No.239578 魔動少女ラジカルかがり SHOOTING -第五話Aパート-Leniさん 2011-07-28 13:27:30 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:537 閲覧ユーザー数:415 |
偶然手に入れた不思議な力。何とも都合の良い話。
持たざるものがいつも渇望してやまない話だ。
不思議なことだ。
ユーノくんと出会った少女も不幸に巻き込まれてしまったのだろうか。
手にしたのは魔法の力。現実を書き換える超人の力。
魔法が導くその出会いは、偶然なのか、人災なのか、解らないけれど……。
管理外世界第一級遺失物回収任務、始まります。
――――――
テスト投稿二次創作SS 魔動少女ラジカルかがり SHOOTING
テスト内容:原作キャラ描写のテスト
原作:魔法少女リリカルなのはアニメシリーズ
原作設定:日本製シューティングゲーム各種
ジャンル:転生憑依者の独善的原作介入 を眺める原作未登場の第三者
――――――
「時空管理局嘱託魔導師、カガリ・ダライアス。ただいま到着致しました」
パイロットスーツに身を包み、バイザーを外して管理局式の敬礼を行う。
次元空間航行艦船のメインブリッジ。通信士と操舵士、それと士官達が私を待っていた。
「ようこそ、アースラへ。楽にして頂戴」
緑の髪を長く伸ばした妙齢の女性が正面で私を迎えた。高速航行船の中で見た資料によると、この方が艦長のリンディ・ハラオウン提督だ。
なお、本艦アースラは次元空間の航行中ということで超長距離転送を行わず、管理局の小型高速船で駆けつけたのだ。操縦士さんは仕事が詰まっているのか、到着即Uターンして帰っていった。
この艦は床や壁のいたるところが光っていて、いかにも魔法の船と言う感じだ。
民間の航行船やスクライア一族の艦とは趣が違う。環境維持機能や動力レベルで大きな差があるのだろう。
これが海の人たちの誇る巡航L級艦、か。
「異例の嘱託魔導師側からの出動申告、受けていただきありがとうございます」
「こちらも急な出動で準備が足りなかったから、大歓迎よ。それで現在の状況なんだけれど……聞いているかしら?」
「最初の通報の内容以外は何も……航行船ではモニタリングできませんでしたので」
ふむ、とつぶやきハラオウン提督はついてこいと合図して歩き出した。
艦長席らしきモニターの前まできてパネルを捜査する。
「ヤマト・ハーヴェイ執務官補佐が偵察任務のため現地へ先行。ユーノ・スクライア氏と現地魔導師を保護。その後、ロストロギアの探索に入ったわ」
空間モニターに表示される現地魔導師と言われた私と同い年くらいの女の子。
ユーノくんは……えーと、画面テロップによると首の長いねずみのような小動物がユーノくんらしい。
現地の原始魔術の呪いでもかけられた? ユーノくんは呪われてしまった!
会いに行ったとたん呪ってやるーとか襲ってきたら嫌ですね。
「到着から現地時間七日経過時点で、回収したロストロギアは現地魔導師が確保していた分も合わせて六個」
いろいろ突っ込みどころがあった画面が切り替わり、菱形の青い石が映し出された。
下にはジュエルシードの文字。ユーノくんに聞いていた第一級
「本艦はカガリ・ダライアス嘱託魔導師の到着をもって正式出動とし待機状態を解除。約二十分後に第97管理外世界のジュエルシード発見地区へ到着。海上の亜空間領域で停泊し保護対象を収容します」
なるほど、順調に事は進んでいるらしい。
ヤマトさんが既に向かって探索任務を行っている以上、正式出動と言うのも形式的なものだろう。
「ここまでが現在までの進行状況ね。で、現地のロストロギアの状況だけど……ヤマト執務官補佐は保護対象との接触前に指定ロストロギア、ジュエルシードを発見。暴走直後に封時結界を展開して、現場に駆けつけた保護対象と共に封印を執行。それがこのときの記録映像」
画面が再び切り替わる。
管理外世界の町並み。純科学文明の先進国のコンクリートで固められた情景は、この世界の漫画で見慣れたものだ。
空は封時結界独特の暗い色に染まり、人の立ち入りを封じている。
画面の中心にはねじれた巨大な樹が一本、地面を割って突き出していた。
これがジュエルシードの暴走した姿なのだろう。枝葉を伸ばそうとうねっているが、内向きの防護結界に包まれて街への侵食を防がれている。
空には管理局の制服を白くしたようなバリアジャケットを着込んだヤマトさんが、魔法陣を展開しながら浮いていた。
彼は魔法弾をばら撒くのが大好きなトリガーハッピーだが、総合魔導師資格も取れそうなほど魔法全般に秀でている。
樹の防護結界もヤマトさんによるものだろう。
そんなヤマトさんの下、建物の屋上には一人の女の子が杖を構えて立っていた。
彼女が空想魔法少女文化の盛んな日本でユーノくんが発掘した魔導師なのだろう。
その様相、バリアジャケットはなんと言うんだろう。軽装機動装甲服を女の子向けの服に仕立て直したような白いワンピース。
そして魔法少女というには無骨な突起の目立つ杖。桃色と黄色と白と、色だけは女の子っぽいが人を殴って殺せそうな装甲杖だ。
あの綺麗なレイジングハートがなんてことに……。
幼年武装局員と言われても信じますよこれ。もしかしてユーノくんの趣味?
