No.263435

織斑一夏の無限の可能性5

赤鬼さん

やっと出来ました。

セシリアが今回からデレます。

まぁ、原作とは違った風に心がけているんですが、どうでしょうか?

続きを表示

2011-08-07 12:13:14 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:6449   閲覧ユーザー数:6011

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Episode5:織斑一夏様はわたくしの旦那様

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【???side】

 

 

いくつも展開されているウィンドウの中、映し出しているのはIS学園。

 

先程まで一夏とセシリアがクラス代表を決める為に争っていた第三アリーナでの様子である。

 

落下するセシリアを追いかけるように急降下する一夏の白式。

 

ただ、本来であれば間に合う筈がなかった―――

 

それくらいの距離が一夏とセシリアの間にはあった。

 

ISのシールドエネルギーが底をつき、後は地面に激突するだけ―――

 

あのアリーナにいる誰もがその悲惨な結末を予想していただろう。

 

ウィンドウを眺める人物もまた然り。イギリスの代表候補生は重傷を負う、最悪は命の危険までもあった。

 

しかし、予想は裏切られる。

 

一夏に、世界で唯一の男のIS操縦者というイレギュラーな存在、織斑一夏に。

 

 

「むむむー、最後のあの百式の動き。あれは零落白夜じゃない。面白い、面白いよー♪さすが、いっくん♪」

 

 

モニターに映し出されるのは単一仕様能力《ワンオフ・アビリティー》、零迅雷光《れいじんらいこう》を発動させた白式。

 

肩部、腕部、脚部、胸部、スラスターの各装甲が展開し、露出した内部装甲が赤く発光しているのだ。これには白式の設計を手掛けた本人も驚くしかなかった。

 

二次移行《セカンド・シフト》ではなく単一仕様能力の進化。

 

ISというものはIS操縦者に合わせて進化する。

 

しかし、白騎士から始まる一連のISで単一仕様能力を発動させる事自体が稀なのだ。その稀な事をISに乗って間もない一夏が発動させた事だけでも驚く事なのに、さらに単一仕様能力を進化させるなど前代未聞にも程がある。

 

 

「これはいっくんに会いに行くしかないなー。ちーちゃんや箒ちゃんにも会いたいし。その前にもう少し情報も欲しいから......」

 

 

そして手はそのまま忙しなくキーボードを叩き続ける。

 

 

【セシリアside】

 

 

窓から流れる風が気持ちいい。

 

 

「......ん」

 

 

「気が付いたか?」

 

 

瞼をゆっくり開けると、自分はベッドに寝かされ、ベッド脇には織斑先生がいた。

 

自分は何で寝かされているのだろう? ―――記憶を探る―――そうだ、私は負けたのだ。あれだけ卑下していた男に、いえ、織斑一夏という存在に。

 

 

「取り合えず、今日はゆっくり休め。さっきまでお前を心配して、織斑や他の生徒もいたのだが、邪魔になるから部屋に帰した」

 

 

「―――そうですか......」

 

 

織斑先生はまだ仕事が残ってるらしく、私が気付いたという事で保健室を出て行った。

 

―――織斑一夏。

 

思い出すのは今日、初めて自分の専用ISに乗って、わたくしと戦った男のIS操縦者。

 

実践の中で初期化《フォーマット》と最適化処理《フィッティング》を済ませるという常識から逸脱した行為を行った。

 

その上で実力でわたくしをねじ伏せた。

 

彼は勝負の最中に言った。

 

 

「守られているだけの人生は今日で終わりだ。これからは俺が―――俺が千冬姉を、家族を、守ってみせるっ!」

 

 

彼は強い意志の宿った瞳でわたくしを射抜いた。

 

他社に媚びる事のない眼差し。それは自分の父親を逆連想させる。

 

父は母の顔色ばかりを窺うような人だった......。

 

名家に婿入りした父は母に多くの引け目を感じていたのだろう。幼少の頃からそんな父親を見ていた所為で、『将来、情けない男とは結婚しない』という想いを幼いながらに抱かずにはいられなかった。

