No.229865

GROW3 第五章 体育祭二日目 武道大会一日目 part2

しゃなさん

夢幻戦の決着編と他の試合の進行状況です

 

2011-07-22 20:49:35 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:447   閲覧ユーザー数:443

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「領域魔法(フィールドまほう)“夢幻”っ!!!」

 

 夢幻が大きな声を放つと、会場全体がすっぽりとどす黒い闇に覆い隠された。

 地上に降り立つ夢幻。その身体からは、うす紫色の煙が上がっている。

 

  

 「これが“夢幻”?」

 “夢幻”の発動とともに起きたことに、少しうろたえるものの、俺はじっと夢幻を見据えた。

 (別に姿が消えるわけではないのか?この技の正体は?)

 「早く来いよ彰文。すぐにわかる・・・」

 もはや勝ちを確定したかのように、夢幻が手招きをしてくる。もうさっき使ったような手は

恐らく通用しないだろう。

 俺は夢幻の誘いに乗った。

 さっきと同じように距離を詰める。先ほどとは違うのは、夢幻が動こうとしないだけだ。

 俺は鳩尾を狙って下段からの蹴りを入れる。

 しかし・・・・

 

 ふわっっ

 「なっ!?」

 俺の攻撃は、蹴った足ごと夢幻の身体をすり抜ける。

 夢幻の身体は先ほどと同じ場所のままだ。

 だが、俺の攻撃した部分だけ無くなっている。まるで煙を攻撃したように・・・

 「どうやらお前の修行とやらはこの程度だったらしいな・・・」

 振り返り様に夢幻が言う。

 「どういうことだ。確かにお前の気は消えてなかった筈なのになぜ?」

 「残念だよ彰文。真実に気づけないとはな。

お前は俺に勝つつもりでいたようだが、俺はお前を勝たせる気は毛頭ない・・・

 平泉京兆間玄武(ひらいずみけふちょうげんげんぶ)」

 ザザザザザザっ

 夢幻の身体が分裂して俺を取り囲む。

 「全部に気が宿ってる。ぜ、全部が本物の筈がないのに・・・」

 「ちょっと早いが終わりだな。こんなにあっけないとは残念・・・

百進玄武(びゃくしんげんぶ)!!」

 夢幻の分身が攻撃を仕掛けてくる。

 こちらも対抗しようと反撃を試みるが、先ほどと同様に触れることすらできない・・・

 「くっ」

 「もっと冷静になれ彰文。目で見るだけが真実か?」

 どこぞから聞こえる声。

 夢幻の分身は飛びまわるだけで攻撃自体はしてこない。

 まさかっ・・・

 俺は目を閉じて心を落ち着かせる。

 ドクッ、ドクッ、ドクッ

 自分の心臓の鼓動が大きく聞こえる。

 スススッ

 そこだっ!

 バキィィィィィーーーーーン

 俺は夢幻のパンチを上げた右膝(ひざ)で受け止めていた。

 シュウゥゥゥゥ・・・・

 「ほぅ、よく受け止めたな。」

 ニヤリと笑う夢幻。再び闇へと姿を消す。

 「くっ。」

 俺の右足の膝は、今の一撃でひびが入ってしまったようだ。

 激痛で顔がゆがむ。

 「闇からの襲撃(インダークネスクロドフィア)」

 「十の字受け身」

 俺は夢幻の攻撃を、両腕をクロスにさせて受け止める。

 さっきよりも夢幻の動きが見える。

 だが、防戦一方だ。

 「(破壊の一蹴り)イーワンソルジュ」

 続けざまに夢幻からの攻撃を受け、両腕の骨が粉砕する。

 「ぐああああああああああああああああああああっ」

 「苦しんでいる暇があるか?」

 「ああっ・・・」

 吹き飛んだ俺に、夢幻は接近する。左手を表向きに返し、地面擦れ擦れになる高さまで

降ろしたまま。

 「終わりだ彰文!心臓を貫く一本槍(ゲイ・ボルグ)ッッ!!」

 ギラッッッ

 ぐぐぐぐぐぐぐ

 「あああああああああああああああああああああああああああああっ」

 俺は吹き飛んだままで空中にある身体を無理やり回転させる。

 そのまま夢幻の右手に向かって回し蹴りを入れる。

 ドガシャアアアアアン

 バキャァァァァァっ

 勢い良く決まった回し蹴りで、顔面が地面にめり込む夢幻。

 「がはっっ」

 俺はかろうじて立ち上がるが、今の攻撃で左足も駄目になる。

 両足がガクガクなりながらかろうじて立っているに過ぎない・・・

 

