倉(裏)
おじさまたちが眠っている山にまで来た。
山の入り口は、茂みや草がすごく生えていて、どこからも山に入ることはかなわなかった。
いつもみたいに無理やりねじ込んで入るか。木から木へ跳びながらなら行けなくもない。
でも、一刀はともかく、雛里ちゃんにはそんなことはできない。皆で一緖じゃないと、あそこに入るのは怖くて出来ない。
あそこにいたおじさまと…私を知っていた人たちの全部が死んでしまった。
一ヶ月前じゃ、あたしが知っていた世界はこの山の中が全てだった。知っている人も、おじさまたちで全部だった。
なのに今はその人たちに会うことも、あたしが最初に居た場所に戻ることも叶わない。
私は過去から追い出されてしまったのだ。
だけど、
「無理やり道を作ることも出来る。中に入るか?」
「………<<ふるふる>>」
その山から振り向くと、一刀があたしのことを見守ってくれていた。
そして、雛里ちゃんも、あたしを心配そうな顔で見てくれていた。
二人とも、あたしの新しい友たち……ううん、初めての友たちだ。
「……一刀…雛里ちゃん…帰ろ」
「もう、大丈夫なの?」
「…うん」
雛里ちゃんはあたしのことを初めて会った時から、優しく接してくれる。
ぎゅー
「…ぅん」
「大丈夫だよ…皆、きっと倉ちゃんがこうして残ってくれて喜んでいるから…」
「……うん」
あたしが大丈夫だと言ったのに、雛里ちゃんがあたしのことがそれでも心配そうだったのかあたしのことを安心させようとあたしのことをぎゅっと抱きしめて来た。
あまり感じたことがなかった。人に抱かれていると、とても落ち着く。雛里ちゃんに抱きつかれていると、この人はあたしのことを本当大切にしてくれているんだ、という気持ちが肌の温かさと一緖に伝わってくる。
一刀にはこうして抱かれてみたことはないけど、きっと一刀に抱きつかれてもこんな感じがするだろうと思う。
「………」
「……?……帰ろう、二人とも」
「あ、はい」
「…うん」
一刀の顔は、雛里ちゃんみたいにあたしのことを心配しているように見えるけど、雛里ちゃんみたいに行動であたしを落ち着かせようとはしない。代わりに、たまたま気を使ってくれるような言葉であたしが黙っている時間を縮めようとする。
元直ちゃんは「人黙ってばかり居ると憂鬱になるだけなのですよ」と言っていた。
…あたしが黙っているのが、雛里ちゃんと一刀のことに心配をかける理由だとすれば、もっと話をするべきだと思う。
でも、あたしはあまり器用に話ができない。
あたしがもうちょっと器用だったら、二人に心配をかけなくてもいいようになるだろうか。
『シューー』
……うん?
「あわ?」
「ぁ…」
山の方からにょろにょろとした蛇が、あたしたちの方に這ってきた。
「あわわーー!!」
「……美味しそう」
『シィィーーー!!』
雛里ちゃんは驚いたけど、あたしは山では良く蛇を食べていた。
そういえば、倉の近くには結構大きい蛇が居た。
食べたかったけど、卵を生んでいて、ちょっと可哀想だったからほっとおいた。
あの蛇を食べると、残った蛇の卵たちから生まれた蛇たちも、あたしのように親を覚えてないまま育つだろうと思うと、そんな非道いことはできなかった。
でも……正直に言うと、あの蛇がちょこちょこ茂みから出てきてこっちが見えるところを移動してる時だと、食べたくてしょうがなくなる時もあった。結構大きかったし。
『シューーー』
「あわわーーか、一刀さーん!!」
「え、ちょっ!」
自分に近づく蛇を見て雛里ちゃんは一刀の後に隠れた。
一刀は雛里ちゃんのように蛇のことを怖がっていはないらしい。
でも、後から抱きついている雛里ちゃんのことにはかなり慌てていた。
面白そうだから、次あたしもやってみよう。
『シューーー』
で、構う相手の失ったかのように、蛇は今度は近くにいたあたしの方に来た。
「倉ちゃん!!」
「……大丈夫…毒はない」
「それでも危ないからこっち来てー!」
……?
毒のある蛇でも食べることはあった。
頭を切って、焼いて食べたらそんなに危険じゃない。
あたしは火を使っちゃいけなかったから、いつもおじさまに頼んでいたけど…
「……くすぐったい」
いつの間にか、蛇はあたしの脚を生え上がってきて。
一刀が作ってくれた青い服を越え、あたしの腕に絡まってきた。
『シューーー』
「………」
蛇は、まるであたしに話をかけるように、あたしの耳に下をにょろにょろさせながら声をだしていた。
……なんかちょっとかわいい。こんな子は初めてみた。
「!」
そういえば、この子の大きさ、もしかしてあたしたちのところにいたあの蛇?
子供たちはどうしたのだろう……もしかして、あの火に皆……?
