No.320395

仮面ライダー×真・恋姫†無双 蜀編  ハロウィン特別編

BLACKさん

10月31日にあるハロウィンを元に作者が過去に書いてきたシリーズ作品でハロウィンネタをやろうというものです。
今回の物語は過去に書いた『仮面ライダー×真・恋姫†無双 蜀編』の後日談(時系列は『仮面ライダー×真・恋姫†無双  蜀編  すばらしき時 エンジェロイドと3つの世界』の後)となります。
その作品はhttp://www.tinami.com/view/286763
『仮面ライダー×真・恋姫†無双 蜀編』の該当(2011年10月18日時点での)集
http://www.tinami.com/search/list?keyword= %E8%9C%80%E7%B7%A8&genrekey=1

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2011-10-18 20:30:21 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1785   閲覧ユーザー数:1693

 

 

『ハロウィン?』

「ああ」

 

ここはある外史の蜀。

そこは劉備(桃香)が国主と治めている国で桃香と一緒に国主をしている青年、北郷一刀。

この青年は外史の管理者によって仮面ライダーと呼ばれるものに変身できる力を持った現代人であった。

 

「うん、そろそろそんな時期だったはず」

「ご主人様、その『はろうぃん』ってなんですか?」

 

朱里が一刀に尋ねる。

 

「簡単に言うとちょっとした行事かな。

子供達がお化けとか妖怪とかまあ、この時代で言う妖(あやかし)の類に変装して、大人に『お菓子をくれないといたずらするぞ』って言うんだ。

それで大人はいたずらされたらたまらないとしてお菓子を子供にあげる。そう言うものだよ」

「なるほど……、まあいたずらばかりしている奴もいるからな…」

 

焔耶が蒲公英の方を見る。

 

「なによ、焔耶」

「別に~」

 

少し嫌見たらしい顔をする焔耶。

 

「何をーーーー!」

「よさんか二人とも」

 

桔梗が仲裁に入る。

 

「とりあえず、ハロウィンってのはちょっとしたお祭りさ。

ここ最近は色々あってお祭りしてないだろ?

だから、街の人達にも言ってお祭りしないか?」

「そうですね、子供達も喜びそうですし……」

「私は反対ですね」

「愛紗ちゃん?」

「街の方ではお菓子をそんなに用意は出来ません。それに何かあった時にも……」

「お菓子ならこっちでなんとかすればいいさ、朱里、雛里、任せても大丈夫?

一応、ハロウィンは一週間後なんだけど……」

「一週間ですか……」

「月さんと詠さんも協力してもらえれば、一週間でこの街分のお菓子を作るのは何とか出来ると思いますが……」

「仕事のことを気にしてるん?」

 

霞が声をかけてみた。

 

「はい……」

「な~んだ、だったら朱里と雛里が抜けた分は俺達が頑張ればいいさ。

朱里と雛里の仕事が多いのは知ってるけど、この間のことは大体終わったし、最近はそこまで仕事多くないでしょ?」

「確かにここ一、二年はそんなに仕事は多くありませんけど……」

「いいのいいの、俺はある意味朱里や雛里に今までの仕事以上の仕事をさせようとしてるんだ。

朱里や雛里の苦労は俺達もしょいこんでやるさ」

「「ご主人様……」」

 

一刀の言葉に感動を覚える朱里と雛里。

 

「ご主人……様……」

 

嫉妬の闘志を背中に漂わせる愛紗。

 

「愛紗、落ちつくのだ」

「ま…まあ、とりあえずハロウィンにはなにかしようか」

 

こうして一刀の提案によって、ハロウィンのことは街に広められ、一刀達もハロウィンに向けて色々準備などを始めた。

 

 

そしてハロウィン当日。

街はハロウィンにふさわしいとまではいかないが、それなりにお祭り騒ぎの状態であった。

子供達は城の方から配給されたお菓子を持った大人達に対して……。

 

『お菓子くれないといたずらしちゃうぞ~』

 

そんな子供達にお菓子をあげる大人達。

 

「皆楽しそうだね」

「堂々とした理由でお菓子をあげれるんだ。大人達も嬉しいと思うよ」

「感謝しなさいよね」

 

