あらすじ。
現代に戻ってきたと思ったら何故か関羽さんと呂布さんがいたでござる。
ちょ、ちょっとまってくれ!?
何でフランチェスカにこの二人が?
っていうかなんで制服きてるんだ!?
「一体なん「どうしたんですか!?」ひぇえ!?な、何が?」
こわっ!
ていうか何で二人とも怒ってるの!?
真名呼んでないし、いや…これは怒ってるっていうよりショックをうけてる感じか?
「何がじゃありません!
どうして関羽などと呼ぶのです!?」
「恋のことも呂布って……」
「いやだって……関羽さんに呂布さんだよね?」
「そうです!あなたの愛紗です、ご主人様!!
どうして真名で呼んでくれないのです!?」
「恋……何かご主人様怒らせた?」
「いやいやいや、だって真名呼んだりしたら駄目だよね?
というかご主人様って……俺たちそんなに親しくなかったですよね?」
「なっ!?」
「っ……!!」
二人が更に傷ついた表情になる。
なんでだ?だって俺たちは敵同士だったはずで、手を取り合うことになってまだ一日もたってないはずだ。
それに俺はこの二人とはまともに話したことなんてないはずなのに……、
なのになんでこの二人はこんなに俺の言葉で傷ついてるんだ?
「そんな……あんまりです。
ようやく回ってきたご主人様を朝起こしにいく順番の日だというのに……
既に起きていて楽しみが減ってしまったというのに……
真名を呼んでくれないどころか、親しくないなどと……あんまりですご主人様!!」
「恋……悪いことしたなら謝る。
だから捨てないで……ご主人様……!」
「いや、だから……」
何だ何だ?一体何が起こってるんだ?
二人に俺をからかっている様子はない。
それどころか、そんなことをする人たちにも見えない。
そもそも何故フランチェスカに!?
戻ってきたと思ったらどうしてこんな訳のわからない状況に!?
「あ、あのっ、人違いとかじゃないよね?
俺は北郷一刀だよ?それは分かってるんだよね?」
「当然です!私のご主人様は北郷一刀様。
あなた以外いませんっ!!」
「……コク、恋のご主人様はご主人様だけ」
人違いって訳でもないのか?
でもこの二人からご主人様なんて呼ばれるようなことした覚えないんだけど……。
「え……と、ゴメン。二人が嘘を言ってるわけじゃないって分かったけど、
だけど本当に俺には何がなんだか訳がわからないんだ。
だって二人の主は劉備
「あ~いたいた。誰も起こしにこないから心配になって来てみたんだけど、
こんな所でなにやって……」」
俺も、割って入ってきた人物も、関羽さんと呂布さんも、
つまりはその場にいた全員が固まった。
特に俺と割って入ってきた人物はお互い顎が外れそうなくらい口を開けて固まってしまった。
だって仕方ないじゃないか。
自分そっくりの姿形をしていたんだから。
「「お、俺……?」」
「え?ええ!?ご主人様が二人ぃっ!?」
「ご主人様……分裂した?」
俺の目の前に北郷一刀がいた。
何を言ってるかわからないと思うが、俺も分からない。
ただそこに北郷一刀が困惑した表情で俺を見ていた。
「ええと……愛紗、恋、この人は?
なんか物凄く俺に似てるんだけど…?」
「っああ、ご主人様!今、愛紗と…!!」
「?…だって愛紗だろ?」
「はいっ!あなたの愛紗です!!」
関羽さんは凄く嬉しそうな笑顔を浮かべ、俺のそっくりさんを見つめた後、
人が殺せる程の視線で俺を睨みつけてきた。
いや、マジで恐いんだけど!?
「貴様……よくも私を騙してくれたな?
よもやご主人様と瓜二つの姿で現れるとは……っ!
絶対に許さん!!」
「いや、騙すも何も―」
「問答無用!!」
「ってどこから出したのその青龍偃月刀!?」
「私程の武人であれば、己の武器ぐらい気合で呼び出せる!!」
「んなアホな!?」
ってふざけてる場合じゃない!!