「倉、なんか、すごく懐かれてるが…大丈夫なのか?」
「……ちょっとくすぐったい」
「…蛇の知り合いは?」
「……どういう意味?」
あたしの勘違いかもしれない。
蛇なんて山にたくさんあるし。あの山の麓からここまで降りてくる理由もない。多分、他の子だろう。
……それとも、あの子だと思った方が正しいのかな。
「……連れて帰る」
「あわわー!?」
・・・
・・
・
雛里ちゃんが猛反対したけど、結局あたしが無理やり言って塾まで連れてきた。
先生に許可を得た。ただし、同じ部屋の元直ちゃんが良いと言ってくれたら、という条件付きだったけど、「キャハ、いいですよ」とあっさり言ってくれて助かった。
今は、あたしの寝床にぐるぐると身を何度もまるめて止まっている。
寝床で寝るのはまだちょっと慣れない。でも、いつまでも一刀の鞄の中で寝ていると、雛里に怒られちゃう。
「女の子があんなふうに男の人の部屋に無闇に入ったりしたらいけません」と言われたけど、そういう割りには雛里ちゃんは多分あたしの倍は一刀の部屋に出入りしている。
もちろん、あたりみたい夜こっそり入ることはないけど…それがいけないのかもしれない。今度は堂々を許しを得て鞄で寝たら大丈夫かもしれない。
『シィィーーー』
「うん?」
蛇が起きていた。
……そういえば、一刀に名前を付けるように言われた。
雛里ちゃんに名前を付けてもらいたかったけど、見てるだけで気絶しそうだったから無理だった。
名前を付けるのはあまり得意ではない。自分の名前だって、雛里ちゃんが付けてくれたもの。
その前は見た『くらばん』と読んでいたけど、今の名前は「そう」になった。
後で元直ちゃんに聞いた話じゃ、くらもそうも同じ文字らしい。どうして同じ文字なのに読み方が違うのかは良くわからない。
「あなたは、どんな名前がいい」
『シィィーーー』『さっちゃん』
「……?」
サッちゃん…って聞こえた気がした。
「…サッちゃん?」
『シューーー』
肯定の言葉に受け入れても大丈夫なのだろうか……
「おいで、サッちゃん」
あたしの言葉に反応して、寝床に伸ばした手を登ってサッちゃんが上がってきた。
「一刀のところに行こう、今日は堂々と……一緖に寝てもらう」
『シューーー』
・・・
・・
・
ダメだった。
『シューー』
雛里(裏)
「百合お姉さまのところに、ですか?」
「ああ、水鏡先生に頼まれて……二週間ぐらいかかるかな」
一刀さんが突然水鏡先生に呼ばれたと思ったら、水鏡先生が一刀さんに今孫家にある百合お姉さまを連れて帰ってくるように言ったみたいです。
その後孫堅の死によって孫家は江東の地を失い袁術のところに身を託しました。
彼女らがしたことを考えると同情もできません。
「はい…最短にそれぐらいかかると思います。港で何かあったらまた話は別ですけど」
「何かあるっていうと…?」
「江賊とかがある時は港に船が出ません。そんな時はただ待つしかありません」
「ああ、そっか……まあ、大丈夫なように祈るしかないな」
「……やっぱり、私は一緖に行かない方がいいでしょうか」
「僕は…一緖に来てくれたら嬉しいけど、ここに残ってくれるのが本望かな。倉のことも居るし、ここに残ってくれた方がいいかな」
……どうして一刀さんはそうあっさりと別れていようと言えるのですか?
二週間もですよ?
会ってから、そんなに離れていたことなんて……ありません。
一刀さんが居ないと私どうしたらいいんでしょう。
「……そんな顔しないで」
「…え?」
「二週間も見ないんだから、笑ってる顔を頭に刻み込んでおいてくれた方がうれしいな」
「あ……」
…そうだよね。
一刀さんだって、私と離れて嬉しいわけじゃないよね。
………うん、ちゃんとした顔で見送らないと、
「…待ってます、無事に帰ってきてくださいね」
「うん……行ってくるね」
「………」
「…………」
「…………?」
どうして、そんな物欲しそうなかおしてるんですか?
「…なんですか?」
「………別に何でも」
え、なんですか?何でそこで拗ねちゃうんですか?
それは、一刀さんが百合さんを連れて来るために豫州へ向かった間の話です。
倉ちゃんの勉強が大分進んで、今日は皆で集まってお茶会でもしようと思って私は厨房でお茶とお菓子を準備していました。
「雛里ちゃん」
『シィィーーー』
「あわわーーー!!」
ガチャーン!!
「倉ちゃーん!」
「………ごめん」
「あわわ…また割っちゃった…」
「…また?」
「雛里ちゃん?!今なんかすごい音が……あ」
「あわわ…ごめん、朱里ちゃん」
「…怪我とかない?」
「うん…」
「早くこれ割った皿とお菓子片付けよう、倉ちゃんも手伝って……その蛇はおいて」
「……サッちゃん、帰る」
『シィーー』
「あわわー!」
・・・
・・
・
朱里ちゃんと一緖にお菓子を作り直して、元直ちゃんが居るところに戻ってきました。
「一刀が居ないと、雛里ちゃんちょっとだらしなくなる」
「あわわ、そんなことないよ」
「………また、って言った。サッちゃん居る前にも、雛里ちゃんお皿割った」
「キャハハー、倉ちゃん鋭いのですよー!」
「奏ちゃん!」
「あわわ……」
図星だったので、恥ずかしくて顔を帽子で隠しちゃいます。
「まぁ……実際に北郷さんが居ない時の雛里ちゃんと今じゃ大違いだけど…」
「朱里ちゃんまでーー」
「あのね、倉ちゃん。雛里ちゃんは、一刀さんが来る前まで一人で出歩くの禁止だったのですよ」
元直ちゃん余計な事言わないで!