 

ISが発表されてからの父の態度は益々弱いものになり、母はそんな父の態度がどこか鬱陶しそうで、父との会話自体を拒んでるかのように思えた。

 

母は女尊男卑社会以前から女でありながらもいくつもの会社を経営し、成功を収めた人だった。厳しい人だったが、憧れの人だった。

 

そう、『だった』。つまり過去形。両親はもうこの世にいない。三年前に事故で他界した。

 

いつも別々に過ごしていた両親が、その日に限ってどうして一緒にいたのか、今ではその真相も分からない。

 

死傷者百人を超える大規模な鉄道横転事故。陰謀説も囁かれたが、事故の状況があっさりとそれを否定していた。

 

両親が帰らぬ人になって、それからはあっという間だった。

 

手元には莫大な遺産。金の亡者がわたくしに近寄ってきた。わたくしはそんな金の亡者から遺産を守るために寝る間を惜しんで勉強し、自分を鍛え上げた。

 

その一環で受けたIS適性テストでA+が出た。政府から国籍保持の為に様々な好条件が出され、わたくしは両親の遺産を守る為、即断した。

 

第三世代装備ブルー・ティアーズの第一次運用試験者に選抜され、稼働データと戦闘経験値を得る為に日本に着た。そして―――出会ってしまったのだ。織斑一夏と。理想の、強い決意を秘めた瞳を持つ男と。

 

彼を想うと胸が熱くなる。

 

意識すると胸をいっぱいにする、熱いのに甘く、切ないのに嬉しい気持ち。

 

―――彼をもっと知りたい。

 

―――織斑一夏をもっと知りたい。

 

 

【一夏side】

 

 

「では、1年1組代表は織斑一夏くんに決定です。あ、一繋がりでいい感じですね!」

 

 

山田先生は嬉々として喋っている。そしてクラスの女子も大いに盛り上がってる。

 

しまったぁぁぁーーーーーっ!!

 

つい、勝負だからって熱くなってしまっていたが、勝者がクラス代表になる事を忘れてたぁぁぁーーーっ!!

 

後悔しても後の祭り。クラス代表はもう俺に決まったのだから。

 

クラス代表、簡単に言ってしまえば委員長。よく考えてみてくれ。普通の学生ならこんなめんどくさいポジションに自分からなろうとは思わないだろう? 俺自身そうだった。なのに、なのに......。

 

視線を上げると嬉しそうにニコニコしてる山田先生。

 

ただ、初めての自分の専用ISというだけでなく、過去数回程度のISへの搭乗の中で一番、自分の感覚と同調《シンクロ》したのもセシリア戦が初めての体験だった。

 

胸の中で沸き起こる高揚感、そして最後に発動した零迅雷光という白式の能力。最後の零迅雷光は白式が俺の為に力を貸してくれたような感じがした。

 

何もかもが初めての体験だったから、すっかり忘れてたんだ。勝者がクラス代表になるって事を。

 

 

「胸を張って下さい。一夏様はイギリス代表候補生であるわたくしセシリア・オルコットに勝った唯一の男性なのですから」

 

 

―――ん? 一夏”様”? あれ? 今、俺のこと名前で呼んだ?

 

 

「やはりIS操縦には実戦が何よりの糧。クラス代表ともなれば戦いには事欠きません。わたくしの”旦那様”になるお方にはやはりもっと自身を磨いていただきたいと思いまして―――」

 

 

―――ん? 今度は”旦那様”? 俺の耳がおかしいのかな?

 

どうやら聞き間違いではなかったみたいで、セシリアのいきなりの旦那様発言にクラスメイト達の黄色い怒号が教室中に響き渡る。

 

 

「きゃぁぁぁぁぁぁーーーっ! いきなりプロポーズ?」

 

 

「セシリア、抜け駆けはダメだよ」

 

 

「待ってっ! 織斑くんは私のなの」

 

 

いやいや、俺は誰のものでもないし......。そもそもセシリアの”旦那様”になった記憶もない。

 

そもそも俺ってセシリアにはよく思われてなかったような......?