まあ無骨で女らしくない戦闘制服一式を持つ私が言えたことではないですが。
あ、杖が変形した。ますます凶悪なフォルムに。
樹の侵食を止めるため防護結界と封時結界を張り続けているヤマトさんは上から観察している。
Sランク魔導師のヤマトさんの力量なら結界を張りつつ封印も出来そうなものだが、現地民の魔法を確認するため傍観に徹しているのだろうか。
女の子が槍に変形した杖を構える。バリアジャケットのスカートがはためき、身体の周りに桃色の魔力光が渦巻いた。
遠距離封印砲撃。砲撃に貫かれたねじれた樹が、魔法の光で分解されていく。
ユーノくんの話だとジュエルシードはよほどの出力をもつロストロギアだと言うのに、遠距離からの一撃で暴走を押さえ込んでしまった。
魔法の初心者が遠距離封印か。ユーノくんもとんでもない人材を発掘したものだ。こんなところで発掘員の才能を発揮?
あ、レイジングハート(強)が魔力残滓を排気した。
こう、もうちょっとこう魔法学校の初等部の皆が使っていたのくらい可愛くてもいいんじゃないか。
パイロットスーツに戦闘機という私のスタイルでは得られない物だというのになんて勿体無い。
ああ、男の子のユーノくんに与えられたデバイスだから仕方が無いか。
男の子って好きだもんなぁ、ロボットとかドリルとか。
「以上が六個目のジュエルシード回収時の映像。このとき現地魔導師は魔法を知って十日程度ということだけど、秘めた才能はすごいの一言ね。AAAランクに匹敵する魔力と分析結果で出てる」
魔法文明の存在しない世界で生まれながらにAAA、か。
才児と言われたヤマトさんでさえ、私と出会った十歳の頃で魔力値はAA相当だった。
「じゃあ、あと少しで到着するから、正装で来てもらって悪いんだけど現地用に服を……」
「艦長! ハーヴェイ執務官補佐から緊急通信が入っています」
「あら、何かしら?」
緊急通信? 現地で無事七日も過ごしていると言うのに定時報告以外の通信が必要と言うことは……ジュエルシードでも発見したのか?