「……どうして?」
「だって、一人で歩くと直ぐ迷っちゃうし、蔵の掃除しているとコケて薬菜全部ダメにしちゃうし、厨房に入ると今回みたいに皿割っちゃうし……」
「あ・わ・わーーー!!」
「……雛里ちゃん…ドジっ娘」
「そうもう並じゃなかったのですよ。北郷さんが来る一ヶ月前とか雷が怖くて寝台でおもr…」
ガーン!
「せー……せー……」
空になった大皿で元直ちゃんの頭を強打しました。
これでしばらくは黙っているでしょう。
どこまで人の立場を壊してくれたら気が済むの?
「はわわ、昔の雛里ちゃんはもっと落ち着きがあって人見知りな娘だったのに、北郷さんに会ってからすっかり恐い娘になっちゃったよ」
「だって……」
私の黒歴史を……
「…昔の雛里ちゃん、どうだったか聞きたい」
「あわわ、やめて倉ちゃん」
「いいじゃない、雛里ちゃん、昔話だし……あ、そうでもないかな」
「しゅーりーちゃーーん<<うるん>>」
「はわわ!分かったよ、言わないだから揺らさないで、お茶がーー!」
・・・
・・
・
「でも、本当に変わったよね、北郷さんが居る今と以前の雛里ちゃんって……」
「………そうかな…」
「そうだよ。昔はいつも私の後に隠れて居たのに…」
「今は一刀さんの後に隠れてるのですよ」
ガーン!
「……雛里ちゃん…」
「キャはー…痛いのですよー。暴力的になったのですよ」
「……痛いの痛いのとんでけー」
「キャハーー、倉ちゃんしかないのですよー」
元直ちゃんが倉ちゃんのことを抱きしめながらこっちを恨めしそうな顔で見ています。
私が悪いわけではないです。
「でも、ほんと北郷さんが来てから変わったよね、雛里ちゃんって……なんか、私よりも先に大人になったみたい」
「朱里ちゃん……」
いつも一緖でした。
勉強する時も、寝る時もご飯食べる時も、食べる時も……
でも、一緖だったと思いながらもいつも先に行くのは朱里ちゃんで、いつもその後を追うように付いていくのが私。
だけど、今回だけは違いました。
私が唯一朱里ちゃんより先に辿り着いたこと。
愛する人が出来たこと。
一生一緖に居たいを思う人が出来たこと……。
今はとなりに居ないけど…いつも側にいるようにココロを落ち着かせてくれる人……
「早く帰って来てくれないかな……」
「キャハー、まるで遠くに仕事に言った旦那様をまつ奥さまですよねー……っ!」
「…………////////」
「……キャハ?皿が飛んでこない……だと?」
旦那さま……/////////
「……へへ…へへへ……」
「元直ちゃん、雛里ちゃんがおかしい」
「近づいていけません、倉ちゃん。こういう時は見なかったふりをしてあげるのですよ」
あ!いけない、いけない!
まだ私と一刀さんってそんな関係じゃ……
「///////」
「雛里ちゃん、帰ってきてー?」
・・・
・・
・
雛里ちゃんがそうやって桃色想像に余念がない時、一刀のところでは……
真理(裏)
「ぎもぢわるい゛」
「てわわ…一刀さん大丈夫ですか?」
真理ちゃんこと諸葛均です。
今私たちは、豫州へ向かうために港から船を乗って長江を渡っています。
長江を渡って目的の港まで行くに二日がかかります。
今は船に乗ってまだ一刻ちょっとぐらい過ぎたのですが…どうも北郷さんは船が苦手のようです。
「今になって話すのだけど、僕って船乗るの初めてだった……そしてこの揺れは慣れそうにもない」
「……あ、そうだ」
実は港で良い物を買ってきました。
買ってきたと言っても、店の人が気づけなかったので、お金だけ置いて持ってきたんですけど……泥棒じゃないですよ。
「これ食べてください」
「……何これ」
「檸檬を干したものです。酸っぱくて船酔いに効きます」
荊州じゃ船酔いなんてする人なかなかないですけど、それでも遠くから来る人たちのために置いておく店もあります。
他にはにんにくとかを生で鼻につけておくといいですけど、辛いのであまり推薦できません。
「うっ、すっぱ……これお茶に淹れた方がいいんじゃない」
「それでもいいですけど……食べづらいですか?」
「…真理ちゃんが食べてみてよ」
「……はむ」
口に入れて数秒経たずに、口の中に唾と一緖に酸っぱい酸の味が広がります。
「うぅっ、酸っぱいです」
「だろ。これだけだとさすがにキツイでしょ……まぁ、船酔いはなんなく収まったけど」
「…頼りになりました?私」
「…うん、ありがとう。気遣ってくれて<<なでなで>>」
「…てわわ……」
なでなでされてます。
なんかすごく嬉しいです。
「………<<なでなで>>てわわ…」
「……あ、ごめん」
「あ」
ふと北郷さんは撫でていた手を止めました。
「いつまで撫でてるんだ、僕…ごめんね、真理ちゃん」
「え、あ、いえ……もっとしてくださってもよかったのに……」
「え?」
「てわわ…なんでもないです。そ、そんなことより、どうですか?船からの眺めは。初めてなんですよね。船に乗るのも、長江を渡るのも…」
「うん……まあね…酔いが覚めるとちょっと景色がちゃんと見えてくるね……これって本当に江なのか?海みたいだ」
「海……私は海は見たことがないのでよく分かりません」
「僕が居た国は……島国でね…四方が海だったよ。夏になると皆海に遊びに行くんだ…」
「北郷さんは海を見たことがありますか?」
「……小さい頃は……ね…大きくなってからは行ったことないな。そういう時間もなかったし。祖父さんも道場運営で忙しいし、僕もいつも道場に居なくちゃいけなくて……」
