董卓こと月に仕えて1ヶ月。
大分ここにも慣れてきた。
「なぁ霞。」
「なんや~?」
昼下がり、俺は霞と鍛錬をしている。
「ここらへんって馬商人いっぱいいるのか?」
「っ!はぁ!当たりッ前やろっ!ヤァ!!」
ふ~ん。後で見に行くかな。いい馬入れば良いんだけど・・・
「全然余裕そうやなっ!」
「そう見えるか?」
「どう考えてもそうやろッ」
俺から間をとり偃月刀を構えようとする・・・が、俺がそんな事させるはずないだろ??
「なっ!」
逆に間を詰める。
「まだ甘いな。」
「うぅ・・・ウチの負けや」
ふむ、霞は筋はいいんだけどね~
「まだまだ、単純だな。もう少し嘘と真を混ぜなければな」
「焔はホンマ強いな~」
「そうこまで強くないよ俺」
どちらかというと恋の方が強いからな・・・・。
才能的にも実力的にも
「まぁいつでも俺は相手になるからな~」
「ホンマ!?」
「うんうん。俺も戦いを通して分かることがあるしな」
さて、仕合も終わったし馬でも見に行くかな
どんな馬がいるか気になる・・・最も俺に合う馬が入ればいいけどな
馬屋は何処かな~??
霞に場所も聞いとけば良かったな・・・。
やっぱり馬屋って行ったら外に近い所だよな?
もしくは外にあるか・・・
「一回城に戻るかな・・・」
ん?・・・・あれは
城へ帰ろうと踵を返すと見知った顔が一つ。
「お~い華雄!」
「ん?おぉ焔かどうした??」
「いや~馬を買いたいんだけどさ中々見つからなくて・・・(汗」
すると、華雄は分かった。と言って俺を案内してくれた。
一軒二軒と馬屋はあり、一つ一つ中を見ていくがいい馬がいない。
「後はこの一軒だけだ」
「ここが最後だな・・・」
ん?
誰か俺を見てる??
「どうした?」
「いや、なんでもない」
気のせいか・・・
「これはこれは華雄将軍。今回はどういったご要件で?」
「うむ。こやつが馬が欲しいよ言うのでな・・・」
「ほ・・・随分と強そうなお方ですな~・・・っと馬でしたな案内致しますので此方へ」
店主の後に付いていくと馬小屋が並んでいた。
どれも立派な馬だ・・・
「このくらいですな~」
「待て、あの奥の小屋はまだ見てない」
一つだけ他の馬小屋と離れている。
「あれは、暴れ馬でして手が付けられないんです」
「暴れ馬か・・・」
「見せてくれないか?」
「焔?暴れ馬を見ても一緒だろう?」
いや。暴れ馬でも意外といい馬はいるもんだ。
俺はその小屋に近づいていくその瞬間
バカーン!!
「っ!」
「なんだ!?」
いきなり目の前の小屋の柵が吹き飛んだ。
それはもう盛大に。
「いきがいいな~」
「お客様!?」
気にせず近ずいていく俺に店主が声を上げて引き止める。
「なに?」
「危ないですぞ!あの馬は乗り手を殺すような馬ですよ!?」
ふ~ん。
それでも俺は近づいていく。
「おぉ・・・・」
中にいたのは全身赤毛で赤髪の立派な馬だった。
ってこれ赤兎馬じゃん!?
全身赤の馬で三国志で呂布って行ったら赤兎馬しかない!
「お客様!!」
「焔!」
「んぉ!!」
危な!?
コイツ蹴ってきやがった!
だが、この発達した筋肉、ヤバイな・・・。これで走ったらどれだけ速いのだろうか・・・やべぇ乗ってみたい。走らせてみた!
「店主。コイツはいくらだ!俺はコイツが気に入った!!」
俺は赤兎の鬣を掴み背中へと飛び乗り俺を降り下ろそうと暴れるのを落ち着かせようとする。
むぅ・・・少しは大人しくなれよ・・・
殺気を出し威厳と言うものを教えこませる。
その内に赤兎は大人しくなる。
どうやら認めてくれたらしい
「うむ。コイツはいい馬だ。頭もいい。」
「はぁ・・・あの暴れ馬を手懐けるとは・・・」
「なにそんなに難しいことじゃないさ所でコイツが欲しいんだけど」
「いいですよ。お金はいりません。元々買い宛がなくただの穀潰しだったので差し上げます。それに呂布将軍の馬となったほうがコイツも喜ぶでしょうし」
マジで!?