 パラパラパラパラ 

 「ちっ・・・」

 夢幻は何事もなかったように立ち上がる。

 下を向いたままの顔には殺気が溢れている。

 「ふふふふふふふ、はははははははは。

まったくやってくれる。戦い方のた、もないむちゃくちゃなやり方だよ。

だからこそ面白い。だからこそ俺に反撃できた。だがもう終わりだ・・・

その身体じゃもう無理だろう・・・」

 「確かにな」

 俺は両手足がボロボロだ。確かに動けないだろうな。

 「ははっ。まだ戦う気か。“夢幻”の攻略はできたか?」

 そんな問いに俺は答えた。

 「そんなもの必要ない。ただお前を真っすぐ狙えばいい・・・」

 「ふふふふふ。やっぱりお前はそっちのほうがいい。無駄に理屈めいた戦い方は似合わん。」

 「ああ。ゴリ押させてもらう」

 「いいだろう。“幻想夢現”(げんそうゆめうつつ)!!」

 さらに濃くなる会場の煙。だが今の俺には一つの動く

物体しかとらえていない。

 ぐっ

 拳を握る俺。無駄話の間に再生させたが持つのは1,2発くらいか・・・

 

 「仙道割烹(せんどうかっぽう)」

 後ろから現れる夢幻。巨大な布が俺を覆い尽くす。

 だがもう遅い・・・

 俺はもう攻撃態勢に入っていた。

 「破原術式硬式十式(はげんじゅつしきこうげんじっしき)」

 ドカァァァン

 ガラガラガラ・・・

 「なっ!?」

 

 俺が狙ったのは地面。

 会場の地面が粉々になり、夢幻の目の前に散乱する。

 その岩を自分の術で引き寄せたため、夢幻の周りは岩だらけになる。

 「サルまねを・・・」

 岩にまぎれで風精霊(デコイ)を多数飛ばす。

 完全に俺を見失う夢幻。

 その隙に、夢幻に接近した俺は、夢幻に攻撃を仕掛けた。

 「混合術式マイナス三式」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッ

 強力なパンチが夢幻を完全に捉え、周りの岩ごと粉々にする。

 本来相手の体力に応じて打つこの攻撃。

 零式が相手の体力を示すが、マイナスとは一式増すごとに零から10パーセント攻撃が

増すわけだ。

 つまり体力の零からさらに三十パーセントの攻撃を加えたということだ。

 相手が夢幻相手ではこのくらいでないと勝てそうにないからな・・・

 

 そんな中、倒れた夢幻に審判がカウントを始めようとした時、夢幻が平然と立ち上がった。

 「まったく、随分とせこい攻撃だな。かなり効いたよ・・・」

 「ばかな!?あれをまともに食らってまだ。」

 驚く俺。だが効いていないわけではないようだ。

 しかし・・・

 「その身体じゃもう動けねェみたいだな。おしかったな彰文・・・」

 一度夢幻が倒れたせいか、周りの“夢幻”は消えていた。

 だがもう一度発動させないところを見ると、その必要がないのだろうか・・・

 「終わりだ彰文・・・

勝者へ告げる敗者からの祝福の鐘(インディサンディメントオブススランディサエリルド)」

 カァーーン、カァーーン、カァーーーン・・・

 会場に鳴り渡るきれいな鐘の音。どうゆうことだ?

