No.264784

【デジナミ】プロローグ【小月暁夜】

七月一夜さん

小話投稿失礼します!

うちのこ(ルナ)【http://www.tinami.com/view/260696
の、デジナミに参加するきっかけはこんな感じでした。
これから色んな人と出会って、成長してくれる、はず……!

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2011-08-08 14:47:03 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:509   閲覧ユーザー数:503

 

「おかえりなさい、神城さん。

 お兄様から、お手紙とお荷物が届いていますよ」

 

学校から寮に帰ってすぐ、

寮母さんから、はいどうぞ、と押し付けられたのは、

大きなダンボール箱2箱と、1通の手紙だった。

 

ありがとうございます、と荷物を抱えて部屋に戻る。

普通なら、連絡もなしに大荷物が届いたら、首をかしげるものだろうけれど。

 

(兄さんだから、仕方ないよね・・・)

 

伝票に書かれた差出人の名前を確認して、ため息がひとつ。

そこには、しっかりと兄の名前が記されていた。

 

たとえ連絡も無く荷物が送られて来ても、いつものこと。

以前だって、いきなり大量の洋服と靴(しかも私にぴったりの)が送られてきたり、

大量の食料(非常食とか書いてあった)が送られてきたことがあった。

 

兄に常識は通じない。そういう人なのだ。

 

そこでふと、思い出す。

いつも、しつこいくらいに連絡をしてきていた兄から、

ここ数日、全くといって良いほど、電話もメールもないことを。

 

(最後に電話が来たときに、仕事が忙しくなるって言ってたっけ)

 

便りが無いのは元気な証拠、と考えて、

部屋の片隅に荷物を置き、先に手紙を開封する。

 

そこには、ホチキスで留められた、説明書のような紙が数枚と、

それとは別に、便箋が1枚入っていた。

 

便箋の方から先に、目を通す。

なぜだかとても可愛らしい、赤い竜のような動物が印刷されたそれに書かれていたのは。

 

 

 拝啓 妹殿

 全力で楽しめ。出来るなら、俺を捕まえてみせろ

                       敬具

 追伸 職業はジェネラルを選ぶこと。        

 

 

さっぱり訳が分からない。何がしたいんだろう、あの兄は。

 

首をかしげながら、一緒に入っていた便箋に目を通す。

それはオンラインゲームの簡単なマニュアルだった。

 

このあいだ、新しくサービスを開始したばかりだという、

「デジナミワールドオンライン」の。

 

(でも、オンラインゲーム以前に、

 私はパソコンを持ってない・・・って、もしかして)

 

 

手紙をおいて、段ボール箱を開ける。

そこには、真新しいモニタと、PCの本体、それと付属品が一式入っていた。

 

つまり、兄が私に求めているのは。

(このゲームをやって、自分を見つけてみろ、と。)

 

はあ、とまたため息がもれる。

高校に入学して、大分慣れてきた今、

部活に入っていない私には、暇な時間が結構ある。

 

だから、少しぐらいゲームをしても、問題は無い。

実際、最近は暇な時間をもてあましていた位だったし。

 

兄の思惑に従うことに抵抗を感じなくはない、けれど。

放置すると、あのひとのことだから、人様に多大な迷惑を与えかねない。

 

そうとなれば。

やることは直ぐに決まった。

 

「やるしかない、か。

 よし、やるからには本気で行くよ!」

 

丁寧に梱包されているPCの設置にかかりながら。

私は気合を入れたのだった。

 

 

はじまりは、そう。

本当に、些細なきっかけだったのだ。

 

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あらすじ(ある日の流奈の日記より、抜粋)

 

○月×日

兄から、手紙とPCとデジヴァイス+αが送られてきた。

手紙の内容は、全力で楽しんで自分を捕まえてみせろという、

意味不明なものだった。

 

でも、放っておくと、とてつもない迷惑を周りの人にかけそうなので、

デジナミワールドへ探しに行くことにした。

 

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