 

 

「コホン、一夏様はわたくしのように優秀かつエレガント、華麗にしてパーフェクトな女性の伴侶にこそ相応しいのですっ! 今後はわたくしが一夏様にIS操縦を教えて差し上げれば、それはもうみるみるうちに成長を遂げ―――」

 

 

セシリアはクラスメイトの声を遮るかのように軽く咳払いをして、話を切り返そうとしたのだが、机を叩き、立ち上がった箒が異を唱えた。

 

 

「ふ、ふ、ふざけるなっ! 一夏はお前の旦那なんかじゃないっ」

 

 

うん、その通りだ。もっと言ってやれ。

 

 

「私のだっ!」

 

 

机にダイブした。うん、俺がね。

 

 

「えぇぇぇっ! 篠ノ之さんも?」

 

 

「うっそー。篠ノ之さんってもっと堅い人だと思ってたー」

 

 

うん、俺もそう思ってた。箒の方を見ると耳まで真っ赤にしてるが。しかも今の状況って......俺、二人の女の子から告白されてる? 嘘、この俺が?

 

 

「そもそも、一夏の教官は事足りている。私が、この私が、一夏に直接頼まれたのだからな」

 

 

な、何だ何だ? 『私が』を特別強調した箒は真っ赤になりながらも殺気立った瞳でセシリアを睨んでる。

 

しかし、セシリアは箒の視線に動じる事もなく、正面から受け止め、視線を返している。しかもちょっと誇らしげに。

 

 

「あら、貴方はISランクCの篠ノ之さん。Aのわたくしに何か御用かしら?」

 

 

「ラ、ランクは関係ない! 頼まれたのは私だ。い、一夏がどうしてもと懇願するからだ」

 

 

懇願? してねぇー

 

 

「でも、箒ってランクCなのか......?」

 

 

「だからランクは関係ないと言っている! 関係ない奴は黙っておけ」

 

 

怒鳴られた。しかもこれって俺が話題なんだよな? え? 関係ないのか?

 

ちなみに俺のランクはBらしいが、これって確か訓練機で出した最初の格付けだから、千冬姉はあんまり意味がないと言っていたような。

 

 

「座れ、馬鹿ども」

 

 

セシリア、箒の頭を出席簿でばしんと叩いて、ヒートアップしていた二人を座らせる。

 

さすがは元日本代表にして第一回世界大会の覇者、凄味が違う。

 

 

「お前達のランクなどゴミだ。私からしたらどれも平等にひよっこだ。まだ殻も破れていない段階で優劣を付けようとするな」

 

 

さすがのセシリアも第一回世界大会の覇者である千冬姉に言われては反論の余地もないらしい。何か言いたそうな顔をするも結局、言葉を飲み込んだ。

 

 

「代表候補生でも一から勉強してもらうと言っただろう。くだらん揉め事は十代の特権だが、生憎今は私の管轄時間だ。自重しろ」

 

 

家での千冬姉しか知らない俺からしたら今の千冬姉は何か新鮮だ。いつも家では下着姿でウロウロするわ、酒ばっかり呑んでるわ、俺が作ったおつまみの味に難癖を付けるわ、で傍若無人極まりないのにな。

 

そういえば、千冬姉は一年の寮長も務めている。宿直室のような所で寝泊まりしているんだろうけど、部屋の片付けとかどうしてんだろ?

 

ご飯は学食があるからまだいいが、掃除洗濯を、あの千冬姉が出来るのか? ―――うん、無理だな。凄い事になってそうだ。もう24歳にもなる立派な社会人なのに―――と、思考に耽っていると頭を叩かれた。

 

 

「......お前、今何か無礼な事を考えていただろう?」

 

 

「そんな事は全く思っておりません」

 

 

席を立ち、敬礼してキッパリと言い放ったのに、また頭を叩かれた。

 

 

「―――すみませんでした」

 

 

あまりにも理不尽。善良な一市民は暴力に屈するしかないのかっ!!