北郷さんは、何か懐かしい思い出を思い出すような顔をしていました。
ただ、その顔があまり嬉しいというより、その過去がもう戻って来ないということを悲しんでいるような顔になっていました。
北郷さんは遠いところから来ました。…私の勝手な考えですけど、天の世界からこの世界に来た北郷さんは、とても寂しいだろうと思います。
誰もしらない世界に、今までの人たちの関係を全て失って最初からやり直さなければいけないのですから……
私は世界で一人で居るようなその感じを良く知っています。
だからこそ、北郷さんが私のことを気づいてくれた時、私はとても嬉しかったのです。一刀さんと一緖に居ると、全然寂しくありません。一刀さんもそうなってくれると嬉しいと思います。
「雛里ちゃん…どうしてるかな」
「…あ」
でも、そうでした。
北郷さんには、鳳統お姉さんが居ます。
二人はもうすっかり仲良くなって、塾が閉じてからにはそれはもう人が見るところでも見ないところでもいちゃいちゃしてます。
こういうことをいう立場でないことはわかってるんですけど、ちょっと妬ましいです。
私なんて、周りに人がいたら北郷さんに声をかけることもできません。北郷さんが変な目で見られちゃいますから。鳳統お姉さんは未だに私の存在に気づいていませんし……。
あ、でも、気づいてなくて得することもあります。今こうして、北郷さんと二人で旅することも出来ましたし…夜には一緖に寝ます。北郷さんの腕枕はとても心地いいです。
って、何言ってるんでしょうか、私。
北郷さんとはそういうつもりで一緖に居るわけではありません。ただ、北郷さんは私に良くかまってくれますし、早く百合お姉さまに会いたい気持ちもあったから無理やりついて来たんです。
別に、北郷さんとの密会と楽しむために来たわけではありません。
……結構楽しんでいるのは確かですけど。
「真理ちゃん、豫州には行ったことある?」
「はい?…はい、前に百合お姉さんを見に、朱里お姉さまと水鏡先生と一緖に来たことがあります」
「なんか見物とかあるかな」
「うーん、特にそう言った物は……牧の袁術さんは蜂蜜が好きな人だらしくて、豫州では高級な蜂蜜が結構集まってきます。それとは裏腹に街の経済状況はあまり良いとは言えませんが…」
「そっか……まぁ、観光に行くわけではないが……どうかな」
「はい?」
「少し遊んでから行っても、バチは当たらないだろ?」
「ぁ………」
そういう北郷さんの顔はちょっと子供っぽい顔で微笑んでいます。
つまり、途中で私と一緖に遊ぼうって言うのですね……てわわ……いいかもしれません。
でも、こういう時まんまと受けたら女の子としてはしたなく見られるかもしれません。
「それは浮気ですか?」
「ぶっ!」
てわわ!しまったです。
こんな風に言うと逆に誘う気失うかもしれないのに…うわぁん、私のばかー…
「てわわ!い、いえ、つまり、私が言いたいことはですね。もう他の女の子と一緖に寝てる時点でもう手遅れてるから問題ないというか……」
「ぐふっ!」
追い打ちかけちゃったよ!?
「えっと、ですね、つまりですね。てわわ……」
「………OTL」
「てわわ………ほ、北郷さん…?」
ああー、もうどうしよう。
「う~ん……?」
「…ぅぅ……冗談ですよ。一緖に行きます……あまりそんな一々女の子相手するのに罪悪感満ちた顔でいると困ります」
「……うぅぅ……ごめん」
「いえ、私こそ…ごめんなさい。誘われたのが嬉しくて…ちょっとからかいが過ぎちゃいました」
なんとか船の床に手を付けて伏せている北郷さんを起こしてその横にピタっと近づきました。
「真理ちゃん?」
「……楽しみにしてます。北郷さんと一緖に街を回るの…」
「……そうだね、楽しそうだね」
「はい…」
きっと北郷さんが言ってる楽しみと私のとは違うと思います。
北郷さんは本当に鳳統お姉さんのことが好きなんですね。他の娘と遊ぶのが浮気だと思えるほど……ちょっと堅物な気もしますけど。
私は北郷さんがどんな人だからと言って好きなわけじゃないですから……北郷さんがそういう人なら、私はそういう北郷さんが好きです……。
「妾ぐらいは…狙っていいでしょうか」
「え?」
「てわわ、な、何でもないです」
ほんと楽しみです。陸に降りてからが……
周瑜(裏)
あの事件があってから、私たちを待っていることは厳しい現実の連続だった。
文台さまは襲撃で戦死なさって、我々は江東を失った。
戦の傷で雪蓮は江東の地を取り戻すほどの戦意を出すことが出来ず、私たちは残った私たちの兵たちを連れ、袁術軍に身を託した。
袁術は雪蓮の妹である、蓮華さまと小蓮さまを軟禁し、私たちに残っていた力をバラバラにした。
そこまではまだいい。文台さまの死に袁術が関わっていることぐらい分かっていたし、いつかはまた力を蓄えこの地を喰らい、江東の地を取り戻すだろう。
だけど、そんな私に精神的な追い打ちをかけるように、また事件は起こってしまった。
「どういうことだ、深月(みつき)」
「ごめんなさい、冥琳。私も仕方がないの」
荊州に居た頃からの親友、魯粛子敬が別れを告げたのであった。
「本家の母上から突然、本家に戻って来るように連絡が来たの」
「…それで、行くつもりか?」
「……母が気の弱い人だから。私が行かなかったら『深月が私を見捨てた』とか言いながら自殺騒ぎを起こしかねないわ。さすがに娘にしてそんなことが起きるようにするのは避けたいわ」
