No.286196

真・恋姫無双「新たなる地と血」第19話

いよいよ激突、汜水関攻防戦。

2011-08-27 16:48:01 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:5567   閲覧ユーザー数:4280

この作品は恋姫無双の2次創作です。

 

作者の勝手な解釈もある為、若干キャラの性格等のズレが生じる場合が御座いますが

そこらへんはご容赦のほどを。

 

~連合~

 

そして各陣営が準備を行ない汜水関の前へ集結、参加を表明した全員が揃った所で自己紹介を済まし、総大将を決めるという所に来て其処で会話が途絶えていた。

 

なぜなら集まった諸侯の代表者全てはそんな面倒な事をやりたがらず。かといって麗羽本人は自分では言い出さず自分を推す声を待っていた。

 

そんな停滞した空気を破ったのは桃色髪をしほわほわした雰囲気を持った少女。

 

「(あれが今回一刀に代わり関羽と張飛を従えた劉備ね。)」

 

華琳はどこかしら嘗ての一刀と劉備の姿を重ねた。だが直ぐに劉備を見て打ち消した。話をして見ないと分からないが一刀とは何かが違うと感じたから。

 

「(似た雰囲気は持っている、けど似ても似つかないわ)。」

 

なんとなくで黙っていた劉備はこの状況を打破しようと麗羽を総大将にと推した。そんな行動に隣に居た小柄な少女は慌てていたが、各諸侯は「(余計な事を)」思いつつもようやくこの無駄な時間がくだらない茶番が終わる事に安堵していた。

 

そして麗羽は自分を推した劉備に褒美にと汜水関攻めの一番手を与えた。当然それに拒否をする事も出来ず受けるしかなかったが劉備に隣に居た小柄な少女・諸葛亮こと朱里の交渉術によって麗羽から装備と糧食をちゃっかり戴いていた。

 

軍議も終わり代表者たちが各陣営に戻ろうした所で華琳は孫策に声を掛けた。

 

「私は曹操。孫策以前はうちの春蘭ー夏候惇との賊の殲滅の協力感謝するわ。」

 

「貴方が曹操?ふ~ん」

 

自己紹介と以前の賊の殲滅の協力の礼を述べていると雪蓮はじろじろと華琳の容姿を見ていた。

 

「…何よ。初対面の人に対して失礼でしょ。」

 

「あはは~別に他意は無いわよ。気を悪くしたならごめんなさいね。でもわざわざ礼を言いに来るなんて律儀ね。」

 

「人としての最低限の礼儀をしているだけよ、当たり前でしょう?であなたは何処に行こうとしているのかしら、確かあなたの陣はこっちでは無いはずよ?」

 

「気になる?ま、隠すほどの事じゃないし。興味があるなら付いてきてもいいわよ。」

 

「ちょ?!雪蓮、お前は!」

 

傍に居た冥琳は一瞬戸惑っていたが別段見られて困るものでも無い事だと思い結局華琳の同行を許した。

 

そして着いた所に劉備の陣。そして其処にいたのは見事な黒髪を横で纏め稟とした雰囲気を持つ女性が居た。

 

「ねえちょっとあなた、劉備と話をしたいんだけど取り次いでくれない?」

 

「誰だ、貴様は!?桃香様は貴様と何も話をすることは無い、早々に立ち去れい!」

 

「…人に名を尋ねるときは自分からって教わらなかったの?いいわ、私から名乗ってあげる。私の名は孫策。名乗ったんだからさっさと劉備に取り次ぎなさい。」

 

「くどいぞ!名を名乗ったからといって桃香様は貴様と話をすることなど無い!立ち去らぬというのなら…」

 

「いい加減にしないか貴様達!ここで無用な争いをするとは何事か!?関羽、一介の将ごとき貴様が出過ぎた真似をするな!」

 

其処に現れたのは春蘭と秋蘭の二人であった。先に情報の整理の為に帰ったきた桂花から孫策に付いて行った事は聞いていたが幾ら連合で組んでるとは言え華琳を一人にするのは拙いと思い此処に来てみればこの騒ぎに出くわしたのだ。

 

「…どうしてもと言うなら我等姉妹が相手をするがどうする?」

 

秋蘭が静かな口調で語りながら隣にいる春蘭と共に愛紗を威圧をする。その二人の威圧感に愛紗は圧倒されていた。

 

「あ、あ…」

 

さらに殺気を放とうとした所へ愛紗の主、劉備が帰ってきた。

 

「愛紗ちゃん!駄目じゃない。せっかく来てくれたお客さんに対してそんな事をしちゃあ。」

 

「しかし桃香様…」

 

「しかしじゃないよ。この人達は私に用があるから来てくれたんだよ?それを追い返すなんて…」

 

劉備による愛紗へのお説教が始まろうとしていたが雪蓮がそれを止めた。

 

「ねえ悪いんだけどさ、お説教なら私との話の後にしてくれない?」

 

「え?あ!す、すいません!あのお話しってなんでしょうか?」

 

「私達と手を組まない?」

 

「へ?!私達とですか?でもそれだったら其処にいる曹操さんとかでもいいんじゃないでしょうか…」

 

