No.27053

始動╾╾猫・羊・獅子

文字子さん

第二段ー♪
ぐだぐだも2割り増しです・・すみません・・・il||li _| ̄|○ il||li

2008-08-26 16:25:48 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:692   閲覧ユーザー数:656

 

「あぁ~!もうっ・・・人ばっかり!」

一人の金髪少女がご機嫌斜めな様子で叫ぶ。

 

「ほんと・・・いっぱいいますわね~」

桃色の髪をした少女がやんわりと微笑む。

 

「しょうがないでしょ~あれだけのニュースに人が集まらないほうがおかしい」

金髪の少年がなだめるように言う。

 

 

ここは、カバリア島行きの船の上である。

ドン・ガバリアの遺産が眠るというニュースが流れ、カバリア行きの船はいつも定員ギリギリであった。

 

カバリア島とは、メガロカンパニーという超巨大な会社の社長「ドン・カバリア」が作った島である。

そして、そのドン・カバリアの遺産が隠されているとニュースになり、一気に知名度をあげた島でもある。

 

 

この少女達もその島へ行く最中である。

 

 

 

 

 

「で、まだ島にはつかないの?」

金髪の少女が腕を組み尋ねる。

「わかんないよ・・・前も後ろも・・右も左も海なんだぜ?まず、ここがどこか自体もわかんねぇから・・・」

ため息をつき金髪の少年が答えた。

「船長さんのお話だとー・・・今日中には着くらしいですよー」

にこっと笑い桃色の髪の少女が答える。

 

「しかし、なんで俺まで行く羽目に・・・」

「だって、島にはモンスターがいるらしいのよ?そこに、こんなか弱き乙女二人で行くわけにもいかないじゃない?」

長い金髪を揺らしながら少女は答えた。

なぜか誇らしげである。

「え?か弱き乙女・・・どこにいる?」

辺りを見回す仕草をしながら少年はわざとらしく言う。

 

「こ・こ・よ!こ・こ!」

金髪の少女は少年の鼻をぐいっとつまんで顔をこちらにむけさせる。

「ィテテテテテ!ちょ、はなせっ・・」

 

「あぁ~、今日もいい天気ですわ~」

二人が横で騒いでるのをよそに、桃色の髪の少女はどこからかもって来た紅茶をすすりながら微笑む。

 

 

 

 

 

 

時半刻は過ぎたであろうか・・・

ふいに下の甲板が騒がしくなった。

 

「なにかしら?」

金髪の少女がひょいっと上から覗く。

 

それにつられ、少年も覗く。

 

「どうやら・・・喧嘩があったみたいですわね」

本を黙々と読んでいた桃色の髪の少女が答える。

「遺産目当てで少しでもライバルを減らしておこうって魂胆だと思いますわよ」

「ふぅ~ん・・・。って、あ!」

少年が何かを見つけたように声を上げた。

 

「どうしたの?」

「あそこ!あいつ!」

少年が指を指した先にいたのは青紫の長髪をなびかせる少年であった。

「あ!あいつーーー」

金髪の少女も少年に心当たりがあるのか声をあげる。

 

「ちょ、私行ってくる!」

すくっ!っと立ち上がり、金髪の少女は姿を消した。

「はい。いってらっしゃいです」

にっこりと笑って桃色の髪の少女は金髪の少女を見送った。

 

さっきの騒ぎのせいか比較的人の少なかった上の甲板にも人が流れてきた。

「どうする?上に移動するか?」

少年が尋ねる。

「皆そろってから移動しましょう。迷子にでもなったら大変ですわ」

にっこりと笑い桃色の髪の少女が答える。

 

「いや、でもね~・・・。俺の予感からして、こう人が増えると・・・」

 

 

 

 

 

「ぉ、ぼくちゃん。いいもん持ってるじゃねぇか」

 

「ほらきた・・」

少年はため息混じりに声の主のほうに顔を向ける。

 

「どうだい?おじさんのこの時計と交換しないか?」

そういって、男は古びた時計を出した。

 

男が交換を求めてきたのは少年が持っているネックレスだ。

正確には、金髪の少女から無理やり渡されたネックレスだが・・・

 

「遠慮します。これ、一応預かり物なんで」

そういって、ネックレスを服の下に隠した。

 

「あれれ~?いいのかな?この時計は売れば300万は下る代物なんだよー?」

ニッコリとうそ臭い笑みをしながら男は近づいてくる。

 

「へぇ~。それが・・・ねぇ・・」

不審な目を向けながら適当に返事をする。

まぁ、時計の見た目がそこらへんに売ってある時計を汚しに汚しましたーという見栄えであるから、当然といえば当然だ。

 

「あれ?ぼくちゃん、疑ってるね?いけないな・・・」

「五月蝿いですわ。本が集中して読めません」

男の言葉をさえぎり少女は言い放った。

 

さすがに少し男はカチンと来たようだ。

「お譲ちゃん・・・そういうのは・・」

「だな、おっさん五月蝿いから、向こうの人にでも集ったらどうだい?」

次は少年が言葉を遮る。

 

「ぼくちゃんたち・・・あまり大人をからかうと痛い目見るよ・・・?」

そういって、男は懐から小型ナイフを取り出した。

 

ヤレヤレ・・・と小さく呟き少年も腰から何かを抜き取ろうとした瞬間・・・

 

 

 

 

 

「あっ・・・ぶなぁあ~ぃ♪」

ごきっ!と嫌な音を立て、男の方に何かが飛んできた。

そして、床に倒れこみ唸っている。

「かっ・・・かたがぁ・・あぁああ」

「だから危ないって言ったでしょ?おじさま♪」

ぺろっと舌をだした金髪の少女が空中で綺麗に一回転し言った。

さっき飛んできた何かはこの少女である。

 

「ぉ、おかえりー。どうだった?」

男をスルーして少年は尋ねた。

「だめ。人が多すぎて見失っちゃったわ」

軽くため息をつき、金髪の少女は残念そうに言った。

 

「ぉ・・・おまえらあああああああ」

スルーされた男は憎悪を含んだ目でこちらを見、ナイフを構え突進してきた。

 

 

「ホント、五月蝿いおじさん」

そういうと、男の手からナイフは弾け、遠くへと飛んで行ってしまった。

少年の手には黒い銃が握られていた。

 

 

『そろそろカバリア島へ・・』

アナウンスが船内に響き渡る。

 

「お、やっと着くみたいね」

呆然としている男をよそに少女たちは島へ降りる用意をしはじめた。

「島へついたら、まずアイツ探すわよっ」

金髪の少女が勢い良く立ち上がり、男の前から姿を消した。

 

 

そして、3人は船から姿を消した。

未知の島、カバリア島へと進出した。


 
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