「………」
深月の母のことを思い出す。
いつもはとても人が良く、荊州に凶作がある時私と深月が行った時に快く蔵を開けて難民たちに食料を施した。
商人家である魯家は荊州でも有力が豪族だが、深月の母は政治にはあまり気がなく、荊州で静かに住みながら、荊州を回る商人団たちを保護したり管理することでその命脈を継いでいた。
それでも魯家の力は荊州で無視できるものでは決してなく、一度魯家が力を使えば、荊州の経済は一気に崩壊することも無理ではない。
たった一人の商人家門によって、地域一つが崩壊しかねないと言えば、その力がどんなものか想像がつく。
深月はそんな魯家の次代家主であり、私の親友であり、孫家には必要不可欠な存在だ。
「お前が居なければ、雪蓮と祭殿の酒のつまみ食いを止められるものがなくなるだろ」
「あ、その心配はないわ。蔵の酒、もう全部処分したから。他のものに変えておいたから、この城の蔵に酒なんか残ってないわ」
「………」
さすがというか…嫌、それでも雪蓮の酒飲みは止められないもので……
「手続きは既に穏に頼んであるわ。……書庫についてはさすがに無理だけれど……」
「…しかし、どうしてこんなに急に……」
「…冥琳、心当たり、ないの?」
「何?」
深月は悲しそうな目で私を見つめていた。
何だ?この事態の負が私にあるというのか?
「司馬徽先生よ」
「………!!」
その時、私はハッとした。
あまりにこっちの状況が忙しくて考えるのが遅かった。
確か荊州では、荊州の政をする文官のかなりの数が仕事を放棄、荊州の政が一ヶ月ほど遅れてしまったという話だった。
そして、その仕事を放棄した文官たちの共通点、それは荊州の眠っていた龍、水鏡先生だった。
そして、その水鏡先生が動くようにしたのは誰か?我々だった。
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私と孫策はあの日、忘れもしないあの日にある山賊の群れを襲った。
そこである男に出会い、彼は死、その後あの女の子に侮辱され帰って行く途中、水鏡先生にであっていた。
「あなたは…!」
「……孫家の姫…噂は聞いていましたがとんだ猪でしたね……私の号は水鏡、心を人の姿を移せるほど静かにしていなければなりません。だけど、今回ばかりは…それができないと言って私を責めないように……」
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そう彼女は帰っていった。私たちの話を耳にもせずに
いつもの噂に聞いていた水鏡先生とは違った。
水鏡は水を鏡のようにして見るもの。
水に一つの揺れもあっては、鏡は象を完全に写してくれない。
あのような号を使っている人が、あれほどの言葉を発していたのだ。
ただで済む方がおかしい。
「雪蓮はこのことをしっているか?」
「言ってはいませんが……あの方のことだから、恐らくしっているでしょう」
「………そうだろうか」
雪蓮の勘は良くあたる。
『あの時』以外には、今までそうだった。
「……待て、だけどだとすれば百合も…」
「…百合もとっくに昔に水鏡先生から帰ってくるように命じられたみたいですね。だけど、本人の意志を無理に貫いて……孫家がこの間混乱していたこともあって、水鏡先生もそれを許してくれたのでしょう」
「……なら、水鏡先生から百合を連れて行く日もそう遠くはないと……」
「恐らく……」
なんということだ。
弱りに弱くなってしまった我ら孫家。
ここで更に追い打ちをかけられると、孫家の復興は更に遠くなるだろう。
「もし文台さまがあんな急になくなっていなければよかったものを……」
「今更そんなことを言ってどうする。私はただ、雪蓮と一緖に孫家を立て直すために力を振り絞るまでだ」
「……だからこそです」
「?」
深月を送る前の最後の深月のその顔。
私は忘れることが出来ない。
・・・
・・
・
そして、時間は流れ半月が過ぎた頃、
「百合、私だ」
返事がなくて、中に入ってみたところ、百合は部屋には居なかった。
この時間だといつも政務をしている彼女が居ないということに少し違和感を感じる。
城を一歩出てもいつの間にか豫州を離れてしまいかねない子なので、至急に探索の兵を出そうとしたが、机の上においてあった書簡一つを見てその考えをやめた。
「………」
書簡の内容は直ぐ人をだして百合を連れて帰るとのことであった。
書簡の日時を見て、書簡は一ヶ月前に来たものであった。送った人はもちろん、
『水鏡』
「………」
思わず書簡を握りしめた。
やっと落ち着きが見えると思えばこれだ。
天は我々をどれだけ苦しめれば気が済むというのだ
「冥琳さま」
「!」
後を向くと百合がいつもの穏和な顔でこっちを見ていた。
「ご拝見、なさったようですね」
「…百合…すまない」
「いいえ、冥琳さまがそうなさる理由を、私は良く知っています……それでこそ、私は冥琳さまのことが心配でなりません」
「……どういうことだ?」
百合はいつもはしない少し悲しげな目で私を見ながら言った。
「深月さんも既に本家に戻ってしまった今、私までも帰ってしまうと、冥琳さまが雪蓮さまに全力を尽くすことを止められる者は居なくなります。深月さまも本家に帰られる時私にその点を言っていました」
「……どういうことだ」
私と雪蓮は親友だ。私は彼女のことを支えると昔から誓った。
それが間違っているとでも言うのか?
