前は?」

「姓は北郷、名は一刀だ。字と真名はない」

「………私と同じか。これも縁なのかもな。いいだろう。我が名は華雄。私はお前を主に仕えることとする」

「そうか」

 

臣下の礼をとる女の肩に、俺は手を置く。

 

「北郷様?」

「………」

 

俺はそのまま彼女の後ろに回った。

 

「あの…何を―――ひゃぁっ!?」

 

問いを遮るように、俺は肩越しに華雄の肌に手を這わせ、滑り込ませた。何処にとは言わない。

 

「いやー、昨日朱里に(えろ)本を読んでやったから、我慢してたリビドーが爆発しそうなんだよねー」

「な、何を言って………んんっ!」

 

それに事を致すのは白蓮の時以来だ。陽が昇るまでおよそ2時間………5回はいけるだろう。

 

「という訳で、約束通り早速ご奉仕して貰うから」

「や、約束……ぁんっ」

「あぁ。俺は言ったぞ。俺が勝ったら、お前は俺の性奴隷だ、ってな」

「ちょ、そんな!?」

 

華雄を立たせ、俺は出てきたばかりの天幕へと戻る。

 

「やっ、ちょっ、兵に聞こえてしまうっ!」

「大丈夫だ。こいつらには特殊な訓練を施してあるからな」

 

その通りだ。実際に、鈴々たちや雛里たちの指示に恍惚の表情で動くこいつらは、華雄の痴態を見てもまったく反応していない。

 

「や、や………いやぁぁぁぁぁあああああああっ!!」

 

生娘のような声に、俺のチョメチョメは爆発寸前だった。実際に生娘だったけど。

 

 

 

 

 

 

「………という訳で、新しく仲間になったかゆーたんだ」

「よろしく頼む」

 

華雄としっぽりやった俺は、華雄を連れて美羽の天幕へと移動した。すでに皆が集まっている。鈴々や季衣、美羽は瞑ったままの目をこすっており、流琉はもたれかかった季衣を揺すっている。朱里と雛里もまだ寝ぼけているのか、帽子が逆だ。

 

「軍が強くなるのはいいとして、一刀さん、2つほど質問があるのですが」

「なんだ?」

 

ひとりしっかりと覚醒している七乃が問いかける。

 

「なんで一刀さんはそんなにげっそりしてるのですか?」

「聞かないでくれ」

「なんで華雄さんはそんなにテカテカしてるのですか?」

「聞かないでくれ」

 

言えない……さんざん搾り取られたなんて言えない………………。

 

「もう、駄目ですよ、一刀さん。いまは戦中なのですから」

「………」

 

しっかりとバレてるみたいだ。

 

「妹さん達に手を出さないのは偉いですけど、溜まってるなら私に言ってくれればいいのに」

 

………………七乃こそ、骨の髄まで絞り尽くされそうだった。

 

 

 

 

 

 

妹たちも覚醒したところで、行軍前の軍議を開始した。

 

「それで、華雄さん。董卓さんの悪政の噂は本当なのですか?」

 

さっそく朱里が、新しい仲間に問いかける。

 

「いや、まったくのデタラメだ。連合の発起人は袁紹だったか………おそらく洛陽に招致された董卓様に奴が嫉妬して、諸侯に呼びかけたのだろうな」

「やっぱりですか………」

 

華雄の説明に、朱里は項垂れる。当然だ。その可能性も考えていたとはいえ、自分たちは起こす必要のなかった戦に参加しているのだから。

 

「ちなみに、董卓ってどんな奴なのだ?」

 

と、今度は鈴々が手を挙げた。それも気になるな。雛里たちの言葉だと、董卓本人を知る者は少ないらしい。

 

「とても優しい御方だ、張飛よ。背丈もお前達くらいで、見た目も可愛らしい方だ。本人を見れば、誰も暴君などとは言えないだろうな」

「「「………」」」

 

その言葉に、朱里・雛里・流琉の視線がいっせいに俺に向く。

 

「………大将軍よ」

「なんですか、筆頭将軍さん?」

「俺達の方針が決まったな」

「決まりですね♪」

 

俺と七乃の笑顔に、先の3人は揃って溜息を吐くのだった。

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

華雄たんかわゆす。

 

次。

 

 

 


 
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