No.225446

そらのおとしもの二次創作 ~エンジェロイド改造計画 シナプス編~

tkさん

『そらのおとしもの』の二次創作になります。
今回は趣向を変えて某人物でも。
かなり前から構想はあったのですが、12巻のツンデレぶりを読んで決行に踏み切りました。

*シュタゲのSSも始めてみました。

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2011-06-29 23:20:03 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1970   閲覧ユーザー数:1883

 私はシナプスの迎撃用エンジェロイドタイプγ(ガンマー)、ハーピー。

 いや正確には私達、か。二体で一つとして扱われるのが私達という存在だから。

 

 そんな私達の創造主にしてマスターは、最近悩み事を抱えている。

「くそっ! なぜ私の作ったエンジェロイドはダイダロスの物に劣るのだ!?」

 苛立たしげにグラスを床にたたきつけるマスターは、地上にいる私達の姉妹を観察していた。

 

 タイプα、イカロス。

 タイプβ、ニンフ。

 タイプΔ、アストレア。

 

 いずれも科学者ダイダロスの作であり、各々の分野にて飛びぬけた性能を持つ私達の姉妹。

 マスターは彼女達を超える『自作』のエンジェロイドが作れない事に怒りを募らせていた。

「…ふむ、なるほど」

 それと同時に彼女達を観察し、メモを取る事も始めていた。

 これまで戯れ程度に関わって来たけど、真剣に対策を講じ始めたらしい。

「改良点はここだな… ここも必要か…」

 正直に言うと、メモに筆を走らせる今のマスターは格好いいと思う。

 元々マスターは端正な顔立ちだし、あの真剣な表情に私は惹かれるのだ。

「よし、大まかにだが見えてきたな。お前たち」

『はいっ!』

「俺は湯あみをしてくる。近々お前たちの改造もプランに入れるから心しておけ」

『はっ!』

 私達の返事に満足しながら、マスターは部屋を出て行った。

 

 

 

 ~エンジェロイド改造計画 シナプス編~

 

 

 

「…ねぇ」

「…なによ」

「マスターのメモ帳、気にならない?」

「あんたねぇ、マスターに廃棄処分されても知らないわよ?」

 マスターの私物を覗くとか、我が姉妹ながら不敬にもほどがある。

「でも私達にも関係する事でしょ? 知っておいてもいいと思うわけよ」

「そりゃ、そうかもしれないけど…」

 確かに気になる。さっき私達の改造プランもあるとか言ってたし。

「どうせ後で知らされる事だし、問題無いわよ。ちょっと覗くだけなんだから」

「…本当にちょっとだけよ」

 申し訳ありません、マスター。ハーピーは悪い子です。

 

 

 

 各エンジェロイド特徴記録。

 これはダウナーがエンジェロイドを評する単語等を収集する事を目的とする。

 

 

 タイプα、イカロス

 

 長所:従順な奉仕タイプ。ご主人様至上主義。メイド属性?

    天然。保護欲をくすぐるタイプ。    

 

 短所:押しが弱く、自己主張に乏しい。

    ヤンデレの素養あり? 内に激情を溜めるタイプか?

 

 

 

 タイプβ、ニンフ

 

 長所:典型的なツンデレ。惚れた相手には尽くすタイプ。 

    ドS? ドM? 要検証。

 

 短所:短気。やや暴力的。

    ツルペタ、しかし一部の層からは評価される。

 

 

 

 タイプΔ、アストレア

 

 長所:豊満なバスト。

    

 短所:バカ。

 

 

 

 傾向:我が作のエンジェロイドに決定的に足りない物は萌え要素という物の様だ。

    それはダウナーの文化から見ても明らかである。ダイダロスめ、それをどこで学んだというのだ。

    もしかしてアレか、サクライトモキの入れ知恵か。おのれサクライトモキ。

    閑話休題。

    

 課題:タイプε、カオスは一定の成果を得た。

    『ロリコン』という人種には受けたが、ヤンデレ要素は諸刃の剣の様だ。

    次は典型的な萌え要素を徹底的に詰め込んでみる。

    エンジェロイドの量産は手間なので、タイプγを被検体として試験を行う事にする。

 

 

 

 

 

「………」

「………」

 他にも色々と意味の分からない単語が並んでいたけど、とりあえず私達の身が危ない事は分かった。

「なんだ、まだここにいたのか。これからお前たちの改造を始めるぞ」

 そして湯あみから戻ってきたマスターが意気揚々と私達を引きずって行く。

 

 

 マジですか。マジでやるんですか。

 

 

 

 

 こんにちは、智樹です。

 いきなりですが、今の僕は大変な状況に置かれています。

 

「サクライトモキ! 覚悟ぉ!!」

 なんと突如ハーピー達が襲撃してきたのです。

 

「で、でもぉ。私達だけで大丈夫かしらぁ?」

 で、大変な状況というのは実は襲撃そのものじゃなくて。

 

「大丈夫、あなたは私が守るわ。べ、別に姉妹だからってわけじゃないんだからねっ!」

「ありがとう、お姉さまぁ」

 ………えーと。こいつら、こんな性格だったっけ?

 

「うーん、形式は間違いなくガンマーのハズなんけど… 何これ、感情制御や思考回路まで改造されてる」

「感情制御?」

「強制的に性格を変更させられているって事。とうとうここまで始めたってわけね」

 ニンフが分かりやすく説明してくれて実に助かる。

 あと、忌々しいという顔で舌うちしないでください。怖いので。

「あっ! 転んじゃいましたぁ~」

「ほら、気をつけなさい。タイが曲がっていてよ」

 お前らにタイなんてねぇよ。

 とにかくこいつらのせいで我が家は異様な空間に包まれているのであった。

「うわー… これは可哀想よねー…」

 アストレアにまで同情されるとか、なんだか俺も本気で可哀想になってきた。

「大丈夫です、マスター」

「おお、イカロス!」

 こいつらを何とかしてやれるのか?

 

 

「消し炭にするのは、どちらにしろ変わりません」

「待てぇぇぇぇぇ!!」

 最近のイカロスさんは外敵に過剰反応気味じゃないかと思う今日この頃です。 

 

 

 

 結局、ハーピー達はニンフにメンテをしてもらってから帰っていった。

 涙ながらにお礼を言ってくるあいつらを見てニンフも満足気だった。

 ホント、シナプスのマスターはろくでもないな。色々な意味で。

 

 

 ~了 桜井家編に続く?~


 
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