『リンディ提督、原生生物を取り込んだ指定遺失物を発見しました』
懐かしいヤマトさんの声が聞こえる。声変わりしたのか、記憶よりもやや低い。
彼が執務官補佐となり海に行ってからというものの、一度も会ったことが無い。
この間、通報のために短時間の通信を行ったのも久しぶりのことだ。急いでいたので声など気にしていなかった。
『映像、そちらに転送します』
ブリッジのメインモニターに現地の映像が映る。
手入れのされた林の中、封時結界が展開されている。
そして……。
「これはまたすごいですね」
「大きい……猫?」
「この世界にも猫はいるらしいですからね」
林立した樹を超える大きさまで肥大化した猫。
暴走はしていないのか、のんびりと手のひらで顔を洗っている。
97サブカルチャーから学んだ知識では、第97管理外世界の日本における猫は擬人化が盛んになるほどの大人気の愛玩動物だ。
魔法の世界には猫耳を生やした獣人の使い魔がいると知ったら、この国の人たちはいったいどう思うのか。
「ヤマト執務官補佐、アースラは後10分でそちらに到着するので、援軍が行くまで被害が出ないよう結界、防護魔法メインで行動して。封印は余裕を見て可能ならでいいわ」
『あいさー……、いえ、待ってください。結界内に魔導師反応です』
モニターの映像が林全体を俯瞰した風景に切り替わる。エリアサーチ魔法に映像転送をかけているのだろう。
その中の木の一本が拡大される。枝の上に人影が見えた。
長い金髪をツーテールにした、これまた私と同年代の女の子が映る。
手には杖、服装は日本ではまずないであろうマントを羽織った黒い服だ。
「現地民の援軍、ではないわよね……?」
「第97管理外世界への渡航魔導師登録に該当者ありません。ユーノ・スクライアさんからは現地協力者は一名としか報告されていませんし」
「現地の原始的な秘匿魔導師か違法渡航者、もしくはロストロギアの密猟者かしら?」
デバイスらしき装甲杖を持っていることから、ミッドチルダ式かベルカ式の魔導師の可能性が高いか。
少女が杖を猫に向けて構える。
黄色の魔力光が一瞬きらめき、魔力の槍が撃ち出された。
槍は猫の胴体に命中し、苦痛によろめいた猫は林に展開された防護結界に身を打ちつける。
「魔法の分析出ました! ミッドチルダ式の魔法です!」
「ヤマト補佐、公務執行警告、従わなければ拘束を! ジュエルシードへの対処は現地協力者達への協力要請を許可します」
報告に即断で指示を出したハラオウン提督は、ブリッジ全体を見渡した後、こちらへ向き直った。
さて、私も早速お仕事か。
「カガリさん、出動用意後、艦橋の転送ポッドで現地へ。ジュエルシードの確保を優先して。とにかく機動力を生かしてあの魔導師に奪われないように」
「了解しました」
「資料にあった高機動力評価、見せてもらいますよ」
バイザーを装着し、走る。後ろではブリッジの局員達への提督の指示が飛ぶ。
待機しているであろう執務官は出動せずか。
まあ執務官補佐が出ている中でさらに艦を手薄にするわけにはいかないだろう。
武装保管室に寄り、メインシップとサブシップを一機ずつ装着する。そこでバイザーに通信が入った。
『どうもー、執務官補佐のエイミィです。現場の状況をモニターしますねー』
妙に軽い感じのお姉さんが映る。
私が出向者じゃなかったらフレンドリーに敬語などなしで話しかけられるんだろうな、などと想像できる。
「ありがとうございます。現場はどうなってますか?」
『交戦開始してますね。どうやら、手足れの魔導師のようでヤマトくんの拘束魔法照射を飛んで回避してます。映像そっちに回すね』
「ブリッジの音声も回せますか? 私も戦線に混ざる可能性が高いので指示内容を把握します」
『了解ー』
シップの飛行機能を起動。艦内を低空で飛行する。
ブリッジにつく頃には転送準備が出来ているだろう。
バイザーに映る現場の状況は、乱戦だ。
駆けつけた白いバリアジャケットの現地魔導師は、猫からジュエルシードを抽出し魔力を封印したところで、それを奪おうと黒い服の魔導師が狙撃。その隙をついてヤマトさんが捕縛魔法を放つも、高速で飛翔する魔導師はアクロバティックな動きで回避していく。
