執務室を出た二人は中庭にいた
穏は花蓮がしたいことを一緒になってやった
そして暫くすると突然花蓮が謝った
「穏先生…ごめんなさい」
「いいんですよ~…それよりどうしてあんな我が儘いったのかな~?」
穏は花蓮の我が儘がずっと引っかかっていた
花蓮は基本的に甘えん坊ではあるが我が儘はあまり言わない子であった
しかも我が儘を言う時もみんなに迷惑がかからない時しか言わなかったからだ
「…パパたちこの頃忙しそうなの……」
「なるほど~…」
そういうと花蓮は悲しそうな表情をした
保育園でずっと見ていた穏は花蓮の気持ちが痛いほどわかってしまった
穏は酷だと思いながらもあることを聞いた
「花蓮ちゃん…もし一時的にでもパパ達と離れても大丈夫~?」
「……?」
「もし離れたら今以上に忙しくなるかもしれないけど再会した時は忙しい原因がほとんど解消できてたら我慢できますか~?」
「うん♪パパ達の為に我慢する~♪」
花蓮の言葉を聞き動くことを決意した
「じゃあ今日から先生と一緒に行動しましょ~」
「うん♪」
その日の深夜…
「誰だ…」
「……陸遜です。いいですか」
穏は冥琳の部屋の前にいた
冥琳は昼間の事もあり部屋に入れたのだった
「こんな夜更けになんだ」
「師である周瑜様…お許し下さい」
穏はそう言うと懐から短刀を取り出し冥琳に斬りかかった
「甘い!!」
「ふぇ…」
しかし冥琳は身を引き穏の攻撃をかわした
致命傷は負わなかったもののやはり武官ではない冥琳
避けるタイミングを誤まり浅いが傷を負ってしまった
冥琳は止血を行いながら穏を睨みつけながら言った
「伯言!!貴様私になにをしようとしたかわかっているのか!!」
睨まれた穏は臆することなく堂々としていた
そして微笑みながら言いきった
「ええ…そのつもりです」
「ならばどうなるかわかっているな」
「はい」
「ならば何も言わん…追放だ」
「わかりました…但し花蓮ちゃんは頂きます」
「きさ…ま……」
真意を確かめようとした冥琳だったがその場で倒れてしまった
使用した短刀に眠り薬を仕込んでいた為薬が効き始め倒れこんでしまったのだった
穏は冥琳が倒れ動かなくなったのを確認すると部屋を後にした
「花蓮ちゃん~」
「は~い♪」
「今から出かけますよ~」
自室に戻った穏は部屋にいた花蓮と共に城を出る為に声をかけた
昼間穏に夜部屋に来るように言われた為花蓮は部屋にいた
穏の言葉に花蓮はふと思った事を口にした
「うん♪…でも先生~いつ帰ってこれるの~」
「…全て終わった時ですよ~」
穏は花蓮の質問に一瞬影を落とした
いつ決着するかわからない…と言うより失敗すると一生帰れないかもしれなかったからだった
しかしその事を花蓮に言うわけにはいかない為すぐに笑顔に戻り言葉を濁したのだった
「え…」
城門まで来た穏は予想外の光景に驚いた
「遅いぞ!!穏」
「本当ですわ…」
「焔耶お姉ちゃん,麗羽お姉ちゃん♪」
焔耶と麗羽がいたのだ
花蓮は嬉しそうな声を上げたが穏は二人の真意を確かめる為質問した
「あらら~私達を待ち伏せしてたんですか~」
「ああ!!」
焔耶の回答を聞き穏はすぐさま紫煙を構えようとした
その事に気がついた麗羽はすぐさま言葉を続けた
「ですが…戦う為ではなく行動を共にする為ですわ」
「それに私達以外にもいるぞ」
「遅いわよ!!」「麗羽さん焔耶さん終わりましたか?」
「もうお話は済みましたか麗羽様」「早く行こうぜ!!」
焔耶の言葉で今まで息を潜めていた詠,月,斗詩,猪々子も穏達の前に立った
麗羽達の言葉ですべてを悟った穏は共に行動する事を承諾した
「わかりました。それじゃあ気を取り直して~…しゅっぱ~つ♪」
穏の号令で一行は成都を後にした
表面上微笑んでいる穏であったか周囲に分らないようある物を取り出しながら考えていた
……冥琳様、これでよかったんですよね
つづく
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ご無沙汰しています
出張時のホテルで書き上げました…
明日から一週間また出張なのでちょっとでも進められたら良いかと思います
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