第四章 天下飛翔
第一話 敗北(中編)
張任軍本陣
伝令「ほ、報告!! 先陣の白亜忍・羅憲部隊が「左の旗」を掲げし一団に奇襲を受けました!!」
全員「「「 !? 」」」
朱里「黄祖の狂犬……ですね。」
一刀「知っているのか? 朱里」
雛里「荊州で知らない人はいません… 元荊州の賊で有名な平牙又(ヘイガヒョウ)の大将であった男です。」
思春「あいつの組は…我らと同じく義賊の一種だが……。」
一刀「?」
朱里「賊はおろか、暴利などで私腹を肥やした大商人ですら……いえ、全ての敵に対して必要以上に滅多切りを行い残忍王とまで呼ばれている人物です…。」
藤「先の大戦でも孫堅軍の孫策を一太刀で蹴散らす程の剛腕を持ち、孫堅に致命傷の矢を当てたのも左塵と言われておりますな…」
一刀「木偶! 兎范!! すぐに部隊を用意して先陣の援護を! 朱里、雛里、思春は隠密部隊を使って敵本陣の索敵とこの本陣がばれない様に防諜対策を」
全員「「「 御意!! 」」」
一刀「…智民……世界は広いな…あんな猛将がいるなんて思わなかったよ…(春蘭や霞達を警戒してたけど…無名でも、未来に名を残してなくてもこんな恐怖を感じる事があるなんてな…) 」
智民「大将……」
先陣
見渡す限り張任隊の兵士たちの亡骸が多い……その中心には…
左塵「 クケェエエエエエエエエエエエエエエエエ!!! 戦場に真っ赤で綺麗なお花が乱れ咲きぃ!!! 」
狂犬と呼ばれ敵味方から恐れられる猛将左塵が唯一人立っていた…
土呂「……そ、総員後退!!! 本隊に合流するぞ!!!」
土呂隊兵士「「「 わぁああああああああああああああああああああああ!! 」」」
左塵「 逃げるなぁぁぁああああああああああああああ!! 血を見せろぉおおおおおおおおおお!!」
鮒醜「おい!! 駄犬野郎!! 帰るぞ!! 主人からの命令だ」
左塵「……クケェエエエエエエエエエエエエ!! 張任軍の雑魚おぉぉぉぉぉぉ!! 」
本陣
亜忍「大将…報告だ。 今回先陣を任された5000人の部隊の内、死者3654名・重軽傷者721名……尚、阿戒分隊長は深手を負い後方に護送したが死亡……畜生!!!」 ドカッ
一刀は正直ショックだった… 彼は、一刀と同じ村の出身で一刀が兵を募集した時に一番早く駆けつけた人物だったのだ。 村にいる時も……
阿戒「張任兄様! 剣術教えてください!!」
一刀にとって血こそ通ってないが可愛い弟であった。 それと同時に誰よりも向上心が高く将来は一刀を越えてみせると意気込む少年であった。
先の賊討伐でも目覚ましい活躍だったため、増えて来た兵を纏める為分隊を創設し、その隊長に任命しても問題ないと信頼できるほど買っていた…
一刀「 (阿戒……君の為にもこの乱世を速く終わらせて見せる) 」
一刀「悪いけど… 各隊の兵士達を全員集めてくれるかな?」
各隊の隊長「「「 ?? 御意です 」」」
…………
各隊の兵士達全員が一挙に集結した。 先ほどの戦闘で出陣し散って行った者を覗いて生き残っているのは約3万人…皆士気は落ち、覇気を感じられない。
一刀「みんな聞いてくれ! 確かに今までの賊討伐でこれほどの犠牲者を出した事はない!! けど今俺達は何のために戦っている? 天下太平の為だろ!!! 確かに永遠の平和なんて訪れたりしない!
けど、求めないと平和なんて手に入らない!! こんな所で燻って良いのか! 先の戦いで死んでいった友の、家族の命が浮かばれないぞ! 恨むなら戦いを起こす俺ら役人を恨め!!! そして乱世を恨め!! 敵を憎み敵視をするな! 人を恨んでも、友の死を悲しんでいても何も始まらない! さぁ、立ち上がれ! 天駆ける龍を照らす星星たちよ!」
兵士達「「「 うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!! 」」」
「「「 うおぉぉおおおおおおおおおおおおおお!! 」」」
黄祖「……ふ。 そうでなくてはな…あのまま意気消沈の軍であるなら左塵だけで蹂躙できる。 皆も聞いておろう? 此度の戦、先の連合軍よりは強敵であるぞ!! 心してかかれ!! 伝令!! 敵軍にこの書状を届けよ!」
伝令「承知!!」
黄祖「…張任よ、この老いぼれを抜かねば天下など夢のまた夢だぞ?」
黄祖は常に笑顔であった。まるで今まで会えなかった好手敵にやっとの思いで会えた様に…
あとがき!!
はい、中編終わりです! 次は後編となります。
黄祖が送ろうとした手紙の内容は気になりますでしょうが…後編を投稿するまではお預けです!!
そして並びに遅れて申し訳ない 1,2週間随筆活動をしてないだけでこうも感覚という名の妄想力が落ちるとは…チクショーメ!!
ゴホン 夏休みが終わるまでには張任伝終らせる勢いでやろうと思います!!
旧友からのお誘いが無い限りは…
それではアディオス!! @@ノシ
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なんとか出来ました…orz
初めはぱぱっと書けるんですけど。 やはり後半になると起承転結の結の部分が大事だからと思い必要以上に修正を加えたりして遅くなってしまう。
皆さんには申し訳ないですが生温かい目と海より広い御心で待っていてください