「私が雪蓮に仕えることが間違っているとでも言うつもりか?」
「冥琳さまは『孫呉』に仕えるべき方です。私も、そして深月さまもです」
「!」
「もし、孫堅さまがご健在であらば、例え水鏡先生の命であったところで、私はなんとしてでも先生の怒りを鎮めるように全力尽くしたはずです。ですが、孫家が破られ雪蓮さまが次の指導者になりました。そして、雪蓮さまは私の妹たちを攻めて方です」
百合は、大きく息を飲みながら続きを言った。
「私は、例え雪蓮さまが私も師弟たちを傷つけなかったとしても、あの方に仕えるつもりはございません」
「!!」
「冥琳さま、雪蓮さまのあのような行動が単に若き血によった一瞬の迷いだとお思いですか?これからはそんな事件がないだろうと思いますか?」
「何を……」
「……雪蓮さまは王になるに足りないお方だと言っているのです」
私は彼女の、そのような暴言が自分の妹たちを怪我したことから来るものではないことに気づいた。
だからこそ腹が立った。
「百合、お前が孫家に仕える時、こうなることを知らなかったというのか?文台さまがご建装であったとしても、いつかは雪蓮が…」
「文台さまがこんなに早く亡くなられてなければ文台さまは蓮華さまに孫家の長の座を譲ったでしょう」
「!!」
「冥琳さまはいつも蓮華さまのことを雪蓮さまより下だと思っていらっしゃいました。でも本当にそうでしょうか。冥琳さまは蓮華さまを雪蓮さまへの次善策としか思っていらっしゃいませんが私と深月さまは違いました」
「それ以上言うな!」
べしっ!
「!」
「それ以上私の友を侮辱すれば、例えお前だとしても許すわけにはいかない」
「……軍師であるあなたが人に手を出す時点で、私たちの考えは既に合っているのです」
百合、お前もなた深月のような、そんな顔をするのか。
「冥琳さま、雪蓮さまの存在は孫呉にとって邪魔になるでしょう。雪蓮さまが孫家の主である限り、孫呉に安定がくる日は訪れません」
砕け散った、と言ったらいいだろうか。
軍師として失格だ。
「…………」
自分の部屋に向かう道で考える。
二人が言おうとしていたことがなんなのか。
二人は私に何を言おうとしていたのか。
雪蓮の友としてではなく、軍師として考えようとしてみる。
だけど、
「駄目だ。どうしても冷静になれん」
雪蓮のことだった。
私と天下を取ることを誓った、我が一生を尽くす親友。
なのに、あの二人は……
深月は元々思うことを口にしない性格だ。それは百合も同じ。
いつも話す人を和ませるような話法を取るのが二人だった。
だけど、今日の百合も、そして二週間前の深月も、私と雪蓮のことをいっている時だけは違った。
二人は、孫呉のことを心配したけど、それはこの状況、袁術に身を託し江東の地を失い、文台さまを失ったことへの心配ではなかった。
二人は、雪蓮が孫家を率いている状況を心配していた。そして、そんな雪蓮の側に居る私のことを心配していた。
確かに雪蓮は文台さまよりはまだまだ劣るところがある。
武としても、人を惹く能力、政治に置いて経験の豊富さ。
だけど、雪蓮には文台さまにはない情熱がある。雪蓮なら、きっと今崩れ落ちた孫家を立て直すことが出来る。それは孫権なら、蓮華さまならそれはとても難しいことだ。
「!!」
そうか、やっと二人の考えに追いついた。
だけど…
………嫌、二人は間違っている。
雪蓮は……
タッ
「?」
誰だ、あの男は…
見ない顔だが、どうしてこんな城深くにまで……
「誰だ!」
私は城内を呼ぶと、男は驚いたようにこっちを見た。
男の肌は雪のように白くて、どこか病弱にまでも見えていた。
白い髪に蜂蜜色の瞳が私に向かった時、私は一瞬既視感を感じた。
彼を……どこかで会ったことがある?
「門番も者にちゃんと許可を得ています」
「ここは城でも一部の人間しか来れない。ここにはなんの用だ」
だが、思い出せない。
こんな独特な姿なのに、見たことがあるなら思い出せるはずだ。
でも、次に彼から出てきた言葉のせいで、私はそれ以上彼が誰なのかは心配しなくなった。
「子瑜さまに会うために来ました。水鏡先生からの伝言を持ってきています」
「!!」
ああ、もう時間切れか。
百合、深月、お前たちはいい友たちだった。
お前たちがどうして私のことをあんな目で見ていたかもわかった。
だけど、お主らが居なくなるとしても、私は止まらない。雪蓮もだ。
私たちは、私たちの夢のために歩き続かねばなるまい。
例え、それがお前たちが考える最上の結果とは違うとしても、だ。
・・・
・・
・
雪蓮SIDE
ガチン!