いや~それならお言葉に甘えて貰っちゃうよ?
後で金だせとか言われても出さないからな?
「いや~いい買い物したわ~」
「実際、買い物と言うか貰っただけだがな」
今、俺たちは街の大通りを歩いている。
もちろん赤兎も一緒だ。全身赤に他の馬より少しデカイ赤兎は道行く人の注目の的だった。
「赤兎。お前注目の的だな~」
ブルルッ
それにしても・・・
「暇だな~~」
華雄は演習があると言って途中で別れたし・・・・
飯食いに行くってもさっき食ったし・・・
「・・・・・」
「うぉっ!恋!?」
いつの間に!?
「・・・・何処にいってたの?」
「いや、ちょっと」
「華雄といた・・・・」
「あれはだな、馬を探してる時に偶然あってなだな馬を選ぶの手伝ってもらってたんだよ!!」
「・・・・(ジーーー)」
何故そんな淀んだ目で見るんだ・・・・
そんなに俺は信用ないか??
「・・・なら良い」
「ふぅ・・・信じてくれて何よりだ」
「恋はいつも信じてる」
「そうだよな・・・てか、なんでいるんだ?」
確か恋は昼寝をしてたはずなんだが
「焔探してた」
「何故?なんかあったのか??」
「なんか、噂で『天の御使い』って・・・」
あぁ~なんか言ってたな民が・・・
しっかし天の御使いねぇ~
「焔・・・信じる?」
「そうだなぁ~俺は信じるかな~」
信じたほうが面白そうだし・・・
強い奴なら尚更いいし!
「なら、恋も信じる」
「そうだ、恋。飯でも食いに行くか~」
「・・・・(コクコク)」
「若殿~」
「おぅ?」
「ねねを見てませぬか??」
「ねね?確か今日は詠と一緒に軍師の勉強中だった気がするが」
「ぬぅ・・・そうであったか」
「なんかようがあったのか??」
ねねと騰は仲が良いからな。それはもう親子の様に・・・
「いや、今日は一緒に市へと行く約束をしておりましたので」
「なるほどな。しばらく待っておけばいいさ」
もうそろそろ終わる頃だ・・・
しばらく騰と話していると向こうから走り音が聞こえてくる
「騰ー!待ったですか!?」
「ねね!なにワシも今来たところじゃ」
「よかったのです!じゃぁ早速行くのです!」
俺には目もくれず騰の手をとり走っていく。
俺はその後ろ姿を見つめた後、俺はそのままブラブラと特に何もするわけでもなく城の中を歩く。
すれ違う文官武官からは頭を下げられる。
侍女には少し怖がれてるけど・・・やっぱしこの傷でかな??
「まぁいいか・・・」
この傷は俺の誇りの一つだし
しっかし今日は暇だな・・・
なんにもすることがない。
「・・・焔?」
「恋?」
中庭あたりまでくると恋が鉄の首輪を手に持って何かをしていた。
「なにしてるんだ?」
「・・・・磨いてる」
「磨いてるって・・・」
その首輪をか??
てか、一体何に使うんだ?
セキトにしては小さいし・・・しっかしよく磨いてるなぁ~ピカピカだ
「恋、その首輪なんに使うんだ?」
「・・・・・」
チラッと俺を見る。
いや正確に言うと俺の首を、だ
もしかして・・・・
「それ、俺に付けるんじゃないよな?」
「・・・・・///」
ダッ!!
俺は逃げたねそれはもう全力で・・・だってあの目は本気だったもん
「・・・どうして?」
ちょっ!なに首輪もって追いかけてくるの!?てかよく見れば鎖も付いていらっしゃるぅぅぅ!!!
「恋!落ち着けそういうのは人間に付けるものじゃない!」
「・・・大丈夫。人間用って書いてあった」
「なにぃぃ!!」
そんなの売ってる店あんのかよ!?
てか、なんでそんな店で買ってるの!?
「安かった」
「それで何故俺に付けようと!?」
「・・・・似合う」
似合うか!!!
とにかく全力で逃げなければ捕まったら何されるかわからん!
「とぅッ」
岩を踏み台に屋根へと登る。
「逃がさない」
ちょっ!踏み台なしかよ!
