No.24671

今宵、窓から

出雲麗華さん

REBORN!の二次創作で雲綱です。
だいぶ前の作品なのでおかしい所満載ですが、どうぞよろしくお願いします!

2008-08-12 22:31:54 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:919   閲覧ユーザー数:884

 

 

 

突然の窓からの侵入者は、

 

 

「やぁ、綱吉」

「っえぇ?!ひ、雲雀さん?!!」

 

 

神出鬼没な風紀委員長様でした。

 

 

 

『今宵、窓から』

 

 

 

家庭教師(リボーン)の地獄のような扱きから開放され、一息ついた頃。

 

 

「はー、今日も疲れたなぁ。お風呂でも入ってこよ」

 

 

その人はやって来た。

 

 

「久しぶりにランボと入ってやるか」

 

 

呟いた瞬間、タイミングを図っていたかのようにドアが開いた。

 

 

「ツナー!ランボさんが一緒にお風呂入ってやるもんねー」

「はいはい。着替えは持ったのか?」

「ママンが下で用意してた!」

「じゃあ行くか」

「ランボさんと競争だもんね!」

「ちょ、おいランボ!もう、しょうがないなぁ」

 

 

などとぼやきつつも着替えを用意した綱吉は、走って部屋を出ていったランボを追って階段を下りた。

部屋の窓が開いているのも知らずに。

 

 

+++++

 

 

お風呂からあがった綱吉は髪を乾かした後、特に宿題も出なかった為テレビを見てダラダラ過ごしていた。

バラエティ番組を見ていると、母親の奈々がリビングへとやってきた。

 

 

「ランボくん、イーピンちゃん、そろそろ寝る時間よー!」

 

 

奈々の一言でお風呂から出てかなりの時間が経過している事に気付いた綱吉は、自分も今日は早めに寝ようと思い自室へ戻った。

 

リボーンは今日用事があるらしく、俺の部屋には誰もいないはずだ。

しかし、階段を上がって2階の自室の前に着いた時、綱吉は異変に気付いた。

部屋の電気が点いているのだ。

 

 

「(さっきお風呂に行く時はたしかに消したはずなのに・・・)」

 

 

不審に思いつつもとにかく中に入ってみなければ何もわからないと思い、綱吉は意を決してドアノブに手を掛けて押した。

 

綱吉が予想したのは泥棒等の類だったのだが、実際はもっと厄介な人間が窓枠に座っていた。

 

 

「やぁ、綱吉」

「っえぇ?!ひ、雲雀さん?!!」

 

 

そう。窓枠に座っていたのは、並中最強風紀委員長こと雲雀恭弥本人だったのだ。

窓を開け放して、靴を履いたまま窓枠に片膝を抱いた状態で横向きに腰かけていた雲雀は、綱吉に話しかけた後に一応靴を脱いで部屋の中に入って来た。

そして侵入後の第一声は「遅いよ。いったいどれだけ僕を待たせる気?」というなんとも理不尽なものだった。

これにはさすがの綱吉も呆れるが、機嫌を損ねると厄介なので下手にでる。

 

 

「いや、あの、俺、雲雀さんが来るって知らなかったんですけど・・・」

「当然だよ。言ってないからね」

「じゃあ俺のせいじゃないじゃないですか・・・!」

 

 

一瞬にして下手から半泣き状態になってしまいながらも訴える綱吉に、雲雀は更に理不尽な主張を続けた。

 

 

「赤ん坊が今日は二人きりにしてやるって言うから来たんだよ。それなのに君はいないし・・・。不用心に窓は開いていたけどね」

「ぅえ?本当ですか?!」

「僕が嘘つくとでも思ってるの?本当だよ。現に今、僕は窓ガラスを割らずに部屋に入れているしね」

 

 

確かめるようにして窓に近付き、先程脱いだ靴を持っていない方の手でガラスを軽く叩いた後、雲雀は再び綱吉の方を向いた。

 

 

「ところでこれ、どうすれば良いの」

「へ?あ、はい。靴ですか?えーっと・・・じゃあとりあえず貸して下さい」

「ん」

 

 

一応の配慮として靴の置き場を尋ねてきた雲雀に一瞬反応が遅れながらも、綱吉はティッシュを数枚重ねた上に預かった靴を置いた。

今日は雨も降っていなかったから部屋の中に置いても大丈夫だろう。

帰りも窓から出ていくと予想した綱吉は出来るだけ靴を窓際に寄せた。

 

 

「そういえば雲雀さん。何か俺に用でしたか?」

「別に特には無いよ。ただ、帰る時に赤ん坊に言われたから来た、それだけだよ」

「・・・そう、ですか」

 

 

わざわざ自分から来た雲雀に自分に会うだけのために来たのではないかと期待していた綱吉は少し落ち込んだ。

 

 

「(やっぱりリボーンが目当てなんだ。雲雀さんは俺の事そんなに好きじゃないのかな)」

 

 

立ち上がった後に俯いて動かなくなった綱吉に気付いた雲雀は怪訝そうに声をかけた。

 

 

「どうしたの、そんな所に突っ立って・・・。こっちにおいで」

「・・・・・・はい。」 

 

 

綱吉は、まるで自分の部屋のように振る舞う雲雀に対して「本当はここ俺の部屋なのにな」と思いながらも雲雀の指した場所、ベッドの上の雲雀の隣に腰かけた。

近寄ってベッドに座ったと思った瞬間。

雲雀の手によってぐいっと肩を抱かれ、引き寄せられた。

 

 

「っ?!雲雀、さん?」

「言っておくけど、僕は赤ん坊に言われた位で気に入らないやつの所に行く程お人好しじゃないよ。君だから来たんだ。そうでなければこんな夜這いまがいな事はしない」

「・・・えー、と・・・・・・それはつまり・・・どういう事です、か?」

「はぁ、本当に君は鈍いね。こういう事だよ」

 

 

言った瞬間、肩を抱いていた手とは逆の手で顎を掴み上げられキスをされた。

 

触れるだけのキス。

たった数秒の事なのに、綱吉には長く感じられた。

 

 

「だから君が不安がる必要は無いよ。今日来たのだって君に会うためなんだからね」

「っ・・・・・・はい・・・!」

 

 

少し顔を赤くしながら普段は言わないようなセリフを言った雲雀に綱吉がお礼の意味を込めて満面の笑みで返事をすると、一瞬きょとんとした雲雀も微笑みを返してくれた。

 

 

貴方は俺の悩みさえもお見通しなんですね

ちょっと怖いけど本当は優しい

それに俺の事を安心させてくれる

そんな貴方のことが俺は大好きです

 

 

 

 

 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
1
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択