関羽さん、本気で怒ってる。
しかも動きが早い!
こっちはまだ何が何だか理解してなくて頭の処理が追いついてないってのに…!
ダメだ!避けられない―!?
思わず目を瞑る。
だが、いつまでたっても衝撃は襲ってこなかった。
なぜなら……
「ダメ……愛紗」
「何故止める!?恋!!」
関羽さんの攻撃を呂布さんが止めてくれたから。
「その男はご主人様の偽者なんだぞ?
しかも私たちを騙して!!」
「違う」
「何が違う!?」
「恋のご主人様はそっち。
でも……この人もご主人様」
「な、何を言って…」
関羽さんの言葉に呂布さんは俺の傍に来て、
その頭を俺の胸にそっと乗せる。
「りょ、呂布さん!?」
「うん、やっぱり同じ匂い」
「匂い…?」
「恋の好きな、ご主人様の匂い……」
そう言って、微笑む。
これがあの呂布さん?戦場で見た時は恐ろしさしか感じなかったけど、
可愛いただの女の子じゃないか……。
「恋~とりあえずそろそろ離れないか~?
出ないと俺、嫉妬しちゃうぞ~」
「大丈夫……恋のご主人様はご主人様だけだから」
今度は俺のそっくりさんの所へ行き、身を寄せる。
それをそっくりさんは頭を撫でて受け入れていた。
そしてその場に残されたのは、俺と……
「あの……関羽さん?」
「……とりあえず、だ」
「は、はい」
「恋が危険がないと判断したみたいだから斬りはしないが、
その身、拘束させてもらうぞ」
……こっちもまだ現状が出来てない今。
ゆっくりこの人たちと話せる場を設けたほうが得策か…。
「…わかった」
でも本当に一体どうなってるんだ?
どうして俺のそっくりさん……いや、現実逃避はもう止めにしよう。
あれはどうみても俺……北郷一刀だ。が、いるんだ?
俺は帰ってきたんじゃないのか?
「おい!」
「え?何ですか?」
「そんな暗い顔をするな!
ご主人様の顔でそんな顔をされると切なくなってしまうじゃないか!!」
「そんなこと言われても……」
「その顔も禁止だぁ!!」
じゃあどんな顔でいろと?と思ったが、
顔を赤くしながら怒る関羽さんは少し可愛かった。
ど、そこにもう一人の俺がやってくる。
「あの…さ」
「うん」
とりあえず何から聞けばいいのか、お互いが迷っているとそこに
化け物があらわれた。
「だぁれが筋肉に包まれた肉団子みたいな化け物ですってぇぇぇ!!?」
「いや、そこまで言ってないからっ!?」
「うわ~ほんとにお兄ちゃんそっくになのだ」
「ねぇお母さん。ご主人様が二人いるよ」
「ほんとねぇ」
「一刀が二人…?」
「何とも面妖な…」
「おい秋蘭、北郷が二人いるということは
一人は斬っていいということか」
「私が許可するわ、やりなさい春蘭!」
「姉者違うから。それから桂花、姉者を煽るな」
「一刀が二人なんて……ダメよ一刀!体がもたないっ」
「変な妄想は止めてください蓮華さま……」
「らっき~!じゃあもう一人の一刀はシャオが貰うねっ」
今、俺たちは校長室に集められていた。
信じられないことだが、あの筋肉ダルマがフランチェスカの校長だったんだ。
そうして俺は今校長室に来ていて、俺の周りにはさっきあったもう一人の俺と、そのもう一人の俺を中心に魏、呉、蜀、の面々が俺を囲み座っていた。
皆が皆、好機の目で俺を見てくる。
けど今の俺にはそんなこと気にならなかった。
だって、目の前に魏の皆がいるんだ!
始め駆け寄ろうとしたけど、話しをしてからとあの筋肉ダルマ改め貂蝉になだめられ、
まだ声をかけられていない。
ただ一つ気になるのは、どうして皆が此処にいるかってことなんかより、
魏の皆も俺を好機な目で見てるってことだった。
「さぁて皆集まったことだし、始めましょうか」
「そうね」
「うん」
「分かったわ」
と、皆が頷くなか、俺だけが頷けなかった。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。
これで全員じゃないだろ?
