No.32848

ある夜の出来事 アルラン

くららさん

マクロスF二次創作SS
アルトxランカです
最終回後の妄想話です

まだ最終回みてない人

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2008-09-27 00:28:04 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:11063   閲覧ユーザー数:10620

 
 

 

地球にフロンティアが降り立ってから一ヶ月の月日がたった

 

海、草、雨、太陽

そして空

数えればきりがない すべてが人工的につり出されているものではなく

何もかもが自然

 

フロンティアで17年間過ごしてきた俺には 夢のような星

ランカとシェリルが開いてくれた 本物の空

 

地球には先住民がいた

ランカとシェリルは この星でも歌姫として輝いている

 

俺はというと、SMSとして今も軍としてこの星を守るため働いている

ランカの実の兄ブレラも「ランカを守る」だか言ってSMSに入隊した

愛されてるんだな、ランカは

 

さぁ 今日も疲れた

もう寝よう 眠い

 

 

PPPPPppp....

 

誰だこんな時間に

早く寝たいんだ、と 少しの怒りを覚えながら枕の横にある携帯を手にする

 

「ランカ・・・?」

 

不覚にも、胸が高鳴った

いまさっき覚えた怒りも 不思議と一瞬で消えた

そういえば前もこういうのあったなと、丘に呼び出された時を思い出した

ふっ・・・

 

「どうしたランカ!?」

 

「あれ・・・」

 

 

切れてる。

ちょっとあいつをビックリさせようと思った俺が馬鹿だったと 自分以外誰もいないこの部屋で恥じた

緊急事態だと思わせてしまったと、ビックリさせようとしたのだ

それがどうだ 切れてるなんて

にやけてた自分が気持ち悪い

 

PPPPPPppp....

 

またきた

「アルトだ」

「あ、よかったぁ、起きてた」

「いーや、起こされたんだ」

「えっ、そうなの?ごめんなさい、疲れてるのに・・・じゃあ切るね」

プツッ

「!!!!!!?」

ツー・・・・ツー・・・・ツー・・・・

 

ははは

ああ、認めようじゃないか

意地悪しようとした俺が馬鹿だったとな

でも、ランカの気持ちを考えると とても悪いことをしたと

後悔した 胸が痛い

 

PPPPPPppp....

 

今度は俺からかける

 

「もしもし・・・」

「アルトだ」

 

ああ よかった

もし電話に出てもらえなかったらと 不安だった こんなこと、本人には言えない

 

「「・・・・」」

 

沈黙

 

「あの、そのー・・・さっきはごめんな。起こされたってのはウソだ、起きてた」

「・・・・」

「ランカ?」

 

返事がない。やってしまった・・・

アルトは思った

 

「いじわる!!!」

「ごめん、本当に・・・馬鹿だったよ」

「でも、疲れてるでしょ?眠くない?だいじょうぶ?」

「大丈夫だって」

「ほんとう?」

 

意地悪されたと分かっても 相手を気遣うランカに

アルトは笑った

(ごめんな、あんなしょうもないことして)

 

「で、どうしたんだ?こんな夜中に」

「その、ね・・・こえ、き・・いなんて・・思って・・・」

 

だんだん語尾が小さくなっていく

 

「ん?」

「ううん!なんでもない!」

「なんだそりゃ」

 

(アルトくん、ホント鈍感なんだから)

 

「えっと!じゃあ・・・」

「じゃあってなんだよっ」

「あっ・・・い、いいの!アルトくんは気にしないで!!」

「おまえ・・・」

 

「アルトくん、今週の火曜日お休みなんだよね?」

「ん、あぁ」

「空いてる??もしよかったら、一緒にあの丘、にぃ・・いかない・・・かな・・・」

 

誘いを受けてくれるか分からない、断れるかもしれない

いや、断れるだろう と、だんだん声が小さくなっていく

 

あの丘とは、フロンティアにあったグリフィスパークの丘。

ではなく、地球にあるグリフィスパークの丘である

 

「プッ」

「えぇっ」

「おまえ、もうちょっと自信もって言えよ。聞こえなくなるだろ」

「あーうー」

 

ふ きっとあいついま、あの犬耳垂れてるんだろうな

声色だけで表情、あの髪の動きが読み取れる

かわいい

 

「いいぞ。行ってやるよ」

「ほんと!?」

「うそ。」

「えぇっ」

「ごめんウソ」

「アルトくん!!!」

「はははっ、ごめんごめん。」

 

本当に面白いやつ。

聞いてて、からかってて飽きない

 

「じゃーあ、火曜日のお昼、あの丘で待ってるね!」

「わかった」

「こんな夜遅くに、ごめんね」

「別に、お前と話すのは嫌じゃない。むしろ・・・」

「??」

「あれ・・・あ、いや、なんでもない!!!」

「なにアルトくん、気になるよ」

「気にするな!じゃあな!火曜日に!」

 

強引に会話を終わらせると

少し震えてる指で電源ボタンを押す

 

・・・・・・・

俺はなにを言おうとした?

自分で自分が分からない

いや、言おうとしたことは・・・そう

俺は馬鹿か

なんであんなこと・・・

 

あぁ

とにかく寝よう

明日も早い

 

 

 

胸のモヤモヤに付き合いなかなか寝付けず、目のしたにクマを作ったのは言うまでもないでしょう

 
 

 
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