No.272744

対魔征伐係.17「買物へ行こう②」

シンヤさん

1P目に本文、2P目にその話に出てきた、関するものの設定紹介、小話など。あれば読者からの質問の答えなんかも。質問をする場合はお気軽に。回答は次回の2P目になります。質問内容は3サイズとか趣味とか好きな食べ物とか、設定に記載されていないもの、或いは紹介自体されていないものなど何でもOKです。但し、有耶無耶にしたり、今はネタバレ的な意味で回答できないよ!となる場合もあることをご了承ください。

2011-08-14 01:17:52 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:538   閲覧ユーザー数:271

市内で最大級の規模を誇るデパートに3人は買物へ来ていた。

衣類から生活用品、食材、趣味の雑貨まで・・・ここだけで全てが揃えられる。

(・・・まぁ、通りの店を歩き回って買い揃えるよりは楽そうだよなぁ・・・)

そんなことを思いつつ、真司は先行する少女2名の後を追い、店内へと入っていく。

 

 

「それじゃあ、まずは洋服からね」

「はーい」「おーぅ」

 

恵理佳の案内の元、真司と雪菜は3階の婦人服売り場へと到着した。

広いフロアには多種多様な洋服が見渡す限り沢山売られている。

春を意識してか、フロアは明るい色に溢れていた。

 

「すっごーぃ!!綺麗な洋服が沢山ある~!」

「雪菜ちゃんはどんな洋服がいい?」

「えぇと~・・・」

 

田舎から上京してきた少女のようにはしゃぎながら恵理佳を連れ、フロアを歩き回る雪菜。

(・・・ある意味田舎も田舎から・・・だな・・・)

適当に周りを眺めつつ真司も二人の後を追う。

 

 

-30分後-

 

 

(・・・長い・・・)

未だに雪菜と恵理佳は様々な洋服を物色している。

偶に良さそうなものがあれば試着したりと随分楽しそうである。

一方の真司は特にすることも無く、口出し出来るようなセンスも無いので一人で暇を持て余していた。

二人を遠めに眺めつつ、壁に寄りかかって携帯で暇つぶしをする程度だった。

 

 

-1時間後-

 

 

(・・・どれだけ選んでいるんだ・・・)

二人を見失って数十分。

選び出してから一時間が経過しようとしていた。

携帯で暇を潰すのも限界になっており、いい加減待っているのにもうんざりしてきた時だった。

 

「兄さん、お待たせ」

「お前ら、遅すぎるぞ・・・」

 

ボケッと待っていると不意に良く知った声で話しかけられ、文句と共に声のした方へ振り向く。

 

「しんじぃ~、どうどう?似合ってる~?」

 

 

 

 

 

 

恵理佳の後からここに来たときとは違う服装の雪菜がひょっこりと現れた。

 

「お~、いいな。可愛いぞ」

「ありがとーぅ♪」

 

 

だきっ

 

 

満面の笑みを浮かべつつ、恒例になりつつある真司への抱きつきを行う雪菜。

 

「それじゃあ、兄さん、よろしくね」

 

淡々と言いつつ恵理佳は雪菜を真司から剥がし、大きい紙袋を二つほど手渡してくる。

 

「・・・おぅ」

 

洋服が何着か入っていると思われる紙袋は決して軽くは無かった。

ここへ来た自分の目的(役割)を再確認し、ため息と共に紙袋二つを片手で持つ。

 

「次は靴ね」

「はーい「おーぅ」

 

 

続いて一行は恵理佳の案内の元、一階へと戻り、買った洋服に似合う靴を探しに売り場へとやって来た。

 

「今まではずっと靴なんか履いたこと無かったんだけど・・・」

「私も手伝うから、似合う物を見つけましょう?」

「はーい」

 

二人は早速売り場を物色し始めた。

今の時点で雪菜が履いているのはこれまた郁の物なのだろう、明らかにサイズが合っていない。

まだそんなに歩いていないので平気だが、いつ靴擦れを起こしてもおかしくはないだろう。

(まぁ・・・靴なんざ、種類もないし・・・サクッと決まるだろう・・・)

 

 

-30分経過-

 

 

(・・・何故だ・・・)

真司の予想とは裏腹に未だに二人は靴とにらみ合いをしている。

見た目で選び、気に入ったものがあれば履いてみる。

履き心地が悪ければ見た目が良くても没なようだ。

靴というものそのものが初体験な雪菜に取ってはデザインどうこうではなく、履き心地の方が重要なのかもしれない。

 

 

-50分経過-

 

 

「お待たせ~」

 

雪菜が明るい声で壁に寄り掛かってすっかり沈んでいた真司に話し掛ける。

 

「まったくだ・・・」

 

愚痴のひとつでも言ってやろうと考えていた真司だが、雪菜の笑顔を見ているとそんな気も失せていった。

 

「それじゃあ、次で最後ね」

「やれやれ・・・やっとか・・・」

 

恵理佳の口から待望の単語を聞けた真司はまたもや大きい紙袋を手渡される。

流石に片手に三つはきつかったので空いていた片方の手で受け取る。

これで真司は両手が塞がったことになる。

両手に確かな重さを感じつつ、二人の後を追っていく真司。

 

 

こうして一向は4階の婦人肌着売り場へとやって来た。

 

「・・・ちょっと待ってくれ」

「何?」

 

平然と答える恵理佳に真司は問い詰める。

 

「流石に、ここで俺一人待っているのはキツイと思うんだが、どうか?」

 

辺り一面をヒラヒラとした薄い布切れが占拠している。

同様に、今までのフロア以上に女性の数が多い。

というよりも、男の数が少ない、むしろ居ないと言っても過言ではない。

チラホラとカップルで物色している姿を見る程度だ。

 

「・・・なら、一緒に来ればいいじゃない」

「そぅそぅ、しんじも一緒に選んでよ~」

「・・・冗談は止めてくれ・・・」

 

今はまだフロアに着いたところなので、マシだが・・・あのカラフルなレース空間へ立ち入る気にはなれなかった。

 

「じゃあ、ちゃんと待っていてね?何処か行ってたら、酷いから」

「氷漬けにしちゃうからね~?」

 

二人は去り際にしっかりと真司を脅してから物色へと向かっていった。

(・・・そもそも、雪菜は穿いていないんじゃ無かったのか・・・)

しっかりと始めてあった時にミニの和服から見える部分をチェックしていた。

その時に明らかに穿いていないことは確認済みだった。

(・・・また、長くなりそうだな・・・)

またもや靴と同様に初めて着ける下着だ。

選ぶのに時間が掛かるのは必須だと感じていた。

(・・・胸は雪菜の方があるよな・・・)

身長は明らかに恵理佳の方が高いが、胸囲は逆だった。

(・・・雪菜があるんじゃなくて恵理佳がないんだろうな・・・)

などと、聞かれていれば半殺しに合いそうなことを思いつつひたすら二人を待ち続けた。

 


 
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