てか目に光がない!!
恋があのモードに入ったら、ヤバィ!
そういや、今日調練所で俺の兵が自主練してるはずだったはず!
「あっ、呂将軍どうしたんですか?」
「これは訓練だ!恋を呂姫を止めろ!!」
「えぇ!?!?」
俺はそれだけを言い、駆け抜ける
「・・・・邪魔」
ギャァァアアアーー!!!!
後ろから兵の悲鳴が聞こえるが今は気にしている暇はない。
すこしは時間稼ぎ出来たはずだ!
ガシィ!
え??
な・・・ん・・・で
「・・・捕まえた」
「いやぁぁあ!!誰かぁぁ!!!」
「・・・・・」
ズルズル・・・・
「助けてくれーーー!!!!!!!!!!!」
俺の抵抗は虚しく、恋の部屋へと連行された。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「うん?今、焔殿の声が聞こえませんでしたか??」
「若殿の??」
「う~ん。確かに今叫び声のような悲鳴のような・・・」
「ワシには聞こえなかった」
市の通りで騰が饅頭の入った袋を片手に空を仰ぎ見る。
「まぁ・・・いつもの事か」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「うぅ・・・」
「~♪」
その後、俺が首輪に繋がれ恋が鎖を持ち歩いてる所が見られ、城の中でしばらく噂になった・・・
「月が呼んでる?」
「そうだ。なにやら重要なことらしい」
月が?
なんだろうか?
「先に行っててくれ、恋を連れて直ぐに行く」
「あぁ、分かった」
それにしても、いきなりだな。
おそらく、黄巾党の事だろうな時期的に・・・
「おーい!恋ー!」
「・・・・・焔?」
「訓練中悪いな月が呼んでるらしいから行くぞ」
「・・・分かった。騰」
「兵の訓練はワシがやっておきましょうかの」
「あぁ頼む」
騰に任せておけばまず大丈夫だろう・・・
さて、
「皆に集まってもらったのは・・・知ってると思うけど最近出てきた黄巾の賊の事よ・・・」
黄巾か・・・
「それと、この頃この大陸に舞い降りたと言う天の御使いの事よ」
「天の御使い?本当に現れたのか?」
「情報では今は劉備と言う者が率いいる義勇軍に身を寄せているらしいわ」
ほぅ・・・
「それで、本題なんだけど黄巾の賊が大陸の至るところに出現して今では張角と張梁と張宝って言う奴が率いているらしいわ」
「ほんでその数は?」
「軽く10万を超すようよ」
「じっ10万だと!?」
詠の言葉に華雄が驚きの声を上げる。
てか耳元で叫ぶな五月蝿い!
「それで朝廷はどうなしたんだ?」
「えぇ。やっと事の重大さに気付いて各諸侯に黄巾党討伐令を出したわよ」
やっとか、しっかし漢王朝も地に落ちたな気付くのが遅すぎだ。
「俺たちも出るのか?」
「はい。私達にも勅命として来てますし何より民の為にも早くこの乱を鎮めなければなりません」
月の言う通りだな、この涼州は俺達と馬騰がことごとく殲滅したから黄巾は居ない。
というか、月も馬騰も善政をしているのでそもそも民が反乱を起こすことはない
「ならば私達は中央まで行かねばならぬのか」
「そうなるわね、黄巾の主力は今洛陽付近に陣をとっているそうよ」
長い行軍になりそうだ。
まぁ俺の兵は長い行軍は少しは耐性があるから大丈夫だろうが・・・
「あと、焔。貴方が言ってた鐙と鞍あれは最高ね。騎馬の攻撃力を更に増すわ!」
「あぁ、喜んでもらえて何よりだ」
さて俺も用意するかな
それにしても天の御使いか・・・強い奴だったらいいな
ブルっ
「どうしたのご主人様?」
「いや、何でもないよ桃香」
気のせいか・・・
「ご主人様ー!賊が瓦解しました!」
「よしっ桃香!本陣は任せたぞ!」
「え?え?」
ハァッ!
その掛け声と共に乗っていた馬を駆けらせる。
「行くぞ皆!もう人踏ん張りだ!俺に続け!!」
おぉぉぉお!!!!!
「もう!またご主人様!危ないよ!」
「はわわッ!愛紗ちゃん!」
「分かっている!者共!我らが天の御使いに続け!」
オォォォオオオオ!!!!
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