第4話 黄巾の乱
184年冀州にて張角・張宝・張梁の3人が中心となった黄巾の乱が勃発した。そしてその波は一気に世間に伝わり、各地で漢王朝への不満から農民等が蜂起した。彼らは等しく黄色の布を頭に巻き、「蒼天すでに死し、黄天まさに立つべし」を合言葉に行軍したが、大規模な勢力になってしまった黄巾賊の秩序は崩壊し、村々を襲い、略奪や殺人を起こすようになった。
黄巾賊に恐怖した漢王朝は官軍を鎮圧のために複数回派遣するが敗退。その対処に困った朝廷は各地に義勇軍を募集し、他人まかせの状況を作り上げた。
この義勇軍の高札を見た諸侯は自分の兵をまとめ黄巾賊討伐に繰り出していく。そして世界は戦乱の世に突入する
井州、丁原(真名茜)居城
城内にある鍛錬場にて模擬戦が行われていた。
「はぁぁぁぁぁぁ!」
2本の刀を構えて一刀が地面を蹴り、恋に肉薄する。
「フッ!」
恋は気合の声とともに方天画戟を振り上げる。
一刀はその攻撃を体を横に反らしてよける。
「はぁ!」
体勢を立て直した一刀は右手の刀を振り下ろす。
同時に逆手に持った左手の刀を横薙ぎに振るう。
ガキィン
恋を振り上げた方天画戟を引きよせ防御する。そのまま鍔競り合いの状況になった・・・
「くっそ、いまの防ぐのか。恋」
「・・・いまのは危なかった・・・でもこれで終わり」
鍔競り合いの状態で恋が力を一気にかけて一刀を少し押し飛ばした。
「くっ!」
膠着状態だった体勢から急に変わり一刀の体勢が崩れる。
その隙に恋は方天画戟を横薙ぎに振るった。
―――!!!
一刀の真横から迫る方天画戟を2本の刀を交差させて防ごうとするが・・・
「・・・・無駄・・・」
「!!グワッ!!」
戟の衝撃をとめきれず一刀は吹き飛ばされる。2.3回地面を回ったところで一刀の体は止まった。
「そこまでや!勝者 恋!」
2人の模擬戦の審判をしていた霞が声を上げる。
その声に周りで見物していた人も喚起の声をあげて回りは騒がしくなる。
そんな中、恋は自分が吹き飛ばしてしまった一刀に駆け寄る。
「・・・・・ご主人様・・・大丈夫・・・?」
返事なし・・・ただの屍のようだ・・・
「一刀は大丈夫かいな?」
動きのない一刀を心配した霞も駆け寄ってくる。
「(フルフル)」
「あらま~これ完全に気を失ってるわ・・・・気を失ってる状況で体を動かすと悪いから目覚めるまで待とか、恋」
「・・・・わかった・・・霞」
恋は目覚めない一刀の頭を膝に乗せている。いわゆる膝枕状態。
修行の旅の中で恋と一刀は何度も模擬戦をしたが、たまに打ち所が悪く、気を失っていた一刀を心配した恋が気絶しているときにはどうしたらいいのか一刀に聞いたら・・・
「気絶してしまったときとかは恋に膝枕とかしてくれると起きた時にうれしいかな?」
と一刀が言ったのでそれ以降一刀が気を失ったときは恋は膝枕をするようになった。
「かわええ、寝顔やなぁ・・・フニフニ」
寝ている一刀の横に霞も座り、一刀の頬を突いてる。
霞はこの城の城主である茜の養子として井州の騎馬隊の隊長して動いている。
そして一刀・恋は5年前の約束どおりに茜の元をたずねた際、客将として迎えられた。
一刀はその待遇に驚いたが
「あなた達は私みたいな小さな器には大きすぎる力を持っているわ。私はあなた達の帰って来る場所を提供するだけよ。だからここは自分の家とおもってくつろいで頂戴」
という茜の言葉によって一刀は引きとどまった。
「あら?一刀はまた恋に負けたのね?」
城内から茜が鍛錬場に歩きながら倒れている一刀と膝枕をしている恋の姿をみて声をかける。
「・・・・(コクコク)」
「でも、すごかったでぇ~茜かあ様。いまの2人に勝てるやつはそうはおらんわ」
「5年前でも十分武芸に秀でているとはおもっていたけど更に向上させようとするんだから性質が悪いわね」
と茜と霞は笑いながら賞賛の言葉を送る。
その後3人は絶賛気絶中の一刀の間において雑談をしていると・・・城内から兵が茜の元に走ってきた。
「火急の知らせです!」
伝令の非常事態の様子に茜は真剣な顔付きになる。
「どうした?!」
「黄巾賊が領内に複数現れたとのこと!すでにいくつかの村に被害が出ている模様です!」