待ちなさい!
「無駄だと何度言えば分かる!」
「っ!」
ガチン!
「もう諦めろ」
「逃がさないって言ってるでしょ!?」
「くどい!」
ガチン!
街で突然であった男。
彼は自分のことを、北郷一刀と言っていた。
私があの日、あの時殺したはずのあの男。
なのにここ、袁術の地で出会った男が、自分を北郷一刀だと言い出した。
何故、どうして?
生きていた?だけど姿が違う。
偽物?あんな特殊な名前を名乗る偽りで名乗る理由がない。しかも彼を会ったことをしっているのは私と冥琳だけだった。
ならば何?彼が本当に北郷一刀だというの?でもどうしてあの時とは違う姿をしているの?
夜の森の中で、良く見えなかったのは確かだけど、髪の色、肌色、顔の形もまったくあの時会った男とは思えなかった。
でもただ一つ、変わらないことがあるとすれば、
ガキン!
「なっ!」
剣が……
「……まったく成長してない」
私の圧倒的に上回っている剣術。
「自分の力もろくに使えこなせないか、孫伯符!」
「うるさい……うるさい、うるさい!!」
「……心赴くままとすればお前をここでたたきなおして構わん。だが、水鏡先生の名に泥を付けることになってはいけない」
どうして、どうして勝てないのよ。
どうしてあなたは私をそうやって山の上から見下ろしているような目で見られるの?
そんな目で私を見ていいのは、母様だけだったのに……今じゃあの人もここに残って居ないのに……
「何が……一体何がいけなかったというのよ」
「………」
「あの山賊たちを退治してくれと言ったのは荊州の民たちだった。私たちは彼らの頼みに応じて動いただけよ。なのに何故あなたたちが現れて、私に、私たちの名を汚したというの?」
「お前が実は裏があったということを知らなかったことがいけない。知ってから退かなかったことがいけない。退かなかったことを自分の過失と思わないことがいけない。でも最も僕が許せないのは……」
あの男がは私の目の前にまで来てそうつぶやいた。
「お前には人の命が軽すぎるのが許せない」
「!」
「何故ここに立っている。お前は自分が人を殺すことに義があると勘違いしているようだが、その偽りの義を失った時にお前とあいつらの差は何?しかもお前はその正義が実は偽りだと知っていながらもそれを盾として人を殺す。お前が殺したあいつらは自分たちが人殺しだということを一生賭けて苦しんだのにお前はそのちっぽけな盾に隠れて何?自分は悪くない?そういうぐらいなら英雄を名乗るな。孫家はもうお終いだ。孫家が滅ぶとすれば、それは文台が死んだせいじゃない。貴様が孫家の長に付いたせいだ。誰もお前を止める者が隣に居ないせいだ。誰もお前のことを正すために自分の身を汚さないからだ」
「………」
「……『孫策』は『孫呉』に邪魔にしかならん」
彼はそのまま通りすぎて行った。
「!おい、待て!」
「追うな!」
消え去る彼を捕まろうとする兵士たちを振り向かぬまま止める
「し、しかし」
「…どうせ、お前たちで捕まえられる相手でもない」
私が…私のせいで孫呉を滅ぼすですって?
私の存在が、在り方がいけないから?
なら……
だとしたら!
「この孫伯符!ここで貴様に誓わん!孫家は、孫呉はいつか天下を取って見せよう!私が例え全ての泥を身につけようが、私は、私たちは必ずこの民たちを我々の手で平和にして見せる」
絶対にだ。
貴様が私の存在を負を見るなら、私は全力でその侮辱を振り切ってみせる。
孫呉は強くなる。
私はただ孫呉を、強い孫呉を建て直す。
そこからは、あの娘たちの出番よ。
一刀SIDE
「北郷一刀!今日この日を覚えておけ!この日から私は『孫伯符』でなく、『孫呉』にならん!覚えておけ!『孫呉』がこれからどうなるか!この日を持って見ておけ!」
「…………」
………僕は言わんでもよかったことをいってしまったのかもしれない。
・・・
・・
・
どうもTAPEtです。
久々に解説に来ました。
左慈と結以の話は後回しになっちゃいましたね。すんません。
いつか番外的な話で書いてみようと思います。
『倉(裏)』
メインは倉の心境をまとめること、そして、あの蛇のことを紹介するためです。
蛇の名前はサッちゃんです。
理由は?なんとなくです。
……
『雛里(裏)』
この外史始める時に雛里ちゃんは黒くないと言っていたな?
ごめん、ありゃ嘘だ。
違う意味で黒い雛里ちゃんがここにありました。
もう何重の意味で黒いです。
尺が余ったら雛里ちゃんの黒歴史を持って紹介してもよかったのですけどn
ガーン!
あ、そして、雛里ちゃん、長く逢えなくなる旦那さまに何もせず送ることは些か悲しいところがあります。
ガーン!
おうふ、死ぬ……
『真理(裏)』
この外史の隠れたセカンドヒロイン、真理ちゃんです。
『隠れた』セカンドというのは、本当にセカンドヒロインは倉ちゃんだからです。
でも、ある意味まだ倉ちゃんは一刀のことをそんなふう見てないですけど、真理ちゃんはもう発言が雛里ちゃん以上に大胆なのが、さすが孔明の妹です。
雛里ちゃんは昔の一刀さんの時はもうちょっと積極的な一刀さんを望んでいたくせに、今の時も場所も考えず愛を叫ぶこの一刀さんには引いてるので、真理ちゃんに無闇に点数が上がってきています。
そして、この密会である。
真理ちゃんがもうちょっと年があったらやばかったですね。
正妻の位置ひっくり返されますよ、雛里ちゃ
ガーン!
