前おまけ
作者「え~と、今回の作品は本当なら一か月後くらいにでも投稿する予定でしたが、つい最近某少年漫画で女風呂ネタが出てきたからその勢いに乗って、予定を早めて今回の話を先に投稿することにした。
これを書いたのが大体1週間ちょっとくらい前かな…。書き終えたのが4日くらい前。
まあそんなこんななんだが、今回の作品はあらすじの方でも書いているが、ある人の作品のネタを使っている。
きちんと許可はもらってあるぜ。それでは行ってみよう!」
「俺は絶対にこの先を行くんだ! 脱衣(トランザム)!」
智樹は服を脱ぎ捨て全裸になる。
「思い上がるな! 雑種!!」
秋山がいつも着ている黒い上着を黒いマントに変えていたが、そのマントを脱ぎ捨てる。
だが智樹とは違い全裸ではなくただマントを脱いだだけである。
「「うおおおおおおおおおお!!」」
二人は猛スピードで走り出す。その速さはまさに目にも止まらぬ速さと言えた。
「智ちゃん……」
「秋山さん……」
二人の戦いの行く末をただ見守るだけであった。
そらのおとしもの 対決! 全裸王(ゆうしゃおう)VS闇の神人
話は3時間ほど前に戻る。
「はぁ~」
「お兄ちゃんどうしたの?」
カオスがため息をつく智樹に声をかけた。
「いや……」
智樹はため息の理由をカオスには言えなかった。
(女風呂に入りてえなんて、カオスに言えねえ……)
もしもそんなことをカオスに言ったらカオスは確実に一緒に入ろうと言い出すと智樹は確信していた。
(カオスには絶対に言えない)
カオスは無垢な子供。
つまりは相手の邪な考えをあまり疑おうとしないのだ。
それに好きな智樹の頼みならほとんど聞いてくれる。
入りたいと言えば確実に入らせてくれるだろうが、それではいけない。
(カオスの気持ちはありがたいけど…ダメだ……)
しかし普通に女風呂に行くのはまず無理。
前にトモ子となって女風呂に入ったが、結果は失敗に終わった。
量子変換機はイカロスが持ってはいるが、トモ子になってもそはら達にはすでに顔がばれているので使っても意味はない。
(ニンフに頼む……ダメだ。最近のあいつに何か頼むとなんか嫌な予感がする)
前にニンフは智樹の布団に忍び込み添い寝。
それだけでなくインプリンティングをしてほしいとせがんでも来ている。
下手をしたら交換条件にインプリンティングをせがまれる可能性がある。
(それだけはダメだ! 俺はあいつらには自由に生きて欲しいんだ!)
自由に生きる。それはエンジェロイドにとっては過酷な課題であった。
それでも智樹は自由に生きて欲しいと願うのだ。
(となると秋山……ダメだ。
あいつはそう言うのに手を貸しそうにない。
最終手段は…俺が自分の力でやるしかない!)
智樹は立ちあがる。
「お兄ちゃん?」
「カオス、俺出かけてくるぜ」
智樹は家から出て行った。
「お兄ちゃん…」
「ただいま」
そこにイカロスとニンフが帰って来る。
「イカロスお姉様、ニンフお姉様」
「カオス、さっきそこでマスターとすれ違ったけど、何かあったの? すごい勢いだったけど…」
「う~ん、分からない。お兄ちゃん、ため息ついてたみたいだけど……」
「そう。まあトモキがいないならちょうどいいわ。さっきそこで会長と会ったの」
「それで皆で銭湯に行こうってことになったの……」
「銭湯? どんなの?」
「行けばわかるわ」
(どうする!? どうすればいい!?)