 

ギロッ!!

 

睨まれた。

 

 

「クラス代表は織斑一夏。異存はないな」

 

 

はーいとクラス全員が一丸となって返事をした。勿論、俺以外な。

 

 

「では、これよりISの基本的な飛行操縦を実践してもらう。織斑、オルコット。試しに飛んでみせろ」

 

 

所かわって現在は他のクラスメイトにとってISの基本機動を見せる授業。

 

しかし周りは全員女子。しかも全員がボディーラインがハッキリと分かるISスーツを着ている。

 

基本、ISスーツは操縦者の動きをダイレクトに各部位へと伝達するためにボディーラインにフィットするように作られている為、スタイルが丸分かりになる。

 

胸が大きい子はもうダイレクトにっ!!

 

胸が小さい子は小さくてもその少し膨らんだ胸が......イイっ!!

 

もうね、正直、目のやり場に困る。

 

箒の胸は破滅的に大きいし、セシリアも改めて見るとスタイルがいいらしく、胸は箒ほどではないが、充分な大きさがある。

 

しかも他のクラスメイトの中でもダークホースだったのが、のほほんさんだ。

 

デ、デケェー。箒より少し小さいくらいか?

 

普段あんなにのほほんとしてるのに、胸が大きいなんて反則じゃないですか?!

 

精神年齢20代半ばでも体はまだ10代。込み上げる性的衝動《リビドー》を抑え込むのも一苦労だわ!

 

 

「早くしろ。熟練したIS操縦者は展開まで一秒とかからないぞ」

 

 

ハッ!!

 

千冬姉の言葉に我に返る。いかんいかん、煩悩退散煩悩退散っ!!

 

ISは一度、最適化処理《フィッティング》したら、操縦者の体にアクセサリーの形状で待機している。セシリアは左耳のイヤーカフス。俺は右腕のガントレット......これって、アクセサリーじゃないよね? ガントレットって防具だよね?

 

セシリアはさすがイギリスの代表候補生といったところか、気付けば、ISを既に装着している。俺との対戦で損傷した箇所も既に修復されているようだ。

 

さて、早く装着しないと千冬姉に怒られる。

 

精神年齢は俺が上の筈なのに、どうも逆らえない。

 

頭を叩かれる前にさっさと済ませてしまおう。ISが展開されるイメージを頭に浮かべながら......右腕を突き出し、ガントレットを左手で掴む。

 

―――来い、白式

 

頭の中で呟く。刹那、右手首から全身に薄い膜が広がっていく。体から光の粒子が解放されるように溢れ、再集結するようにまとまり、IS本体として形成される。

 

「よし、飛べ」

 

 

言われて、即座にセシリアは急上昇し、遥か頭上で静止する。

 

まだ飛ぶ感覚というのに慣れない。その所為でセシリアの上昇速度に比べるとかなり遅い。

 

 

「何をやっている。スペック上では白式の方が出力は上なんだぞ」

 

 

そうは言っても、ISに乗ったのなんて、まだ片手で数えるくらいしかないからな~。一応、先日の授業で急上昇、急下降は習ったばかりだ。『自分の前方に角錐を展開させるイメージ』と言われても、どうにも掴めない。

 

剣の事なら感覚でも分かるんだけどな。ISになると、そうもいかない。

 

 

「一夏様、イメージは所詮イメージ。自分がやりやすい方法を模索する方が建設的でしてよ」

 

 

「......あ、あの、セシリアさん? その、一夏様って......?」

 

 

「一夏様。わたくしの名前は呼び捨てでお願いします」

 

 

「は、はぁ......」

 

 

先日のクラス代表決定戦が終わってからというものセシリアの様子がガラッと変わった。

 