「私達も弱小勢力なのよ。でこの戦で功績が欲しいのよ、これからの為に。でも、曹操の所じゃ駄目、大き過ぎるからよ。はっきりいうと手柄を横取りされかねないからね。」

 

「なんだと貴様!華琳様がそんな小さな事をするとでも言うのか?!」

 

華琳の悪口を言われていると思い春蘭が雪蓮食って掛かったが華琳は黙って聞いていた。

 

「私も思ってないわよ。でも他所はそうは思わないでしょう。曹操のおかげで勝てた、とそういうに決まっているわ。」

 

流石は江東の虎の娘、わずかな間しか会話を交わさなかったが華琳の性格を把握していた事に華琳は感心する。

 

「で、そうなると同じくらいの劉備が良いわけよ。」

 

「…あの、孫策さんはなにを目指しているのですか?」

 

「わたし?そうね~、自分達の国の民が平和に暮らせる、ってところかしら。そう言う劉備貴方は?」

 

「私の目指す国は皆が笑って暮らせる国を作ることです。」

 

笑顔で答える劉備を見ていた華琳は一刀との違いがなんなのかが分かった。孫策と劉備、同じ事を言ったように聞こえたかもしれないが本質は違っていた。

 

「(あの目は何も『見て』いない目ね、理想に酔い痴れて『見て』いるのは幻。何の覚悟も持たずに戦場に出て来た唯の愚者。最初会った頃の一刀も似たような事を言っていたけど少なくとも覚悟は持っていたわ。)」

 

もう用は無いと華琳は挨拶もそこそこにその場を離れた。

 

~汜水関~

 

「とまあそんな事があの中であったのさ。」

 

『・・・・・』

 

以前の連合内でのやり取りを皆に聞かせて見せたら皆怒りを通り越して呆れていた。馬鹿だ馬鹿だと袁紹の事は聞いていたがこれほどとは…

 

「それはさておき、となると先鋒は劉備の軍になるんかな。」

 

「多分ね。後はどうなるかはちょっと判らない。以前のときは曹操の所だったけどね。」

 

あくまで参考程度にねと一刀は付け足す。誰か忘れている気がするが・・・

 

城壁より眺めていると前曲に出てきたのは劉備と孫策。それを見た華雄は、

 

「では誰が誰と当たる?」

 

相手は決めてはいるが敢えて華雄は聞いてきた。それに苦笑しながら一刀は

 

「じゃ俺は雪蓮の所を、華雄は愛紗―関羽をお願い。で霞は遊撃を頼むよ。」

 

これを聞いた華雄は待ってましたと言わんばかりに頷いた。

 

「見ていろ関羽!以前の私とは違うところを見せてやる!!」

 

場所が違うとは言え自分では無い自分が負けたという話を一刀から聞いた事により華雄はひたすら鍛錬に明け暮れた。自分の迂闊な行動が月達をを危険にさらしたとそう思い。

 

思意気込む華雄に一刀は俺の事はばらさないでねと苦笑しながら念押しをする。

 

「それじゃ先ず出鼻を挫きに奴らの口上が出る前に行って動揺させますか。」

 

やがて愛紗が雪蓮と共に関の前に歩み出、挑発を繰り出そうとしたその時汜水関の門が開き華雄と霞、そして覆面を着けた一刀達が出てくる。

 

予想外に早く出てきた為劉備軍は焦りその為隊列が乱れてしまい董卓軍への対応が遅れてしまった。

 

そこを逃さず華雄隊、張遼隊、北郷隊は一気に攻め込んだ。

 

「く、慌てるな!すぐさま編隊を組んで迎撃をしろ!」

 

関羽も一瞬遅れて味方に指示を飛ばす。そんな中、華雄は一直線に関羽に向かっていく。

 

「関羽!私と勝負しろ!!」

 

「貴様は華雄!?」

 

「董卓様に仇名す貴様らは私が倒す!!」

 

「いいだろう。相手になってやる。わざわざそっちから出向いてくれるなど好都合。受けて立つ!」

 

「以前のようにはいかないぞ!」

 

「?何を言っておる、貴様とは初対面のはずだ。」

 

当然以前の事を覚えていない愛紗は首を傾げる。

 

「ふっ、気にするな。独り言だ。」

 

「そ、そうか・・では参る!」

 

華雄と関羽の一騎打ちが始まった。

 

「あっちは始まったみたいね。一刀、やっぱりそっちに居たのね。」

 

「あ、やっぱり気が付いた?」

 

「もうばればれよ。」

 

対する雪蓮率いる孫呉勢の方は劉備軍ほど動揺はなく直ぐに体勢を立て直し迎撃に移っていた。

 

あとがき

 

ついにぶつかりました董卓軍対連合軍

 

華琳の劉備への感想と春蘭達の仲裁、春蘭って割りと人の礼儀にはうるさいけど自分の事になると余り人に言えないよね(笑

 

見ていて分かるかと思いますが春蘭達は愛紗を圧倒するほどの武を身に付けています(一刀のお陰で)。

二人掛りでなくても勝てる程に。

 

華雄は直接一刀と接触が無かったので記憶無し。以前の自分の事を聞かされて憤慨してました。その辺りのやり取りなどは後々に。

 

この辺りは結構書きたかった所で作者自身非常に楽しみにしています。

 

ではまた次回~


 
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