智樹は空見町を走りまくる。
どこかに女風呂に入れる方法はないかと探るが見つからない。
一番情報があると本屋に行って本を見てもやはり見つからない。
そんな時、本屋の店員が慌てている智樹を見てあることを言い出した。
「何かお困りなら、神社に行ってみればいい。あそこの近くにある小さい祠には困った時に役立つ物が入ってるみたいだぞ」
「ありがと!」
智樹はすぐに神社へと向かった。
それからすぐに小さい祠を探し回った。
そして1時間くらいかかってようやくそれらしき小さい祠を見つけた。
「これか!」
智樹は祠の扉を開けてみた。
するとその中には小さな巻物が入ってあった。
「これに何かヒントがあるのか?」
智樹は巻物を開けてみる。
「こ、これは!!」
智樹は巻物に書かれた驚愕の内容を見て感動した。
「これで……これでいける!」
智樹が巻物を見つけて中身を見ているのと同じころ。
「智ちゃん、どこ行ったんだろうね」
銭湯の用意を持って銭湯に向かう、そはら、美香子、イカロス、ニンフ、アストレア、カオス、日和。
「マスターはとても慌ててたようです」
「それじゃあ桜井君がやって来るってことはまずないわね~」
「それはそうと銭湯って楽しみです」
「アストレアちゃん、銭湯って言うのは食べ物じゃないわよ~」
「ええ~~~~」
「でも~、お風呂上りに何か飲むのもいいわよ~。会長がおごってあげるわ~」
「師匠、ありがとうございます!」
「ヒヨリは何飲むの?」
「私はフルーツ牛乳でも……」
女子組は女子らしい会話をしていた。
そして女子達が銭湯へとやって来た。
「ここまで問題ないね」
「そもそもトモキには銭湯行くって言ってないし」
「マスターは言ったら確実に来ます」
「お兄ちゃんきてもいいけどな~」
「か、カオスさん……」
カオスの反応を見て恥ずかしがる日和。
女子達は服を脱ぎ、お風呂場へと入っていく。
そしてつかの間の安らぎを味わう。
それから数分後のことであった。
『きゃああああああああああ!!』
女子更衣室から悲鳴が聞こえてくる。
「悲鳴!?」
「いったい何が……」
そう思った瞬間、風呂場の戸が開けられた。
その戸を開けたのはパンツだけの智樹であった。
『智ちゃん(トモキ)(桜井君)!?』
「マスター、なんでここに?」
「お兄ちゃんも入りに来たの? うわ~い」
カオスだけ反応が全然違っていた。
「カオス……」
「カオス、俺は確かに入りに来た。だが! お前の力は借りない!
俺は、俺の力で女の子皆と入りに来たのだ!」
「トモキ、何を言って……」
次の瞬間、智樹は突然パンツを脱ぐ。
『きゃあああああ!!』
カオス以外の面々は全員が顔を手で隠す。
「?」
カオスは何をしたいのか分かっていなかった。
しかし智樹はパンツを脱いだ瞬間、姿が見えなくなったのだ。
「あれ?」
カオスは何が起こったのか分からなかった。
ようやく分かったのは湧きの方にいる女性が悲鳴を上げた時であった。
イカロス達が悲鳴の方を見るとそこには倒れている数名の女性達がいた。
しかし智樹の姿だけはなかった。
「桜井君、一体どこに……」
皆が周りを見渡すが智樹の姿が見えない。
「生体反応はあるけど……なにこれ!?」
「どうしたんですか? ニンフ先輩」
「智樹のスピードが速すぎて追いつけない!?」
「え?」
ニンフがレーダーで智樹を捉えようにもあまりに速すぎて捉えられないのだ。
「この速さ……デルタよりも速い!?」
「私よりもですか!?」
『きゃあああああああ!!』
ニンフの言葉に集中している間にそはら達以外の女性達は気を失って倒れていた。
「これって……」
そはらがつぶやいていると自分達の前に智樹が立っていた。しかしその姿はパンツ一つに戻っていた。
「次はお前達の番だ…。ああなりたくなかったら…俺と一緒に入れ~~~」
智樹がゆっくりと迫って来る。
「お兄ちゃん……」
「マスター…」
イカロスとニンフとアストレアが皆の前に出てくる。
「そはらさん達は私達が守ります!」
「トモキ、これ以上は好きにさせないわ!」
「覚悟しなさい!」
「バカめ…」
智樹は再びパンツを脱ぐと姿を消した。
「! どこ?」
「うひょおおおおおお!」
「きゃあああああああ!!」
イカロスとアストレアが智樹を探しているとニンフが悲鳴を出す。
するとニンフはその場に倒れこんでしまう。
「ニンフ先輩!」
するとニンフの近くには智樹がいた。智樹はすぐに移動する。
「逃がさない!」
アストレアが智樹の逃げた方向へ羽の加速能力で追いかける。
しかし……。
「嘘! 追いつけない!」
狭い銭湯で壁にぶつからないように調整はしているとはいえ、それでも智樹のスピードに追いつけなかった。
「それで終わりか! アストレア!」
智樹は方向転換し、アストレアの方へと突撃していく。