全員集まってからの方がいいんじゃないか?」
まだ魏のメンバーは全員揃っていない。
風、稟、流琉、凪、沙和、真桜、天和、地和、人和。
まだこれだけのメンバーが来ていない。
それに蜀だって劉備さんがいないし、
呉は孫策さんがいない。
皆来てからのほうが絶対いいだろう。
それに、早く他の魏のメンバーにも会いたいし。
けど、そんな想いは簡単に砕け散ることになる。
「え~と、一応これで全員なんだけど」
もう一人の俺の言葉。
その言葉に俺は動きを止めた。
「魏もこれで全員よ」
「呉もいるわ」
な…にを言っているんだこの人たちは?
嫌な考えが頭を過ぎる。
嫌だ。考えたくない。認めたくない。
「嘘つくなって、そんなわけ……ないだろ?」
「いや、嘘じゃないんだけど……」
「だって……足りないだろどう考えても」
「足りないって言われても……」
「だって!!」
大きな声。
静まり返る室内。
視線が俺に集まる。
そんなこと気にしてなんていられなかった。
「そ、そうだ桂花!稟と風はまだ来ないのか?」
「は、はぁ?誰よそれ」
「っ……はは、今は俺を苛めないでくれよ。
稟と風だよ?桂花と合わせて魏の三軍師って呼ばれてたじゃないか?」
「なっ、何言ってるのよ!!
魏の、華琳さまの軍師は私だけよ!
とうとう頭湧いちゃった?この変態!!」
なんで……。
「……っだったら季衣!」
「な、何?兄ちゃん?」
「流琉は?流琉はいるよな!?
お前の親友だもんな?」
「……?僕、兄ちゃんが何言ってるのかわからないよ。
流琉って誰?」
なんで……。
「霞!!」
「な、なんや?」
「な、凪たちはどこかな?見当たらないんだけど……」
「何言うとんのや?そんな名前聞いたこともないわ」
なんで……。
「じゃ、じゃあ天和たちは!?
役満シスターズは知ってるよな!?」
俺の言葉に皆、首を傾けるだけで頷いてくれない。
なんで……。
「蜀はいるよな!?重要な人物がまだいないじゃないか!」
「あの……ウチは蜀ではなく『北郷』という名なんですが」
「……っ……は、はは何だよそれ?
嘘言わないでくれよ諸葛亮さん」
「はわわ、嘘じゃないです」
「か、関羽さん!!」
「何だ?」
「りゅ、劉備さんはどこにいるのかな?
さっきから見当たらないんだけど」
「……残念ながら劉備という人物はここにはいない」
「う、嘘だ!だって、劉備は君の主だろ!?
諸葛亮さんだって…蜀のみんなの主はあの劉備さんじゃないか!!」
「違います。私たちの主は北郷一刀様。ただ一人です」
その言葉に頷く蜀の皆。
なんでだよ……そうじゃないだろ!!
君たちの主は劉備さんのはずだろ!!?
「だったら呉は……呉はどうなんだよ?
いないじゃないか、呉の王・孫策さんが!?
それに周喩さんだって……!」
「お姉様は死んだわ……冥琳も。
今は私が呉の王よ」
「……嘘だ……だって、だってだって!!」
「それにね一刀……」
「か……りん?」
「私たちは北郷軍に破れ、下ったの。
つまり魏も呉もなく、今、私たちの王はこの一刀なのよ」
その言葉は、一番聞きたくなかった相手から言われた。
一気に力が抜け、俺は床に膝をついた。
続く。
あとがき。
てな感じで二回目終了です。
文章書いてて恋ちゃんがいとおしくなってしまい、恋ちゃんの拠点をやってしまいましたww
恋かわいいよ恋。
ではまた次回にノシ
一刀君に幸あれ。
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フランチェスカに戻ってきた一刀。
だがそこで一刀を待ち受けていたものは、
目を瞑りたくなる現実だった。