『この世が乱れる時、白き流星とともに天の御使いが舞い降りるであろう』
・・・・
「ここはどこだ?」
自室で寝ていたはずなのに目が覚めると見知らぬ荒野に一人寝転んでいた
「最近は比較的に平和になったと思ったんだがな」
周りを見渡しても人おろか動物すら見当たらない
「着ているのは・・・高校の制服だけか・・・他には何もないな」
ポリエステルでできた白の制服を見ながら何かないかと探したが、結局何もなく
「寝転んでいても意味はないか」
身軽に起き上がると服についていたほこりを払い、改めて回りを見渡す
「こんなだだっぴろい荒野が俺の国にあるわけないし・・・中国あたりに拉致でもされたか?」
考えたくはないが、事実訳のわからないところにいるのだ。拉致も考えてもおかしくないだろ
「とりあえず歩いてみるか」
トボトボと歩き始める 方角などキニシナイで
「暇ね」
木の上で女性がひと言、すぐに左手に持っている酒をグビッと飲みまた暇そうにしていた
「何か面白いことないかしらね・・・」
「雪蓮~!どこだ~!?」
「やばっ!冥琳にみつかったら当分放してくれないわね・・・町にでも行ってみるかしら」
ストンと木から下りて逃げるように町の中に溶け込んでいく
「一体どこに行ったんだ・・・政務がたまってるというのに」
先ほどまで彼女がいた木の下に先ほどの声の主がやってきた
ため息をつきながら着た道を戻っていく
「はぁ、危なかった」
逃げた彼女は新しい酒を飲みながら町の中をぶらついていた
「気分が乗らないんだもん仕方ないわよね」
自分に都合の良い言い訳をしてあちらこちらとフラフラ歩く
「それにしても変な噂が出回ってるみたいね」
最近よく聞くようになった天の御使いの噂話
「朝廷に既に力ないからってねぇ・・・・乱世か」
世が荒れてるとは言うが自分たちがいる町はまだましだと思っていたが
一人の占い師が言った言霊が瞬く間に大陸全土を覆った
「天の御使いね・・・いるならあってみたいわね」
何も考えずに彼女は願ってみる
一方青年といえば・・・
「よぉにいちゃん、いいもの着てるな。死にたくなかったらその服と金を置いていきな」
「アニキやさしいっす」
「んだな」
賊に絡まれていた
「金もないし、服だって必要なものだ・・・そもそもあんたら何なんだ?」
「人が親切にしてやがると調子乗りやがって」
話がかみ合ってない
リーダー格のおっさんが剣を出して脅してくるが
「・・・・」
「ゲヘヘヘ、アニキこいつびびってますぜ」
「・・・覚悟はあるのか?」
「はぁ?」
「抜いたからには覚悟があるのかと聞いている」
「覚悟?はっなにいってやが」
カランと剣を落とす音だけが聞こえる
「あ・・・アニキ?」
チビがおっさんを見るが
「ヒィッ!」
おっさんは後ろを向いていた・・・・いや、向かされていた
「よっよくもアニギぉぉぉぉ」
デブが青年に突進するも
「グゲハッ」
たった一回の蹴りで血を吐き苦しんでいる
「よっよくもあっあにきとデブを・・・」
チビが足元に合った剣をガタガタ震えながら構え青年と対峙する
「お前も二人の後を追うか?それとも生きたいか?」
「いっ生きたいにきまってんだろ」
「なら、ここがドコでどんな時代か・・・後は街まで案内してくれるなら何もしなぞ」
にこやかに話しかけるが目が笑ってない
それでもチビは生きることに必死で、青年の問に首を立てに振ることで同意した
「えっと・・・ここは江東のはずれでして、漢の時代です・・・かなり先ですがそれなりの街があります」
「なるほどね、江東ってことは孫策とかっているのかな?」
「はっはい・・・詳しくはわかりやせんが前にアニキが孫策軍には気をつけろとかなんとか・・・」
「漢の時代か・・・・孫策がいるってことは霊帝はまだ存命ってことだな?」
「だとおもいやす」
「それよりその話かたなんとかならないのか?」
「どっどこかおかしいでやんすか?」
「おかしいも何も言いなれてない敬語を使われても違和感しかない。普段どおり話せ」
「でっですが・・・」
「別に命を取りはしない・・・わかったな?」
「へい!」
「いつまでもチビと呼ぶわけにもいかなしな・・・名はあるのか?」
「へい、あっしの名は鄧茂(とうも)といいやす」
「そうか、ならとうも、お前の知ってる限りの知識を俺に教えてくれ」
「へい!わかりやした・・・あ、えっと」
「まだ名乗ってなかったな、俺は姓は北郷、名は一刀だ。字は持ってない」
「北郷様ですね・・・ではあっしが知ってることは・・・・」
トウモの話を聞きながら街に入る
そこでトウモと同じ黄色いズキンをした一団と出くわす
「ん?おいお前」
「へい?」
「その格好・・・同士でいいんだよな?」
「あ・・・その・・・」
「何だ?言いたいことがあるならはっきりと・・・なるほどな」
「えっとあっしは・・・」
「いやいや、お手柄だ・・・ドコの貴族かはしらないがよくやった」
トウモに親しげに話してる男は俺を見て態度がガラリと変わった
「さて、どこのぼっちゃんか聞かせてもらおうか・・・ん?」
「何を勘違いしている、俺は貴族でもなければ金持ちでもないぞ」
「ああん?なにいってんだ・・・ならどこその服はどうやって手に入れたんだ?」
「この世界に来たときから身に着けていたものだ・・・トウモ、こいつらは何なんだ?」
「その・・・あっしの賊仲間です」
「賊?」
「おいおい、チビ。それはちょっとちがうぜ、俺たちは天和ちゃんたちの応援隊だ」
「そうだそうだ」
「天和?誰なんだ?」
「キサマ天和ちゃんを呼び捨てにするな!天和ちゃんは俺達のあいどるなんだぜ」
「そのあいどると賊がどんなつながりなんだ?」
「お前に教える義理はねぇよ」
「ふーん・・・なるほどな、ならトウモいくぞ」
「へっへい」
「ふんっあんな優男についていくなんてな・・・まぁいい。おい!おまえらいくぞ!」
「この時代の賊はこんな物なのか・・・・トウモ?」
「ほッ北郷様・・・実は・・・・あっしらは・・・」
「黄巾党だとでもいうのか?」
「なっなぜそれを・・・」
「知識としてシッテルだけだ・・・それより日が傾いてきたな」
「すこし距離がありますが近くに知り合いがいる街がありやす、ソコまで行けば何とかなるかもしれやせん」
「そうか・・・なら行ってみるか」
「へい!」
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