すると……。
「きゃああああああ!!」
何をされたのか分からないままアストレアは落ちていく。
「アストレアさん!」
「次はこっちだーーーーー!!」
智樹が固まっているそはら達の方へと向かっていく。
「ダメ! 間に合わない!」
イカロスが智樹を止めようにも智樹の方が早くて対処できない。
そんな時であった。
「どわっ!」
智樹が突然吹き飛ばされる。
「な、何?」
「今度は何があったの?」
そはら達が思わず目をこすって、また見てみるとそこには秋山がいた。
「秋山さん!」
「まったく変わった反応がしたから来てみたら、随分とおかしいことになってるな」
秋山が周りを見渡してみる。
『きゃああああああ!!』
秋山が自分達としてそはらや日和は悲鳴を上げて、風呂桶を秋山に投げる。
「おいおい、助けてくれた奴に向かって投げるなよ。こういう緊急時にやるべきことじゃないだろ」
秋山は飛んでくる風呂桶を簡単に避け、床に降りる。
「しかし、なんだ今の智樹は?」
「それがよく分からないけど、アストレアさんより速いみたいなの」
「アストレアより?」
「まさかあんたが来るなんてな……」
パンツをはいている智樹が起き上がる。
「お前な、女風呂を覗くなとか入りに来るななんて俺、そんなに冷たいことは言わねえよ」
「言わないの!?」
「面白いからな。まあしないさ、さすがに道徳的に考えると……。
けど、周りに迷惑かけてるだけじゃなくて女性を倒すのはいささか礼儀知らずだから少し灸を据えてやるとするか」
秋山はいつも着ている黒い上着を黒いマントに変える。
「ねえ、そのマントに変えた意味は?」
「特にない」
「ふん、マントに変えようが関係ねえ!」
智樹がパンツに手をかけようとする。
「まあお前から出ている妙な感じを調べるためにもやるけどな……」
「だったら、見せてやるぜ! この俺の力を脱衣(トランザム)!」
智樹はトランザムと叫びながら、パンツを脱ぐ。
すると智樹の体は金色へと輝きだす。
「トランザムだと!?」
秋山はトランザムと聞いて驚く。
「知ってるの? 秋山さん」
「だが俺の知ってるトランザムとは違う。このトランザムは……」
秋山は考えるが、秋山にそんな隙を与えないかの如く智樹は秋山に攻撃を与えようとする。
「てゃあ!」
(仕方ない!)
秋山は智樹の迫りくる拳を拳をぶつけて返す。
「何!?」
智樹の拳を受け止めた拳はあらぬ方向へと曲がった。
つまりは骨が折れたのだ。
「ちぃ!」
秋山はすぐに折れた手を離して、もう片方の手で智樹の腹部に掌打を与える。
「ぐおお!」
智樹は後方に吹き飛ぶ。
「ふん」
秋山は折れてない手で折れた手を空中でさするようにして治す。
「だが今のでなんでお前がそんなに強いのかよく分かった」
「え、何が分かったんですか?」
「こいつの言うトランザムだ。
こいつ昔の古文書巻を読んだんだ。それの中にこう書かれてた」
『通常、人間は衣服を着ている状態では運動能力が低下する。衣服には重量が存在し、また空気抵抗を増やしてしまうからである。
その為にスポーツ競技の衣装ではより軽く、より抵抗を受けないものが競って開発されて来た。
従って人間は全裸になった時、初めてその全能力を開放する為の条件を得る。
全裸によって得られる特殊効果はそれだけではない。
全裸によって得られる開放感と爽快感と興奮は心のドライブ(=GNドライブ:ジャイアンナルシストドライブ)に青く輝く炎の光を灯す。
GNドライブのオーバークロック作用により全裸の快感を得た人間は一時的に普段の数十倍の能力を引き出すことができる』
(とある作品より引用(許可あり))
「ってな……」
「それってつまり…」
「あいつの今の強さは快楽によるものってことだ。
俺の知ってるトランザムとはまったくの別物ってことだ」
「秋山先生の知ってるトランザムってどういうものなのですか?」
「俺が知ってるトランザムの原理は……、高濃度圧縮粒子を全面開放するんだよな。
それで一定時間だけど、全機能が3倍くらいになるんだけど……、あいつのは数十倍か。全然違うな。
おまけに俺の知ってるのは赤色だ。金色じゃねえ」
秋山は智樹の方を見る。
智樹は再びパンツをはいていた。
「パンツをはいてる理由はそのトランザムを途中で止めるためだな」
「よく分かってるじゃねえか」
「ふん」
「俺はこの力を手に入れた。
これで俺はあんたを超える!
そして俺は絶対にこの先を行くんだ! 脱衣(トランザム)!」
智樹がパンツを脱ぎ捨てる。
「この先か……、女達と風呂に入るななんて言わないが……今のお前は思い上がっている。
なら……」
秋山がマントに手を取る。
「思い上がるな! 雑種!!」
秋山がマントを脱ぐと同時に智樹と秋山は同時に駆け出す!
