No.276802

嫉妬という感情の本質

白森 秋さん

嫉妬という感情の本質

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2011-08-17 21:48:33 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:686   閲覧ユーザー数:686

どうして、私を見てくれないの?

 

私はこんなにも、あなたを思っているのに。

 

どうして、あなたは他の人と笑えるの?

 

私はそんなあなたを見て、嫉妬の炎を燃やしているというのに。

 

 

私があなたに言葉をかけても、あなたは返そうとはしてくれない。

 

他の人があなたに声をかけると、あなたは嬉しそうに返事をしている。

 

私とあなたの間に、溝を感じているのは私だけ?

 

あなたは気づいているのかしら?

 

それとも、気づいていないのかしら?

 

気づいていて、わざとやっているのだとしたら。

 

私はもう、立ち直れない。

 

 

私と一緒に入ると楽しいって。

 

私と話していると楽しいって。

 

そう言ってくれたのは、あなたなのに。

 

今の私は、あなたを思い続けるだけ。

 

他の誰かと楽しそうに話す、あなたを思い続けるだけ。

 

 

やめてよ。

 

いやだよ。

 

私だけを見て。

 

他の誰かに目を向けないで。

 

他の誰かと話さないで。

 

私だけを見て。

 

私だけと、話してよ。

 

 

私と、他の誰かと、何が違うの?

 

趣味?思考?それとも才能?

 

 

やっぱり、私はあなたの近くにはいられないの?

 

あなたと一緒に、何かを創り出すことはできないの?

 

私はこんなに、あなたと一緒にいたいと想っているのに。

 

心が張り裂けそうになるほど、あなたのことを想っているのに。

 

 

あなたにとって、私はきっと。

 

ただの友人。ううん、それ以下の存在でしかない。

 

私にとって、あなたは一人なの。

 

ただの友人じゃない、お互いに依存しあいたい、唯一の存在なの。

 

 

だからお願い、あなたも私を頼ってよ。

 

そのほかの誰かに向けている、笑顔を。

 

私に、向けてほしい。

 

私だけに、見せてほしい。

 

 

私は、私が憎い。

 

あなたを振り向かせることのできない、私が。

 

私にも、あなたと同じような才能があったなら。

 

こんな想いは、しなくて済んだのに。

 

才能のない、私が憎い。

 

私が、憎い。

 

 

でも、私だって努力はしたんだよ?

 

数年間、私だって腕を磨いてきた。

 

それでも、だめだった。

 

どうしても越えられない、壁があるの。

 

私の目の前に、あるんだよ。

 

 

だから私は、逃げたってわけじゃない。

 

無かった才能の代わりに、妥協できる部分を見つけ出しただけ。

 

私はそこで生きていくしか、無いってわかったから。

 

だから、だからね。

 

私は、もう諦めた才能には手を出さないの。

 

絶対に。

 

何が起ころうとも。

 

誰が何と言おうとも。

 

 

こんなわたしでも、あなたは見てくれる?

 

ううん、見てくれないのはわかってる。

 

だって、今も見てくれてないから。

 

私に対する態度と、他の人に対する態度。

 

それが、明らかに違って見えるから。

 

 

気づいてないと思ってる?

 

わからないと思ってる?

 

 

わかるよ…。

 

わかっちゃうんだよ…。

 

私には、わかっちゃうんだよ…。

 

それだけ、あなたを想い続けているから…。

 

 

 

おねがい。

 

お願いだから。

 

私だけのあなたでいてよ。

 

もう、こんな嫉妬の感情なんか抱きたくない。

 

ドロドロとした暗い気分で、毎日を過ごしたくないの。

 

 

おねがい…。

 

お願いだから…。

 

 

私だけを、見て。


 
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