No.309261

何を血迷った?

実田さん

まさかの?幸就です。

2011-09-28 23:06:40 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:529   閲覧ユーザー数:528

「某 毛利殿が気になって気になって…仕方ないでござる!」

 

「…」

 

暫しの沈黙

 

元就は上田城を訪れていた

 

真田とは甘味仲間であり しばしば自慢の甘味を持ち寄り 共に意見を交わしながら食している

 

今回は一押しの団子を持ち寄り いつもの様に食していたのだが…

 

真田が急に真面目な顔になり 一世一代の告白をしたのだ

 

思わぬ行動に元就の頭は一瞬真っ白になる

 

計算してないぞ…

 

こやつ 頭でも打ったか?

 

それともこの団子がおかしいのか

 

元就は食べかけの団子をじっと見つめた

 

幸村は真っ直ぐな瞳で元就を見つめている

 

(何か 期待しているのか?)

 

まるで子犬の様だ

 

「これが… 恋でござるか…?」

 

「は?」

 

「某… この気持ちがよく分からないでござる

 

毛利殿のことが気になって… 気になって… 頭の中が毛利殿で埋め尽くされておりまする!」

 

「…」

 

この捨て駒は何を申しておるのか分からぬ

 

いっそ焼き焦がした方がよいだろうか

 

いやいや

 

真っ直ぐな者ほど効く方法がある

 

元就はにやりと笑う

 

そして… 幸村を見つめるように正面に座る

 

「… 良いか 真田?」

 

元就はこほんと咳払いをする

 

 

「は… はいでござるうう!!!」

 

真田の顔が真っ赤だ

 

元就は少し躊躇する

 

しかし すぐに 元就は策を思いつく

 

ならば その心 焼き焦がしてやろう

 

元就は幸村の髪をゆっくりと撫でた

 

こちらにまで幸村の鼓動が伝わってくるようだ

 

そして 幸村をふんわりと包むように… 抱きしめた

 

 

「あわわわわわわ!!!!! 破廉恥でござるわああああああ!!!!!」

 

幸村は叫んだ

 

身体もこわばっている

 

手に持っていた団子も落としてしまった

 

してやったり… 元就はしたり顔をした

 

「嫌か…」

 

わざと耳元でささやく

 

「貴様の心… 焼き焦がせて見せようぞ…」

 

幸村は口をぱくぱくしているだけで 声にならない

 

しかし 元就には分かった

 

「貴様こそ 我の理想の捨て駒 真の捨て駒は貴様一人ぞ…」

 

そう言うと… 幸村をさらに強く抱きしめた

 

 

 

 

 


 
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