「悪いが周りに迷惑をかけないように結界を発動させてもらうぞ!」
秋山の体を中心に結界が展開され、その結界が秋山と智樹の二人だけにする。
その結界はただ夕焼けが広がる殺風景なもので、周りにはいくつもの剣が刺さっていた。
「こいつは……!」
「元々この固有結界は他人の技だ。俺の技じゃない。
だが今のお前と戦うにはちょうどいいものだ。
お前のトランザムは人に見られて興奮することによって出来るもんだ。
そはら達、ギャラリーがいなくなればお前のそれが消えるのも時間の問題だろ」
「ふん、お前一人でも見られていれば……」
智樹が言いきろうとした時、秋山はなんと自分の目を手で切り裂くように完全に潰した。
「何!?」
「この目の潰し方も人のやり方だ。だがこれでお前から見て、俺は見てないことになる」
「けど、あんただって見えないんじゃ……」
「目なんて見えなくてもどこに何があるか、誰がどこにいるか、俺には分かる。前にちょっと言ったろ。俺は魂で場所を知ることが出来るってな……」
「くっ! だが、俺のこの脱衣(トランザム)はまだ続くぞ!」
智樹はそう言いながら結界内に刺さっている剣を片手ずつ取る。
「だから思い上がるな! 雑種!!」
秋山は自分の後ろに特殊な空間を作り出し、そこから刀を二つ取り出し、握る。
そして二人は突撃していき、互いの剣をぶつける。
「!」
「ぐぇい!」
一合、二合、三合と二人は剣をぶつけ合う!
「うおおおおおおおおお!!」
何十合目の時、智樹が剣を思いっきり振りおろし、秋山が二つの刀でそれを防ぐが、その時に刀が完全に破壊される。
「ぬうぅ!」
「でゃああああああ!!」
智樹がまだ攻撃を残していた片方の剣で秋山を斬ろうとしたが、秋山は赤い残像を残して消える。
「何!?」
「これが俺の知ってるトランザムだ」
智樹の後ろには赤く光っている秋山がいた。
「あ、赤い……っ!?」
智樹の体は金色から元の色に戻り、その場で膝をつく。
「トランザムのしすぎだ。俺の知ってるトランザムじゃなくてもそんなに強い力だ。
反動が来ないわけないだろ。お前、俺が来る前に何度もそれ使っただろ」
「っ!」
「そしてさっきお前はトランザムを使う際にパンツを脱ぎ捨てた。
つまりはこの回で俺に勝とうとしたんだろ?
だが残念だったな。俺も別物のトランザムが使えるんでな。
まあ俺の知ってるトランザムは本当はロボット用だけどな…」
秋山の体は元の色に戻る。
「反動も俺の体にはあまり意味はない」
秋山は指を立てて、手を上げる。
「とりあえず眠れ」
秋山が智樹の秘孔を突こうとした時、智樹の姿が消える。
智樹は再び脱衣(トランザム)使ったのだが……。
「お前のスピードが捉えられないと思っていたのか?」
智樹の手は秋山の手に捕まれていた。
「ふん!」
「ぎぇええええええええええ!!」
「智ちゃん…」
「秋山さん」
結界の外にいるそはら達は中で何が起こっているのか分からない。
すると結界が解除され、そこには意識がなく体がボロボロの智樹と平然と立っている秋山がいた。
「秋山さん」
「マスターは…」
「気を失ってるだけだ。トランザムの反動はさっき治しておいた。ついでにトランザムに関する記憶は完全に抹消させておいた」
秋山はその場から去ろうとする。
「そいつはお前達の好きにしな」
秋山はそう言って瞬間移動で去っていった。
その後智樹は……。
「ひぇえええええええ!!」
美香子によりものすごい厚着のまま、1週間ほど銭湯の掃除をただ働きさせられた。
しかも男湯……。
「くそーーーーー! なんで俺がこんなことしてるんだ!?」
智樹は女風呂に入りたいと言う欲望の記憶も秋山の手によって抹消させられたため、何故銭湯の掃除をさせられているのか分かっていなかった。
「しかも男湯かよ。これが女湯だったら……」
智樹は妄想に浸る。
「ぐふ、ぐふふふふ……」
智樹が再び女風呂に入りたいと思う日はそう遠くないかもしれない。
「お兄ちゃん、一緒に入ろう♪」
「ぶっ!」
掃除中なのにもかかわらず男湯の方に入って来るカオスであった。
終わり
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今回の話に出てくる要素の一つはある人の作品を基にしています。
またその要素の説明文もそのまま引用していますが、その人からの許可は得ています。
詳しいことは前おまけで書いてます。
また作者の分身となるオリジナルキャラクター(秋山総司郎)も出てきます。