劉備の頭から手を離し、一刀は元の位置に戻る。
「・・・んで?俺を殺そうとしたのは誰なんだ?」
「・・・それは・・・」
孔明は成都での事件の一部始終を話した。
「ふーん・・・で?そのオッサンの身元は割れたのか?」
「それが妙なんです。あの後あの人の身辺を探ってみたのですが、情報がほとんど出てこなかったんです」
「ねね達の方の実行犯の4人は?」
「彼らも同じです」
「・・・誰もそいつらの事知らなかったのか?」
「正直目立った所もない仕事ぶりも平凡な文官の方でした、何時入ったかと言うのも分からない程に・・・」
孔明の答えに一刀は首を傾げる。
「何かおかしいなあ?」
「正直何処かの国の陰謀ではないか?とも思いましたがこんな事をして得をする勢力はこの大陸には見当たりませんし・・・」
「・・・ふむ」
考え込む一刀。
「ま、俺の暗殺の件があんた等自身の仕業でない事はわかったし、そっちの真相調べるのは後回しだな。とりあえず・・・」
一刀は言った。
「白蓮達をどう止めるかなあ・・・」
白帝城内の会議場
「え~~、それでは改めて魁・呉連合への対策について議論を始めようと思います。まずは・・・」
「ちょっと待て!!」
孔明の言葉に復活した魏延が割り込む。
「何ですか?焔耶さん?」
「連合軍への対策、それは必要だろう。しかし・・・」
魏延はある方向を指差して言った。
「何故この男達が同席しているんだ!?」
魏延の指差した方には椅子に座っている一刀、小蓮、華佗、そしてその後ろに立っている貂蝉、卑弥呼の姿があった。
「おいおい、ご挨拶だな。俺も一緒に対策を考えてやろうってのに」
「お前は敵だろう!」
「まあ、お前らがどうしても戦うってんならそうなるだろうが・・・劉備、あくまで徹底抗戦するか?」
一刀の問いに劉備は
「・・・正直この戦いは意味が無いと思ってます。誰も傷つかず終わるのなら、降伏も考えています」
「桃香様!」
「もう決めたの、焔耶ちゃん」
反論しようとする魏延に劉備はハッキリとそう言った。
「だったら敵対する理由は無いな。問題はあいつ等をどう説得するかってことだが・・・」
「お前があいつ等に降伏の意思を伝えてくれればいいんじゃないのか?」
馬超がストレートに言ってくる。
「こんだけの騒ぎになってるんだぞ?何かあいつ等が動けなくなるような理由がないと・・・」
「呉の王族は血の気が多いから、生半可な理由じゃ退かないと思うよ?」
一刀の言葉に付け加えるように言う小蓮。
「おっかねえよなぁ、俺も身をもって知ったぜ・・・」
一刀が遠い目をする。
嫁選びの時の事を思い出しているのだろう・・・
「・・・て事はシャオも」
「か・ず・と~~~?」
「・・・何でもありません」
小蓮の笑顔に黙り込む一刀
その迫力に雪蓮の笑顔を見た。
やはり姉妹だと一刀は改めて思った。
「仲が良くて妬けちゃうわねん♪」
「結婚前にもう尻に敷かれておるのか。先が思いやられるのう・・・」
「うっせーよ!」
会議場に笑いが響いた
「・・・さて、仲が良いのは結構な事だが、実際どうしたものか・・・」
趙雲の台詞に皆考え込む。
そして
「ん~~・・・なあ劉備?」
「桃香でいいですよ?一刀さん」
「「「「桃香様!?」」」」
皆の驚きの声が響く。
「・・・真名だろ?いいのか?」
「はい」
桃香は即答した。
「・・・ちいと恥かくことになるかも知れないが、それでもいいか?」
「?」
桃香は良くわからないと言った感じで首を傾げた。
そして
「あのな・・・・・・」
一刀の提案に
「「「ふ、ふざけるなあああああ!!」」」
関羽、馬超、魏延は怒りと共に叫んだのだった
もっとも趙雲、馬岱、黄忠、厳顔は面白そうに笑みを浮かべていたのだが・・・
そしてこちらは魁・呉連合軍
「や、やっと抜けた・・・」
ぐったりしながら白蓮は呟いた。
「それにしても、あの迷路にいた怪しい男は何者だったのかしら?」
「さあな?しかしおかげで脱出できたのだから礼を言わねばなるまい・・・」
先に出て来ていた雪蓮達が呟く。
華琳提案の糸作戦によって戻れるようになったので、雪蓮、冥琳も共に石兵八陣に入ってみた。
しかし方向感覚は狂い、雪蓮自慢の勘も働かず途中で戻ろうとした時だった。
「・・・もし?そこの人達」
声のした方を見ると、白い布を頭から被った男が近づいてきた。
そして男は
「ついて来なさい・・・」
そう言って歩き始めた。
雪蓮達は訝しげに思ったが、他に当ても無いので、とりあえずその男について行く事にした。
・・・そしてどれくらい経っただろう
男の先の景色が開けた。
出口に辿りついたのである。
「・・・それでは、私はこれで・・・」
そう言って、迷路に戻っていく男
雪蓮はその男を追ったが、男が角を曲がって、雪蓮がその角で男の曲がった方向を見ると、男の姿は消えていた・・・
「釈然としないわね・・。・あの男、何が目的だったのかしら?」
「・・・同感だが、これで進軍できるんだ。とにかく進もう」
「・・・そうね」
モヤモヤした物を残して、雪蓮達は再び白帝城へと進軍を開始した・・・
そして石兵八陣の中
「ふう」
男は被っていた白い布を脱ぎ捨てた。
「ご苦労だったな、于吉」
「いえいえ、貴方の頼みならこれぐらいなんでもありませんよ」
左慈の言葉に当然とばかりに返す于吉。
「これで戦いは早まるな。蜀の連中には最初の外史での恨みもある。せいぜい派手に負けてもらいたいものだ・・・」
そう言って、左慈は笑みを浮かべるのだった・・・
どうも、アキナスです
いよいよ魁・呉連合軍は白帝城に到着します
一刀の提案とは?
それは成功するのか?
それでは次回に・・・
「ドッコイダー本郷さん直伝岩をも砕いて発泡スチロールキィィィィィィック!!」
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劉備の解答を聞いた一刀
そしてこれからどうするのか・・・