黒い魔導師は、杖から鎌状の魔力の刃を生み出し、ジュエルシードへ向けて突進していく。
ユーノくんらしき首長ネズミが障壁魔法でその進路を阻み、ヤマトさんが無数の魔力弾を黒い魔導師に向けてばら撒いた。
ヤマトさんは相変わらずだなぁ、と、ブリッジに到着だ。
バイザーの通信を切って中に駆け込む。
「カガリ・ダライアス。戦闘準備完了しました」
「至急ポッドへ。任務内容は先ほど伝えたとおりジュエルシードの確保最優先で」
「了解です」
ブリッジの一人用転送ポッドに入る。
肩に接続された機動小型戦闘機を携えた状態ではぎりぎりのサイズだ。
オペレーターの合図共に転送ポッドが起動。
視界が魔力の奔流で埋め尽くされる。
さあ、任務開始だ。
転送が完了した時点で、すでに戦闘は終局を迎えていた。
無数の弾幕に被弾したのか地に落ちた黒い魔導師と、それを見下ろすヤマトさんが目に入った。
白い魔導師の子は首長ネズミを肩に乗せて、心配そうにその様子を眺めている。
「これは本当に必要なことなのか……考えてみたことはあるのか? 次元震を引き起こすものを何に使うかなんて……」
ヤマトさんが黒い魔導師に向かって何かを語りかけている。
降伏勧告……には聞こえない。
転送中の少しの時間で何があったのか。状況が見えない。
『ユーノくん、これはいったいどういう状況なんでしょう』
首長ネズミのユーノくんらしきものへ念話通信を飛ばす。
ぴくりと白い子の肩の上で頭をこちらへ向けるのが見えた。
『ええと、ヤマトさんがあの子を撃ち落したんだけど、急に何をしているんだとか説教を始めちゃって……』
あー……。
そういえばヤマトさんには説教癖という厄介な特徴があるんだった。
戦闘訓練でこちらを打ちのめした後、相手が無抵抗になった状態で勝者の余裕の視点で駄目出しをするのだ。
「子供は親に甘えるものだろう。それなのに君は何故……」
機動小型戦闘機、訓練弾設定ON。
斑鳩モードで機銃を単発設定で照準合わせ。発射。
「親のために生きたいというなら一緒に生きてわがままの一つでも……あでっ!!」
訓練弾設定魔力弾、命中。対象は説教モードに入ったヤマトさんの後頭部だ。
ヤマトさんは驚いた顔でこちらを振り向く。
「え、カガリちゃん、何で……」
「ハーヴェイ執務官補佐、無駄話はいいですから逮捕を優先してください。説教は判決後の裁判官がいくらでもしてくれます」
ヤマトさんの向こうで、立ち上がり魔法を起動しようとしている魔導師の姿が見えた。
言わんこっちゃない。
「時空管理局……貴様らの存在を消してやるー!」
叫びと共にヤマトさんへ牽制の魔力弾を撃ち、ジュエルシードに向かって飛び出す魔導師。
だが無駄だ。私のほうがジュエルシードに近い。
今回持ち込んだメインシップは、斑鳩・銀鶏。本星で発掘された英雄機を解析し、一族総出で再現された試作機だ。
搭載兵装は標準機銃と属性吸収フィールド。属性吸収フィールドは、攻撃魔法の属性を陰と陽の二つの属性に分けて、それぞれの属性に属する魔法のエネルギーを全て吸収してしまうというもの。
反則的な機能だが、陰と陽はお互いに反発してしまうため二つの属性のフィールドは同時には展開できない。
属性吸収フィールドで魔法の威力をそぎ、魔力障壁で防ぎきる、という防御面に強いシップだ。
本来なら一機のシップで陰と陽のフィールドを切り替えられるのだが、試作機のために属性切り替えが搭載できず、左肩の斑鳩が陽、右肩の銀鶏が陰の属性機能を受け持ち二機のシップを同時運用することですばやいフィールドの切り替えを再現していた。
二機の同時運用のため、魔力炉にかかる負担は大きいのだが、武装が機銃と吸収したエネルギーの解放だけであるため余裕はまだある。
最大速度はシップの中でも突出してはいないが、それでもそこらの空戦魔導師に追いつかれるようなものではない。
「消えろー!」
照射槍の連弾で私を撃ち落そうとしてくるが、進行角度を変えて回避する。
結界の中を飛び回って引き離そうとするが、相手も高い機動力を持つ魔導師のようだ。
眼下のヤマトさんとユーノくんの援護魔法も届かない。
このまま足を止めてヤマトさん達と一緒に迎撃するか?