詠が偉そうに言う。

 

「感謝してるさ、月も詠も朱里に雛里も」

 

一刀が笑顔で答える。

 

「べ、別にあんたにお礼を言ってもらいたかったわけじゃないんだからね……」

「はいはい」

「ねえもっとお菓子ないの?」

 

子供の一人が大人達にもっとお菓子が欲しいとせがむが、もうないと言われて少し落ち込んでいた。

 

「どうしたんだ?」

「あ、太守様。お菓子ください!」

 

お菓子をせがむ子供が一刀にお菓子をせがむ。

 

「ほら」

 

一刀が持っていたお菓子をあげる。

 

「ありがとう、太守様♪」

 

子供は喜んでその場を去っていった。

 

「ご主人様、よろしかったのですか?

せっかく朱里ちゃん達がくれたお菓子をあげて……」

 

紫苑が声をかけてくる。

 

「いいんだよ。お菓子は欲しいけど、やっぱり今回は子供達にあげた方がいいかなって……。さてと……」

 

一刀はどこかに行こうとする。

 

「ご主人様、どこへ?」

「ちょっとした余興をしにな……」

 

一刀は変身音叉音角を取り出しながら去っていった。

 

 

街の広場には高い土台が建てられていた。

その土台には太鼓が置いてある。

 

「なんだろう、あれ?」

「皆、聞いてくれーーーー!」

 

その土台には一刀がいつの間にかいた。

 

「ハロウィンは楽しんでくれてるかーーーーーー?」

 

一刀が大声で尋ねる。

 

『はーーーーーーーーい!!』

『楽しんでまーーーーーす!!』

 

子供達や大人達皆が答えてくれる。

 

「実は皆に言ってなかったことがあるんだ。

ハロウィンってのは本当は妖とかから身を守るためのもので、仮装するんだ。

でも今回は急なのもあって仮装とかの用意は出来なかった。

だから代わりと言ってはなんだけど……」

 

一刀は手に持っていた音角を鳴らす。

そしてそれを額に当てると炎が一刀を包み込み、炎を掃うと一刀は仮面ライダー響鬼に変身した。

 

「本当は街の人気者の電王になりたかったんだけど、妖払いってなるとこっちの方がいいからね」

 

音撃棒烈火を取り出す響鬼。

 

「それで今日はこの清めの力でこの国、いや、この大陸中の妖を清めるつもりで太鼓を叩くぜ!

皆も適当に盛り上がってくれ!」

『おおおおおおおおおお!!』

 

皆が歓声をあげる。

 

「それじゃあ、いくぜ! さんはい!」

 

響鬼は太鼓を叩き始める。

それに合わせるかのように民達は踊りなどして激しく動き出す。

それには大人も子供も関係なかった。

 

「はい! はい!」

「ご主人様、すごい……」

「唐突な呼びかけなのにきちんと皆が応えてくれてる」

「あれってご主人様の仁徳って奴だよね」

「なんだか鈴々も踊りたくなってきたのだ!」

「私も!」

「……私もだ!」

「ならわしも酒を飲みながら踊るとするか」

 

そうして将達も踊り始める。

その姿はまさに妖を寄せ付けない熱気。

そんな熱気は本当に妖を寄せ付けないものであった。

この盛り上がりは次の日の朝まで続いた。

 

「うう、疲れた~」

 

桃香達は完全に疲れ切っていた。

桃香や朱里達はともかく、鈴々や翠など体力に自信のある者達までダウンしていた。

 

「皆、だらしないな~。まるで何かに憑りつかれているみたいな顔じゃないか」

 

そんな中元気がまだ残っていた一刀。

 

「なんでご主人様、そんなに元気なの~」

 

数年前の一刀なら仮面ライダーの力を使っていたとしても疲労がある。

しかし今の一刀には疲れの色は見えてなかった。

 

「そりゃあ平和になったって俺、鍛えてますから!」

 

一刀が響鬼で見せるいつもの決め手をする。

 

「それにせっかく孫に会えたんだ。孫達に恥じないようにしないとな。

さてと、仕事仕事……。皆も頑張って仕事出来るようにしろよ~」

 

こうして一刀は皆を励まし、仕事をするのであった。


 
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