 「見事な戦いぶりだったぞ彰文。最後は完全に俺の夢幻を破った。

参ったよまったく・・・」

 「一体どういうことだ?夢幻は負けを認めたのか・・・」

 わけがわからない俺。会場のみんなも理解していないようだ。

 「彰文。今回は初見殺しで俺のほうが有利だったかもしれん。だが、それでもお前は俺に

負けを認めさせた。お前の眼を見た時思った。

俺はこいつに負けたのだと・・・

お前はその状態でまだ俺と戦おうとしているな・・・

まったく、しょうがないばかだな・・・

だが、そんなお前だからこそ次に進むべきだ。

何か目標があるのだろう?

俺の分まで戦ってこい!!!」

 大声で宣言すると、夢幻は口から大量の血を吐いて倒れた。

 どうやらあれを食らったまま我慢し続けていたらしい。

 「夢幻っ」

 急いで夢幻に駆け寄ろうとしたが、俺はそこで意識が無くなった。

 

 

 

 2

 

 俺はその後の三回戦、手足に包帯をぐるぐる巻きにして出場。

 相手を一撃で倒して次に駒を進めた。

 四回戦は明日なので俺は休憩室で治療を開始したのだ。

 俺の、次の相手は刹那さんだ。

 その次当たる相手は、舞華ちゃんになりそうだ・・・

 

 「全く、とんでもない学校だな・・・」

 

 

 

 3

 

 そんなことを言う俺だったが裏のC、Dパートは地獄と化していた。

 表生徒会、織物双子、同じく湖都海天使。

 この表の連中がげに恐ろしい。

 

 Cパート二回戦第一試合

 織物 衣(おりもの ころも)VS歩発天(ホッパンテン)

 

 「もうやめでぐれぇぇぇぇっっ」

 「弱いのに出張るからさ。さっさと消えな・・・」

  

 

 バチバチバチバチバチッッ

 「なっ!?」

 「雷電花音っ」

 バリバリバリバリッ

 「ぐああああああああああああああああああああああああああっ」

 ドサッ

 

 しょ、勝者。織物衣!

 

 同じくCパート二回戦第二試合

 湖都海 天使(コトミ オアシス)VSボルト=カルマ

 

 「なんで攻撃が届かない」

 「ここに君の居場所はないよ・・・リヴァイアサン」

 「な、なんだこれは!?きょ、巨大な海蛇がぁぁぁぁぁっ」

 「殺戮天使(ジェノサイド・オアシス)の名のもとに・・・」

 「あああああああああああああああああああああああああああ」

  

 しょ、勝者。湖都海天使。

 

 「早く衣と戦いたいよ・・・」

  

 そしてDパート二回戦第一試合

 王 神(ワン シェン)VS織物 文辺(おりもの もんぺ)

 

 「八卦杜愕両黄(はっけとがくりょうごん)」

 「古代の極め、六角天我(りくすいてんが)」

 ガガガガガガガガ

 激しい打ちあいの中、一方的に王の体勢が崩れ出す。

 「足元がお留守だよ・・・」

 とっ、

 足元をすくわれそのまま一回転させられる。

 「どーしてあげよーかおにーさん・・・」 

 

 

 舌を出して嬉しそうにする文辺。

 「何をする気だ?」

 「ひどいなーおにーさん

なかなか強かったからご褒美あげようとしたのに・・・」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 顔は笑っているがどす黒い気を出す文辺。

 立ち上がろうとする王だが、腹に足を乗っけられて立ち上がれない。

 「ふふふふふふふふふふ」

 バキバキバキバキバキ

 「ぐあああああああああああああああああああああああああああああああ」

 骨が砕かれて悲鳴を上げる王。

 「ごめんねぇーーーーー。次の相手がちょっと楽しみでテンション上がっちゃったぁーー。」

 

 勝者、織物文辺。

 「楽しみだよエイミーちゃん(*^_^*)」

 

 

 

 4

 

 その後は、衣さんと天使ちゃんは四回戦へと進出した。

 そして・・・

 

 Dパート第三回戦第一試合

 織物 文辺VSエイミー=エヴァンス

 

 戦いが始まった・・・

 

 

 

 5

 

 次回予告

 

 GROW3 第六章 体育祭二日目 武道大会一日目part3

 

 ではでは


 
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