俺に対する接し方が凄く柔らかくなっているのだ。

 

初日にあれだけツンツンされたから、いまいち違和感があるのだが。

 

 

「ところで一夏様。ISに慣れていないのでしたら、わたくしが放課後に指導して差し上げますわ。ISは稼働時間が物を言いますし、何より一夏様は専用ISを用意されたばかり。ここはIS操縦に慣れている代表候補生であるわたくしの指導が必要だと思いますの」

 

 

「それもそうだよな。じゃあ、セシリア。頼めるかな?」

 

 

「はいっ!よろこんで―――」

 

 

『一夏っ! いつまでそんなところにいる! 早く降りて来い!』

 

 

いきなり通信回線から怒鳴り声が響く。見ると、遠くの地上では山田先生がインカムを箒に奪われておたおたしていた。

 

遥か上空から遠く離れた地上を確認する事が出来るのもISのハイパーセンサーによる補正だ。

 

 

『織斑、オルコット。急降下と完全停止をやって見せろ。目標は地表から10センチだ』

 

 

「了解です。では一夏様、お先に」

 

 

千冬姉の指示に従い、すぐさまセシリアは地上に向かう。そして地表寸前で身を翻し、ピタリと地表から10センチ近く離れたところで完全停止する。

 

さすがに代表候補生なだけあるな。―――じゃあ、俺も行くか。

 

意識を集中させ、背中の翼状の突起からロケットファイアーが噴出するイメージを頭に浮かべ、姿勢を地上に向け、一気に下降する。そして―――

 

ズドォォォーーーンッ!!!

 

―――墜落しました。

 

「馬鹿者。誰が地上に激突しろと言った。グラウンドに穴を開けてどうする」

 

 

「......すみません」

 

 

うーん、かっこわりぃ。しかし、あれだけ遠く離れた上空から地上に激突しても一切怪我をしていない。さすがISの絶対防御といったところか。

 

 

「情けないぞ、一夏。昨日、私が教えてやっただろう」

 

 

箒さん? 昨日教えたというのは、

 

 

『ぐっ、とする感じだ』

 

 

『どんっ、という感覚だ』

 

 

『ずかーん、という具合だ』

 

 

という擬音だらけの全く訳分からないIS講座の事を言っているのだろうか?

 

 

「何か失礼な事を考えているだろう」

 

 

顔に出てたかな、俺。

 

 

「少しはかっこよくなったかと思えば、んんん! 大体だな、一夏。お前という奴は―――」

 

 

これから箒の小言が始まるかと思いきや、箒を突き飛ばして、セシリアが俺に近付いてくる。

 

 

「大丈夫ですか、一夏様? お怪我はなくて?」

 

 

「あ、あぁ。怪我はないかな。うん、大丈夫......あはは」

 

 

か、顔が近いっ! 目と鼻の先まで近づくセシリア。やっぱりセシリアって美人だよな~なんて考えてたらセシリアの後ろに阿修羅がいました。

 

ドス黒いオーラを惜しげもなく撒き散らしながら、箒の長い黒髪でゆらゆらと揺れている。

 

こ、怖い......

 

 

「......ISを装備していて怪我などするわけがないだろう......」

 

 

「あら、篠ノ之さん。他人を気遣うのは当然の事。それがISを装備していても、ですわよ? 常識ですわ」

 

 

「お前が言うか。猫かぶりめ」

 

 

「鬼の皮をかぶっているよりマシですわ」

 

 

バチバチッ。二人の視線がぶつかって火花が散っている。周りを見ればクラスメイトのほとんどはそんな二人に脅えている。

 

 

「おい、馬鹿者ども。邪魔だ。端っこでやっていろ」

 

 

千冬姉の一喝に二人は黙り込んでしまった。さすが鬼教官。

 

 

「織斑。お前はグラウンドに穴を開けた罰だ。片付けをしておけよ」

 

 

とほほ......やっぱりこの姉には俺も逆らえそうにないみたいだ。

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
6
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択