神隠
とある街の夕暮れ時、俺は走っていた。
俺「ぅおぉ!遅刻遅刻!!」
叫びながら前方の人をかわす。
仲間との集合時間は過ぎ、もう始めているだろう騒ぎに突入するべく全力で走っていた。
週末の街中とあって、避けながら走るのに苦労する。
すれ違った人と会話を無意識に見、聞きながら走ると、
○「マジで?」
×「マジマジ」
□「うぃー」
△「もしもーし」
その中で、前方にやたらと目立つ姿があった。
陽も傾いているというのに、日傘を差した女性。
変な人もいるんだなと思ってすれ違うと、何か不思議と耳に残る声が聞こえた。
?『……やっと見つけた……』
何故だか自分に言われている様な気がして、足を止め振り返る。
すれ違ったハズの日傘の女性はいなかった。
俺「あれ?今、すれ違ったのに…」
雑踏に紛れたか、近くの店に入ったのか?
探そうかとも思ったが、時間がないので止めた。
第一、知り合いでもないし。でも…。
俺「何か見た事ある人だったな…まぁいいか」
それより、早く向かわないと。俺は再度走り出した。
交差点の角、目的の店が見えてきた。
俺「よし、走り込むぜ!」
スパートをかける。
段々と店に近付き、自動ドアが開いた。
俺「ま…」
開いたドアに飛び込むと、視界が真っ暗になった。
そして、次の瞬間。
俺は何かを蹴って転び、何かに顔面を突っ込んで意識を失った。
神隠 了
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毎度、潮です。
このお話は、某所でやってる幻想入り「幻想郷奔走記」の本編一話部分に当たります。
セリフが若干変わってますが、それはいつか分かるかもしれません。