ま、まぁ……一刀さんがあまりにも雛里ちゃん一直線なせいで、真理ちゃんが認められる日は結構遠いですけどね…
次の一刀さんなら違うでしょうか(おいまた殺す気か)
『周瑜(裏)』
魯粛さんの設定、またグゥレイトーさんのから持ってきました。真名は深月です。
詳しくは http://www.tinami.com/view/195445
魯粛は歴史では周瑜が自分が死んだ後孫権を任せたぐらいですから…まぁ、信用できる友だったということはわかりますね。
魯粛と周瑜の出会いは、周瑜がある居巣県というところの長だったとき、資金などを求める周瑜に魯粛は家にあった二つの倉のうち一つをまるごと施したそうです。太っ腹ですね。
周瑜の死以後も、孫権に『帝王になれ』と言うなど、すごい大胆な戦略と青写真を持っていた人です。
「方正謹厳で、自らを飾ることが少なく、その生活は内外共に質素であった。人々がもてはやすようなことには興味を示さなかった。軍の指揮に当たっては、なおざりなところがなく、禁令は誤りなく行なわれた。軍旅の間にある時にも、書物を手から離すことなく、また思慮は遠くに及んで、人なみ優れた明察力を備えていた。周瑜なきあと、呉を代表する人物であった」と評している(『呉書』)。(by Wikipedia)
上の話を充実に従い、目立たず、文台の時は静かに親友である冥琳を見届ける姿を裏に写してください。
が、この外史では本家から呼び戻されてしまいます。元々魯粛は家業を放りだした人に出ますが、ここでは司馬徽に恩がある魯粛の母により強制的に戻されます。
百合とは違いは、深月はできれば周瑜を一人にしたくない(周瑜一人で雪蓮を支えることになれば、きっと身を害すると思っている)と思いますが、
百合の場合周瑜との仲を考えるとしても、雪蓮の元にはいたくないという気持ちがあります。
深月が周瑜のために孫呉に仕えた反面、百合は孫呉のことを考え孫呉に残っていましたが、孫策の性質が文台の王の器に及ばぬことを見て、ここを去ることを惜しまない。
ここで百合と深月の共通的な考え。
『文台さまが生きていたなら孫策に王位を譲らなかった』という考えです。
冥琳は二人の考えに気づくもそれを認めようとしません。
が、一刀が言った通りに、今のままの孫策なら、孫家を建て直すことにこそは力になるものの、それから孫呉を守ることは出来ない。孫策は一人の猛者にはなれど王としての器がない。このまま孫策が孫家を率いていては、孫呉はいつか孫策のその血気余った野望と共に砕け散る。
冥琳は昔から孫策と天下を手にすることを誓っていましたが、それを知らず、孫策の性質を知る二人としては、今のような孫策が率いる孫呉の終末が目に見えていました。
そして百合の場合、蓮華さまが孫家を率いていれば自分はここに残っていたとまで言います。
深月と百合は孫家には仕える。が、そのため孫策には仕えないと思う反面、
冥琳は雪蓮を支えることが全てです。
原作で雪蓮が死ぬと冥琳は孫呉のために身が病魔に蝕まれることも構わず孫権を支えるように見えますが、自分には孫策が居ない天など、孫呉などに残っていたくないと思うように覚えました。無印の時の周瑜がそうでしたね。
『孫策(裏)』
取り敢えず一刀に散々言われます。
そして、一刀によって百合と深月が冥琳が言おうとしていたことを直接聞かれます。
孫策がこれから百合と深月が言ったように孫呉と共に砕け散るか否かは、これから孫策の変化によって変わるでしょう。
最後に孫策は自分が孫伯符でなく孫呉になると叫びます。
実は孫策はそういうイメージがあります。
孫策はいつも自由に過ごしているように見えるけど、『王』になった瞬間、もう孫策は女の子としての自分は捨てています。
文台が王であるために母としての自分を諦めたかのように、孫策もまた国のために自分の存在を犠牲にするでしょう。
そして、その犠牲はいつか妹たちのための国基礎を築いてくれる。
一人で泥は全部付けて、咲くこともできず悲しく散っていく華、それは孫呉の長女、孫策ではないでしょうか。
『一刀(裏)』
別に言うことなし。
いっておきますが、この後普通に百合と一緖に塾に帰ります。
孫策は彼が城で百合をつれて帰るのを何も言わぬまま見送り、一人でまた酒を飲み始めるでしょう。
一刀はもう二度と彼女たちに会わないように祈りながら先に進みますが、結局また会うしかないとこは、誰よりも一刀本人が良くしっていることを……
次回はいよいよ旅立ちます。
第二章はそこで起こる事件がまとまったら多分終わります。
場所は荊州から新野に行く港。
そこで一刀は雛里ちゃんを見失ってしまいます。
別れた雛里ちゃんと一刀&倉、二人は各々誰かに出会いますが彼らは一体……
みたいな次回予告いれながら……
ノシノシ
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真・恋姫無双の雛里√です。
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コメントは外史の作り手たちの心の安らぎ場です。
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