メリーさんと熱砂の砂漠を死にそうになりながら彷徨いたい　50度近くまで上昇する最高気温に死にそうになりながらも人里と水を求めて歩き続けたい　水筒には残り僅かな水しか残ってないんだけど先に自分の水筒を飲み干し空にしてしまったメリーさんがさっきからずっとつらそうな表情しているのを見て放っておけずに自分の水筒を手渡したい　メリーさん本人はそんな施しいらないわよこんなの全然平気だし人間とは作りが違うんだからって突っぱねるしつらいのを耐え忍ぶ表情のメリーさんもかわいいんだけどけど脱水症状で倒れちゃったら大変だし気絶してるメリーさんを俺が背負って移動するよりは逆のほうがまだ何とかなりそうだから倒れる前に無理矢理にでも飲ませたい　それにしても熱い砂に足を取られてまったく歩きづらい上どこまで歩けば助かるのか見当つかないせいで二人ともしゃべる余裕すらとうの昔に失っていてそろそろ限界も近いかもと思いつつ歩いて砂丘の上まで来たとき開けた視界のはるか先に緑の木々と淡水池のような光景が映りあれはもしかしてオアシスって奴じゃない？って指差ししながら希望に満ちた表情で言う活き活きしたメリーさんはさっきまでの死にそうな顔と別人みたいに眩しくてかわいい　きっとそうだよって俺が嬉しそうに返事するとよかったこれで助かるんだ！よーしあそこまで競争よ！って急に元気を取り戻して走っていくメリーさんをみて元気をもらった後慌てて追いかけたい　でも最初は元気にオアシスを目指し歩いていたものの歩けども歩けども縮まらないオアシスまでの距離になにか腑に落ちない物を感じもしかしてあれは蜃気楼って奴なんじゃないかしら…って夢とキボーを打ち砕かれそうになってるメリーさんの心をそんなことないよ砂漠があまりに広いから見た目より距離があるだけだよって支えてあげたい　そうだといいんだけど…って言うメリーさんの顔にはまだ疑いの色が残っていてそれでもひたむきに歩き続けること30分少しも近づいたように見えないオアシスの影を見てやっぱりあれは蜃気楼だったのよもうこの乾ききった砂の上で乾いて死んでいくしか無いんだわって悲観的になってしまうメリーさんをどうにかしてやれる術が俺にあっただろうか　しかし絶望に打ちひしがれたメリーさんに掛ける言葉が浮かばず自分自身も疲労と乾きで死にかけてるそんな中でも諦めてただ死んでいくのは嫌だから最後まで出口を求めてメリーさんと歩き続けたい　水筒の中身も尽きて久しくさっきから喉が乾いたとか今なら炭酸でも我慢して飲むとかしか言わなくなったメリーさんになんとか水を飲ませてあげたくてそういえばサボテンから水分が得られるというのは読んだことあるなと思い出すんだけど詳しいやり方を知らないから結局どうにもできない自分のサバイバル能力の欠如を不甲斐なく思いたい　脱水症状も深刻を極め歩くスピードもだんだん落ちていきいつしかメリーさんに置いて行かれそうになりながらも必死に足を前に運び続けていた俺だったけどとうとう生命力の限界に達したのか突然目の前が真っ暗になって頭が漬物石みたく重くなり最初ははっきりと聞こえていた俺を呼ぶメリーさんの悲痛な声も次第に遠くなっていきやがてリーンリーンという音しか聞こえなくなりなんだろうエンジェルハイロウの音かなそれともターンX かなとか死にかけの頭で考えてたら次の瞬間目の前には見慣れた天井があって窓際では風鈴が風に揺られていて隣の寝床ではメリーさんが汗だくでうなされながら寝ているのを確認した後ああなんだ夢かよかったって安堵したい　まあ普通に生きてたら砂漠で遭難する機会なんてないよねってさっきまで見ていた夢の荒唐無稽さに苦笑いしたあと暑さのあまり寝苦しそうにしてるメリーさんのため窓を閉めてエアコンをつけた後冷蔵庫から取り出したポカリスエットで水分補給しながら念のためサボテンから飲み水を得る方法を検索して万が一の時を考えてサバイバル知識をつけておきたい