「なんだと!・・・こちらのほうまで勢力を伸ばしていたのか・・・霞!」
「は!」
「騎馬隊を率いて襲撃をうけた村の被害および賊の進行状況を探れ!」
「御意!張遼隊でるで!いそいで準備せえ!」
霞は近くの壁に立てかけてあった自分の武器を取りながら近くにいた自分の隊の兵士に指示を出す。
「恋、まだ一刀はまだ目は「行けます」・・・え?」
気絶してるものと思われていた一刀がゆっくりと体を起こす。
「大丈夫か?一刀」
一刀は声には出さずに頷いて返事をする。
「わかった。一刀と恋は歩兵部隊を率いてこちらに向かってきている敵本隊の迎撃を行ってくれ。でもまだ敵の数は分かっていないから兵力差が激しいようならすぐに撤退するように。」
「御意」「・・・・わかった」
一刀と恋はお互い武器を取り立ち上がった。そして一刀は兵に向かって叫んだ。
「北郷隊、呂布隊でるぞ!」
「「おおおおおおおおお」」
部隊編成を終えた一刀と恋の隊が城から出陣していく。
その風景を茜は城門上の見張り台から見ていた。
―――気をつけて言ってくるのよ・・・あなた達が帰ってくる場所は必ず守るから・・・
一刀たちは偵察を終えた霞の部隊と合流し城門から約半里ほど離れた場所に陣をとった。
3,4個の集団だった賊の集団は1つにまとまり一刀たちとは川を挟んで対峙している。
その夜一刀たちの本陣陣にて一刀・恋・霞そして各隊の小隊長が軍議を行っていた。
「敵の兵力はおよそ1万や。襲撃をうけた村に関してやけど、大分の村で事前に避難を行うことができて人的被害はすくないみたいや。敵兵種は騎馬・槍もちはほとんどおらん。農民上がりと盗賊とかの集まりっていったところやな」
偵察に出てた霞が報告する。
「わかった。霞、ありがとう。」
―――さて・・・兵力はこちらが約5000に対し敵軍が1万・・・兵力差は2倍か・・・
「で・・・一刀どうするんや?」
目を閉じて熟考していた一刀が案がまとまったのか目を開けた。
「歩兵部隊の先陣をオレと恋で固める。ほかの兵は専守防衛に徹して敵戦線を引っ張り出すから霞は騎馬隊を率いて戦場を回避し、敵後方から敵本陣を奇襲してくれ。」
「その案はかまんけどもし敵戦線が進まなかったらどうするん?」
「その場合は予定変更。専守防衛を中断しこちらから攻める。おれと恋が敵戦線の中央を切り開くから本陣に残ってる騎馬隊でその間を突撃掛けてもらう。この際霞の部隊は左翼右翼のどちらかに横槍をいれてくれ。いけそうなら予定通り本陣を強襲してもいい。そこらの判断はまかせる。」
「了解や」
「よし!攻撃開始は早朝日の出!各自準備しておいてくれ!」
「「「「了解」」」」」
日の出・・・・
「よし、いくぞ!全軍抜刀!進めぇ!」
一刀は剣を上に掲げた後に前に振り下ろし全軍に合図を送る。
「おおおおおおおおおおおおおおおおお」
こうして黄巾賊と一刀達との戦いが始まった。
あとがき
どうも、作者です(´・ω・)
なんだかんだいって4話目・・・ついに黄巾党と霞姉さまの登場です。
4話に関して)
前回までがプロローグ、そして今回から第1章となります。第1章では基本黄巾党関連の話になる予定で、まだ登場していない武将たちを出していきます
謝罪)
一刀がどれほど強くなったのかは、今回ではあまり分からないと思います。
前回でのコメントで「次回分かります」とか書いたのにこんなので大丈夫か?とも思いましたが、恋も一刀同様にまた強くなったと解釈していただければありがたく感じます
最後に多くのコメント、応援メッセありがとうございます。
コメントとかがとても励みになり小説作成のモチベ向上に繋がっております。
まだまだ甘い文章だったりしますので、生暖かい目で見ていってくださると光栄です。
追記)
誤字脱字等あれば遠慮なくコメください
作者も一応見直しはして直してはいますけどぬけているのでよろしくおねがいします(´・ω・`)
Tweet |
|
|
82
|
4
|
追加するフォルダを選択
ついに動き始める戦乱の世
5年の旅を終えた一刀たちは丁原を頼り井州へ。
新たな仲間が合流し、戦乱へ・・・
作者)
続きを表示