いや、AAAランク魔導師相手だと、足を止めた瞬間にあの鎌に切り刻まれてジュエルシードを奪われてしまう。
「アースラ、私の位置を絶対座標にした封時結界展開できますか?」
『はいはーい、できるけど、何するの?』
エイミィさんが通信に答える。
何をするのか。簡単だ、足を止めては駄目なら私の得意フィールドで迎え撃てばいい。
「全力で飛んで引き離します。隙を見てアースラまで転送してください」
『艦長ー、どうですか?』
『……許可します。後ろをヤマト補佐に追わせるわ。地上本部最速の力とやら、見せてもらいましょうか』
地上本部最速って……そんな単語始めて聞きましたが。
まあ良い、これは撤退戦だ。速度と迎撃が全ての戦場になる。
相応しい武装を用意しよう。背面
属性吸収フィールドが消え、斑鳩・銀鶏に回されていた魔力が背中の一点に流れる。
パイロットスーツに装着されていた拡張金属が肥大化し、魔力の翼を展開する。
それは、ミッド式の魔法でよく見るような鳥の羽ではない。戦闘機の直線的な翼を魔力で再現した、黒い翼だ。
これがブラックハート。敵に背を向けながら戦うための、敵より速く飛ぶことを義務付けられた私の武器。
さあ、行こう。
アフターバーナーから魔力の炎を全開で噴出し、林の封時結界を飛び出した。
後ろからは黒い魔導師が必死に追ってくる。
魔女っ娘よ、正面からの殴り合いはAAAの戦闘者である貴女のほうが強いだろう。
だが、撤退戦においては私に分がある自信がある。
戦闘機による高速飛行。魔力炉による無限の弾幕。
追いつけるなら追いついてみろ。
振り返らずに
障壁魔法に頼らずぎりぎりで直撃をかわしているあたりは戦闘機乗りの才能があるのかもしれない。
だが、ブラックハートの実力はこんなものではない。
魔力炉がうねりをあげる。斑鳩は機銃の機能を停止。ブラックハートに魔力を流す。
背面の黒い魔力の翼が、本物の大型戦闘機大に広がった。
魔力の翼は飛行ユニットではない。全て銃口であり砲門だ。無数の銃口の角度は上下左右あらゆる方向を向いている。
魔導師をあえて狙わず、翼砲全門から機銃魔力弾を連射する。
弾の軌跡は空中で交差し、格子状の弾幕の檻が出来上がる。
ワインダーと名づけられた後方全方位射撃。アースラからの結界の中でなければ、街に魔力の雨が降り注いでいたところだろう。
全力で稼動する魔力炉の胸の唸りが心地よい。
この高速飛行の速度の中、どれだけこれを避けられるのか。
前に出ても当たり、弾雨の隙間に位置を取ろうとしても角度を変えた翼砲の餌食となる。
そして時折ワインダーから狙撃弾に切り替えてタイミングを狂わせる。
削る、削る、魔法障壁をバリアジャケットをそして追いすがろうとする心を削る。
障壁魔法を張るのを靴のカメラアイで捉えた。
互いの距離がさらに引き離される。そろそろ良いだろう。
「アースラ、減速しますので、転送お願いします」
『こちらは転送準備完了しています。転送カウント開始します。10、9、8……』
後ろからは着弾の魔力煙をバリアジャケットから昇らせながら、なおも追ってくる魔導師が見える。
だが、その速度では間に合うはずも無い。
『5、4、3……』
斑鳩、再稼動。先の起動で吸収した魔力を展開する。
「一斉射撃。“力の解放”」
『2、1、転送します』
さようなら。
一斉に撃ち出された青白い魔力の矢が魔導師へ命中したところを確認し、再び視界が転送の光に包まれた。
――――――
あとがき:フェイトVSヤマトでは転生憑依オリキャラの華、上から目線の説教を書きたかったのですがこういうものは無意識に書かないと上手くいかないものなのでしょうか。ちなみにフェイトが攻撃的なのは本作品の仕様です。
SHOOTING TIPS
■呪ってやるー
縦画面アクション風シューティング『まもるクンは呪われてしまった!』はお近くのゲームセンターで絶賛稼動中、かもしれません。
■貴様らの存在を消してやるー!
エスプガルーダ一面ボス、セセリの有名な棒読み台詞。セセリは父親の愛情を求めたが相手にされず、前線で戦うことで認められようとしたとかいうそんな健気な子。
有名な棒読みは、稼動当初社員が声を当てたのか? などと言われていましたがちゃんと声優を起用していたそうです。
■ブラックハート
スチームパンクで硬派な雰囲気漂うSTGバトルガレッガに登場する五面ボス「G-616 ブラックハート」。
銀河一後方に強い戦闘機の通称は七面中ボスの「N-617 ブラックハート mkII」につけられたものですが、マーク2をつけると冗長なので今回は省略しました。
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